問題一覧
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45a-13 60 歳の男性。50 歳で筋萎縮性側索硬化症を発症し、自宅療養中である。舌を含めた全身に 筋萎縮があり、上肢筋の萎縮は高度である。Daniels らの徒手筋力テストで肘・股・膝関節 周囲筋 3~4、他は頸部・体幹を含め2。起き上がり動作と歩行とに介助を必要としている。 自宅内での適切な移動方法はどれか。 1.四つ這い移動 2.標準型車椅子での移動 3.肘をついてのいざり移動 4.ピックアップ歩行器歩行 5.杖と装具とを使用した歩行
2 1.3.▶︎× 上肢筋の萎縮が高度であり、頸部・体幹を含め MMT2 である。よって、上肢の過 負荷と体幹保持困難であるため、四つ這い移動や肘をついてのいざり移動は困難 である。 2.▶︎〇 正しい。本症例は、自宅療養中で起き上がり動作と歩行に介助要していることか ら、自宅に介助者がいることが考えられる。よって、介助者の負担軽減・安全性 確保のためにも車椅子の選択が望ましい。 4.▶︎× ピックアップ歩行器は、主に体重の支持やバランスの確保のために使用するが、本 症例は、上肢筋の萎縮が高度であり、頸部・体幹を含め MMT2 であるため、使用 困 難ある。 5.▶︎× 体幹を含め MMT2 であるため、杖と装具のみで四肢を補助しても、歩行自立とはな りにくい。
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47pt-45 球麻痺を伴う筋萎縮性側索硬化症患者とその家族への在宅指導で適切でないのはどれか。 1.自己導尿 2.摂食指導 3.吸入器の取扱い 4.電動車椅子操作 5.コミュニケーションエイドの使用法
答え1 1.自己導尿=排尿障害はないので自己導尿の必要性はない 2.3.4.5.⇒在宅指導として適切
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52p-42 Duchenne 型筋ジストロフィーについて誤っているのはどれか。 1.小学校3~4年では書字動作は保たれる。 2.小学校高学年ではトイレ動作に介助が必要である。 3.小学校高学年での歩行焼失後は四つ這い生活を積極的に指導する。 4.小学校高学年から中学校では美術の時間に補助具の工夫が必要である。 5.中学校から高校ではパソコンの入力装置に工夫が必要である。
答え 3 1.〇 小学3~4年は歩行期であるため、手指の巧緻動作は可能である。 2.〇 小学校高学年は車いす期であり、Stage5~7であるため、自力でのトイレ動作は 困難である。 3. ✕ 小学校高学年において四つ這い移動を積極的に指導することは困難である。小学校 高学年は Stage5~7であり、四つ這い移動の指導は Stage5 までの方法で Stage6では四つ 這いは不可能になる。そのため、車いす操作の指導や出来る範囲での移動動作・姿勢変化動 作を用いて ADL 維持に努めるべきである。 4.小学校高学年は車いす期であり、Stage5~7であるため四肢・体幹の筋力が低下して おり補助具の工夫が必要である。 5.中学から高校は臥床期であり、Stage5~8であるため、四肢・体幹の筋力が低下して おりパソコン入力装置には工夫が必要になる。
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48pt-pm37 Duchenne 型筋ジストロフィーのステージ(厚生省筋委縮研究班の機能障害分類による)で、 ステージの定義に記載のない動作はどれか。 1.階段昇降 2.椅子からの立ち上がり 3.膝歩き 4.四つ這い移動 5.座位保持
答え3 1.〇 階段昇降は、Stage1~2の定義に含まれている。 2.〇 椅子からの立ち上がりは、Stage3の定義に含まれる。 3.✕ 膝歩きは定義にはない 4.〇 四つ這い移動は Stage5の定義に含まれている。 5.〇 座位保持は Stage7に含まれている。
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49pt-pm27 再熱を繰り返している多発性硬化症患者において、ステロイドパルス療法後に介助での座 位が可能となり、理学療法が開始された。適切なのはどれか。 1.スクワット療法を行う。 2.座位バランスの安定化を促す。 3.自主練習として伝い歩きを指導する。 4.疼痛を伴うときには温熱療法を行う。 5.重錘を用いた筋力トレーニングを行う。
答え2 1.3.5.× MS の患者には Uhthoff 徴候や易疲労性みられ、過負荷な運動は体温の上昇につながるた め注意!そのため、MS の患者における理学療法は、負荷が小さいものから取り入れる。 現在、介助での座位が可能になったことから、上記選択肢を行うのは過負荷であると考え られる。 4.× 上記に示したように、MS の患者には Uhthoff 徴候がみられ、体温が上昇することは危険 である。
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1 脊髄損傷の機能残存レベルと可能な動作の組み合わせで正しいのはどれか。 ただし、機能残存レベルより下位は完全麻痺とする。(53 回 AM84) 1. C4-万能カフを用いた食事 2. C5-前方移乗 3. C6-撓側-手掌握り 4. C7-更衣自立 5. C8-長下肢装具での歩行
答. 4 1. C4 での食事は全介助、万能カフを用いるのは C6 2. C5 は介助で移動、前方移乗は C6 3. C6 はテノデーシスアクションで把持、撓側手掌握りは C8 5. C8 は車椅子上で移動、長下肢装具で歩行は T12
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2 頸髄完全損傷の機能残存レベルと課題との組み合わせで誤っているのはどれか。 (46 回 AM82) 1. C4-電動車椅子の操作 2. C5-ベッドへの横移乗 3. C6-長便座への移乗 4. C7-自動車への車椅子への積み込み 5. C8-高床浴槽への出入り
答. 2 C5 でのベッド移乗はリフターが必要、横移乗は C7 で可能
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3 75 歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルの脊髄損傷で四肢不全麻痺。受傷後6か 月経過。端座位の保持と手すりを使用した立ち上がり動作は可能。食事は太柄のフォークで 自立。トイレ動作は見守りが必要。衣服の着脱は介助があれば行える。自宅内は手すり歩行 で移動し、屋外は車椅子移動。 Frankel 分類はどれか。(51 回 AM16) 1. A 2. B 3. C 4. D 5. E
答. 4 症例は、 筋力の低下はあるが実用性のある動作ができる。また手すり使用による歩行も可能 なことから、D であると判断できる
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4 25 歳の女性。交通事故で頸椎脱臼骨折を受傷した。脊髄ショック期は脱したと考えら れる。 MMT で肘屈曲は徒手抵抗に抗する運動が可能であったが、手関節背屈は抗重力位で の保持が困難であった。肛門の随意収縮は不能で、肛門周囲の感覚も脱失していた。目標と する動作で適切なのはどれか。(50 回) 1. 起き上がり 2. 自動車運転 3. 側方移乗 4. 電動車椅子操作 5. トイレ移乗
答. 1 MMT 肘屈曲は C5 レベル、手関節背屈は C6 レベル→C5 レベル機能残存と判断 1. 起き上がり 肘屈曲により体幹を引き寄せ起き上がれる 2. 自動車運転 C6 機能残存レベル(車の改造が必須) 3. 側方移乗 C7 機能残存レベル 4. 電動車椅子操作 C5 機能残存レベルの適応だがすぐ獲得できるため目標として不適切 5. トイレ移乗 C7 機能残存レベル
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5 頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)患者に対する車椅子上の動作指導の方法で誤って いるのはどれか。(48 回 AM17)
答. 4 C6 残存レベルでは体幹筋の活動性は乏しく、背もたれのない端坐位などは非常に不安定に なる。4 のように下肢を挙上させる動作は、体幹機能の安定が必要であり C6 残存レベルで は困難。その他の選択肢は C6 残存レベルの動作で適切と判断できる。
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6 頚髄損傷者の起き上がり動作を図に示す。 Zancolli の四肢麻痺上肢機能分類における最も上位の機能残存レベルはどれか。(58 回 AM11) 1. C5A 2. C5B 3. C6A 4. C6BⅡ 5. C7A
答. 4 C6BⅠ→柵を用いたベッド上でないと行えず、1 人では起き上がれない C6BⅡ→一側ずつ肘伸展位でロックして起き上がる C7A →肘関節・手指伸展が可能、一側ずつ肘伸展位でロックし起き上がる必要はない
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52p-39 慢性閉塞性疾患の ADL 動作で最も息切れを生じやすい動作はどれか 1 食事 2 排尿 3 歯磨き 4 洗髪 5 ズボンの着脱
解答:4 1.3 × 2× 4○ 5× 48p-19 食事・歯磨きなど呼吸が止まる(換気の減少)動作は、血中酸素飽和度が低下し 息切れを起こす可能性があるが選択肢の中により息切れしやすい動作が含まれる ため。 排尿動作には力んだりする動作は少ないため 洗髪は上肢を挙上して行うため負荷も大きく、胸郭の動きも制限されるため。さ らに反復動作であるため血中酸素飽和度が低下して息切れを生じやすい ズボンの着脱は息切れをきたしやすい動作であるが、上肢の更衣の方が息切れを きたしやすいため
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48p-19 46 歳男性、肺気腫、咳や痰が頻繁にあり、労作時の息切れもある。 現在、外 出はできるが 80mほど歩くと息切れのため休まなくてはならない。 この患者のMRC(呼吸困難を評価する質問票)によるグレードはどれか? 1 、グレード0 2 、グレード1 3 、グレード2 4 、グレード3 5 、グレード4
解答:4
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48a-48 分時換気量を変えずに肺胞気量を変えずに肺胞換気量を増加させる呼吸法はどれか ※不適切問題解答 3 つ 1 一回換気量を増やす 2 口すぼめ呼吸を行う 3 横隔膜呼吸を行う 4 呼吸回数をふやす 5 呼気流速を早める
解答:1,2,3 1 ○ 正しい 2 ○ 3 ○ 4 × 口をすぼめることによって、呼気に抵抗をかける呼吸のこと気道内圧が上昇し末梢 の気管支の虚脱を防ぐ 横隔膜呼吸(腹式呼吸)は一回換気量を上昇させるため 呼吸回数を増やしても本問題(分時換気量を変えない場合)では一回換気量が減少 するため、肺胞換気量は減少する 呼気流速を速めると、相対的に呼吸数が増すため、一回換気量が減少するため肺胞換気量が減少する。
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54a-92 慢性閉塞性肺疾患に推奨されないのはどれか。 換気量が減少する。 1 低脂肪食 2 在宅酸素療法 3 上肢の筋力トレーニング 4 下肢の筋力トレーニング 5 インフルエンザワクチンの接種
解答:1 1 ○ 推奨されない。植物性油脂やタンパク質を摂取し効率よく エネルギーアップを図 ることが重要であるため 2 ✕ 推奨される。肺機能低下により十分に酸素を取り込めなくなって低酸素血症起こし呼吸不全になる可能性があるため 3.4 ✕ 推奨される。運動耐用能を上げるために筋力トレーニングが重要。 5 ✕ 推奨される。感染症が重症化しやすくなるため
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50a-16 70歳の男性。身長170cm、体重60kg。慢性心不全でNYHA分類Class Ⅱ。在宅におけるリハビリテーションを行っている。在宅での生活と運動指導で正しいのはどれか。 1.安静時間を長くする 2.ボルグ指数で15程度の運動を勧める 3.体重増加は栄養改善の良い指標である。 4.疲労感が残存している時は運動を休む 5.症状に特別な変化がない場合は服薬を中止する
解答:4 1✕:心臓機能に関わる合併症を予防するために、Class Ⅱでは一日30~60分、週間3~5日程 2✕:ボルグ指数12~13程度の有酸素運動が推奨される。 3✕:体重増加は心不全の増悪徴候である。過去1週間以内に体重が2kg増加した心不全は、運動療法の相対的禁忌である。 4○:過度な運動はかえって症状を悪化させるので、強度の設定には注意が必要である。 5✕:心臓のリモデリング等による心不全悪化・血栓予防、血圧コントロールのためにも服薬は続けなければならない。
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55a-42 慢性心不全患者に対する運動療法の効果として正しいのはどれか。2つ選べ 1.BNPの増加 2.QOLの改善 3.運動耐用能の向上 4.左室駆出率の低下 5.交感神経活性の亢進
解答:2.3 1✕:BNPは主に心室が分泌する循環調整ホルモンである。心室に対する負荷に応じて血中濃度が上昇する。心不全の病態を反映する指標であるので、BNPの増加は心不全の増悪を表している。運動療法は心不全増悪を抑制するので、BNPは増悪しない。 2○:日常生活同一労作における症状の軽減によりQOLを改善する 3.運動耐容能が向上する。 4.左室収縮機能およびリモデリングを増悪しない 5.交感神経の緊張は低下する。
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54A30 関節リウマチにおいて余暇、仕事、身の回りのことの3つの要素から機能状態の程度を示す指標 はどれか。 1.CMI 2.DAS28(disease activity score28) 3.Larsen 分類 4.Sharp score 5.Steinbrocker の class 分類
1.×:CMI 心の健康度を測るテスト 2.×:DAS28 関節リウマチの状態を評価する方法 3.×:Lasen 分類 関節破壊の評価 4.×:Sharp score 関節破壊の程度を評価 5.〇:正しい。機能状態の程度を示す指標
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54P31 関節リウマチにみられる変形と部位の組み合わせで適切なのは どれか。 1.スワンネック変形 — 環軸椎関節 2.ムチランス変形 — 脊柱 3.ボタン穴変形 — 手の母指 4.内反小趾変形 — 足部 5.Z 変形 — 足の母指
1.×:スワンネック変形は DIP 屈曲・PIP 過伸展する変形 2.×:ムチランス変形は中手骨や指節骨の吸収により指が短縮する変形 3.×:ボタン穴変形は DIP 過伸展、PIP 屈曲する変形 4.〇:正しい。内反小指変形は足部(小趾)が内反する変形 5.×:Z 変形はボタン穴変形のような変形が母指に起こりやすい
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53A32 関節リウマチの脊椎病変で最も多いのはどれか 。 1.黄色靱帯骨化 2.環軸椎亜脱臼 3.後縦靭帯骨化 4.脊柱側弯 5.腰椎椎間板ヘルニア
1.×:黄色靭帯骨軟化は、黄色靭帯骨化症でみられる 2.〇:正しい 3.×:後縦靭帯骨化は、後縦靭帯骨化症でみられる 4.×:脊柱側弯は、側弯症でみられる 5.×:腰椎椎間板ヘルニアは、①椎間板の加齢に伴う退行性変 ②重量物を持ち上げる ③スポーツなどの椎間板の圧迫などで起こりやすい
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PT 57 PM 20 60 歳の女性、関節リウマチ。Steinbrocker のステージⅢ、 クラス 3 で寛解状態であり安定して いる。理学療法士が行う生活指導について誤っているのはどれか。 1. 歩容に応じた足底板を調整する。 2.頸椎の等張性抵抗運動を励行する。 3.変形防止用のスプリントを用いる。 4.再燃の急性炎症期には運動を避ける。 5.大関節を使う関節保護方法を指導する。
1.〇:正しい。歩容に応じた足底板を調整する 2.×:頸椎の等張性抵抗運動を励行する必要はない 関節リウマチで代表的な関節破壊と変形は環軸椎亜脱臼 3.〇:正しい。変形防止用のスプリントを用いる 4.〇:正しい。再燃の急性炎症期には運動を避ける 5.〇:正しい。関節保護方法を指導するのは、大関節ではなく、小関節である
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PT55 PM14 関節リウマチ(Steinbrocker のステージ II,クラス 3) の ADL 指導で正しいのはどれか。
1.×:肘から前腕を机に乗せて立ち上がったり、手の全体を 付けるように行う 2.×:瓶の栓は手掌側を上にして、肘関節屈曲で開けられる ようにする 3.×:洋バサミは、指節関節の変形を助長するので、手掌で挟む和バサミを用いる 4.〇:正しい。持ち手を前腕にかけて関節に負担をかけないようにする 5.×:椅子座位は、足底全面を接地させて座るようにする
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39A38 48 歳の女性。関節リウマチ。スタインブロッカーのステージ III、クラス III。ADL 指導で正しい のはどれか。
1.〇:正しい 2.×:持ち手を前腕にかけて関節に負担をかけないようにする 3.×:肘から前腕を机に乗せて立ち上がったり、手の全体を付けるように行う 4.×:尺側偏位を助長するため、撓側に回すようにする 5.×:尺側偏位を助長するため、両手で持ち負担を軽減する
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(第 48 回-28) Q1. 変形性股関節症に対して、前方アプローチで股関節を前外側に脱臼させて人工股関節置換術 を行った。術後に脱臼を最も誘発しやすい肢位はどれか。 1, 屈曲、内転、内旋 2, 屈曲、外転、外旋 3, 伸展、内転、外旋 4, 伸展、内転、内旋 5, 伸展、外転、内旋
解答:3 1 は後方アプローチ後の禁忌肢位である。
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第 53 回-32) Q2.後方アプローチによる人工股関節置換術後の動作で正しいのはどれか。 1, 低めのソファーに座る 2, 健側を下にして横になる 3, 床の物を拾うときは患側を後方に引く 4, 階段を降りるときは健側から先におろす 5, ベッドの這い上がるときは患側の膝を先につく
解答:3 1→✕離殿する際の患側の股関節の屈曲角度が増大してしまい、脱臼のリスクが高い。 2→✕患側の股関節が内旋・内転し、脱臼のリスクが高い。 3→〇患側を後方に引くことで、前方に出すよりも患側の股関節屈曲角度を減免でき、 脱臼のリスクが低い。 4→✕健側を先に下ろすと、患側の股関節が屈曲位で体重を支えるため、脱臼の危険性が 高まる。そのため、患側から先に下ろすことで衝撃を調整しやすい。 5→✕患側の膝を先につくと、患側の膝に体重が乗るため膝への負担が増大し、脱臼のリスクが高まる。そのため、健側の膝を先につくことで、患側の膝への負担が軽減する。
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(第 40 回-66) Q3. 人工股関節術後のADL 指導で誤っているのはどれか。 1, 靴ひもは椅子座位で外転、外旋して結ぶ。 2, 床のものは患側を後ろにずらして拾う。 3, 低い椅子に深く腰をかける。 4, 仰臥位では外転位を保持する。 5, 寝る時はベッドを使用する。
解答:3 1→〇 過度な股関節屈曲を防ぐことができる。 2→〇 過度な股関節屈曲を防ぐことができる。 3→✕ 離殿するために体幹前傾角度を大きくする必要があり、股関節が深屈曲され、脱臼リスクが高い。 4→〇 内転位にならないようにする。 5→〇 術創部への負担を軽減することができる。
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(第 44 回-40) Q4. 右変形性股関節症で人工股関節置換術を受けている。この患者に対する指導で適切なのは どれか。2 つ選べ。
解答:2、5 1→✕ 患側の股関節を内転・内旋位にしており、脱臼リスクが高い。 2→〇 棒を用いて床にあるものを拾うことで、股関節の過度な屈曲を防いでいる。 3→✕ 患側の股関節を過度に屈曲しており、脱臼リスクが高い。 4→✕ 患側の股関節を内転・内旋位にしており、脱臼リスクが高い。 5→〇 両脚で枕を挟むことで、患側股関節の内転・内旋を防いでいる。
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(第 36 回-91) Q5. 人工股関節全置換術患者の日常生活で制限が大きいのはどれか。 1, 階段昇降 2, 歩行 3, 洗体 4, 靴下の着脱 5, 車の運転
解答:4 1, 2, 5→✕ 股関節が過度の屈曲や内転・内旋位になることがなく、負担がかかりにくい。 3→✕ 椅子座位で行うことや、足部を洗う時はブラシを用いることで負担がかかりにくい。 4→〇 股関節が過度の屈曲や内転・内旋位になりやすい。自助具の使用も慣れるまでは 時間がかかる。
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(第 52 回-17) Q6. 右人工股関節置換術(後方侵入)後の患者の靴下の着脱動作として正しいのはどれか。 2つ選べ。
解答;2,4 1→✕椅子座位で体幹前屈位での股関節深屈曲は脱臼リスクが高い。 2→〇椅子座位で股関節屈曲、外旋位で禁忌肢位を避けている。 3→✕椅子座位で股関節屈曲、内転、内旋位になっているため、脱臼リスクが高い。 4→〇椅子座位でソックスエイドを使用していて脱臼肢位にならないため脱臼リスクが低い。 5→✕床上座位で股関節を深屈曲しているため脱臼リスクが高い。
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理学 第 49 回 AM 16 大腿切断者の移動動作を図に示す.適切でないのはどれか.
解答.5 1.健側下肢を半歩後方に引いて健側下肢に体重をかけて立つ。 2.健側下肢から昇る。 3.切断側下肢が下方で健側下肢は切断側下肢を超えない。 4.健側下肢を大きく前方へ踏み出す。 5.基本動作は健側下肢からまたぐため適切ではない。
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共通 55 PM 82 切断後の幻肢で正しいのはどれか、2 つ選べ。 1.幼児の切断では強く現れる。 2.四肢末梢部ほど明確に感じる。 3.いったん出現した幻肢は消失しない。 4.術直後義肢装着法には予防効果がある。 5.上肢切断よりも下肢切断で強く現れる。
解答.2,4 1.幼児(6 歳児以下)の切断₌一般に幻肢は生じにくい。 2.幻肢は四肢末梢部ほど明確に感じる。 3.幻肢は適切なリハにより消失する。(一般的には時間経過とともに消失する) 4.術直後の義肢装着法は幻肢の予防効果がある。 5.幻肢は下肢切断上肢切断で強く現れる。
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理学 47 AM 36 下肢切断後術後における断端浮腫の管理で適切なのはどれか。 1.断端の複数箇所で周径を計測する。 2.弾性包帯は抜糸後に巻く。 3.弾性包帯は近位側ほどきつく巻く。 4.シリコンライナーを適応する際は、断端周径よりも 1 ㎝太いものを用いる。 5.浮腫の日内変動がある場合は、断端の運動を行わない。
解答.1 1.断端の複数箇所で周径を計測する。例えば、大腿切断の周径計測の場合、坐骨結節より 5 ㎝間隔で行う。なぜなら、そうすることでソケットとの内径比較が行えるため。 2.弾性包帯は、抜糸後ではなく、術後早期に巻く。理由としては断端の浮腫予防、過度の 脂肪組織の防止、断端の安定性を図ることができるためである。 3.遠位側にきつく巻くことで断端の浮腫の予防になる。 4.断端周囲よりも 1 ㎝細いものを用いる。周径より太いと吸着が得られない。 5.浮腫の日内変動がある場合でも、断端の運動は行う。
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理学 48 PM 84 下肢切断について正しいのはどれか。 1.大腿標準切断では股内転拘縮を生じやすい。 2.下腿標準切断では外反膝を生じやすい。 3.Syme 切断では断端末に創を生じやすい。 4.Chopart 関節離断では足内反拘縮を生じやすい。 5.Lisfranc 切断では足外反変形を生じやすい。
解答.4 1.大腿標準切断では股関節外転・屈曲拘縮が生じやすい。 2.下腿標準切断では膝関節屈曲拘縮が生じやすい。 3.Syme 切断では断端末の形状は良好であり、動脈疾患が原因でなければ生じにくい。 4.正しい。 5.Lisfranc 切断では尖足・内反変形が生じやすい。
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理学 41 AM 22 5 歳の男児。右下腿切断。これから義足装着訓練を始める。適切な姿勢はどれか。
解答.5 1.膝の屈曲筋が短縮する肢位のため不適切。 2. 膝の屈曲筋が短縮する肢位のため不適切。 3. 膝の屈曲筋が短縮する肢位のため不適切。 4. 膝の屈曲筋が短縮する肢位のため不適切。 5.正しい。
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理学 54 AM 41 大腿義足装着者の異常歩行と原因の組み合わせで正しいのはどれか 1.過度の腰椎前弯—股関節伸展拘縮 2.外転歩行—股関節屈曲拘縮 3.義足膝の不安定—股関節伸展筋力低下 4.伸び上がり歩行—股関節内転筋力低下 5.分回し歩行—股関節内転拘縮
解答.3 1.過度の腰椎前弯は股関節の屈曲拘縮が起こっている際に見られる。 2.股関節屈曲拘縮が影響を及ぼすのは基本的に矢状面の動きであり、外転歩行は前額面上 で起こる異常歩行。本来は股関節の外転拘縮の際に見られる。 3.正しい。自身で股関節を伸展する際の筋力や可動域に問題があることで不安定感を感じ る。 4.股関節内転筋力の低下が影響を及ぼすのは基本的に前額面の動きであり、伸び上がり歩 行は矢状面上で起こる異常歩行。 5.股関節内転拘縮では本来ぶん回し歩行は起こりにくい異常歩行である。本来は股関節外 転拘縮の際に見られる。
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54A20 図に示す姿勢のうち、労働災害予防を目的とした動作指導で適切な作業姿勢はどれか
解答 5 ×1 骨盤後傾し、脊柱が後弯するため背部の軟部組織が過伸張となる。また腹筋群が緩 む姿勢でもあり、習慣化すると姿勢保持に必要な筋力の低下を引き起こし、腰痛を発症す る可能性がある。 ×2 作業する台から離れすぎている。 ×3 腰椎のみ回旋の可動域は左右合計で 10°程度であり、体幹回旋位での作業は椎間板 に剪断力がかかる。 ×4 両膝伸展位での床からの持ち上げ動作は、背筋群への負荷が大きく腰痛の原因にな りやすい。 〇5 低いところでの作業は必ずしゃがみ、腰部の屈曲を軽減させる。
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55P43 腰椎変形性すべり症で歩行中に臀部から下肢にかけて疼痛が出現したときの対応で正しい のはどれか 1.しゃがみこむ 2.速度を速めて歩き続ける 3.速度を遅くして歩き続ける 4.立ち止まって体幹を伸展する 5.立ち止まって体幹を左右に回旋する
解答 1 〇1 しゃがみ込むことで腰部が屈曲となる。座位や前傾姿勢で2~3分休むと急速に症 状が回復する。 ×2 速度を速めて歩き続けても疼痛の軽減にはならない。 ×3 速度を遅くしても疼痛の軽減にはならない。 ×4 大幹の伸展はむしろ神経組織の圧迫を悪化させる。 ×5 大幹を左右に回旋しても疼痛の軽減にはならない。
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52P87 第 4 腰椎変性すべり症の症候として誤っているものはどれか 1.頻尿 2.下肢痛 3.痙性歩行 4.間欠性跛行 5.会陰部の熱感
解答 3 ×1 頻尿→出現 ×2 下肢痛→出現 〇3 痙性歩行=中枢神経の症状 ×4 間欠性跛行→出現 ×5 会陰部の熱感→出現
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57P87 腰部脊柱管狭窄症で正しいのはどれか 1.先天発症が多い 2.内反尖足を生じる 3.間欠性跛行を生じる 4.腰椎前屈で症状が増強する 5.下肢の深部腱反射は亢進する
解答 3 ×1 加齢による退行性変性によるものが多い。 ×2 馬尾神経や神経根の圧迫による末梢神経障害のため下肢のしびれや脱力が出現す る。 〇3 腰部脊柱管狭窄症では姿勢の変化で症状が回復するため神経性間欠性跛行がみられ る。 ×4 腰椎後屈で増強し、腰椎前屈で緩和する。 ×5 馬尾神経や神経根の圧迫による末梢神経障害のため減弱する。
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47A6 48 歳の男性、高校時代に野球を始め現在も週1回程度続けている。最近腰痛が悪化したた め病院を受診したところ、第5腰椎分離症と診断された。3週間の自宅安静によって腰痛 は軽快した。この時点で行うべき理学療法で適切でないのはどれか。
解答 3 1 大幹を屈曲し、腰椎前弯とならないように腕立て伏せを行う。 2 大幹屈曲、骨盤後傾作用のある腹筋の筋力強化を行う。 3 大幹の伸展運動は痛みを誘発させる運動であるため適切ではない。 4 大腿四頭筋の筋力強化訓練である。反対側の膝を立てることで骨盤を後傾させ、前傾 を防いでいるところがポイントである。 5 下腿三頭筋の筋力強化である。3 週間の自宅安静後に廃用性筋委縮による筋力低下、 体幹のバランス機能の回復、改善、深部静脈血栓症の予防のために行う。
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①第 52 回午前 20 問 2 歳の女児、痙直型四肢麻痺。臥位では頭部コントロール良好で、背臥位から腹臥位への 寝返りが可能である。 背臥位と腹臥位での様子を図に示す。 この時期に優先して行う理学療 法で最も適切なのはどれか。 1. 下肢の筋力増強 2. 介助下での歩行練習 3. 椅子からの立ち上がり練習 4. 立位での陽性支持反射の促通 5. 座位での体幹の立ち直り反応の促通
回答・解説: ×1 腹臥位で上下肢が屈曲位で筋緊張がみられることから、下肢の筋力増強を目的とする と筋緊張をかえって高めてしまう。 ×2.3 現段階では寝返りまでが可能であり、座位の獲得を次に目指すべきである。 ×4 陽性支持反射は原始反射のひとつで本来消失していくものであるため、陽性支持反射 を強化して利用すべきものではない。 〇5 寝返りの次の発達段階である座位に移行するために、座位での立ち直り反応や平衡反 応を繰り返しの刺激で引き出すことが現段階で必要だと考えられている。
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②第 54 回午前8問 3 歳の男児。脳性麻痺による右片麻痺。背臥位から図のように起き上がる。影響する反射 はどれか。 1.Moro 反射 2.Galant 反射 3.緊張性迷路反射 4.交差性伸展反射 5.非対称性緊張性頸反射
回答・解説: ×1 Moro 反射は、検者が児を背臥位に抱き、児の頭部を落下させると、まず上肢を伸 展・ 外転し手を開き、次に抱きすくめるような動きをする原始反射である。 ×2 galant 反射は、脊柱近位を尖った物でこすることで体幹が刺激側に側屈する反射であ る。 ×3 緊張性迷路反射では、腹臥位、背臥位の姿勢そのものが刺激となる。反応としては腹 臥位では四肢、頸部、体幹の屈筋の緊張が高まり、背臥位では伸筋の緊張が高まる。 ×4 交差性伸展反射は一側の下肢を屈曲し、他側を伸展させ、伸展側の足底部を刺激する と非刺激側が伸展する反射である。 ○5 非対称性緊張性頸反射が影響している。非対称性緊張性頸反射は、頚部を回旋すると、 顔面を向いた方の上・下肢が伸展、反対側の上・下肢が屈曲する反射である。生後 1~3 か 月に出現し、4~6 か月に消失する。図を見ると、寝返った方向(左頚部回旋)への左上・ 下肢は伸展しており、反対側の右上・下肢は屈曲している。非対称性緊張性頸反射の特徴で ある。通常、このような原始反射は成長とともに抑制され消失するが、脳性麻痺児では成人 まで原始反射が残存することがある。
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③第 53 回午後 16 問 4 歳の男児。痙直型量麻痺。しばしば割り座で座る。バニーホッピングと交互性パターン の四つん這いを併用して移動する。PCW を用いた歩行練習を実施している。 この児に対する遊びの指導内容で最も適切なのはどれか。
回答・解説: ×1 左右非対称な姿勢であり、股関節も内転・内旋しており、 (脊柱側弯症や股関節脱臼な どの)二次障害が誘発されるため不適切である。 ×2 (股関節屈曲・内転・内旋となる割り座は、痙直型両麻痺児にとってますます股関節 内転、内旋を助長するため推奨すべき肢位ではないが、側方への安定性が増す肢位となって いる。 )本症例では割り座はすでに獲得しているので、練習課題としては更に上の遊び課題 を行わせたいため不適切である 〇3 抗重力位であり、膝立ち位保持の練習にもなる。上肢も緻密動作を求める課題となっ ている。 ×4 股関節は内転・内旋位、足関節は内反尖足をとり、はさみ脚が誘発されているため不 適切である。 ×5 肘の支持で上肢機能改善を図るのに適しているが、本症例では肘の支持がなくても座 位が取れるほど体幹は安定しているため適切ではない。
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④第 53 回午前 47 問 GMFCS レベルⅡの痙直型脳性麻痺児に対する運動指導で最も適しているのはどれか。 1. 車椅子の駆動練習 2. 割り座での座位練習 3. 歩行補助具なしでの歩行練習 4. バニーホッピングによる四つ這い移動練習 5. スタンディングボードを用いての立位練習
回答・解説: ×1 レベルⅣ相当である ×2 座位練習レベルであれば、車椅子の利用も限られる状態であると考えられ、レベル Ⅳ~Ⅴ相当である 〇3 レベルⅡは「制限を伴って歩く」である。歩行補助具なしでの歩行練習が一番適して いる ×4 レベルⅣ相当である ×5 立位練習のみで、歩行補助具を利用して歩くことがほとんどできないのであれば、レ ベルⅣ~Ⅴ相当である
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⑤第 47 回午後 17 問 4歳 10 か月の男児。脳性麻痺。現在割り座であれば床上で座位保持が可能であり、椅子上での座位は自立している。立位は、物につかまれば保持できる。歩行には車輪付きの歩行器を利用しており、介助があれば階段を昇ることができる。 Gross Motor Function Classification System(GMFCS)によるレベルはどれか。 1.レベルⅠ 2.レベルⅡ 3.レベルⅢ 4.レベルⅣ 5.レベルⅤ
回答・解説: ○3 レベルⅠ:制限なしに歩く レベルⅡ:制限を伴って歩く レベルⅢ:手に持つ移動器具を使用して歩く レベルⅣ:制限を伴って自力移動(電動の移動手段を使用しても良い) レベルⅤ:手動車椅子で移送される
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⑥第 55 回午後 46 問 8 歳の脳性麻痺児が階段昇降人為手すりを必要とし、長距離の歩行や狭い場所を歩く時に 介助が必要な場合、GMFCS-Expanded and Revised(E&R)のレベルはどれか。 1.レベルⅠ 2.レベルⅡ 3.レベルⅢ 4.レベルⅣ 5.レベルⅤ
正解・解説: 〇2 レベルⅡは、長距離を歩くことやバランスを保つことに制限を伴うから。 レベルⅠ:制限なしに歩く レベルⅡ:制限を伴って歩く レベルⅢ:手に持つ移動器具を使用して歩く レベルⅣ:制限を伴って自力移動(電動の移動手段を使用しても良い) レベルⅤ:手動車椅子で移送される
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41-81 パーキンソン病患者のすくみ足に対する家族への指導で適切なのはどれか。 ア 向かい合って両手を引いて歩く。 イ 後方から骨盤を押して歩く。 ウ リズムに合わせて一歩を踏み出す。 エ 床に踏み越える目印のテープを張る。 オ 両腕を大きく振って階段を昇る。 1,ア、イ 2,ア、オ 3,イ、ウ 4、ウ、エ 5、エ、オ
正答 4 解説 ✕ ア 前に人がいることにより集中が欠け、すくみ足が発生してしまう 姿勢保持障害による前方への転倒 ✕ イ 姿勢保持障害による前方への転倒 〇 ウ 聴覚的手がかりによる誘導 〇 エ 視覚的手がかりによる誘導 ✕ オ 姿勢保持障害のため、片脚立位になる階段昇降ではよりバランスを 崩しやすく転倒しやすくなるため手すりを使うことが望ましい
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42-18 70 歳男性。パーキンソン病。ヤールの重症度分類ステージⅣ。椅子からの立ち上がり 動作が図のようになり、 上手にできないことが多い。立ち上がり動作の訓練として適切なの はどれか。 2 つ選べ。 1、足関節を底屈させて床を蹴るようにする。 2、体幹を前屈させてお辞儀をするようにする。 3、両上肢を前方へ出すようにする。 4,殿部が座面を離れると同時に膝関節を伸展する。 5,座面を膝の位置より低いものにする
正答 2.3 解説 ✕ 1 前方への重心移動ができていない状態で足関節底屈を行うと後方へ 倒れてしまう 〇 2.3 前方への重心移動が可能 ✕ 4 完全に離殿してから視座伸展を行う ✕ 5 膝より座面が低いと重心が後方にあり、重心移動が大きくなる また、必要とされる筋活動量が増える
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52a-20 75 歳の男性。3 年前に Parkinson 病を発症。Hoehn & Yahr の重症度分類ステージⅢ。3 か 月前からトイレ前で小刻み歩行を生じるほか、歩行や立ち座りが不安定となり、屋内移動で 妻の介助が必要となった。現在、妻とマンションで2人暮らしである。 自宅の住環境整備で適切でないのはどれか。 1.ベッドに介助バーを設置する。 2.居室の出入り口を開き戸にする。 3.脱衣所と浴室の段差を解消する。 4.寝室からトイレの廊下に手すりを設置する。 5.トイレ前の廊下にはしご状の目印をつける。
正答 2 解説 ✕ 1 移乗時安心感が高まり、体が動かしやすくなる 〇 2 重心の移動が大きくなり、転倒リスクが上がる ✕ 3 すり足になりがちなため、段差は危険 ✕ 4 転倒防止のため ✕ 5 視覚的手がかりによる誘導
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52aー10 62 歳男性。 parkinson 病。起立と歩行は可能であるが、歩行中の方向転換時には不安定とな り転倒しそうになる。姿勢反射障害もみられる。独居で日常生活はほぼ自立しているが、通 院には介助が必要である。 この患者の Hoehn&Yahr の重症度分類ステージはどれか。 1,Ⅰ 2,Ⅱ 3,Ⅲ 4,Ⅳ 5,Ⅴ
正答 3 解説 × 1.両側の機能障害がみられればステージⅡ以上である。ステージⅠでは、片側の機能 障害である。 × 2.姿勢保持反射障害がみられればステージⅢ以上である。ステージⅡでは、両側の機 能障害である。 ○3.ステージⅢでは、歩行障害や姿勢保持反射障害がみられる。 ✕ 4.ステージⅣはかろうじて支えられずに歩くことが可能な程度であり、転倒のリスク は増加している。 × 5.ステージⅣに該当する状況である。ステージⅤでは、寝たきりあるいは車椅子で全 面的に介助を要する状態である。
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46a-10 65 歳の男性。多系統萎縮症。日常生活活動では一部に介助を要するが、明らかな廃用症候 群はみられない。最近、起床して布団から立ち上がるときに、ふらつきを強く感じるように なった。 ふらつきの原因として考えられるのはどれか。2 つ選べ。 1,運動麻痺 2,視覚障害 3,アテトーゼ 4,協調運動障害 5,起立性低血圧
正答 4,5 解説 × 1~3 運動麻痺/視覚障害/アテトーゼはみられない 〇 4 協調運動障害は、ふらつきの原因として考えられる 多系統萎縮症(オリーブ橋小脳萎縮症)では、初期には起立・歩行の 失調を示し、進行により四肢の協調運動障害を生じる 〇 5 起立性低血圧は、ふらつきの原因として考えられる 多系統萎縮症(Shy-Drager 症候群)では、起立性低血圧をはじめとする 広範な進行性の自律神経症状を主症候とする
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46p-13 46 歳の男性。脊髄小脳変性症。最近、歩行が不安定になり、壁を伝うことが多くなってき た。片脚立位は困難。複視と眼振が強く、日常生活でも気分不良となる。 理学療法として適切なのはどれか? 1,継ぎ足歩行 2,Frenkel 体操 3,号令を用いた歩行 4,バランスボードを用いた起立訓練 5,リズミック・スタビリゼーション
正答 5 解説 ✕ 1 継ぎ足歩行(タンデム歩行)は、片脚起立は困難であり、転倒の危険性が高いた め、症例には優先度が低い。 ✕ 2 Frenkel 体操は、脊髄癆性運動失調などに適応となり、視覚で代償して運動制御を 促通する運動療法であるが、本症例は、複視と眼振が強いため優先度が低い。 ✕ 3 号令を用いた歩行は、パーキンソン病に適用するが、本症例にはパーキンソニズム は認められていないため優先度が低い。 ✕ 4 バランスボードを用いた起立訓練は、本症例は複視と眼振が強いため、 起立訓練 のような視野や視点が変化する運動は控えたほうが良いと考えられる。 〇 5 リズミック・スタビリゼーション(PNF)は、主動筋と拮抗筋の交互の等尺性収 縮を繰り返すもので、関節固定筋群の同時収縮を促通し協調性を改善するのに有 効な治療手技である。
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45A18 左片麻痺の ADL 指導で適切でないのはどれか。
解答 5 1.〇麻痺側から着るので正しい。 2.〇トイレを麻痺側に置いて行っているので正しい。 3.〇浴槽からは麻痺側から出るので正しい。 4.〇杖→麻痺側→非麻痺側の順に行っているので正しい。 高い障害物をまたぐ際は杖→非麻痺側→麻痺側の順に行うのが安全で一般的である。 5. ×階段は非麻痺側から上るので適切ではない。 階段昇降は上りは杖→非麻痺側→麻痺側の順で、下りは杖→麻痺側→非麻痺側の順で行う。
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52A39 脳卒中片麻痺患者の応用歩行練習について麻痺側から行う場合が多いのはどれか。 1.エスカレーターに乗るとき 2.低い障害物をまたぐとき 3.急なスロープを上るとき 4.階段を上るとき 5.バスに乗るとき
解答 2 1. ×エスカレーターに乗るときは、杖→非麻痺側→麻痺側の順である。 2.〇低い障害物をまたぐときは、杖→麻痺側→非麻痺側の順に行っているので正しい。 3. ×急なスロープを上るときは、上りは杖→非麻痺側→麻痺側、 下りは杖→麻痺側→非麻痺側の順である。 4. ×階段昇降は、上りは杖→非麻痺側→麻痺側の順で、 下りは杖→麻痺側→非麻痺側の順で行う。 5. ×バスに乗る場合は、杖→非麻痺側→麻痺側の順である。
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53A16 脳卒中後の左片麻痺患者の生活環境を整えることにした。 ベッドとポータブルトイレの位置で適切なのはどれか。 1.① 2.② 3.③ 4.④ 5.⑤
解答 1 1.〇非麻痺側の足元に置かれているので正しい。 2.×ベッドと平行になるように置いたほうが移乗しやすい。 3.×移乗先は非麻痺側に置く。 4.×移乗先は非麻痺側に置く。 5.×移乗先は非麻痺側に置く。
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48P11 脳卒中片麻痺で利き手が廃用手の患者に対する入浴指導で、洗体のために図のような自助 具の使用を促した。身体部位で洗い残しが多いのはどれか。 1.麻痺側上肢 2.非麻痺側上肢 3.体幹 4.麻痺側下肢 5.非麻痺側下肢
解答 2 1.〇麻痺側上肢=非麻痺側上肢でブラシを用いて洗体可能。 2.✕非麻痺側上肢=ブラシを持っているため洗い残しが多い。 3.〇体幹=非麻痺側上肢でブラシを用いて洗体可能。 4.〇麻痺側下肢=非麻痺側上肢でブラシを用いて洗体可能。 5.〇非麻痺側下肢=非麻痺側上肢でブラシを用いて洗体可能。
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55A45 脳卒中後の左片麻痺患者に対する ADL 練習として正しいのはどれか。 1.上衣を右上肢から着衣する。 2.浴槽に右下肢からまたいで入る。 3.階段を上るときに左下肢を先に出す。 4.階段を降りるときに右下肢を先に出す。 5.車椅子からベッドに移乗するときに左半身をベッドに寄せる。
解答 2 1. ×上衣は麻痺側から着るので、左上肢から着衣する。脱衣は非麻痺側から行う。 2.〇浴槽に入る際は非麻痺側から入るので、右下肢からまたいで入る。 出るときは麻痺側から出る。 3. ×階段を上る際は非麻痺側から上るので、右下肢を先に出す。 4. ×階段を下る際は麻痺側から下るので、左下肢を先に出す。 5. ×車椅子からベッドに移乗する際、非麻痺側がベッド側になるように車椅子を斜めに ベッドにつけるので、右半身をベッドに寄せる。 ベッドから車椅子に移乗する際は、車椅子を非麻痺側に配置する。
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54A12 70 歳の男性、脳梗塞による右片麻痺、Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ、下肢の随 意運動は共同運動がわずかに認められる程度である。歩行は T 字杖にて室内は自立してい る。ADL 指導で正しいのはどれか。2つ選べ。す
解答 1,3 1. 〇ベッド上に起き上がる際は非麻痺側へ起き上がる。肘を支点に起き上がりつつ、 下肢を先にベッドから下にして重みを利用する。 2. ×浴槽に入る際は非麻痺側から入る。出るときは麻痺側から入る。 3.〇シャツを着る際は麻痺側の腕を先に通す。脱衣は非麻痺側から行う。 4. ×床から立ち上がる際は麻痺側下肢を膝伸展位に保ちながら、非麻痺側を膝立ちする。 非麻痺側の手で床を押しながら、非麻痺側の膝を伸展し立ち上がる。 5. ×階段を上る際は非麻痺側から上る。下る際は麻痺側から下りる。