心細げなる有様、(いかで/いかでか)過ぐすらんと
頼りなげなありさまで、( )過ごしているのだろうかと
どのように
あはれ、(いかに)し給はむずらむ。
ああ、( )なさるのだろうか。
どのように
(など/などか/なじかは/などて)答へもせぬ
( )返事もしないのか
どうして
うぐひすばかりぞ(いつしか)音したるを
うぐいすだけが( )来て鳴いていたのを
いつの間にか
(おのづから)人の上などうち言ひそしりたるに
( )ある人の悪口を言っていた時に
たまたま
世の中に(なほ)いと心憂きものは、
世の中で( )とてもいやなものは、
なんといってもやはり
散ればこそ(いとど)桜はめでたけれ
散るからこそ( )桜は素晴らしい
ますます
この歌よしとにはあらねど、(げに)と思いて人々忘れず。
この歌はよいというほどではないが、( )(そのとおりだ)とおもって人々は忘れない。
本当に
(かく)うつくしうおはする御髪を
( )美しくていらっしゃる御髪を
このように
(かかる)目見むとは思はざりけむ。
( )目に遭うだろうとは思わなかっただろう。
このような
必ず(さ)おぼす故はべらむかし。
きっと( )お思いになるわけがあるのでしょうよ。
そのように
昔の若人は、(さる)好ける物思いをなむしける。
昔の若者は、( )一途な恋の苦悩をしたものである。
そのような
大将も、(しか)見奉り給ひて、ことわりに思す。
源氏の大将も、( )ご推察申し上げなさって、それもごもっともなことだとお思いになる。
そのように
(しかるに)、禄いまだ賜はらず。
( )、褒美をまだいただいていない
そうであるのに
(と)言ひ(かく)言ひ、恨み給ふ。
( 1 )言ったり( 2 )言ったりなさって、恨みなさる。
ああ, こう
薬も食はず。(やがて)起きもあがらで、病みふせり。
薬も飲まない。( 1 )起き上がらないで、病気になって伏していた。
名を聞くより(やがて)面影は推しはからるる心地するを、
名前を聞くや否や( 2 )その人の面影が想像される気持ちがするのに、
そのまま, すぐに
「歌仕うまつれ」と仰せられければ、(すなはち)詠みたてまつりける。
「歌を詠め」とおっしゃったところ、( )お詠み申し上げた。
すぐに
春は曙。(やうやう)白くなりゆく山際、・・・
春は夜明け前。( )白くなりつつある山際の空が、・・・
しだいに
奥の方より(やをら)覗いたるも、いとをかし。
部屋の奥のほうから( )覗いているのも、とてもおもしろい。
そっと
(なかなかに)寝も寝られず。これは夢かとのみ覚ゆ。
( )眠ることもできない。これは夢ではないかとばかり思われる。
かえって
祇王はもとより思ひまうたける未知なれども、(さすがに)昨日今日とは思いよらず。
祇王は以前から予想していたことではあるけれども、( 1 )昨日今日とは思いもよらない。
男君も、(さすがに)貴人の子なれば、
男君も、( 2 )高貴な方の子であるので、
そうはいってもやはり, なんといってもやはり
(かたみに)言ひかたらふ人、筑前に下り後
( )に語り合っている人が筑前に下って後
互いに
花も散りたるのちは、(うたて)ぞ見ゆる。
桜の花も散ってしまった後は、( 1 )見える。
驚き給へれな。灯も消えにけり。(うたて)思さるれば、太刀を引き抜きて
はっとお目覚めになったところ、灯火も消えてしまった。( 2 )お思いになったので、太刀を引き抜いて
いやな感じに, 異様に怪しく
(なべて)心やはらかに、
( )心が穏やかで、
一般的に
(わざと)目でたき冊子ども
( )立派な物語の本などを
特に
女御、行為(あまた)さぶらい給ひけるなかに、
女語、行為が( )お仕えなさっていた中で
たくさん
物語は、(ここら/そこら)あるが中にも、
物語は、( )あるその中でも、
たくさん
この球たはやすく(え)取ら(じ)を
この球は簡単にとる( )に、
ことはできないだろう
や、(な)起こしたてまつり(そ)。
おい、起こし申し上げる(1)。
さ(な)せ(そ)。
そのようにし( 2 )。
な, てはならない
人をやりて見するに、(大方)あへるものなし。
人をやって見せるが、( )会った者はいない。
まったく
(さらに)まだ見ぬ骨のさまなり。
( )まだ見たこともない骨の様子である。
まったく
空をあふぎて、(世に)心得ぬけしきにて帰りてけり。
空を仰いで、( )わからない様子で帰ってしまった。
まったく
世の中に(たえて)桜のなかりせば
世の中に( )桜がなかったならば
まったく
やがて末まではあらねども、すべて(つゆ)たがふことなかりけり。
そのまあすぐに下の句まではないが、すべて( )間違うことはなかった。
少しも
かかる忘れ形見を給はり候ひぬる上は、(ゆめゆめ)粗略を存ずまじ候ふ。
このような忘れ形見をいただきました以上は、( )粗略を思うつもりはありません。
決して
木の葉をかきのけたれど、(つやつや)物も見えず。
木の葉を掻き退けたが、( )何も見えない。
まったく
冬枯れの気色こそ秋には(をさをさ)おとるまじけれ。
冬枯れの様子は秋には( )劣らないだろう。
ほとんど
今は(よも)烏にとられじ。
もう今は( )烏にとられることもないだろう。
まさか
(あなかしこ)、人に語り給ふな。
( )、他人に語りなさるな。
決して
大将も、とみにえ(ためらひ)たまはず
大将も、すぐには( )なさることができない。
気持ちを諦め
ひたぶるに待つともい言はば(やすらは)でゆくべきものを君が家路に
ひたすらまっていると言ってくれるならば、( )ないでゆくだろうに、あなたの家に向かう道にためらわ
(かたらは)ばなぐさむこともありやせむ
( )ならば慰められることもあるだろうか。
親しく語り合う
男、(すま)ずなりにけり。
男は、( )なくなってしまった。
通わ
なほこのこと、かちまけなくて(やま)せ給はん、いとわろかるべし。
やはりこのことを、勝ち負けなくて( )せなさるようなことは実によくないだろう。
そのまま終わら
心細げなる有様、(いかで/いかでか)過ぐすらんと
頼りなげなありさまで、( )過ごしているのだろうかと
どのように
あはれ、(いかに)し給はむずらむ。
ああ、( )なさるのだろうか。
どのように
(など/などか/なじかは/などて)答へもせぬ
( )返事もしないのか
どうして
うぐひすばかりぞ(いつしか)音したるを
うぐいすだけが( )来て鳴いていたのを
いつの間にか
(おのづから)人の上などうち言ひそしりたるに
( )ある人の悪口を言っていた時に
たまたま
世の中に(なほ)いと心憂きものは、
世の中で( )とてもいやなものは、
なんといってもやはり
散ればこそ(いとど)桜はめでたけれ
散るからこそ( )桜は素晴らしい
ますます
この歌よしとにはあらねど、(げに)と思いて人々忘れず。
この歌はよいというほどではないが、( )(そのとおりだ)とおもって人々は忘れない。
本当に
(かく)うつくしうおはする御髪を
( )美しくていらっしゃる御髪を
このように
(かかる)目見むとは思はざりけむ。
( )目に遭うだろうとは思わなかっただろう。
このような
必ず(さ)おぼす故はべらむかし。
きっと( )お思いになるわけがあるのでしょうよ。
そのように
昔の若人は、(さる)好ける物思いをなむしける。
昔の若者は、( )一途な恋の苦悩をしたものである。
そのような
大将も、(しか)見奉り給ひて、ことわりに思す。
源氏の大将も、( )ご推察申し上げなさって、それもごもっともなことだとお思いになる。
そのように
(しかるに)、禄いまだ賜はらず。
( )、褒美をまだいただいていない
そうであるのに
(と)言ひ(かく)言ひ、恨み給ふ。
( 1 )言ったり( 2 )言ったりなさって、恨みなさる。
ああ, こう
薬も食はず。(やがて)起きもあがらで、病みふせり。
薬も飲まない。( 1 )起き上がらないで、病気になって伏していた。
名を聞くより(やがて)面影は推しはからるる心地するを、
名前を聞くや否や( 2 )その人の面影が想像される気持ちがするのに、
そのまま, すぐに
「歌仕うまつれ」と仰せられければ、(すなはち)詠みたてまつりける。
「歌を詠め」とおっしゃったところ、( )お詠み申し上げた。
すぐに
春は曙。(やうやう)白くなりゆく山際、・・・
春は夜明け前。( )白くなりつつある山際の空が、・・・
しだいに
奥の方より(やをら)覗いたるも、いとをかし。
部屋の奥のほうから( )覗いているのも、とてもおもしろい。
そっと
(なかなかに)寝も寝られず。これは夢かとのみ覚ゆ。
( )眠ることもできない。これは夢ではないかとばかり思われる。
かえって
祇王はもとより思ひまうたける未知なれども、(さすがに)昨日今日とは思いよらず。
祇王は以前から予想していたことではあるけれども、( 1 )昨日今日とは思いもよらない。
男君も、(さすがに)貴人の子なれば、
男君も、( 2 )高貴な方の子であるので、
そうはいってもやはり, なんといってもやはり
(かたみに)言ひかたらふ人、筑前に下り後
( )に語り合っている人が筑前に下って後
互いに
花も散りたるのちは、(うたて)ぞ見ゆる。
桜の花も散ってしまった後は、( 1 )見える。
驚き給へれな。灯も消えにけり。(うたて)思さるれば、太刀を引き抜きて
はっとお目覚めになったところ、灯火も消えてしまった。( 2 )お思いになったので、太刀を引き抜いて
いやな感じに, 異様に怪しく
(なべて)心やはらかに、
( )心が穏やかで、
一般的に
(わざと)目でたき冊子ども
( )立派な物語の本などを
特に
女御、行為(あまた)さぶらい給ひけるなかに、
女語、行為が( )お仕えなさっていた中で
たくさん
物語は、(ここら/そこら)あるが中にも、
物語は、( )あるその中でも、
たくさん
この球たはやすく(え)取ら(じ)を
この球は簡単にとる( )に、
ことはできないだろう
や、(な)起こしたてまつり(そ)。
おい、起こし申し上げる(1)。
さ(な)せ(そ)。
そのようにし( 2 )。
な, てはならない
人をやりて見するに、(大方)あへるものなし。
人をやって見せるが、( )会った者はいない。
まったく
(さらに)まだ見ぬ骨のさまなり。
( )まだ見たこともない骨の様子である。
まったく
空をあふぎて、(世に)心得ぬけしきにて帰りてけり。
空を仰いで、( )わからない様子で帰ってしまった。
まったく
世の中に(たえて)桜のなかりせば
世の中に( )桜がなかったならば
まったく
やがて末まではあらねども、すべて(つゆ)たがふことなかりけり。
そのまあすぐに下の句まではないが、すべて( )間違うことはなかった。
少しも
かかる忘れ形見を給はり候ひぬる上は、(ゆめゆめ)粗略を存ずまじ候ふ。
このような忘れ形見をいただきました以上は、( )粗略を思うつもりはありません。
決して
木の葉をかきのけたれど、(つやつや)物も見えず。
木の葉を掻き退けたが、( )何も見えない。
まったく
冬枯れの気色こそ秋には(をさをさ)おとるまじけれ。
冬枯れの様子は秋には( )劣らないだろう。
ほとんど
今は(よも)烏にとられじ。
もう今は( )烏にとられることもないだろう。
まさか
(あなかしこ)、人に語り給ふな。
( )、他人に語りなさるな。
決して
大将も、とみにえ(ためらひ)たまはず
大将も、すぐには( )なさることができない。
気持ちを諦め
ひたぶるに待つともい言はば(やすらは)でゆくべきものを君が家路に
ひたすらまっていると言ってくれるならば、( )ないでゆくだろうに、あなたの家に向かう道にためらわ
(かたらは)ばなぐさむこともありやせむ
( )ならば慰められることもあるだろうか。
親しく語り合う
男、(すま)ずなりにけり。
男は、( )なくなってしまった。
通わ
なほこのこと、かちまけなくて(やま)せ給はん、いとわろかるべし。
やはりこのことを、勝ち負けなくて( )せなさるようなことは実によくないだろう。
そのまま終わら