問題一覧
1
Aさんは、娘が作るお粥や野菜・肉類のペーストをほとんど摂取しなくなってきた。「父は果物が好きだったから、おいしい手作りジュースを飲ませたいのです」と、訪問看護師に相談があった。娘に対する助言で適切なのはどれか。
「ジュースにとろみをつけてみましょう」
2
Aさんは胃瘻を造設しないで、自宅で療養することになった。退院後に訪問診療と訪問看護とを受ける手続きをして退院した。退院後3日、訪問看護師はAさんの自宅を訪問した。Aさんを援助するための情報で最も重要なものはどれか。
経口摂取の状況
3
Aさん(88歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で、要介護5の認定を受けている。Aさんは意思を明確に表出できない。63歳の娘が介護を行っている。娘が食事形態を工夫して摂食の援助を行なってきたがらこれまでにAさんは2回の誤嚥性肺炎を起こしている。今回、3回目の誤嚥性肺炎で入院し、低栄養状態を改善するための栄養管理方法の一つとして、医師が娘に胃瘻の造設を提案した。 胃瘻について説明を受けた娘は、「父は管を入れてまで生きたくないと日頃から言っていたので、胃瘻にはしたくありません」したくありませんといった。看護師の言葉で適切なのはどれか。
お父様の意向に娘さんも同意されるのですね。
4
Aさん(85歳、男性)は、妻と2人で暮らしていたが、自宅で意識を消失して緊急入院した。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断された。意識は回復したが左片麻痺があり、発症後3日からベッド上での関節可動域訓練(ROM訓練)が開始された。 発症後8日。Aさんは「ご飯が食べたい」と話した。左口角から流涎があるが、唾液は飲み込めている。日中、うとうとしていることもある。 Aさんへの嚥下機能の間接訓練で適切なのはどれか
疲労状況を確認しながら行う
5
Aさん(85歳、男性)は、妻と2人で暮らしていたが、自宅で意識を消失して緊急入院した。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断された。意識は回復したが左片麻痺があり、発症後3日からベッド上での関節可動域訓練(ROM訓練)が開始された。 発症後3週。意識は明瞭となり、五分粥と軟菜の経口摂取もできるようになった。食事中、うまく飲み込めずに時々むせることがあり、食事摂取に40~50分かかっている。 Aさんへの看護で適切なのはどれか
食後は30分程度ファウラー位にする
6
Aさん(85歳、男性)は、妻と2人で暮らしていたが、自宅で意識を消失して緊急入院した。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断された。意識は回復したが左片麻痺があり、発症後3日からベッド上での関節可動域訓練(ROM訓練)が開始された。 発症後4週。Aさんは順調に回復し、退院に向けての準備が進められた。妻から「この状態で家に帰ってきて大丈夫かしら」と看護師に相談があった。 妻への看護師の対応で優先するのはどれか。
介護に対する不安について詳しく聞く
7
脳出血の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者の家族に、食事介助の指導を行うときの説明で適切なのはどれか。
「体を起こしたら、左の脇の下をクッションで支えましょう」
8
Aさん(83歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、在宅療養中である。嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている。 Aさんの口腔ケアについて、介護者への指導で適切なのはどれか。
歯垢の除去には歯ブラシを用いる。
9
Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは瘙痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚瘙痒症と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。 問題1 初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。 この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・嚥下の段階はどれか。
準備期
10
Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは瘙痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚瘙痒症と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。 問題2 Aさんは「食べにくくてあまり食事が摂れていない。階段の昇り降りをしたり、10分以上歩いたりすると疲れてしまい、あまり外に出なくなった」と言う。体重は1か月間で2kg減少していた。他に自覚症状はなく、血液検査の結果は、血清蛋白の低下の他に異常はなかった。 このときのAさんに出現している現象として最も考えられるのはどれか。
筋肉量の減少
11
長期臥床している在宅療養者の誤嚥性肺炎を予防するために、訪問看護師が家族へ行う指導で大切なのはどれか。
就寝前の排痰ケアを行う
12
軽度の嚥下障害がある患者への誤嚥性肺炎の予防法で正しいのはどれか
口腔内を吸引しながらブラッシングする
13
高齢者の栄養管理について栄養サポートチーム〈NST〉と連携するときに、病棟看護師が行う看護活動で最も適切なのはどれか。
栄養管理が不十分な高齢者のケアについて助言を得る。
14
Aさん(103歳、男性)は、総義歯で時々むせるが、その他は元気に過ごしている。 Aさんの食事指導として最も適切なのはどれか。
蛋白質の摂取量を確保する。
15
ファウラー位で食事を摂るときの姿勢で誤嚥を予防するのはどれか。
頸部前屈位
16
誤嚥を防ぐための食事介助で適切なのはどれか
飲み込んだのを確認してから、次の食べ物を口に入れる
17
嚥下に関わる脳神経はどれか
迷走神経
18
加齢による咀嚼・嚥下障害の特徴で正しいのはどれか
咳嗽反射が低下する
19
高齢者の蛋白質・エネルギー低栄養状態について正しいのはどれか
要介護度が高いほどPEM(タンパク質低エネルギー状態)の発症率は高い
20
嚥下で正しいのはどれか。
食塊は蠕動運動によって食道内を移送される
21
転倒・転落の危険性が高い入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか
端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする
22
大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術の術後1週間以内における看護で適切なのはどれか
臥床時は患肢を外転中間位に保持する
23
Aさん(68歳、女性)は、人間ドックで骨量がやや減少していると指摘され、骨粗鬆症の予防のための指導を受けた。 指導内容で適切なのはどれか。
適度な運動の継続を勧める。
24
在宅療養者の生活において転倒するリスクが最も高いのはどれか
深い浴槽
25
Aさん(66歳、男性)は、尿管結石症で入院し、鎮痛薬の投与と点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。日常生活は自立している。輸液開始の1時間後、Aさんの病室で大きな音がしたので看護師が駆けつけると、Aさんはベッドサイドに座り込んでいた。「トイレに行こうとベッドから立ち上がろうとして、点滴のスタンドをつかんだら滑った」と話した。転倒後の診察の結果に異常はなかった。 Aさんが再び転倒しないための対応で最も適切なのはどれか
転倒の原因を一緒に考える
26
転倒・転落するリスクの高い薬はどれか
降圧薬
27
高齢者の転倒による骨折が最も多い部位はどれか
大腿骨
28
長期臥床によって生じるのはどれか
筋萎縮
29
入浴中の高齢者が浴槽から急に立ち上がったところ、ふらついた。要因として考えれるのはどれか。
脳血流量の減少
30
筋骨格系の加齢に伴う変化が発症の一因になるのはどれか
骨盤臓器脱
31
便秘の原因となる加齢に伴う身体的変化であやまっているのはどれか
直腸内圧の閾値の低下
32
排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。 この患者の看護で適切なのはどれか。
夜間の尿器の使用
33
高齢者施設に入所中のAさん(78歳、女性)は、長期間寝たきり状態で、便秘傾向のため下剤を内服している。下腹部痛と便意を訴えるが3日以上排便がなく、浣腸を行うと短く硬い便塊の後に、多量の軟便が排泄されることが数回続いている。既往歴に、消化管の疾患や痔はない。 Aさんの今後の排便に対する看護として最も適切なのはどれか。
直腸の便塊の有無を確認する
34
高齢者に多い弛緩性便秘の原因で正しいのはどれか
長期臥床
35
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。 問題1 Aさんから尿失禁について外来受診時に相談があった。最近は尿意を感じてから洋式トイレに座るまでに時間がかかり、尿が少量漏れることがある。排尿回数は1日7回程度で、残尿感、排尿痛および排尿時不快感はない。咳、くしゃみ及び農作業の動作で尿が漏れることはない。 Aさんの尿失禁の種類として考えられるのはどれか
機能性尿失禁
36
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。 問題2 Aさんから「尿が漏れて困ります。洗濯物が増えるので、干したり取り込んだりするのが大変です。どうしたらよいでしょうか」と相談を受けた。 看護師の対応で最も適切なのはどれ
下着の中に入れて使う尿失禁用パッドを紹介する。
37
前立腺肥大症について正しいのはどれか
頻尿がみられる
38
Aさん(87歳、女性)は、6年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症を発症した。在宅で療養していたが、夫が介護に疲れたために施設に入所した。現在、長谷川式簡易知的機能評価スケール〈HDS-R〉10点、障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1である。下肢筋力や立位バランスの低下がある。自宅では自分で車椅子に移乗してトイレに行き排泄していた。尿失禁はなかった。入所直後、Aさんは表情が険しく落ち着きがなく、看護師が声をかけても応じない。自発的にトイレに行きたいという発言はなく、着衣を尿で汚染することが多いためトイレ誘導を行うことにした。 問題1 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
声をかけても応じない場合は様子を見て再度トイレに誘導する。
39
Aさん(87歳、女性)は、6年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症を発症した。在宅で療養していたが、夫が介護に疲れたために施設に入所した。現在、長谷川式簡易知的機能評価スケール〈HDS-R〉10点、障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1である。下肢筋力や立位バランスの低下がある。自宅では自分で車椅子に移乗してトイレに行き排泄していた。尿失禁はなかった。入所直後、Aさんは表情が険しく落ち着きがなく、看護師が声をかけても応じない。自発的にトイレに行きたいという発言はなく、着衣を尿で汚染することが多いためトイレ誘導を行うことにした。 問題2 入所後2週。Aさんの表情は穏やかになり行動も落ち着くようになった。自発的に車椅子に乗り廊下を移動している。尿意はあるが、尿失禁が続いている。 尿失禁の状態を把握するために行う看護師の対応で適切なのはどれか。
廊下を移動中、トイレに行きたいのかを確認する。
40
Aさん(87歳、女性)は、6年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症を発症した。在宅で療養していたが、夫が介護に疲れたために施設に入所した。現在、長谷川式簡易知的機能評価スケール〈HDS-R〉10点、障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1である。下肢筋力や立位バランスの低下がある。自宅では自分で車椅子に移乗してトイレに行き排泄していた。尿失禁はなかった。入所直後、Aさんは表情が険しく落ち着きがなく、看護師が声をかけても応じない。自発的にトイレに行きたいという発言はなく、着衣を尿で汚染することが多いためトイレ誘導を行うことにした。 問題3 入所後3週。排尿行動の自立を目標とする看護計画を立案した。 看護計画として最も適切なのはどれか。
トイレの標示を目立つよう工夫する。
41
車椅子での座位の姿勢を示す。このような姿勢を長時間続けることでもっとも弱そうが発生しやすい部位はどれか
左手坐骨結節部
42
老人性皮膚掻痒症について正しいのはどれか
入浴後に保湿クリームの使用を勧める
43
Aさん(75歳、女性)は、自立した生活を送っている。尿失禁があるため、尿失禁用パッドを使用している。大腿内側部と外陰部の瘙痒感を訴え、皮膚科を受診し、外陰部瘙痒症と診断された。 このときの指導内容で適切なのはどれか。
尿失禁用パッドの交換頻度を増やす。
44
仰臥位での褥瘡好発部位はどれか
仙骨部
45
褥瘡発生の予測に用いるのはどれか
ブレーデンスケール
46
褥瘡の皮膚症状はどれか
水疱
47
Aさん(79歳、男性)は、脳卒中の後遺症のため10年以上ほぼ寝たきりで過ごし、妻が介護している。今回、仙骨部の褥瘡が悪化して入院した。Aさんは、妻(75歳)と2人で暮らしており、息子が1人いる。 問題1 Aさんの褥瘡は、3週間の治療で改善し、現在、5cm×8cmで皮下組織までの損傷である。滲出液は中等量、感染徴候はなく良性肉芽が創面の50%以上を占めている。壊死組織やポケットは観察されない。 創面の洗浄に適切なのはどれか。
水道水
48
Aさん(79歳、男性)は、脳卒中の後遺症のため10年以上ほぼ寝たきりで過ごし、妻が介護している。今回、仙骨部の褥瘡が悪化して入院した。Aさんは、妻(75歳)と2人で暮らしており、息子が1人いる。 問題3 Aさんの褥瘡は順調に改善し、退院日が決まった。妻は毎日病院に面会に来て、長時間付き添っているため、疲れている様子がみられる。 Aさんの妻への指導で最も適切なのはどれか。
エアマットの正しい使い方
49
皮膚の構造と機能について正しいのはどれか
皮膚表面は弱酸性である
50
Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。 問題1 Aさんの褥瘡の深達度はどれか。
ステージⅢ
51
老眼の原因はどれか
水晶体の弾力低下
52
加齢による視覚の変化とその原因の組合せで正しいのはどれか。
老 視 ― 毛様体筋の萎縮
53
老人性白内障の症状で正しいのはどれか。
明るい場所ではまぶしくてよく見えない。
54
老年期の身体的な特徴はどれか
高音域における聴力が低下する
55
Aさん(85歳、女性)は両側の感音難聴で「音は聞こえるけれど、話の内容が聞き取れないので困っています」と話した。 Aさんに対する看護師の対応で適切なのはどれか。
看護師の口の動きが見えるように話す。
56
老人性難聴の特徴はどれか
語音の分別能力が低下する
57
手指の巧緻性が低下している高齢者が操作しやすい補聴器の種類はどれか
ポケット型補聴器
58
Aさん(75歳、男性)は、1人で暮らしている。Aさんは、耳鳴が気になり耳鼻科を受診したところ、老人性難聴と診断された。Aさんは、医師から補聴器の使用を勧められたが「どうせ1人で誰とも話さないから必要ない。生活していて不便なことはない」と言う。 Aさんへの説明として適切なのはどれか。
「一度補聴器を試してみましょう」
59
高齢者の活動と休息のリズムの調整について最も適切なのはどれか
午前中に日光を浴びる機会をつくる
60
若年者と比較した高齢者の睡眠薬の特徴で正しいのはどれか
入眠までの時間が長い
61
加齢によって衰えやすい機能はどれか
記銘力
62
これまでに獲得した知識を統合して物事に対処する能力はどれか
結晶性知能
63
認知症の中核症状はどれか
見当識障害
64
認知症を説明しているのはどれか
一度獲得した知的機能の衰退
65
認知症の高齢者に対するノーマライゼーションで正しいのはどれか
散歩を勧める
66
Mini-Mental State Examination <MMSE>の説明で正しいのはどれか
得点が低いほど機能が低い
67
Aさん(66歳、女性)は、4年前に前頭側頭型認知症と診断され、介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。 この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
脱抑制
68
Aさん(82歳、男性)。長男夫婦との3人暮らし。4年前に認知症と診断された。Barthel〈バーセル〉インデックスは100点、Mini Mental State Examination〈MMSE〉は18点。環境の変化で落ち着きがなくなることがある。日頃は温泉旅行やカラオケを楽しんでいる。右外果にできた創傷から右下腿の腫脹と疼痛が出現したため病院を受診したところ、蜂窩織炎と診断されて入院した。入院翌日、右下腿の腫脹と疼痛は続いている。担当看護師は、認知症の行動・心理症状〈BPSD〉を最小限にするための看護を計画することとした。 問題1 担当看護師が計画するAさんへの看護で適切でないのはどれか。
右下腿を足浴する
69
Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。 問題1 Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、タ方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。 看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。
「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」
70
Aさん(89歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。 問題2 ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。 長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。
全身の皮膚の状態
71
転倒・転落するリスクの高い薬はどれか
降圧薬
72
ベンゾジアゼピン系薬を服用中の高齢者について、若年者と比較した特徴で正しいのはどれか。
薬物の血中濃度が高くなりやすい。
73
加齢による身体生理機能の変化とそれによって影響を受ける薬物動態の組合せで正しいのはどれか。
血清アルブミンの減少 ― 分 布
74
高齢者の薬物動態の特徴で正しいのはどれか
血中濃度の半減期の延長
75
薬物と特に高齢者で観察すべき内容との組合せで正しいのはどれか。
非ステロイド性消炎鎮痛薬 ― 消化器症状
76
Aさん(65歳、男性)は、胃癌を疑われ検査入院した。入院時、認知機能に問題はなかった。不眠を訴え、入院翌日からベンゾジアゼピン系の睡眠薬の内服が開始された。その日の夜、Aさんは突然ナースステーションに来て、意味不明な内容を叫んでいた。翌朝、Aさんは穏やかに話し意思疎通も取れたが「昨夜のことは覚えていない」と言う。 Aさんの昨夜の行動のアセスメントで最も適切なのはどれか。
夜間せん妄
77
加齢に伴い老年期に上昇するのはどれから
空腹時血糖
78
Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。身長154cm、体重68kgである。 問題1 このとき、外来看護師がAさんに行う指導で適切なのはどれか。
決まった食事時間を設定する。
79
Aさん(75歳、男性)は、2型糖尿病で超速効型インスリンによる治療を行っている。災害に備えてAさんに指導する必要があるのはどれか。2つ選べ。
使用しているインスリンの名称を正確に覚える, 消毒薬の入手が難しい場合は消毒せずに注射してもよい
80
加齢に伴い糖尿病を発症しやすくなる原因はどれか
インスリン感受性の低下, 腎機能の低下
81
加齢による身体機能の変化で上昇・増加するのはどれか
収縮期血圧, 肺活量
82
高齢者の疾患の特徴的として正しいのはどれか
複数の臓器に障害が生じやすい
83
Aさん(68歳、女性)は、2年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を1日30本から5本に減らし、飲酒を週3回から1回に減らした。また、減量に取り組み、2年間でBMIが25.5から22.9に変化した。Aさんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症と診断された。Aさんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。1人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。 問題1 Aさんの骨粗鬆症の要因として最も考えられるのはどれか。
喫煙
84
Aさん(68歳、女性)は、2年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を1日30本から5本に減らし、飲酒を週3回から1回に減らした。また、減量に取り組み、2年間でBMIが25.5から22.9に変化した。Aさんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症と診断された。Aさんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。1人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。 問題3 看護師がAさんに運動を勧めたところ、Aさんは「子どものころから運動は苦手で運動を続ける自信がない」と答えた。 指導の内容で最も適切なのはどれか。
買い物の時に30分程度歩く
85
Aさん(85歳、女性)は、1人で暮らしており、高血圧症がある。物忘れがあり、要支援2の認定を受け、通所介護と訪問看護を利用している。Aさんの長女は他県に住んでいる。 Aさんの健康状態を維持するために訪問看護師が行う支援で適切なのはどれか。2つ選べ。
服薬管理の支援を行う, 水分の摂取量状況を把握する
86
加齢に伴う血管壁の硬化による血圧への影響はどれか。
収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下する。
87
高齢者の高血圧症の特徴でないのはどれか
拡張期高血圧
88
76歳の男性。1人暮らし。妻とは死別し1人娘は結婚して遠方に住んでいる。高血圧症と糖尿病の既往がある。3週前から全身倦怠感と咳嗽とが出現し、受診の結果、肺炎と診断されて2週前に入院した。抗菌薬の投与によって症状は改善したが、血糖値が安定しないため退院が延期となった。そのころから看護師に繰り返し何度も同じことを言ったり、会話中に突然怒り出したりする言動がみられた。 問題3 空腹時血糖は130mg/dL前後で推移したため退院が可能となった。本人は自宅に帰りたいと話している。病棟での生活は看護師の見守りや促しによって1人で行えているが、食事制限が守れず売店で購入したお菓子を食べている。看護師が声をかけると「間食はしていない。誰か別な人と間違えている」と怒ってしまう。 退院に向けた初期の対応で最も優先されるのはどれか。
娘が行える支援の内容を確認する。
89
慢性疾患の患者に対する自己管理の支援で最も適切なのはどれか。
自分の身体徴候を把握するように指導する。
90
高齢者の高血圧症の特徴で正しいのはどれか
脈圧が大きい
91
認知症患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか
患者に伝えたいことが伝わら位場合は言い換える
92
Aさん(78歳、女性)は、中等度のAlzheimer〈アルツハイマー〉病であり、上部消化管内視鏡検査を受けるため入院した。検査当日、内視鏡室に入室すると、不安そうな様子がみられ「ここはどこですか。何をするの」と内視鏡検査室の看護師に聞いてきた。 看護師の声かけで最も適切なのはどれか。
胃の検査ですよ
93
Aさん(80歳、女性)は、脳血管性認知症、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点で施設に入所している。看護師が「お風呂に入りますよ」と声をかけると、Aさんは「男の人は入っていないか」と尋ねる。看護師が「男の人はいませんよ」と説明するが、Aさんは「本当にいないのか」と繰り返し、なかなか納得しない。Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
「男の人がいないことを一緒に確認してみましょうか」
94
Aさん(88歳、女性)は、中等度の認知症である。介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。Aさんに入浴を勧めるとAさんは「風呂なんて嫌だ」と強い口調で言い、理由を聞いても話さない。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
気持ちが落ち着いてから再び入浴を勧める。
95
Aさん(66歳、男性)は、Lewy〈レビー〉小体型認知症であるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を初めて利用することとなった。施設の看護師は、同居している家族から「以前、入院したときに、ご飯にかかっているゴマを虫だと言って騒いだことがあったが、自宅ではそのような様子はみられない」と聞いた。 入所当日の夜間の対応で適切なのはどれか。
細かい模様のある物は片付ける。
96
Aさん(85歳、男性)は、認知症である。Aさんは肺炎で入院し、病状が改善したため、主治医は退院を許可した。Aさんは「家に帰りたい」と繰り返し言っているが、同居していた長男夫婦は高齢者施設への入所を希望している。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
長男夫婦がAさんの施設への入所を希望している理由を確認する。
97
Aさん(81歳、女性)は、6年前にレビー小体型認知症と診断された。Aさんは雨の中を一人で外出して自宅に戻れなくなり、同居している娘に発見された。その夜、娘が話しかけてきたときのAさんの反応が鈍くなったため、かかりつけの病院を受診し、細菌性肺炎と診断され入院した。呼吸器疾患の既往はない。 問題2 入院当日、抗菌薬の点滴静脈内注射が開始された。投与開始直後からAさんが輸液ラインを指し「虫がいる」と大きな声を上げている。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
輸液ラインをAさんから見えない状態にする。
98
Aさん(81歳、女性)は、6年前にレビー小体型認知症と診断された。Aさんは雨の中を一人で外出して自宅に戻れなくなり、同居している娘に発見された。その夜、娘が話しかけてきたときのAさんの反応が鈍くなったため、かかりつけの病院を受診し、細菌性肺炎と診断され入院した。呼吸器疾患の既往はない。 問題3 入院7日、症状が軽快し明日退院することが決まった。消灯前にAさんが部屋にいないため探すと、小刻みにすり足で歩いているところを発見した。看護師がどうしたのか質問すると「そこに小さい子どもがいるので見に行きたい」と、思い詰めた表情で話した。 このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
行きたい場所へ付き添う
99
Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 問題2 その後、Aさんは、コンロの火を消し忘れることや、買い物に行って自宅に戻れないことが何度もあり、在宅での生活が困難になったため、介護老人福祉施設に入所した。Aさんは自分の思い通りにならないときに、大声を出して暴れることがあった。時折落ち着かない様子で施設内を徘徊することがあったが、看護師が話しかけると、立ち止まり「散歩しています」と笑顔で話していた。ある日、Aさんがエレベーター前に1人で立っていたため、看護師がどこへ行くのか尋ねると、Aさんは「家に帰ります」と言った。 このときの看護師の対応として最も適切なのはどれか。
「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。
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Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 問題3 普段は入浴を楽しみにしていたAさんが、1週前に浴室で誤って冷たい水をかぶってしまい、それ以来「お風呂に入ると寒いから嫌だ」と言って、入浴を拒否するようになった。この日も「お風呂は寒い」と言って入浴を拒否している。看護師が浴室と脱衣室の室温を確認すると26℃~28℃にあたためられていた。また、施設内の温度は一定に設定されており、浴室から部屋まで移動する間も寒さを感じることはなかった。 Aさんへの対応として適切なのはどれか。
一緒に湯の温度を確認する。