問題一覧
1
一次生産
植物が光合成によって炭水化物をつくり出すこと。またはその量。
2
キーストン種
その種がいなくなると、生態系全体に大きな影響を及ぼす種。
3
原生林
人間活動の影響をほとんど受けていない自然の森林。
4
個体群
ある生物の数。
5
人工林
人間が苗を植えたり、種子を蒔いたりして、達成した森林。
6
軍拡競争
食う食われるの関係にある複数の種が、攻撃戦略と防衛戦略の技術を互いに高め合って進化していく現象。
7
送粉共生系
被子植物と送粉者(昆虫や動物)にみられる共生。植物には、花粉を他個体へ運んでもらえるという利益、送粉者には、餌である花蜜や花粉を得るという利益がある。
8
適応放散
単一の祖先から多様な形質の祖先が多数出現すること。
9
二次林
柴刈り、薪炭利用などの人間活動などによって自然状態での遷移が止められた林。
10
野焼き
野焼き
11
圃場整備とは何ですか?
従来の田んぼを農業の機械化にあった田んぼへと整備する事業。小さく区切られた水田を農機が入りやすい大きな水田に区画し直すこと、また農機が動きやすいように水はけのよい水田にすること(乾田化)、水路のコンクリート化等が整備内容に含まれている。
12
氾濫原
台風や梅雨時期の大雨に起因する河川の増水により浸水し、地上部が流される、土砂で埋め立てられるなどの撹乱を受ける場所を指す。
13
頑健性
撹乱を受けた生態系が元に戻る性質。
14
サンゴの白化
海水温が上がることで、サンゴの体内に共生している褐色藻(単細胞の藻類)がサンゴ体内から逃げ出し色素を失うことをいう。光合成ができなくなるため、褐色藻が戻らない状態が長時間に及ぶとサンゴは死滅する。
15
ティッピングポイント
ある一定の閾値を越すと一気に状態が変化することがある。この閾値のことをいう。生態系の頑健性を超える撹乱によって、生態系が別の状態に安定してしまうこと。
16
緑の革命
1940年代から1960年代にかけて収量の多い品種の導入や化学肥料の大量投入によって、穀物の生産性を向上させ、食糧の大量増産を達成しようとした農業革命のこと。
17
一次生産
植物が光合成によって炭水化物を作りだすこと、またその量。
18
ウシの鼻とり
ウシの力を借りて代かきなどの稲作作業をする際に、竹棹を持って真っ直ぐに歩くよう牛の頭を進行方向に仕向けること。
19
ドングリ貯金
ドングリを集めて貯めること。ドングリ銀行で貯金ができ、貯金の払い戻しは苗木で行われる。小学校の自然体験活動として行われることも多い。
20
IPCC
気候変動に関する政府間パネル。1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された。気候変動に関わる科学的知見の収集、整理を行うための国際的な専門家から成る学術機関。報告書は、国際政治や各国の政策に強い影響力をもつ。ノーベル平和賞受賞。
21
気候変動枠組条約
地球サミットで署名が開始されたリオ三つ子条約の一つ。大気中の温室効果ガスの濃度の安定化を目指し、温暖化による悪影響を防止するための国際的な枠組みを定めた条約。
22
砂漠化対処条約
地球サミットで署名が開始されたリオ三つ子条約の一つ。砂漠化する国、特にアフリカ諸国の砂漠化防止と、干ばつの影響緩和を目的とする。
23
スターン・レビュー
このままではエネルギー問題や大気汚染等のリスクや被害により経済的損失額は年間GDPの20%に達するが、温室効果ガス削減など対策を講じるとGDPの1%程度で済む可能性を示した報告書のこと。
24
ストックホルム会議
国連環境開発会議のこと。1972年に世界113ヵ国が参加した環境問題に関する最初の世界的なハイレベル政府間会合。環境問題が地球規模、人類共通の課題になってきたことを国際的に表明したことで有名。
25
地球サミット
リオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議のこと。1992年に世界172ヵ国が参加。国際連合の史上最大規模の会議となり大きな影響を与えた。リオ宣言やアジェンダ21の合意が行われた。
26
フェアトレード
発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じて、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す取り組み。
27
インベントリー
ある地域に生息する動植物の種類目録、分布図あるいは目録を製作するための調査のこと。
28
エコツーリズム
自然環境や、文化・歴史等を観光の対象としながら、その持続可能性を考慮するツーリズムのこと。
29
グリーンツーリズム
農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しみ、農村活性化のために、食糧生産以外の農村の機能に注目したツーリズムのこと。
30
バイオプロスペクティング
生物資源の中から有用な遺伝資源を発掘すること。
31
ヒートアイランド現象
都市の気温が郊外よりも高くなる現象のこと。地表面がアスファルトやコンクリートに覆われることで、水面、草地、水田、森林などに比べて熱が吸収されにくくなるという土地利用変化の影響や、建築物、人工排熱の影響などが原因となっている。
32
村八分
村の規則を破った家族を、村社会から排除すること。葬式と火事の際の消火活動以外は一切関わり合いをもたないことから、村八分と呼ばれることになった。
33
企業の社会的責任(CSR)
企業が様々な活動を行うプロセスにおいて、利益を最優先させるのではなく、ステークホルダーとの関係を重視しながら、社会から求められていることに応えることが社会的責任を果たすことである。
34
サプライチェーンとバリューチェーン
原料を調達するために必要なつながりのことをサプライチェーンと呼ぶ。製造した後の販売や使用時の保守、使用後の廃棄・リサイクルなども含めてバリューチェーンと呼ぶ。
35
バイオミミクリーとは
自然界の仕組みから学んだことを技術開発に活かすことをいう。
36
様々な生態系を利用しなければ生きていけない生物の例を挙げよ。
コウノトリは、水辺でミミズや昆虫等の餌をとり、池でパートナーを探す。森林で巣の材料を集める。様々な生態系を利用しないと生きていけないような生物として、トキがあげられる。トキは主に水田やその付近の川、沼でドジョウやタニシ、ウナギ、カエルなどの水生の小動物を中心に、時には水草の根や芽を餌として取る。そして、付近の林をねぐらとして大木に巣をつくり、子育てをする。生存するためには餌として大量の水生小動物が存在している湿地帯や水田と、子育てのための林地が必要である。
37
適応放散の例
アジアからアフリカに生息するヒョウは短く密生した毛皮を持つが、中央アジア・西モンゴルの高山帯に生息するユキヒョウは長くて厚い毛皮を持ち、高山帯での生活に適応した。
38
東南アジア熱帯におけるアリのすみわけについて説明せよ
東南アジア熱帯におけるアリは、ニッチェを分割することで共存している。生息する場所を分ける空間的棲み分け、昼行性と夜行性で分ける時間的棲み分け、異なる餌によって分ける食い分けなどがあげられる。
39
軍拡競争の例
様々な植食性動物が存在する中、アブラナ科の植物はカラシ油によって外敵を忌避した。この毒素を分解できるように生物が進化し、モンシロチョウなどの解毒作用を持つ生物のみが生き残る結果となった。
40
送粉共生系について説明せよ
動物はもともと植物の花粉を食べる、雌蕊の分泌液を舐める、花を食べるなど一方的に利用していた。しかし、動物を送粉者として利用する植物が現れ、双方が得をするように相利共生関係が進化した。
41
野生絶滅、絶滅危惧種Ⅰ類、絶滅危惧種Ⅱ類、準絶滅危惧種についてその例とともに説明せよ。
野生絶滅とは野生状態ではみられないが、飼育・栽培下では共存しているもの。トキやコウノトリ、クニマス。絶滅危惧種Ⅰ類とは人為の影響のいかんにかかわらず、個体数が非常に減少し、放置すればやがて絶滅すると推定されるもの。イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ。絶滅危惧種Ⅱ類は今すぐ絶滅という危機に瀕することはないが、現状では確実に絶滅に向かっていると判断されるもの。ギフチョウ、ダルマガエル、アホウドリ、アオウミガメ。準絶滅危惧種は現時点での絶滅危険度は小さいが、生育条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種。ヤマネ、マルタニシ。
42
世界五大絶滅要因
生息地の損失と劣化、気候変動、化学物質による汚染、過剰で非持続的な生物利用、外来種
43
経済的価値の高い生物の乱獲の例
クロサイ。角が漢方薬の材料や中東成人男性が持つ刀であるジャンビーアの柄として利用され、個体数が減少した。
44
撹乱耐性生物について例とともに説明せよ
撹乱耐性生物とは自然撹乱に対応している生物であり、例としてホウネンエビがあげられる。ホウネンエビの卵は低温や乾燥などの生存に不都合な環境に耐えられる性質をもつ卵である。
45
生物多様性における湿地の重要性
干潟にのみ生息する生物の棲み家、稚魚の生息場所、産卵・繁殖場所、渡り鳥などの休息・採餌場などの役割がある。
46
サンゴ礁の面積が減少した原因
台風による撹乱、海水の温度上昇、酸性化、オニヒトデの増加など。
47
オーナー制度
生物多様性に配慮した農業や漁業などの活動に支援金を提供し、代わりに作物のオーナーとしてその場所で自然体験・学習をしたり、そこで取れた作物を受け取ったりする仕組みのこと。
48
グリーン投資
生物多様性の保全につながるような開発を行っている企業や、保全の取り組みを進めている企業に投資すること。
49
里親制度
絶滅に瀕した生物などの里親として保全資金を提供し、代わりにその生き物の状況などを知らせてもらう仕組み。
50
ナショナル・トラスト
市民や市民団体が土地を買い取り開発から守る手法。
51
認証制度/エコラベル
生物多様性への配慮について一定の基準を満たした商品を認証したしてラベルなどで表記すること。
52
自分の町にある市民団体や活動にはどんなものがあるのか。
静岡市に存在する市民団体で特定非営利活動法人 しずおか環境教育研究会というものがある。日本平の里山を活動の中心とし、幼児、小学生、大人、家族それぞれの対象に合わせた環境教育プログラムを年460回以上開催。また県環境学習施設でのプログラム、地元企業とのCSR事業・研修など受託している。
53
キーストーン種の例
例としてヒトデがあげられる。ある潮間帯から食物網の頂点に位置する捕食者であるヒトデを取り除くという実験がかつて行われ、その結果ヒトデが餌としていたイガイが増殖し、その生態系に住む大量の他の種が絶滅してしまった。このことからこれらの生物種は、文字通り生態系維持のためのカギとなる存在であり、多くの生物と間接的に関係を持っている生物種であるといえる。
54
相利共生の例
相利関係の一例としてクマノミと約10種イソギンチャクの関係があげられる。イソギンチャクの触手にある毒の詰まった刺胞は近づいてくるほとんどの魚を殺す。しかしながらクマノミの体は粘膜の厚い層で覆われているため、毒針から身を守ることができ、クマノミは触手の内側で生きることができる。イソギンチャクの有毒の触手が提供する保護の見返りとして、クマノミはイソギンチャクの捕食者であるチョウチョウウオが近づくのを阻止し、イソギンチャクに付着する寄生虫を取り除き、自分の糞から栄養も提供する。互いに守りあい、生存の可能性を高めている関係である。
55
森林に起こった変化を説明せよ。
戦後復興で木材需要が増加したことにより、スギ・ヒノキ植林地の拡大が進んだ。しかし木材需要は追いつかず、安い外国材の輸入が盛んになり、植林地の管理放棄・荒廃が進んだ。また薪から化学燃料への遷移で二次林の伐採が放棄され、腐葉土から化学肥料への遷移で林床の管理放棄が増加することとなった。
56
三つ子条約とは
生物多様性条約, 気候変動枠組み条約, 砂漠化対処条約
57
エコロジカル・フットプリントとは
地球の面積に対する人類が負荷をかけている面積のこと。
58
TEEBのアプローチ
生態系サービスの価値を認識し、その意思決定に経済的メカニズムを導入すること。
59
REDD+
森林に蓄えられているCO2も排出権取引の対象とすることで、森林の減少や劣化を抑制する取り組み。
60
エッジ効果
外部の環境と接している周縁部が外部からの影響を受け、内部環境とは異なる現象が見られること。
61
四大絶滅要因とは
開発など人間活動による危機、自然に対する働きかけの縮小による危機、人間により持ち込まれたものによる危機、地球環境の変化による危機
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ラムサール条約、ワシントン条約、ボン条約
ラムサール条約は特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約。ワシントン条約は絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する条約。ボン条約は移動性野生動植物の保全に関する条約。