問題一覧
1
低温マセラシオン、低温浸漬
発酵させる前に破砕したブドウを低温状態で放置して色素と風味成分を抽出させる、タンニンは抽出されない
2
赤ワインの発酵温度
20〜32℃ 35℃を超えると酵母が死ぬことがある タンニンはアルコール度が高くなるにつれて溶けやすくなるが、発酵が終わりに近づいたら、温度を下げることによって抽出量を減らすことができる
3
果帽管理方法
パンチングダウン、ポンピングオーバー、ラックアンドリターン、回転式発酵槽
4
パンチングダウン
棒の先につけた平板を使って手作業で菓帽に穴を開ける、現在は機械式 発酵終了時にやりすぎるとタンニンが多くなりすぎ、苦味と渋みが強過ぎるワインになる
5
ポンピングオーバー
発酵槽の下部から発酵中の果汁を抜き取り、ポンプで上部に吸い上げて菓帽に流しかける 熱を放散させ、果汁に酸素を添加する優れた方法
6
ラックアンドリターン
果帽を残して果汁を別の容器に抜き取り、次にポンプで果帽の上に送り戻す 非常に高い抽出効果があり、発酵中に1〜2回行う 熱を放散させる方法として非常に優れている
7
回転式発酵槽
回転式の水平型タンク、果汁と果皮を絶えず接触させておける
8
発酵容器
オーク製、コンクリート製、ステンレス製の大型容器、上に覆いがない
9
発酵後のマセラシオン
タンニンの抽出をさらに促す ワインのスタイルによって異なる、発酵後の長期マセラシオンが、タンニンのキメをなめらかにする手助けになると考える醸造者もいる
10
圧搾ワイン(プレスワイン)
圧搾を続けていくうちに色が濃くなりタンニンが多くなる フラクションに分けて、最終的なブレンドで色とタンニンを調整することができる
11
房ごと発酵方法の目的
未破砕のブドウが酸素に接触しない環境を作り出すこと 細胞内発酵が起こる(酵母の関与なし) ワインに様々な独特の果実のアロマが生まれ、特有の品質を与える
12
房ごと発酵方法3つ
炭酸ガス浸漬法、半炭酸ガス浸漬法、房ごとブドウと破砕ブドウを使う方法
13
炭酸ガス浸漬法
密閉槽に房ごとブドウのみを入れて炭酸ガスで満たして酸素を取り除く 細胞内発酵が始まる アルコール度が2%に達すると果皮が破れ始め果汁のが出る この段階で圧搾して果汁と果皮に分ける 果皮と離して酵母によって発酵を完了させる
14
炭酸ガス浸漬法の効果
色素は抽出されるがタンニンはほとんど抽出されない キルシュ、バナナ、チューイングガム、シナモンの香り、果実風味が豊かで口当たりの良い柔らかいものになる
15
半炭酸ガス浸漬法とは
タンクいっぱいに房ごとブドウを入れる 下のブドウが潰れて果汁がいくらか出る 自然酵母により発酵し始め、炭酸ガスが出て、タンクを満たし、潰れてないブドウに炭酸ガス浸漬作用が起こる 無傷のブドウが破れ始めて果汁が出たら圧搾し、果皮と離して酵母によって発酵を完了させる
16
上質ピノ・ノワールの半炭酸ガス浸漬
果皮と接触したまま発酵を続ける 最初の数日間はパンチングダウンする ブドウが全て潰れるまで炭酸ガス浸漬作用が起こり、果皮と接触したまま発酵が続き、それに発酵後のマセラシオンが続くことがある 細胞内発酵によるアロマとブドウ品種によるアロマがよく溶け合い、新鮮な果実の特徴を呈する
17
房ごとブドウと破砕ブドウを使う場合
ブドウの房は破砕ブドウで覆われて酸素に触れることがないので、細胞内発酵が起こる 定期的にパンチングダウンするため房は徐々に潰れていく 開始時の房の割合が多いと炭酸ガス式のような特徴を持つ シルクのような感触と溌剌として新鮮な果実の特徴が加わる
18
熟成のオプション
実質的に全てがMLF 澱との接触のメリットは少ない オーク樽、オーク樽板、オークチップの使用 異なる使用年数のオーク樽や大型樽を使って繊細さと融和性を高める 最上のワインは新しいオークをたくさん使って熟成
19
ブレンド
二つ以上のブドウ品種をブレンドするのは一般的、ワインの特定の側面を高めたりバランスを図ったりする 異なるフラクションのブランド 異なるオーク容器で熟成されたもののブレンド 異なる素材の容器で熟成されたもののブレンド
20
清澄化と安定化
赤ワインの大半で何らかの清澄と濾過作用が施される、避ける醸造者もいる 長期熟成ワインでは瓶詰前に沈殿が起こるので、濾過しなくても透明度は高まる
21
低価格ワイン用のブドウ
温暖で日照が多く乾燥している栽培地域で生育できるCS、メルロー、シラー(ズ)、グルナッシュ/ガルナッチャ 色素とタンニンと風味が凝縮されているため、高い収穫量でも妥当な色を持つフルーティなワインを作ることができる
22
大量生産される赤ワイン
色が薄く、タンニンが少なく、香りと風味の強さと複雑さが弱くなることがある 品種固有の特徴は減り、同種に思えるようなワインになる可能性がある
23
ピノ・ノワールが大量生産に向かない理由
栽培しにくく冷涼な気候を好み、高い収穫量の場合十分な色素とタンニンを抽出するのが難しい
24
フルーティでタンニンの少ない低価格ワインの選択肢:発酵前
新鮮な第一の果実の特徴を保持するために、醸造過程を通して亜硫酸の濃度を監視し、酸化を防ぐ保護的な処理をする 除梗と破砕処理が施される 温暖、高温地方では酒石酸添加 発酵前マセラシオンは容器のスペースを占領するので、いつも可能なわけではない
25
フルーティでタンニンの少ない低価格ワインの選択肢:発酵
市販の酵母を使って22〜25℃ 果帽処理はやりすぎない 発酵後のマセラシオンも避ける傾向 骨格を追加するときにマセラシオン処理をしたワインとブレンドする
26
グルナッシュの低価格ワイン、ベーシックなボージョレ
炭酸ガス浸漬法、半炭酸ガス浸漬法
27
フルーティでタンニンの少ない低価格ワインの選択肢:熟成
瓶詰するまでステンレスタンク 一定期間(数ヶ月程度)オークで熟成 オーク樽は二度目か三度目のもの オーク樽板やオークチップ 瓶詰前に安定化、清澄化、無菌濾過 瓶詰時に亜硫酸添加して酸化のリスクを減らす
28
CSの特徴
果皮が厚く、色素と風味とタンニンを豊富に含む 成熟が遅く、冷涼産地では完熟が難しく、渋みの強いタンニンと草の風味を持つワインになる
29
ボルドーのオー・メドックのCS
長期熟成に耐えるワインを作る 若いうちはタンニンが固く、スギや黒スグリの葉の香りを伴う 少量のメルロー(成熟が早く、ジューシーなプラムの風味となめらかな感触をワインに与える)とブレンドされる
30
イタリア、スペインのCS
サンジョヴェーゼ、テンプラニーリョとブレンドされる
31
新世界のCS産地
ナパ・ヴァレー、クーナワラ、マーガレット・リヴァー、ホークス・ベイ(NZ)、ステレンボッシュ、コルチャグワ・ヴァレー 温暖で日照時間が長くてブドウがよく成熟
32
上質CS:発酵前
除梗と破砕処理、発酵前マセラシオンして果皮から最大限の色素を抽出する
33
上質CSの発酵
26〜30℃、タンニンが十分に成熟していない場合は、発酵終わり頃の高温と抜き取り式果帽管理を避ける 発酵後に一定期間マセラシオンしてタンニンの抽出を促すとともに、和らげることがある
34
上質のCSの熟成
新しいオーク樽を高い比率で使う バリック、半年から3〜4年、通常は 12〜18ヶ月
35
上質CSのブレンド
タンニンが多く、ボディが足りない場合があるので、メルロー、シラーズとブレンド
36
メルローの特徴
萌芽と成熟はCSより早い サン・テミリオンとポムロールで栽培
37
最良質のメルローのスタイル①
遅く収穫 濃い紫、凝縮されたブラックベリーとプラム、なめらかなベルベットのようなタンニン、新しいオークで熟成してトーストの風味を加える これは国際的スタイル
38
最良質のメルローのスタイル②
早めの収穫 ボディとアルコールは中程度、酸は高め、新鮮な赤系果実、野菜や葉の香り ボルドー以外ではほとんど見かけない
39
上質メルローの選択肢
除梗と破砕処理 発酵前のマセラシオン 果皮がやや柔らかい傾向があるので、発酵中にタンニンはそれほど激しく抽出する必要はない オークで熟成12〜18ヶ月
40
ピノ・ノワールの特徴
萌芽と成熟が早い、果皮は薄い、様々なクローン レッドチェリーの風味を持つ軽くてフルーティなものから香辛料や林床の風味を持つ複雑で土香のするものまで様々 果皮から色素とタンニンを抽出するのが厄介
41
ピノ・ノワールの産地
冷涼から温和な気候で最もよく生育 ブルゴーニュで理想的な品種 初歩レベルの畑では非常に軽くて酸味が目立ちオークが僅かに感じられる コート・ドールの優良畑では風味の強さと複雑さが際立ち、繊細で花に近い香りからタンニンが強くて香辛料の香りを持つものまである
42
非常に冷涼な年のピノ・ノワール
キャベツや湿った葉のような風味のリスク
43
高品質のピノ・ノワールの産地
バーデン、ロス・カーネロス、ソノマ、マーティンボローとマールボロとセントラルオタゴ(NZ)、ヤラ・ヴァレー、モーニングトン半島、タスマニア、ウォーカー・ベイ(南ア)、カサブランカ・ヴァレー(チリ)
44
上質ピノ・ノワール:発酵前
除梗と破砕処理をして発酵前のマセラシオン 発酵工程で房ごとブドウを入れると赤系果実と花の風味が強くなる(パンチングダウン処理を続けると房は少しずつ破砕され、果皮と接触状態で発酵が続く)
45
上質ピノ・ノワール発酵
温度は30℃以上で色素と風味とタンニンを増やす 低温発酵だと軽めで新鮮なスタイルになる 発酵後のマセラシオンはあまり行われていない
46
上質ピノ・ノワール熟成
オーク樽、12〜24ヶ月、二度目三度目の樽、新樽比率は低い
47
上質ピノ・ノワールブレンド
一般には他の品種とブレンドされない 異なるワイナリーや畑のもので複雑さを高めたり一貫性を向上させる 何年間もの瓶内熟成で林床やキノコの風味を呈する
48
シラー(ズ)の特徴
果粒が小さく濃い色をした厚い果皮、極めて冷涼な気候では成熟しない 多様なスタイルのワインを造れる
49
シラー(ズ)の多様なスタイルのワイン
コショウや黒系果実の香りを持つミディアムボディのものから、よく熟した黒系果実とかすかな甘草の香りを持つ口当たりの良いフルボディのもの
50
シラー(ズ)が長期熟成に向く理由
果実風味が強く、色が濃く、タンニンのレベルが高い
51
ローヌ川北部のシラーで条件の劣る畑
シンプルな黒系果実と草の風味、少しかたいタンニンを持つ非常に軽いワイン
52
コート・ロティやエルミタージュのシラー
ベリーの風味にコショウの香り、少し熟成させると肉類や皮革の風味が加わるボディの厚いワイン
53
ラングドックやルシヨンのシラー
グルナッシュやムールヴェードル、カリニャン、サンソーとブレンド 熟れた風味のタンニンの多いワイン
54
ハンター・ヴァレーやバロッサ・ヴァレーのシラーズ
土や香辛料の風味に凝縮された黒系果実のアロマ、ソフトなスタイル
55
グレート・サザン、ジーロング、ヒースコートのシラーズ(冷涼)
シャープでこしょうの風味が目立つ
56
以外の産地
チリ、南ア、ホークス・ベイ、ワシントン州
57
温暖から高温の気候 シラー(ズ)の醸造:フルボディ
積極的な果帽管理、新オーク樽比率は高い トーストの風味が凝縮された果実風味に加わる
58
温暖から高温の気候 シラー(ズ)の醸造:控えめスタイル
早めの収穫、果帽管理は穏やか、発酵工程で房ごとブドウを含める、 温和な気候の生産者と同様に、長期間の発酵後マセラシオン バリックを300〜500リットル樽に交換して古いオーク樽を使う
59
グルナッシュ/ガルナッチャの特徴
晩熟、温暖から高温、干ばつにも非常に強い 甘くて果皮が薄く、高いアルコール度と低い酸味、柔らかなタンニンと赤系果実の風味を持つフルボディのワインを造る
60
プリオラートのガルナッチャ
カリニャンとブレンドされ、タンニンが多く新鮮な黒系果実とトーストのようなオークの風味を持つ濃い色のワインを造る
61
リオハ・オリエンタルのガルナッチャ
テンプラニーリョとブレンドされる
62
ガルナッチャその他のスペイン産地
カラタユ、カリニェナ、ナバラ
63
シャトー・ヌフ・ド・パプのグルナッシュ
シラーやムールヴェードルや他のフランス南部の代表的な品種とブレンドして最上のワインを造る 凝縮されたスパイシーな赤系果実を持つフルボディで濃厚な舌ざわりのワイン
64
ラングドックやルシヨンのグルナッシュ
シラー、ムールヴェードル、カリニャン、サンソーなどとブレンド 地元のハーブを思わせるスパイシーで芳香な風味を持つ
65
バロッサ・ヴァレー、マクラーレン・ヴァレーのグルナッシュ
以前はアルコールが高く非常に凝縮されたフルボディのスタイル 現在は控えめなスタイル 古いブッシュ・ヴァインは極めて凝縮され、赤いベリーとコショウのような香辛料の強い風味を持つ芳醇で円熟したワインを造る
66
グルナッシュの醸造:発酵前
除梗と破砕処理 発酵でアルコール度が上がる前に風味と色素の抽出を促すため、発酵前マセラシオン 成熟した赤系果実の風味を高めるため、房ごとブドウを発酵工程に含める生産者もいる
67
グルナッシュの発酵
上に覆いがないステンレス製かコンクリート製の発酵槽または古いオーク材のタンク 高級なものにはパンチングダウン タンニンの構成を高めたいと発酵後のマセラシオン 普通は発酵が終わると果皮と果汁を分離させる
68
グルナッシュの熟成
古いオークで作った大樽(フードル)などの大きな容器 新しいオークは果実風味を圧倒してしまうから
69
グルナッシュのブレンド
ヴァラエタルワインになることはほとんどない 高温ではジャムっぽく、アルコールが強くなることがあるので、熱に強いカリニャンやムールヴェードルを使って新鮮な果実風味、十分なタンニンと色素を加える
70
ロゼワインの醸造方法
直接の圧搾、短期間のマセラシオン、ブレンド
71
ロゼワインの直接圧搾
白ワインを造る時のように黒ブドウの破砕と圧搾を行う、タンニンが多くならないように注意 最も上品な淡い色のついたロゼとなる
72
ロゼ:短期間のマセラシオン
黒ブドウを破砕してマセラシオン処理を施す期間は様々 その後フリーラン果汁を抜き取って果皮と分離させ、白ワインのように低温で発酵させる
73
ロゼ:ブレンド
欧州内等多くの地理的表示のエリアでは認められていない
74
ピノ・ノワールの産地
ブルゴーニュ 初歩レベルの畑では非常に軽くて酸味が目立ちオークが僅かに感じられる コート・ドールの優良畑では風味の強さと複雑さが際立ち、繊細で花に近い香りからタンニンが強くて香辛料の香りを持つものまである
75
発酵中の温度管理
抽出される色素と風味とタンニンの量を左右することが可能
76
果帽とは
発酵中の赤ワインをそのまま置いておくとやがて果肉と果皮がドロドロした固形物になって表面に浮き上がってくる
77
タンニンなどの抽出レベルの管理
果帽管理の様々な方法を毎日どの程度の時間続けるか、一日に何回行うかによって、色素、風味、タンニンの抽出レベルを管理できる
78
房ごと発酵で注意すべき点
果梗が十分成熟していること 未成熟だと果梗に含まれるタンニンがワインに望ましくない苦味を与える