問題一覧
1
以下の組み合わせのうち,有効性が高いものを選べ
preexcited atrial ˆbrillation― pilsicainide, 左脚ブロック型下方軸のQRS幅の広い規則的な頻拍の停止―verapamil
2
ASDにおける経皮的デバイス閉鎖術の適応として正しいものはどれか
肺体血流比<1.5未満で心房性不整脈を合併するもの
3
川崎病の慢性期合併症について正しい記載はどれか.すべて選べ.
急性期免疫グロブリン不応例で冠動脈瘤の合併が多い, 冠動脈瘤形成例では低用量 aspirin 内服が推奨される
4
発作性上室性頻拍について正しいのはどれか
房室ブロックが生じても頻拍発作が持続する場合、房室リエントリーを否定して良い, 機能的脚ブロックの出現に伴い頻拍周期が延長する場合、脚ブロック側の心室にある副伝導路が関与した房室リエントリーである, 頻拍中にRP間隔がPR’間隔より長い場合でも房室結節リエントリーは否定できない
5
35歳男性.半年前より労作時の息切れを自覚していた.昨日ジョギング中に失神を来したため,来院した.来院時の心電図と心エコー図(図)を示す.鑑別診断に有用なものはどれか.正解は複数ある
a-galactosidase 酵素活性, 家系図, 心筋生検, 心エコーにおける Apical sparing pattern, 血清遊離軽鎖
6
肥大型心筋症における以下の記載のうち,誤っているのはどれか.1 つ選べ.
若年者では,圧較差軽減のための非薬物療法として,経皮的中隔心筋焼灼術が第一選択である
7
心サルコイドーシスの電気生理学的特徴について正しいのはどれか.すべて選べ.
房室ブロックをきたすことが多い
8
陳旧性心筋梗塞の心筋viabilityを示す所見はどれか
運動負荷201Tl心筋シンチグラムの欠損像と4時間後の像における再分布, 空腹時FDG・PETによるFDGの心筋内取り込み
9
頚動脈波に関して誤りはどれか
遅脈は大動脈弁下狭窄で見られる
10
心電図所見として最も適切なものはどれか
偽性心室頻拍
11
図は造影剤の静注6秒後、8秒後の同一レベルの胸部CTである。正しい所見はどれか
僧帽弁石灰化, 左房内血栓
12
31歳女性、痩せ型、心尖部から前胸壁に放散する収縮期雑音がある。図A(仰臥位での心尖部心音図と頸動脈波)、図B(立位での心尖部心音図)、図C(Mモード心エコー図)を参考にして、正しいのはどれか
僧帽弁は後尖逸脱が主である, 図Bの収縮期雑音は僧帽弁逆流を意味する
13
頻拍を伴う心房粗動・細動の治療について正しいのはどれか
WPW症候群に合併した心房粗動・細動にdigitalis, Ca blockerは禁忌である, 徐拍化を図る治療が最優先で、Ca拮抗薬が第一選択薬である
14
慢性収縮性心膜炎の心エコー図所見で正しいのはどれか
両心房拡大が著明であるが両心室内腔は狭いことが多い, 自由壁運動低下を見る例がある, 多くの症例で心室中隔に奇異性運動が見られる
15
心室中隔欠損について正しいのはどれか
左右短絡の短絡量は、肺血管抵抗と体血管抵抗の関係によって決定される, 新生児期から呼吸不全などの重篤な心不全症状をともなうVSDでは大動脈縮窄症などの合併を疑う必要がある, VSD全体の30−40%は完全に自然閉鎖すると言われているが、6−7歳を過ぎてから欠損が完全に閉鎖することは稀である
16
心電図所見として適切なのはどれか
心房細動がある, 右室肥大がある, digitalis中毒が疑われる, 完全房室ブロックがある, 心室2段脈である
17
図は左室心尖部アプローチで得られたドプラーシグナルである、以下で正しいのはどれか
最大圧較差は約120mmHgである, 閉塞性肥大型心筋症の左室流出路血流シグナルである
18
日齢3の男児、出生直後から全身性チアノーゼと多呼吸が見られる。入院時の体重は3.2kg、聴診上有意な心雑音は認められない。血ガス:pH=7.39, pCO2=46.4, pO2=35.9,SaO2=67.7。レントゲンを図に示す。この症例に対する管理で適切ではないのはどれか
酸素投与, ベータ遮断薬投与
19
正常QRSを示す房室回帰頻拍について正しい記述はどれか
房室結節が順行伝導路を、副伝導路が逆行性伝導路を形成する, 房室結節伝導ブロックによって頻拍は停止するが、これはCa拮抗薬で期待できる, 不顕性(潜在性)WPWであることが確認されていればジギタリスも使用できる
20
二次孔心房中隔欠損症の心エコー所見で正しいのはどれか
右室拡大, 右房拡大
21
stentによる冠動脈疾患治療について正しいものはどれか
バルーンによるPTCA術後の術後の冠解離に対する治療として有効である, びまん性に狭窄が存在する細い冠動脈治療には不適である, 合併症として血栓性の亜急性閉塞がある
22
図Aは頻拍中に早期刺激を加えた時の所見である。房室解離が確認されている。刺激への頻拍反応とそれから想定されることについて、妥当と考えられる記述はどれか。Bは洞調律時に同部位から刺激した時の記録である。
刺激後に頻拍は続いているが、頻拍は刺激によりリセットされているこ, 頻拍の機序は自動能よりもリエントリーが考えられる, 頻拍には興奮間隙があると考えられる, 刺激QRSは融合波である
23
28歳男性、a:頻拍時と、b:洞調律時の体表面ならびに心内電位記録である。いずれも同じ部位から記録している。この頻拍は何か
verapamil感受性特発性心室頻拍
24
図は軽労作にて呼吸困難を訴える57歳男性の左室Mモードとパルスドプラ左室流入血流速波形の記録である。この患者の病態について正しい記載はどれか
左室径・左室内径短縮率から見た左室収縮能は正常であるが、左室流入血流速度波形は年齢を考慮すると正常とは考えられず、左室拡張末期圧が上昇している病態と考えられる。よって拡張不全の心不全と考えられる。
25
洞調律(A),頻拍発作時(B)の12誘導心電図および頻拍時の心内電位記録(C)を示す。この頻拍について正しいものはどれか。なお、冠静脈洞のカテーテル先端は左前斜位60度の方向からの透視像で2時の位置にある。
房室結節を順行伝導し、Kent束を逆行伝導する房室回帰頻拍
26
肥大型閉塞性心筋症の心機図である(正誤)
◯
27
僧帽弁逸脱の心機図である(正誤)
◯
28
僧帽弁閉鎖不全兼大動脈弁閉鎖不全の心機図である(正誤)
X
29
三尖弁閉鎖不全の心機図である(正誤)
◯
30
心房中隔欠損の心機図である(正誤)
O
31
大動脈解離について正しいのはどれか
大動脈解離ではDダイマーが増加することが多い
32
急性心筋梗塞に対する血栓溶解療法の禁忌例はどれか.
頭蓋内腫瘍が確認されている例. , 大動脈解離の疑いのある例.
33
血栓溶解療法後の再閉塞予防のための後療法(補充療法)について正しいのはどれか。
IABPを併用する., 抗血小板膜抗体の投与, ヘパリンやアスピリンの投与
34
62歳男性。3ヵ月ほど前より月に1~2回駅の階段で軽い胸部圧迫感を自覚するようになり精査希望で来院した。最近の発作は3日前で持続時間は2分程度。外来での心電図は下に示したとおりで,CPK をはじめとする血液生化学的検査では異常を認めなかった。待機的に冠動脈造影を行ったところ,左前下行枝近位部に90%の高度狭窄が存在した。左心室造影では前壁~心部の壁運動の高度低下が認められた。他日,同部に PTCA を施行し成功した。退院後心電図は正常化した。3ヵ月後の冠動脈造影では再狭窄は認めず,左室造形上の壁運動異常も消失した。この症例で正しいのは?
深い陰性 T 波は心筋梗塞を伴わない心筋虚血では出現しない, 壁運動低下部位では hibernating myocardium の存在が考えられる。, 壁運動低下部位で 1231-BMIPP 心筋シンチグラフィでの取り込み低下を認めた。
35
狭心症に対するPCIで間違っている記述は?
ステントの再狭予防効果は主として新生内膜増殖の抑制による。
36
心筋梗塞例におけるACE阻害剤の投与について正しいのは?
ACE阻害薬は心不全症例だけでなく、急性心筋梗塞患者においても生存率を改善する。, 急性心筋梗塞発症後、早期のACE阻害薬開始は約一ヶ月後から生存率を改善させる。
37
冠動脈硬化に関与が疑われている感染症はどれか
Chlamydia pneumoniae, cytomegalovirus, Helicobacter pylori
38
心電図から考えられるのはどれか
電極のつけちがい
39
妊娠の可能性がある高血圧患者に使用すべきでない降圧剤はどれか
アンジオテンシン変換酵素阻害薬, アンジオテンシンII受容体拮抗薬
40
植え込み型除細動器の適応について最も正しいと考えられるものを選べ
ペーシングにより停止可能な拡張型心筋症に伴う心室頻拍
41
肥大型心筋症について正しいのはどれか
心房細動合併は予後不良因子とされる, 鑑別疾患としてFabry病が挙げられる, 原因の一つとして心筋サルコメア性蛋白遺伝子の異常が同定されている
42
以下の記載で正しいものはどれか
アンジオテンシン変換酵素阻害薬は心筋梗塞後の生命予後を改善する, スピロノラクトンは慢性心不全患者の生命予後を改善する
43
67歳女性、2ヶ月前より労作時胸痛を自覚するため精査目的で入院となった。入院後にCAGにて左前下行枝に90%狭窄を認めた。そのため後日同部位にたいしてPCIを行う予定となった。検査翌朝、トイレ補講直後に突然呼吸困難を伴う胸痛を自覚しショック状態となった。その時の心エコー図を示す。この患者に予想される検査初見はどれか
胸部エックス線写真ーー胸水貯留, 安静時心電図ーー不完全右脚ブロック, 動脈血ガス分析ーー呼吸性アルカローシス
44
図は僧帽弁逆流
◯
45
図は大動脈弁逆流
X
46
図は僧帽弁狭窄
◯
47
図は前毛細血管性肺高血圧症
◯
48
図は収縮性心外膜炎
◯
49
Forrester の分類に関する記載で誤りはどれか.
subsetIは血行動態が正常であることを示す.
50
日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン(JSH2000)において,リスク層別化に用いられる心血管病の危険因子はどれか
高齢, 高コレステロール血症, 喫煙
51
肺高血圧症について正しいのはどれか
prostaglandin I2 製剤は肺血管平滑筋拡張作用のほか,血小板凝集能も抑制する, 原発性肺高血圧症では家族性の発症がみられる, 原発性肺高血圧症では warfarin を原則的に用いる
52
60歳の男性.約 1 ヵ月前より労作時の息切れが出現し、受診した。心エコー上左室径は正常で 左室駆出率は50%であったが,著明な左室肥大(中隔壁厚20 mm,後壁厚17 mm)があり入院した.心臓カテーテル検査にて右室圧曲線は dip and plateau 波形を示し,左室心筋生検にて AL 型のアミロイド蛋白の沈着が認められた.本疾患において正しいものはどれか.
約80%の症例で血中,尿中に M 蛋白が検出される
53
70歳,女性。44歳時に健診にて高血圧を指摘された。降圧薬投与されるもコンプライアンス不良のため血圧のコントロール不良であった。59歳で心筋梗塞にて入院した。その後は,血圧は 130/90 mmHg 前後にコントロールされていた。今回,血圧が190/110 mmHg 以上と急激に上昇し,血清クレアチニンも上昇(0.76 mg/dl→2.05 mg/dl)を認めたため,高血圧精査加療目的にて当科に入院した。MR アンジオグラフィにて図のような所見を認めた。本症例について正しいのはどれか.
本症例では腎血管造影は造影剤による腎機能悪化の危険性があるので慎重を要するが,経皮的腎血管拡張術実施が前提の場合には必須である
54
原発性アルドステロン症について正しいのはどれか
心血管合併症を生じやすく,決して予後良好ではない
55
73歳,女性.前日に夫が交通事故で死亡し,その葬儀の準備中に突然の胸部圧迫感が出現し,2 時間後に救急受診.心電図と左室造影像を図に示す.また心エコー図では左室内に70 mmHg の 収縮期圧較差を認めた.本疾患について正しいのはどれか.
一般に予後は良好である
56
amiodarone について正しいのはどれか.
副作用の多くは可逆的である
57
1 ヵ月前に抜歯の既往を有する54歳女性。2 週間前から続く38°C 台の発熱,盗汗,全身倦怠を訴えて来院した.昨夜はやや息苦しさを自覚して熟睡できなかったという。血圧122/78 mmHg,脈拍90/分・整,心尖部に汎収縮期雑音が聴取される。肺野にラ音を認めず,下肢に浮腫はない。ただちに行うべき検査・処置はどれか。重要なものを 2 つ選べ.
血液培養, 心エコー検査
58
左室拡張機能について正しい記述はどれか.
左室拡張早期に起こる左室弛緩はエネルギーを要する能動的な過程であり,収縮期に増加していた心筋細胞質内のカルシウムを筋小胞体に取り込み,細胞質内カルシウム濃度を低下させる., 一般に,心エコードプラー法による僧帽弁流入血流速波形の E/A 比と年齢は負の相関を示し,肺静脈血流速波形の S/D 比と年齢は正の相関を示す., 一過性の心筋虚血によって生じた左室拡張機能障害は,一過性心筋虚血による収縮機能障害よりも長く持続する.
59
心筋シンチグラフィについて誤った記述はどれか.
肥大型心筋症患者の左室前壁中隔壁肥厚部において 123I-BMIPPの集積低下は認めない., 123 I-MIBG 心筋シンチグラフィにおけるトレーサの心臓/上縦隔集積比(H/M 比)は心不全患者の予後評価に有用ではない., アデノシン負荷 201Tl 心筋シンチグラフィは,アデノシン負荷により高度の冠動脈収縮を惹起し,生じた心筋虚血をトレーサによって検出し画像化するものである
60
52歳の女性.生来健康であったが健康診断で胸部 X 線検査の異常を指摘された.最近,ときどき動悸と眼前暗黒感を自覚するようになり外来を受診した.脈拍60/分・整,血圧128/80 mmHg,血液所 見:赤血489×104/ml, Hb 14.4 g/dl,白血球4,000/ml,血液生化学所見:GOT 17 U/l(基準35以下),CK 160 U/l(基準200以下),CRP 0.5 mg/dl(基準0.25以下),BNP 250 pg/ml(基準20以下). 胸部 X 線写真正面像(図1)とホルター心電図(図2)を示す.診断のためにまず行うべき検査は?
全身ガリウム(67Ga)シンチグラム, 心エコー検査
61
52歳の女性。生来健康であったが健康診断で胸部 X 線検査の異常を指摘された。最近ときどき動悸と眼前暗黒感を自覚するようになり外来を受診した。脈拍60/分・整、血圧128/80 mmHg、血液所見:赤血489×104/ml、Hb 14.4 g/dl、白血球4,000/ml、血液生化学所見:GOT 17 U/l(基準35以下)、CK 160 U/l(基準200以下),CRP 0.5 mg/dl(基準0.25以下)、BNP 250 pg/ml(基準20以下)。胸部 X 線写真正面像(図1)とホルター心電図(図2)を示す。初期治療として適切なものはどれか。2つ選べ。
アミオダロン, ステロイド
62
29歳の男性.午後11時ごろ読書中に突然の動悸を自覚した後失神した.数秒後に意識は回復したが心配になり受診した.来院時意識清明,血圧130/70 mmHg,血液検査所見や胸部 X 線写 真には異常を認めず,入院後施行した心エコー図,心臓カテーテル検査でも有意な所見を認め なかった.来院時の心電図を示す(図1).本症例について正しいものはどれか.
植込み型除細動器の植込みが必要である.
63
不整脈による突然死のリスクを評価するために心臓電気生理学的検査(EPS)が有用な病態・ 疾患はどれか
心房細動既往のある WPW 症候群, 左室駆出率30%の前壁中隔陳旧性心筋梗塞
64
50歳,女性.労作時の息切れを主訴に受診した.既往歴に特記すべきものはなく,普段は元気 に過ごしているが,速く歩いたり階段を上ると途中で息切れが生じるという.ダブルマスター 負荷前・直後の心電図記録を示す(図1).正しい記載はどれか.
HV ブロックの可能性が高く,通常不可逆的である
65
症例は68歳女性.めまいを訴えて緊急受診してきた.これまで心疾患の指摘は受けていない が,約 1 ヶ月前より気管支炎の診断で抗生物質の投与を受けている.図は受診時の心電図記録である.処置として誤りはどれか.
nifekalant の点滴を開始する
66
非弁膜性心房細動における脳塞栓の危険因子について,誤りはどれか.
甲状腺機能亢進症
67
不安定プラークの特徴と考えられている所見で誤りはどれか.
高度狭窄
68
PCI 施行後の抗血小板薬の使用において誤っているのはどれか.
抜歯を伴う歯科治療が必要になったときには,aspirin は 1 週間,ticlopidine は10日間中止してから行うことが推奨されている.
69
感染性心内膜炎の予防のための抗菌薬投与が,推奨されていないのはどれか.
感染性心内膜炎の既往を有する患者の上部消化管内視鏡検査(生検を含む)
70
冠動脈バイパス手術を行う予定の患者で,大動脈弁置換術の同時手術が推奨されていないのは どれか.
該当項目なし
71
ファロー四徴症と診断されている生後3ヵ月の男児.とくに投薬を受けずに経過観察されてい たが,本日朝,強い啼泣とともにチアノーゼの増強と痙攣様の動きを認めたため救急部を受診 した.来院時は強いチアノーゼと心雑音の減弱を認めた.内科的治療で適当でないのはどれ か.
カテコラミン投与
72
妊娠・分娩においてリスクが低いと考えられる疾患はどれか.
中等度の僧帽弁閉鎖不全
73
26歳,男性.1 歳 5 ヵ月時に38°Cを超える発熱が数日続いて入院し,解熱後に指先の膜様落 屑を認めた既往がある.退院後は定期的に小児科外来を受診していたが,循環器内科への移行 を勧められ当科初診された.現在胸部症状の自覚は認めない.当科外来で施行した冠動脈 CT を図 1 に示す.この疾患で正しい記載はどれか.すべて選べ.
中小動脈血管炎が主要病態である, 患者は増加傾向にある, 我が国の発症率は欧米の10倍以上である
74
42歳の女性。成長発達に問題はなかった。数年前の職場の検診で心雑音を指摘された。最近階段を登ると動悸と息切れがするようになり来院した。身体所見では、血圧110/64 mmHg、心拍数 100回/分、経皮的酸素飽和度98%、胸骨左縁上部にII/VIの収縮期駆出性雑音、II音の固定性分裂、胸骨左縁下部に拡張期ランブルを聴取する。胸部X線写真、心電図を示す。成人期の本症によくみられる合併症として正しいのはどれか。2 つ選べ。
脳梗塞, 心房細動
75
45歳の男性。デスクワーク中に突然失神した。職場の同僚が救急車の要請をするとともに,胸骨圧迫を実施。また自動体外式除細動器(AED)を装着したところ,電気的除細動が作動。意識は回復した。救急搬送時の心電図を示す。本患者の診断としてもっとも考えられるものはどれか。1 つ選べ
不整脈原性右室心筋症
76
成人先天性心疾患のカテーテル治療について正しいのはどれか.1 つ選べ
高齢者の動脈管開存のカテーテル治療は,小児と比べ残存短絡が残りやすい
77
成人先天性心疾患について正しくないのはどれか.1 つ選べ.
感染性心内膜炎の原因菌として,多剤耐性菌が多い.
78
71歳,女性.化膿性脊椎炎で加療中,背部痛と発熱あり.翌日 WBC 3,650 /mL,CRP 7.12 mg/dL.抗菌薬が奏効せず撮影された発症 8 日目の胸部造影 CT を図 1 に示す.血圧113/64 mmHg,心雑音なし.必要な対応はどれか,すべて選べ.
鎮痛, 手術可能な施設への搬送, 頻回の画像診断
79
83歳,女性.排便時意識消失発作あり,救急車にて来院.収縮期血圧70 mmHg 台.胸痛あり.初診時胸部単純 CT を図 2 に示す.必要な対応はどれか,すべて選べ.
緊急手術, 鎮痛, 手術可能な施設への搬送
80
62歳,男性.労作性狭心症に対し冠動脈造影検査を施行したところ,左前下行枝#6:60%, その 3 cm 末梢の#7:80%,左回旋枝#11:65%の有意狭窄病変を認めた.各病変において冠 血流予備量比(fractional flow reserve, FFR)検査を施行したところ,#6:0.83,#7:0.63, #11:0.82 の結果を得た。経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)の適応として 正しいのはどれか.すべて選べ.
#6 の病変の PCI 適応は#7 の PCI 後の FFR 再評価まで不明である, #7 の病変は PCI 適応である
81
FFR の正しい計算式はどれか.1 つ選べ.
最大充血時の狭窄病変遠位側の冠動脈圧/最大充血時の大動脈圧
82
50歳の男性.2 日前から続く軽度の動悸を主訴に外来を受診した.血圧130/70 mmHg.脈拍 76/分,整.心雑音は聴取せず,肝脾腫を認めない.頸静脈怒張を認めず,下腿浮腫もない.1 年前に僧帽弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全と心房細動に対して,僧帽弁形成術と三尖弁形成術とメイズ手術を受けている.心電図を示す.正しいのはどれか.1 つ選べ
AT
83
65歳男性.夕食中に突然動悸発作が出現.安静にて経過をみていたが改善せず救急外来受診.受診時 の心電図ならびに経胸壁心エコー図を示す.入院後に施行した心筋生検からは壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が確認された. この疾患について誤っている所見はどれか.
心筋生検では好酸球浸潤を認めることが多い
84
75歳の女性.3 ヵ月前からの労作時胸部絞扼感を主訴に外来を受診した.冠動脈 CT 検査にて冠動脈石灰化の散在と有意狭窄の存在が示唆されたため,冠動脈造影検査施行目的で入院となった.12誘導心電図検査で著変を認めない.冠動脈造影検査所見を示す(図1).正しいものを1 つ選べ.
左冠動脈前下行枝中位部に有意狭窄を認める
85
CAGで有意狭窄を認め、FFR を施行したところ,有意狭窄部分で0.72であったため,同部位に対して経皮的冠動脈形 成術を施行する方針となった.狭窄部に対して光干渉断層法を施行したところ,図 2 に示すような比較的境界明瞭で内部不均一な病変を認めた.所見と治療方針について最も適切なのはどれか,1 つ選べ.
石灰化病変に対して rotational atherectomy の使用を検討する
86
心臓移植医療の適応となりうるのはどれか.1 つ選べ.
登録検討時年齢:62歳
87
成人の心臓移植医療について誤っているものはどれか.1 つ選べ.
非移植施設であっても,自施設の院内検討会で適応ありと判断されれば待機リストに登録できる.
88
60歳男性. 1 ヵ月前から歩行時の息切れが増強するのを自覚していた.前日夜より前胸部から喉周囲ヘの違和感 が断続的に出現.午前 6 時頃より症状が増強し改善しないため救急車で搬送.病院到着午前 7 時56分. 体温36.0°C 血圧86/50 mmHg,脈拍数52/分 呼吸数22/分 SpO2 95% 冷汗,皮膚蒼白あり.頸静 脈怒張あり. 心筋トロポニン T 定性 陰性.ポータブル心エコーでは左室壁運動はびまん性に壁運動低下してお り,asynergy は明瞭ではない.心膜液貯留なし. 胸部 X 線(臥位) 心拡大なし 肺うっ血なし 12誘導心電図を図 1 に示す.緊急血算 白血球数7,800/μL ヘモグロビン濃度15.6 g/dL 血小板数 25.3×104/μL 血清生化学は結果待ちの状態 既往歴:糖尿病,高血圧 この時点で次に行うべき検査として最も適切なのはどれか
心臓カテーテル検査
89
心原性ショックを伴う ST 上昇型心筋梗塞で正しい考え方はどれか.2 つ選べ.
本症例では右側胸部誘導 V3R-V6R が治療方針の決定にも有用である, 高齢で心停止したショック患者においては primary PCI の予後改善効果は確立されていない.
90
症例は52歳の女性.2 週間ほど前から労作時に息切れを自覚するようになったため受診した.身長 162 cm,体重48 kg,血圧は150/68 mmHg,脈拍40/分.心電図および心エコーを示す.(図 1 ,図 2 )血 液検査では,白血球6,000/μL,赤血球4.13×106/μL,血小板259×103/μL,AST 27 U/L, ALT 18 U/L, アンジオテンシンI転換酵素 ACE 21.8 U/L(正常値:8.3~21.4),リゾチーム15.2μg/mL(正常値 5~ 10.2),可溶性 IL2 レセプター:sIL-2R 1750 U/mL(正常値:145~519)であった. この症例について,次の問いに答えよ。確定診断のために有用でない画像検査はどれか.
冠動脈CT
91
35歳,女性.24歳で第一子出産時に心雑音を指摘されたが,特に精査を行わなかった.感冒で近医を 受診したところ,心雑音を指摘され,精査目的で来院した.胸骨左縁第 2 肋間で Levine II/VIの収縮 期駆出性雑音を聴取した.心電図および心エコー図を示す(図 1,図 2 ). 治療として正しいのはどれか.
経過観察
92
ASDで放置しても起こる可能性の低い病態はどれか
細菌性心内膜炎
93
75歳男性.3 年前から労作時息切れがあり,2 年前に慢性心房細動に対するアブレーション治療が成 功するも,息切れとふらつき症状が増悪するため受診. 既往歴:20年前から高血圧を認め内服治療中.10年前に手根管症候群・脊柱管狭窄症の手術 家族歴:特記事項なし 血液検査:TP 7.9 g/dL,Alb 4.0 g/dL,BNP 220 pg/mL,M 蛋白なし 尿検査:Bence Jones 蛋白を認めない 12誘導心電図(図 1 ),心エコー(図 2 )を示す.心エコー検査では全周性左室肥厚を認めるが左室駆出率は58%と保たれている.冠動脈 CT では冠動脈狭窄を認めない.心臓 MRI では左室内膜側に全周 性のガドリニウム(Gd)遅延造影を認める.テクネシウムピロリン酸(Tc‒PYP)心筋シンチグラムでは心筋全体に肋骨より強い集積を認める. 考えられる疾患はどれか
アミロイドーシス
94
ATTR アミロイドーシスの治療を行う際に必要な確定診断のための検査はどれか.2 つ選べ.
心筋生検(免疫組織化学染色) , 遺伝子検査
95
51歳の女性.2 ヵ月前に 2 時間ほど持続する強い胸部絞扼感を自覚,その際は安静にて症状が軽快し たため放置していたが,その後より安静時を中心に胸部圧迫感を自覚するようになったため外来を受診した.冠動脈 CT 検査にて左前下行枝に内腔の不整が疑われたため冠動脈造影検査を実施した. 冠動脈造影所見を示す(図1).冠血流予備量比(fractional flow reserve: FFR)を測定したところ 病変末梢部位で0.78の結果を得た.この結果の正しい解釈として正しいのはどれか.すべて選べ.
左前下行枝の病変は侵襲的血行再建の適応になる, 左前下行枝の病変により最大充血時の冠血流量が22%低下している
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胸痛精査にて病変を光干渉断層画像(optical frequency domain imaging: OFDI)で観察したところ,図2に示すような所見が得られた.狭窄の原因はどれか,1 つ選べ.
冠動脈自然解離
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安定狭心症患者に対する治療方針として,至適薬物療法が侵襲的冠動脈インターベンション に対して非劣勢であることを示した臨床試験はどれか.2 つ選べ.
COURAGE 試験, ISCHEMIA 試験
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65歳の男性.ぶどう膜炎にて通院中であった。6 ヵ月前から労作時の息切れが出現したことから紹介受診となった.初診時の心電図では第 1 度房室 ブロックを認めた.その後ふらつき,数秒間の意識が遠のく感じを伴うようになり,精査加療目的にて入院となった. 現症:身長 165 cm,体重 60 kg,体温 36.8°C,脈拍 45/分 整,血圧 162/74 mmHg.SpO2 94%。心 音 III音あり,呼吸音 両肺野に crackle、下腿浮腫あり 検査所見:WBC 6700,赤血球 430万,Hb 14.6 g/dL,Plt 28万,尿素窒素 44 mg/dL,クレアチニン 1.1 mg/dL,総蛋白 7.2 g/dL,AST 38 IU/L,ALT 24 IU/L,CRP 0.325 mg/dL,BNP 490 pg/mL (基準18.4未満) 胸部 X 線写真,12誘導心電図,心臓エコー:図 次に行うべき検査はどれか
心臓 MRI, 18F‒FDG PET
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心サルコイドーシスにおいて正しいものはどれか。2つ選べ
ステロイド治療の適応がある, 心内膜心筋生検では陽性率が低い
100
83歳の男性.3 ヵ月前から労作時の息切れ,胸部絞扼感が出現してきたことから紹介受診となった. 現症では,胸骨右縁第 2 肋間を最強点とした Levine III/IVの収縮期駆出性雑音を聴取した.入院時の 心エコー検査を示す(図 1 ).冠動脈造影検査では有意狭窄を認めない.
ドブタミン負荷心エコー検査, 心臓 CT による石灰化スコア評価