問題一覧
1
消化器疾患の吐いたという症状には何があるか答えよ。
①嚥下困難 ②吐出 ③嘔吐 ④吐血
2
嚥下困難と吐出の時の吐物の性状と吐く時の様子を答えよ。
吐物の性状→嚥下困難:未消化物 吐出:未消化物 吐く時の様子→嚥下困難:努力なしに吐く 吐出:努力なしに吐く
3
嚥下困難を疑う時の問診のポイントを答えよ。
①症状の発現は急性か慢性か 急性→異物や炎症を示唆 慢性→腫瘍や神経筋障害を示唆 ②口腔性嚥下障害を示唆する所見 食物をくわえることが困難 咀嚼時に頭を横や後に傾けるそぶり 食物を落とす・こぼす ③咽頭・輪状咽頭部の嚥下困難を示唆する所見 嚥下時に大袈裟なそぶりや頭を振る行動 吐出 咳や呼吸器症状
4
嚥下困難のキーポイントを答えよ。
嚥下困難のキーポイントは 開口障害、閉口障害、側頭筋の萎縮
5
咽頭機能の評価はまず何で行うか
まずはX線透視撮影で行う。
6
舌による食塊形成や咽頭部の収縮による食道内への輸送障害と、輪状咽頭筋の弛緩障害の病名を答えよ。また、このような病気があった時の対処方法を答えよ。
舌による食塊形成や咽頭部の収縮による食道内への輸送障害→咽頭機能不全 輪状咽頭筋の弛緩障害→輪状咽頭アカラシア
7
吐出の症状で嚥下困難も併発しているならばどのような疾患が考えることが可能であるか。
①口腔疾患 ②咽頭疾患 ③咽頭輪状筋疾患
8
吐出の症状で、嚥下困難を併発していないようであったらどのような疾患が考えることが出来るかを考えよ。
食道疾患
9
食道の通過障害であったら鑑別診断として一番上に上がってくるものは何かを答えよ。
食道内異物
10
吐出の鑑別診断で重要なものを二つ答えよ。
①食道炎による食道狭窄 ②食道炎による食道拡張
11
食道炎の確定診断をする時は何を用いるかを答えよ。また、病理検査をするかどうかを答えよ。
食道炎の確定診断をする時は内視鏡検査を用いる。また、病理検査をすることは稀
12
麻酔による逆流性食道炎で、何がみられたら食道炎を疑った方が良いかを答えよ。
1週間くらい後から、流炎・吐出症状がみられたら食道炎症を疑う。1週間くらい後から発症することが多い。
13
猫で食道炎を起こしやすい薬剤を答えよ。
ドキシサイクリン
14
食道炎が起こると、胃酸や胆汁酸の食道への逆流が起こるが、なぜ起こるかを答えよ。
食道炎になると、食道の運動性の低下と、下部食道括約筋の弛緩が起こるこのことによって胃酸や胆汁酸の食道への逆流が起こる。
15
食道炎が重度になった時の予後を答えよ。
食道狭窄
16
食道狭窄は食道炎に続発するものが多く、猫ではドキシサイクリンなどの薬を使用することによって起こる。これの治療は何で行うかを答えよ。
バルーン拡張術を使用する。
17
吐出の鑑別診断で血管輪異常を一番引き起こす先天性奇形をなんと言うか答えよ。
右大道脈弓遺残
18
右大動脈弓遺残はどのような時期に発言することが多いかを答えよ。
離乳期に吐出症状を発現することが多い。
19
右大動脈弓遺残の外科的治療と内科的治療の栄養管理を答えよ。
外科的治療・・・開胸下での道脈管索切離 内科的治療・・・立位摂食
20
先天性で裂孔ヘルニアになりやすい犬種を答えよ。 また、裂孔ヘルニアには何型と何型があるかを答えよ。
チャイニーズ・シャーペイ、チャウチャウ 滑脱型、非滑車脱型
21
食道の通過障害と食道の虚脱の違いを答えよ。
・食道の通過障害は、二次的に食道拡張を起こす。(どこかで食道は狭窄・閉塞している) ・食道の虚脱は、食道そのものが拡張する(狭窄や閉塞はしていない)
22
巨大食道症の診断として続発性と特発性があるが、続発性はいつ診断できるかを答えよ。
まず、続発性巨大食道症の可能性を考えて基礎疾患を除外してから、特発性巨大食道症の可能性を考える。
23
内視鏡による異物摘出の原則を答えよ。 内視鏡は〜の異物に適応
内視鏡は食道や胃内の異物に適応
24
慢性胃炎の治療で食事内容はどのように変更するかを答えよ。
低脂肪食、低繊維食、除去食 絶食はできるだけ控える。
25
制酸薬として何を用いるかを答えよ。
H2受容体拮抗薬 プロトンポンプ阻害薬
26
逆流性胃炎のよくあるパターンを答えよ。
夜間から朝(食前)にかけて胆汁色の嘔吐症状 その他、症状は認めない。
27
ヘリコバクターはなんの病気の原因となることがあるかを答えよ。
ヘリコバクターは胃のリンパ腫の原因となることがある。
28
ヘリコバクターによる慢性胃炎を診断する前に何をすることが最優先となっているかを答えよ。
他の胃炎の原因を除去することが優先。
29
薬剤誘発性の胃炎が起こりやすい薬剤を答えよ。
NSAIDsと副腎皮質ステロイド また、NSAIDsと併用すると粘膜障害は増強される。
30
NSAIDsによる粘膜障害に対して使用される薬剤を答えよ。
ミソプロストール
31
D2受容体拮抗薬と、5HT-4受容体作用薬の消化管運動促進薬を答えよ。
メトクロプラミド、モサプリド
32
肥厚性幽門狭窄の種類を二つ答えよ。また、発症しやすい犬種を答えよ。
良性幽門筋肥大→短頭種、胃前庭部粘膜肥大→高齢の小型犬
33
肉芽腫性胃炎の原因は何が一般的かを答えよ。
感染症、異物が肉芽腫性胃炎では一般的
34
ミニチュアダックスフンドでは幽門狭窄が多いが、ミニチュアダックスフンドで多い幽門狭窄の種類を答えよ。
肉芽腫性
35
ミニチュア・ダックスフンドでの肉芽腫性胃腸炎では何と関連があるかを答えよ。 また、治療法では何が基本であるかを答えよ。
縫合糸関連性肉芽腫と、無菌性結節性脂肪織炎と関連性がある。 治療法では免疫抑制療法が基本である。
36
犬と猫の胃の腫瘍で一番多い癌の種類をそれぞれ答えよ。
犬→腺癌 猫→リンパ腫
37
胃腺癌に分類されて予後不良な癌は何かを答えよ。
印環細胞癌
38
胃腺癌に感染したらどの様に治療を行うか。また、予後はどうなっているかを答えよ。
治療方法→外科的切除 予後→基本的に不良
39
造影検査をしてみて、胃からのバリウム排出の遅延が起こる幽門肥厚・狭窄は何かを答えよ。また、幽門狭窄が起こる動物の種類を答えよ。
良性幽門筋肥大→短頭種 肉芽腫性幽門狭窄→M・ダックス 腫瘍→胃腺癌
40
胃拡張胃捻転症候群を起こしやすい犬種と、何をしたら起こってしまうか、また治療方法を答えよ。opeの後は何に注意をする必要があるかを答えよ。
犬種→胸の深い大型犬 何をしたら起こる→飲水・食後の急激な運動 過食・早食い 治療方法→胃の減圧・胃壁固定術 opeの後→再かん流障害に注意をする。
41
腸閉塞(イレウス)ではどのような閉塞があるか答えよ。
機械的イレウス→物理的な閉塞 機能性イレウス→腹膜炎や疼痛などによる消化管の麻痺
42
小腸内異物の診断では何が有効であることが多いかを答えよ。
超音波検査が有効であることが多い。
43
紐状異物が見られた場合、どのような検査を行うかを答えよ。
造影X線検査
44
胃内異物、小腸内異物ではまず、どのような処置を考えるべきか。また、禁忌の薬剤を答えよ。
基本的に外科的な除去を考えるべき 禁忌→消化管運動促進薬
45
腸重積はまずどのような治療を考えるべきかを答えよ。
腸重積は原因疾患の治療を考える。
46
蠕動運動が亢進している機能的イレウスがあると超音波検査でどのような所見を見ることができるかを答えよ。
コルゲートサイン
47
便秘の原因は何があるか二つ答えよ。
閉塞性(機械性)か、神経性(機能性)が挙げられる。
48
巨大結腸症を後天性に起こす猫の特徴を答えよ。
猫では特発性が多い。
49
巨大結腸症の治療では何を行うかを答えよ。
食物線維を取らせる。 下剤→ラクツロースなどを与える。
50
急性腸炎の治療法を答えよ。また、抗菌薬は使用するか。
急性腸炎の治療法は多くは自然寛解で 抗菌薬は基本的に不要で、全身性に波及している場合は使用する。
51
パルボウイルス性腸炎の症状を答えよ。また、どのくらいしたら治るか答えよ。
パルボウイルス性腸炎の症状は 急性の血様の下痢 トマトジュース様 基本的に一過性
52
猫のパルボウイルスが、妊娠末期に感染すると新生児子猫にどのよううな影響があるか。また、ねこのパルボウイルスはなんの血球がどの様になるか答えよ。
妊娠末期に猫パルボウイルスに感染すると新生児子猫は小脳形成不全を起こす。白血球減少は犬より顕著。
53
猫のTritrichomonas foetsuの臨床症状はどの様になるか。診断は何で行うかを答えよ。
猫のTritrichomonas foetusは感染猫の90%が無治療で2年以内に臨床症状改善して生涯キャリアとなる。 診断は糞便直接塗沫で行う。
54
Tritrichomonas foetus はいつ再発するかを答えよ。
休薬後に再発する事が多い。
55
ジアルジア症の検査方法を答えよ。
直接鏡検査、硝酸亜鉛浮遊法、抗原検出、リアルタイムPCR
56
芽胞菌=クロストリジウム悪玉菌と善玉菌は直接鏡検やグラム染色で見分けることができるかを答えよ。また、試験的治療をどのように行うかを答えよ。
直接鏡検やグラム染色では見分けられない。また、試験的治療は高線維食をする
57
カンピロバクターは、直接鏡検査やグラム染色だけで診断することは可能であるかを答えよ。
カンピロバクターは直接鏡検査やグラム染色だけでは診断することは不可能である。
58
サルモネラ性腸炎の診断は何で行うかを答えよ。
糞便のPCR
59
どのような時に慢性腸症と診断するかを答えよ。
①消化器症状が3週間以上 ②消化管以外の疾患がない ③消化管のMassとかもない。
60
蛋白漏出性腸症(PLE)の診断では何を行うか。
食前食後の総胆汁酸 尿蛋白・クレアチニン比 これら二つを除外する。 嘔吐・下痢を施している場合にはPLEが強く疑われる。
61
蛋白漏出性腸症の予防をする時の注意点を答えよ。
血栓の予防をまず行う。 血漿輸血 クロビドグレル リバロキサバン
62
蛋白漏出性腸症の治療法を答えよ。
①原因疾患の治療が最優先 ②抗血栓療法
63
腸リンパ管拡張症の二つの原因と治療法を答えよ。
腸リンパ管拡張症の治療は原発性と続発性があり、原発性であったら食事療法が推奨され低脂肪食と超低脂肪食がメイン
64
原発性腸リンパ管拡張症状の食事療法で超低脂肪食を食べるが、何を誘発する可能性があるか答えよ。
栄養性上皮小体機能亢進症を誘発する可能性。
65
犬猫のIREの診断基準を答えよ。
①3週間以上の消化器症状 ②基礎疾患の除外 ③食事療法や抗菌薬に反応しない ④組織学的な腸炎の存在 ⑤ステロイドへの反応性
66
慢性腸症の分類で、一番最初に診断する基準を答えよ。
①3週間以上の消化器症状 ②基礎疾患の除外
67
慢性腸症で食事療法に反応した場合、抗菌薬に反応した場合、ステロイドに反応した場合どの様な腸症が挙げられるかを答えよ。
食事療法→食事反応性腸症 抗菌薬→抗菌薬反応性腸症 免疫抑制療法→免疫抑制薬反応性腸症
68
慢性腸症/食事反応性腸症に対するIgE検査の有効性は証明されているかどうかを答えよ。
IgE検査は証明されていない。
69
不溶性線維はどの様な場合はNGかを答えよ。
小腸疾患ではNG
70
消化器疾患における食事療法で、消化吸収不良であれば、大腸性下痢であれば、それ以外であれば何を用いるかを答えよ。
消化吸収不良であれば→低脂肪食 大腸性下痢であれば→高線維食 それ以外であったら→低アレルゲン食、可溶性線維増強食
71
抗菌薬反応性腸症のマーカーを答えよ。
コバラミンと葉酸
72
抗菌薬を乱用するべきではない。では抗菌薬はどのような時に使用するべきか。
①細菌感染症の存在が明らかである。 ②抗菌薬を使用しなければ症状の改善が見込めない時。
73
慢性下痢で抗菌薬を使用するタイミング二つこたえよ。
①全身性の炎症性変化の所見が認められる場合 ②感染が起こる危険性が高いと考えられる場合 ③特殊な腸炎の場合。
74
内視鏡の主な目的を答えよ。
①腸炎を証明する ②病変(腸炎)の重症度評価 ③特殊な腸炎の鑑別 ④腸リンパ管拡張症の評価 ⑤リンパ腫の鑑別
75
消化管内視鏡検査で見にくい部位を答えよ。
空腸
76
消化管内視鏡で禁忌なことを4つ答えよ。
①消化管穿孔やイレウス ②麻酔ができないような重篤な状態 ③重度の血液凝固異常 ④消化管手術の直後
77
消化管内視鏡の時に使用を避けた方が良い薬剤を答えよ。
①消化器運動亢進薬 ②粘膜保護剤 ③造影剤
78
消化管内視鏡の基本的な体位を答えよ。
左側臥位
79
内視鏡の一番の目的とそれ以外の目的を答えよ。
①リンパ腫の鑑別 ②腸炎を証明 ③病変の重症度評価 ④特殊な腸炎の鑑別 ⑤腸リンパ管拡張症の評価 ⑥リンパ腫の鑑別
80
小細胞性リンパ腫の問題点は何か。
総合的な診断が必要なこと。 各領域から8-10個は生検する。
81
小細胞性リンパ腫を診断するために必要なこと。
病理組織診断の精度を上げるために ①病理組織診断の精度を上げるためにできるだけ大きな生検サンプル ②出来るだけ沢山の生検サンプル ③濾紙固定法 病理だけに頼らず総合的に診断すること ①細胞診・クローナリティ検査も必須 ②悩ましいなら病理医に免疫組織化学を依頼。
82
猫の大細胞性消化管型リンパ腫の治療として主流なものを答えよ。
全体的にはCHOP-based protocolが主流
83
猫の小細胞性リンパ腫の治療薬を答えよ。
プレドニゾロン&クロラムブシル
84
大細胞性消化管型リンパ腫は予後はどうなっているかを答えよ。
基本的に予後の悪い疾患
85
腸腺癌の治療は何で行うかを答えよ。
手術
86
平滑筋肉腫と消化管間質腫瘍はどこに多いかを答えよ。また、治療方法を答えよ。
平滑筋肉腫は小腸、 GISTは幽門洞、回盲部〜結腸に多い。 GISTの治療法は分子標的薬である。
87
ミニチュア・ダックスフントではどのようなポリープが多いかを答えよ。
ミニチュア・ダックスフントでは炎症性結直腸ポリープが多い。
88
炎症生ポリープを病理で診断するときに注意することを答えよ。
部分的に腫瘍化していることがあるから、なるべく大きく採材して生検鉗子は出来るだけ多く摂ることが重要である。
89
ミニチュア・ダックスフントの炎症生血直腸ポリープの治療の基本を答えよ。また、大きいポリープがあるんだったらどうするか。
治療の基本は免疫抑制→プレドニゾロン、シクロスポリン、レフルノミド、 大きいポリープがあるなら→ポリペクトミー、粘膜・粘膜下プルスルー
90
肛門フルンケル症状はどの犬種に発症しやすいかを答えよ。 また、肛門フルンケル症は何が第一選択薬になっているかを答えよ。
G.シェパード、シクロスポリンが第一選択薬になっている。
91
組織球性潰瘍性大腸炎はどの動物に発症しやすいか。また、どの様な年齢の動物に発症するか。治療薬を答えよ。
動物→ボクサー・フレンチブルドッグ 年齢→2歳以下に多発 治療→エンフロキサシン
92
ジャーマン・シェパードは何が多いかを答えよ。
①慢性腸症が多い ②肛門フルンケルも多い ③膵外分泌不全も多い。
93
柴犬の慢性腸症の特徴を答えよ。
生存期間は短い。
94
①好酸急性硬化生線維増殖症はどの動物に多いか。 ②また、どこの臓器の領域に好発するか。 ③病理組織検査で基本的には診断を行うが、診断をする時の特徴を答えよ。
①ラグドールに好発 ②幽門〜十二指腸領域、回盲部に好発 ③診断 好酸球浸潤を伴う繊維組織の塊 病理内部に菌塊を認める場合がある。 内視鏡では診断できないことが多い。
95
好酸球性硬化性線維増殖症の治療法を答えよ
外科的切除 免疫抑制療法→プレドニゾロン これら二つを使用すると良い。
96
胃拡張捻転症候群を発症した時に胃固定を実施しないと再発率hどのくらいかを答えよ。また、胃固定をした場合再発率はどのくらいになるかを答えよ。
再発率→80% 固定法を行ったら再発率<10%
97
幽門部の通過障害になった時に行う手術法を答えよ。
ビルロートⅠ法
98
腸管で唯一強靱な層であって縫合時に必ず貫通するべき場所はどこかを答えよ。
粘膜下組織
99
経が異なる腸管の吻合で重要なことを答えよ。
逆向き斜めに切ってはいけない。
100
粘膜下組織を縫う時の理想的な方法を答えよ。
Gambee縫合