問題一覧
1
水素
特徴 ・無色無臭 ・最小の密度 ・還元性が強く、高温で金属の酸化物や塩化物と反応し金属を遊離 ・拡散速度が大きい 用途 ・アンモニア合成、メタノール合成 ・燃料電池、ロケット燃料 製造法 ・炭化水素、メタノール、水が原料 ・メタノールを水蒸気改質させる方法で製造可能、触媒としてCu-Cr-Mn、Cu-Zn系のものが使用され、反応温度200-300℃の維持のため、多管式反応装置を用い、熱媒体で加熱する。圧力は1.5-2.0MPa。 CH3OH+H2O→CO2+3H2 中・小規模の製造に適し、オンサイト用装置として半導体工業などに使用。
2
一酸化炭素
性質 ・無色無臭、可燃性、毒性が強い ・還元性の強いガス ・鉄族の金属と反応して金属カルボニルを生成 用途 ・メタノール合成 ・酢酸合成 製造法 ・工業的には石油や石炭をガス化して得られる水性ガスおよび製鉄所からの副生ガスから回収する方法 C+O2→CO2 C+CO2→2CO
3
二酸化炭素
下図
4
酸素
下図
5
窒素
下図
6
貴ガス
下図
7
メタン
下図
8
エチレン
下図
9
LPガス
下図
10
プロピレン
性質 ・不飽和結合を1個持っているため、エチレンと似た性質 ・重合すればポリプロピレン、水素化すればプロパン、水和すると2-プロパノール、塩素化すれば塩化アリル、ベンゼンに付加してクメン、接触酸化するとアクロレインを生成 用途 ・上記の原料 製造法 ・下図
11
ブテン C4H8
性質 ・1-ブテン、2-ブテン、イソブテンが含まれ、2-ブテンにはトランス、シス体がある。 ・無色無臭、可燃性 用途 ・LLDPEを作る際のコモノマー ・無水マレイン酸→PBT樹脂 ・ガソリン添加剤のMTBEの原料 製造法 ・ナフサの分解でC4留分から分離する方法 C4留分のうち、多く含まれるブタジエンを溶剤を用いた抽出方により分離し、ラフィネートⅠと呼ばれる残りの留分からブテンを分離する。
12
ブタジエン CH2=CHCH=CH2
性質 ・シス、トランス構造があり、後者が安定 ・無色で、微かな芳香のある可燃性ガス ・常温でも空気中の酸素と反応して、徐々に重合性の過酸化物を作る。 ・長時間保存する場合は低温にし、重合防止剤を添加する。 用途 ・合成ゴム ・合成樹脂 製造法 ・ブタンを脱水素すればブテン、さらに脱水素するとブタジエンになり、600℃程度で減圧または水蒸気の存在下で反応 触媒にはCr2O3-Al2O3系などが使用
13
アセチレン
性質 ・三重結合を持つアルキンの最小のもの ・無色、可燃性ガス、純粋なのはエーテルのような香気を有するが不純物のせいで特有の臭気 ・酸素ガスで燃焼すると3000℃を超える温度の火炎 ・爆発範囲2.5-100%で水素より広い ・標準生成エンタルピーが正で分解爆発を起こす可能性が高い 用途 ・金属の溶断溶接、カーボンブラック 製造法 ・カルシウムカーバイドと水の反応によりアセチレンを得る CaC2+2H2O→C2H2+Ca(OH)2
14
アンモニア
性質 ・強い刺激臭、無色、可燃性、毒性 ・水溶性で水溶液は弱アルカリ性 ・酸素中で黄色い炎をあげて燃える ・可燃性だが、発火エネルギーが大きいため発火が容易でなく、燃焼速度が小さいため、バーナー火炎の形成は容易でない。 ・液化アンモニアはハロゲンや強酸と激しく反応し発火爆発することもある。 用途 ・尿素、硝酸、肥料、合成繊維など 製造法 ハーバーボッシュ法 鉄を主体とした触媒上で水素と窒素を 400–600 °C、200–1000 atmの超臨界流体状態で直接反応させる、下の化学反応式によってアンモニアを生産する方法 1/2N2+3/2H2→NH3
15
シアン化水素
性質 ・無色透明、可燃性、毒性、特有のアーモンド臭 ・純粋なものは安定、水分またはアルカリ性物質を含むと重合促進 ・重合は発熱反応、自触作用があるため、時に爆発する ・水に溶けて弱酸性 用途 ・メタクリル酸メチル(MMA)合成 ・ヘキサメチレンジアミン合成 製造法 ・Sohio法によるアクリロニトリル製造の際の副生物から回収する。 ・その他に、白金触媒上でメタンとアンモニアを空気酸化させることで合成する方法もある(Andrussow法)。火炎反応で0.2-0.3MPa、1100℃で反応させ、急冷。 CH4+NH3+3/2O2→HCN+3H2O
16
二酸化硫黄
性質 ・強い刺激臭、無色、不燃性、毒性ガス ・安定なガス、水に溶けて酸性示す ・液化二酸化硫黄は純粋であればでんきでんどうどあは小さいが、溶解性塩を加えると非常に良くなる 用途 ・硫酸 ・漂白剤 製造法 ・硫化鉄鉱を空気中で燃焼させる方法、硫黄あるいは回収硫黄を燃焼させる方法
17
塩素
性質 ・空気より重く、激しい刺激臭、黄緑色ガス ・毒性、酸化力が強く、可燃性物質に対して支燃性を示す ・活性が高く、貴ガス、炭素、窒素、酸素以外の元素と直接化合 ・水分を含んだ塩素ガスは常温でも極めて腐食性が強く、チタン以外のほとんどの金属材料を激しく腐食させる。 用途 ・塩化ビニルなどプラスチック類、合成ゴム、塗料やインキなど原料や工程で使用 製造法 ・食塩水の電気分解、イオン交換膜法 陽極と陰極を陽イオン交換膜で仕切って食塩電解を行うもの。陽極で塩素を発生し、ナトリウムイオンと水のみが交換膜を通過して陰極側に入り、陰極でカセイソーダを生成して水素を発生させる。 隔膜法より純度が高くコストも有利
18
ホスゲン COCl2
性質 ・無色、青草臭、極めて毒性の強いガス ・液体は無色、市販品は淡黄緑色 ・加水分解で二酸化炭素と塩酸 ・加熱で一酸化炭素と塩素 ・可燃性でも支燃性でもない ・水分があると金属腐食 用途 ・染料およびその中間体の製造接着剤、塗料、医薬品、農薬 製造法 ・一酸化炭素と塩素を50-150℃で活性炭触媒を、用いて反応させると得られる。 CO+Cl2→COCl2 多管式反応器を用いる
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塩化ビニル CH2=CHCl
性質 ・無色、クロロホルムに似た特異な臭気、可燃性、毒性 ・ほとんど水に溶けない、溶剤には大体溶ける ・化学的に活性であり、熱、光、ラジカル触媒で容易に重合 ・極めて可燃性が強い ・水と接触すると僅かに塩酸が生成して鉄などを腐食 用途 ・ポリ塩化ビニルの原料、フィルム、シート、容器および塗料など 製造法 ・EDC熱分解法 塩化鉄Ⅲを触媒とし、液相でエチレンと塩素を反応させて、1,2-ジクロロエタンをつくり、これを熱分解して塩化ビニルを製造する CH2=CH2+Cl2→ClCH2CH2Cl ClCH2CH2Cl→CH2=CHCl+HCl
20
フッ素
性質 ・常温で特有な刺激臭、淡黄色、強い毒性 ・最も強い酸化力をもつ元素 ・腐食性が強く、ほとんどの金属と反応 ・水素とは低温でも激しく反応 用途 ・六フッ化ウラン、六弗化硫黄、フッ化炭化水素の製造 製造法 ・天然の蛍石(CaF2)や氷晶石(Na3AlF6)を原料にフッ化水素やフッ化カリウムをつくり、フッ化水素カリウムの融解混合物(KF・HF、KF・2HF、KF・3HF)を電解して製造する