問題一覧
1
ジスルフィド結合を還元し開裂することで炎症反応の進展抑制
ペニシラミン
2
SH 基が、ラジカルと反応するので、⭐️ラジカルスカベンジャー作用を発揮する。
ペニシラミン
3
2 分子で 2 価金属イオン(特に Cu2+)と錯体を形成する。関節リウマ チ以外では、鉛、水銀、銅による金属中毒にも用いられる。
ペニシラミン
4
⭐️制御性 T 細胞を活性化することに加え、B 細胞が抗体産生能を有する状態への分化を抑制し、自己免疫抗体産生能を低下させる。
アクタリット(ロベンザリット)
5
T 細胞およびマクロファージに作用し、それらの細胞からのサイトカイン(IL-1、IL-2、IL-6)産生を抑制し、関節リウマチ患者での異常な抗体産生を抑制する。
サラゾスルファピリジン
6
適用は、疾患活動度の高い関節リウマチとなる。
メトトレキサート
7
炎症細胞での 5-Aminoimidazole-4-carboxamide riboside transformylase (AICAR transformylase) 阻害による局所のアデノシン増加を介した adenosine A2A receptor 刺激により、抗炎症作用を発揮する
メトトレキサート
8
生体内で活性代謝物に変換され、dihydroorotate dehydrogenase (DHODH)を阻害することにより de novoピリミジンヌクレオチド生合成を停止させる(MTX 不応性の場合に用いられる)。
レフルノミド
9
⭐️活性代謝物 (名前は?) は血液中から胆汁に移行し、腸管内腔に排出される。しかしながら、胆汁酸の腸肝循環により、再度生体内へ取り込まれる。陰イオン交換樹脂を用いると胆汁酸が樹脂に吸着され、活性代謝物の再吸収が阻止されるため、t1/2 が 14 days から 22 hr に短縮される。 (有害事象が発生した時の対処方法)
テリフルノミド
10
⭐️NFκB活性化を抑制することでB細胞からのの Ig G と IgM の転写を抑制し、同時に、単球/マクロファージと滑膜細胞の炎症性サイトカイン (TNFα、IL-1β、IL-6、IL-8、MCP-1など)の発現も抑制し、過剰な疼痛反応および炎症性の免疫応答を阻止する。さらに COX 阻害作用も有するので、抗炎症薬による上部消化管障害を増悪する。
イグラチモド
11
本来は免疫抑制薬として用いられている。6-メルカプトプリン (6MP) のイミダゾリル誘導体で、生体内で6MP に変換される(アロプリノールとの併用では薬物作用が増強される)。6MP は、サルベージ合成経路で イノシン酸に拮抗するチオイノシン酸となり、プリンヌクレオチド生合成 (再生)を阻害する
アザチオプリン
12
⭐️治療抵抗性リウマチ疾患に使用 骨髄系細胞は感受性が高いので、強力な増殖抑制作用を示す そのため、骨髄抑制による血液障害を考慮した対処が求められる(日和見感染に注意しなければならない
アザチオプリン
13
体液中(血液および組織液)の TNFα(可溶型 TNFα)、産生細胞の膜表面に結合した TNFα および細胞膜表面の受容体に結合した TNFα を認識し、選択的に結合するキメラ抗体である。
インフリキシマブ
14
TNFαに対するヒトモノクローナル抗体(human Ig G monoclonal antibody) で⭐️可溶性および膜結合型TNFαの両方を標的とする。 加えて、受容体に結合している TNFα を解離させる作用も有する。
ゴリムマブ
15
可溶型TNFαに対する ヒトモノクローナル抗体で TNFα の受容体への結合を阻止する(他のサイトカインには反応しない)。中和抗体の出現頻度が極めて低いので、インフリキシマブが功奏しない場合に用いられる。
アダリムマブ
16
TNFα 抗体 (2分子) およびヒト血性アルブミン (human serum albumin;HSA) 抗体で構成される低分子抗体で、 ⭐️3 量体構造の融合タンパク質である。 ⭐️TNFα 抗体により、遊離型(血中)および膜結合型 TNFα を捕捉し中和する。ヒト血性アルブミン抗体は血中アルブミンと結合し、抗体の血中存在時間を延長させる。
オゾラリズマブ
17
ポリエチレングリコールに TNFαモノクローナル抗体の Fab’ 領域 (特異性は高い)を結合させたもの
セルトリズマブ
18
ヒト IgG1 の Fc 領域と分子量 75kDa(p75) のヒト腫瘍壊死因子II型受容体 ( human TNF type IIreceptor ; TNFR-II) の細胞外ドメインのサブユニット二量体からなる。TNFαおよび LTα が補足される。囮受容体には細胞内上伝達系が連結されていないので、リガンドからの情報は細胞に伝達されない。
エタネルセプト
19
炎症促進因子(炎症性サイトカイン)の⭐️ IL-6 受容体に対する ヒト化モノクローナル抗体で、キャッスルマン病 (Castleman‘s disease) の治療薬として開発された。
トシリズマブ
20
IL-6 受容体の α サブユニット(IL-6Rα)に対する IgG1 モノクローナル抗体。Fc effector 機能が低いので、抗体依存性細胞傷害 (ADCC) および補体依存性細胞傷害 (CDC)の誘導は観察されない。
サリルマブ
21
NF-κB 活性化受容体リガンド RANKL に対する IgG2 モノクローナル抗体で関節リウマチ症に伴う⭐️骨びらん進行を抑制するために用いられる。骨吸収を阻害することにより、骨組織の崩壊を抑制することを目的。
デノスマブ
22
T cell の CD28 と抗原提示細胞 CD80/CD86の結合を阻止することで、関節リウマチの進展に関わる T cell 活性化を抑制する。抗原特異的シグナ ル(第1 シグナル)および共刺激シグナル(第2 シグナル)の少なくとも2 種類のシグナルを必要とする抗リウマチ薬
アバタセプト
23
抗好中球細胞質抗体 (Anti-neutrophil cytoplasmic antibody; ANCA) は、好中球の細胞質内顆粒とリソソームを対応抗原とする⾃⼰抗体の総称で、リウマチ性疾患での炎症に関与する。C5a の受容体のC5R を遮断し、C5a の結合(好中球の priming)を阻止する。
アバコパン
24
本薬物と 6-ヒドロキシベンズブロマロンが、腎近位尿細管の尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害し、尿酸再吸収を阻害する
ベンズブロマロン
25
腎近位尿細管での尿酸再吸収および分泌の両者を抑制する。ただし、前者の抑制の度合いが後者のそれに勝るため、結果的に尿酸排泄が促進される。
プロベネシド
26
腎近位尿細管での尿酸トランスポーター (URAT1) を阻害することで、尿酸の再吸収能を低下させる。尿酸分泌での他のトランスポータ(OAT1、OAT3 などのURAT1 以外の輸送体)に薬用量ではほとんど作用しない。 有効性・安全性が高くなる。
ドチヌラド
27
酸化型キサンチン酸化還元酵素 (xanthine oxidoreductase の酸化型)を競合的に阻害することで、ヒポキサンチンからキサンチンおよびキサンチンから尿酸への酸化を阻害する(還元型酵素には作用しない)。
アロプリノール
28
非プリン骨格であるが、選択性の高いキサンチン酸化還元酵素阻害作用を発揮する。酵素の活性中心を遮断する形で結合するので、酸化型(活性型)および還元型(不活型)酵素の両方に結合する。
フェブキソスタット
29
非プリン骨格で、選択性の高いキサンチン酸化還元阻害作用を発揮する。酵素の活性中心にある Mo に結合するので、キサンチン酸化還元酵素以外の他の核酸代謝酵素に、薬用量では影響しない。
トピロキソスタット
30
生体内で代謝され、重炭酸イオンを発生させる。体液をアルカリ側に傾けることにより、尿酸の溶解度を上昇させ、体外への排出を促進させる
クエン酸塩
31
⭐️微小管 (microtubles) に結合し、好中球の細胞分裂および細胞運動能を低下させる。(⭐️鎮痛・消炎作用は持たない)⭐️好中球の細胞運動には細胞骨格としての微小管の働きが必要なため、この薬が微小管に結合することにより細胞運動が抑制される。痛風発作の防止に使用される。(ただし、⭐️尿酸代謝抑制・尿酸排泄促進作用は持たない)。
コルヒチン
32
尿酸をアラントインに加水分解する。ヒトおよび鳥類は、この酵素の遺伝子を有しているものの、変異のために機能せず、プリン代謝は尿酸が最終産物となる。
ラスブリカーゼ
33
NSAIDsとしての作用に加えて尿酸排泄促進作用も有する。
ブコローム
34
痛風発作極期においてNSAIDs が期待する効果を発揮できない時は()を経口投与することもある。
プレドニゾロン
35
ストロングスタチンのうち最も強力な薬物
ロスバスタチン
36
このスタチン系薬物のみラクトン型である。活性中心部がラクトン環 (6員環)になっており、エステラーゼの作用で開環してカルボン酸にならないと HMG-CoA 還元酵素を阻害できない(prodrug)。
シンバスタチン
37
PCSK9 を標的とする IgG である。 PCSK9 の作用を中和する。LDL 受容体への PCSK9 の結合阻害を介し、肝細胞膜表面の LDL 受容体密度低下を抑制する。つまり、PCSK9 による肝細胞膜の LDL 受容体密度の低下が抑制されるので、スタチン系薬物に よる肝細胞への LDL-コレステロール取り込みを促進させることとなる。
エボロクマブ
38
PCSK9 siRNA に N-アセチルガラクトサミン (GalNAc) が付加されており、肝細胞上のアシアロタンパク質受容体 (asialoglycoprotein receptor; ASGPR) を介して、エンドサイトーシス作用で肝細胞内に取り込まれる。その後、エンドソームから、この薬が細胞質内に放出され、ASGPR は細胞表面上にリサイクルされる。⭐️RISC は再度新たな PCSK9 mRNA silencing に用いられるため、PCSK9 産生抑制が持続する。
インクリシラン
39
Peroxisome proliferation-activating factor receptor-α(PPAR-α) agonist でリポタンパク質リパーゼ (LPL) 合成を誘導し、トリグリセリド分解を促進することにより血液中の中性脂肪を低下させる(即時性の作用ではない)。 PPAR-α 刺激作用は、LPL の増加だけでなく、LPL に対する負の制御因子のアポリポタンパク質 C-III の発現を抑制する。その結果、LPL の活性抑制因子が減少するため、LPL 活性が上昇することとなる。
フェノフィブラート
40
腎機能が低下している場合、スタチン系薬物との併用は慎重に用いられるべきである。
フェノフィブラート
41
LDL コレステロールを低下させるよりも、 VLDL を低下させる能力が高く、トリグリセリドの血中濃度が高い脂質異常症に用いられる。
フェノフィブラート
42
フィブラート系薬物のうち肝障害発症頻度が高く、定期的な肝機能検査が必要なもの
フェノフィブラート
43
胆石症患者には禁忌であり、血中 LDL の低下作用があるが、第一選択薬として用いられることはない。(高コレステロール血症には statin 系薬物を使用)
クロフィブラート
44
Selective peroxisome proliferator-activated receptor-α modulator: SPPARMα:選択的 PPARα モデュレーターと呼ばれる。レチノイド ( この場合はレチノイン酸) が作用する受容体は RAR あるいは RXR である。通常、RAR および RXRは、単独の核内受容体として機能するのではなく、他の核内受容体とヘテロ複合体を形成することで生理活性を発揮する。この薬は、PPARα と RXR との複合体形成を促進させる能力が他のフィブラート系薬物よりも高く、PPARα の転写機能を促進させることを特徴とする。
ペマフィブラート
45
酸化 LDL の生成を抑制する作用も有する(抗酸化作用)
プロブコール
46
マクロファージの活性化を抑制するので、LDL-cholesterol の貪食が阻止され、⭐️黄色腫の形成を回避することが可能となる。 マクロファージの泡末細胞化を抑制する。 ⭐️LDL-コレステロールがマクロファージに認識されるわけではなく、酸化型 LDL-コレステロールがマクロファージを刺激する。
プロブコール
47
LDL だけでなく HDL も低下させることがある(作用機序不明) フィブラート系薬物との併用は HDL を低下させる頻度が高くなると言われている。 QT 延長作用を有する。
プロブコール
48
作用機序は、肝細胞および小腸上皮細胞内の microsome (小胞体) 内腔に存在するミクロソームトリグリセリド輸送 (転送) タンパク質(MTP; microsomal triglyceride transfer protein あるいは microsomaltriglyceride transfer proteinlarge subunit )に直接結合して脂質転送を阻害する。
ロミタピド
49
MTP(ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質)に直接結合し、小胞体でのトリグリセリドから apoB への輸送を阻害することで⭐️リポタンパク質の形成を阻害する。
ロミタピド
50
血清中の LDL および VLDL を低下させる作用の他に、血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を介した末梢循環改善作用も有する。 (血管狭窄部下流の血行を改善するので、末梢循環改善の治療効果が期待できるが、出血および低血圧症を悪化させるので注意を要する。)
ニコモール
51
血清中の LDL および VLDL を低下させる作用の他に、⭐️血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を介した末梢循環改善作用も有する。 (血管狭窄部下流の血行を改善するので、⭐️末梢循環改善の治療効果が期待できるが、出血および低血圧症を悪化させるので注意を要する。)
ニセリトロール
52
消化管内の食物由来のリン酸イオンも吸着するので、透析患者での高リン 酸血症を改善する効果が認められている。
コレスチラン(コレスチミド)
53
腸管からの脂質吸収が抑制される。 二面性あり。 コレステロールの吸収量が低下(治療上の利点)と同時にコレステロール以外の脂質の吸収量の低下(治療上の好ましくない点) (必須脂肪酸、脂溶性ビタミンの摂取不足と同じ状態に陥る)
コレスチラミン
54
脂溶性物質以外にも、 負の電荷を有する化合物(例えば葉酸、スタチン系薬物)の吸収も抑制される。
コレスチラミン
55
イオン交換樹脂は便とともに排泄される。;便中に樹脂が存在するので、便通が低下する (⭐️便秘の原因だけでなく、痔疾を悪化)。 ⭐️温水中では膨潤するため、服用時に消化管を閉塞させることに注意しなければならない。
コレスチラミン
56
小腸でのcholesterol/cholic acid (コレステロール/胆汁酸)のミセル吸収に関与する輸送体を阻害する。空腸細胞(jejunum cell) の刷子縁 (brush border) にのみ存在する NPC1L1 (Niemann-Pick C1-Like 1) を選択的に阻害することにより、コレステロール吸収を抑制することで血清中のコレステロール濃度を低下させる。
エゼチミブ
57
⭐️抗血小板作用、動脈血管進展性保持を有する。 脂質代謝酵素の転写因子(SREBP-1c)の活性を制御し、脂質代謝を活性化させる。 多彩な薬理作用を発揮し、閉塞性動脈硬化症治療に有用(むしろ血管保護作用の方が強い) 末梢循環改善薬(抗血小板薬)として用いられることが多い(止血機能を低下させる)。 プロスタノイド産生経路でシクロオキシゲナーゼに対してアラキドン酸と競合する。 ・ 血小板内では、TXA3 に変換される(血小板凝集能は殆どない)。 投与初期は、TXA2 が酸化され活性を失った TXB2 の血中濃度は上昇する方向に動く。 ・ 血管内皮細胞内では、PGI3 に変換される( PGI2 と同様の生理活性を発揮する)。
イコサペント酸エチル