問題一覧
1
48歳の男性。朝方に意識消失によって救急病院 に運ばれた。左被殻出血と診断され,緊急で開頭 血腫除去術が行われた。術後は合併症を起こすこ となく,ADL拡大のためにリハビリテーション が開始されている。ADLを測定する尺度として 適切でないのはどれか。 2つ選びなさい * ADL:activities of daily living * BI:Barthel Index,FIM:Functional Inde- pendence Measure,IADL:Instrumental Activities of Daily Living,IES-R:Impact of Event Scale‐Revised
IADL, IES-R
2
60歳の女性。心疾患でβ遮断薬を服薬中である。 急性心不全となりICU入室中に尿路感染症を併 発した。SOFAスコアで2点以上の上昇を認め, 敗血症の治療も開始予定である。心拍数110回/ 分,血圧85/60 mmHg,SpO2 95%で,四肢は温 かい。この患者への対応について最も適切なのは どれか。
血管収縮薬を準備する
3
82歳の男性。循環管理のためICUに入室中である。モニタリング中に動脈圧波形が図の①から②に変化した。患者の評価として最も考えられるのはどれか。 (図は次のページに示します)
心収縮力が低下している
4
ICU-AWのリスク因子について適切でないのはどれか。 * ICU-AW:ICU-acquired weakness
せん妄
5
急性腎障害患者の評価や所見について誤っているのはどれか。
腎性腎不全では BUN/クレアチニン比が上昇する
6
78歳の女性。急性冠症候群に対して経皮的冠動脈形成術を実施し,大動脈バルーンパンピングを左大腿動脈から留置しICUに入室した。 全身状態を観察したところ,両踵部に持続する発赤を認めた。皮膚状態の評価およびケアについて正しいのはどれか。2つ選びなさい。
痛みの評価を行う, 指押し法で褥瘡を判別する
7
集中治療後症候群(post intensive care syndrome,PICS)の認知機能障害に関連する因子はどれか。
せん妄発症期間
8
60歳の女性。5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断され,在宅酸素療法を行うが入退院を繰り返している。今回,呼吸困難により救急搬送され,救急室で気管挿管後,ICUに入室して人工呼吸管理となった。ICU入室時の人工呼吸器設定は,FIO20.4,従量式(assist/control ventilation, A/C),1回換気量400 mL,換気回数22回/分,PEEP 5cmH2Oであった。人工呼吸器のグラフィックモニタを図に示す。この患者への対応として誤っているのはどれか。
PEEPを下げる
9
62歳の男性。大動脈弁置換術後に全身管理の目的でICUに入室した。入室3日目,急性腎不全を発症し,持続的血液濾過透析が開始された。開始2時間後に脱血不良アラームが発生した。原因として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
脱血検知のピローの外れ, カテーテルの血管壁接触
10
75歳の女性。敗血症の診断でICUに入室中,呼吸状態が悪化したため,気管挿管による人工呼吸管理となった。呼吸数24回/分,心拍数102回/分, 血 圧100/40 mmHg, 体 温38.8 ℃,SpO2 96%であり,解熱目的で解熱消炎鎮痛薬のジクロフェナクナトリウムを使用したところ,体温37.4℃,呼吸数18回/分,心拍数96回/分,SpO2 97%,血圧86/34 mmHgに低下した。この患者の血圧低下の理由について適切なのはどれか。
血管抵抗の低下
11
カプノグラムの波形とその原因との組み合わせについて誤っているのはどれか。
気管支喘息
12
グラム陽性球菌が原因となる感染症で最も発症頻度が高いのはどれか。
カテーテル関連血流感染症
13
78歳の男性。冠動脈バイパス術後で,昨日はイオパミドールを用いて冠動脈造影CT検査を実施した。本日の朝,倦怠感と過呼吸とがみられ,動脈血ガス分析の結果を確認すると,乳酸値の上昇およびpHの低下を認めた。これらの症状が出現した背景として,現在内服中である薬物の影響が指摘された。症状の出現と関係が深い薬物として,最も考えられるのはどれか。
メトホルミン
14
49歳の女性。風呂で意識がないところを家族が発見し,救急要請された。救急隊による心肺蘇生で15分後に自己心拍再開となり,ICU入室となった。ICU入室後から人工呼吸療法を開始し,ノルアドレナリン0.1μg/kg/分を投与中で,心拍数72回/分,血圧94/52mmHg,体温37.5℃である。自己心拍再開後の管理として,体温管理療法が開始となった。この患者の治療および管理として誤っているのはどれか。
12時間かけて目標体温に到達させる
15
78歳の男性。ステージ3の横行結腸癌に対して化学療法中であり,昨日から腹痛の訴えがある。本日になり,意識レベルGCS E3V5M6,心拍数124回/分,血圧78/48 mmHg,呼吸数28回/分,体温38.8℃,SpO2 92%(酸素マスク5L/分)と全身 状態が悪化し,主治医よりICU入室依頼があり,緊急入室となった。病棟看護師より,心肺蘇生不開始(do not attempt resuscitation, DNAR)の指示が入院時に出されているとの申し送りを受けた。今後の治療を確認するための看護師の行動として適切でないのはどれか。
胸骨圧迫,気管挿管,除細動の項目別に医師の指示を確認する
16
ICUに入室となった患者にICU獲得性筋力低下(ICU-acquired weakness, ICU-AW)が疑われた。 ICU-AWの典型的な所見として正しいのはどれか。2つ選びなさい。
筋緊張が低下している, 顔面の筋力は保たれる
17
54歳の男性。食道癌の手術後3日目で,オープンフロアのICUに入室している。意識レベルはGCS E4V5M6で,昇圧薬を投与しておらず,全身状態は安定している。自宅では日常的に睡眠補助薬を使用しており,術後は熟眠感がなく,断片的にしか入眠できていない。夜間の看護として誤っているのはどれか。
プロポフォールの投与を医師に提案する
18
患者の状態が人生の最終段階であると考えられる場合,治療方針を決定するために必須のプロセスはどれか。
医療・ケアチームによる医学的妥当性と適切性の判断
19
ICUにおけるケアの質を維持・向上させる看護師の行動について,適切なのはどれか。2つ選びなさい。
学術集会で最新の知見を学ぶ, 看護業務は手順書を作成してこれを基本とする
20
抗不整脈薬を内服中の患者。ICUで心電図モニタリング中に,torsades de pointesが繰り返し出現している。動脈波形は平坦であり胸骨圧迫が開始された。この状況での看護師の行動で優先すべきなのはどれか。2つ選びなさい。
非同期電気ショックの準備をする, 硫酸マグネシウム投与の準備をする
21
ICUにおける気道確保について誤っているのはどれか。 * ASA-PS:American Society of Anesthesiologistsphysical status
気道確保困難の予測にはASA-PS分類を用いる
22
25歳の女性。身長160 cm,体重35 kg 。本日,体調不良により来院し,神経性無食欲症と診断されてICUに入室した。この患者に対する栄養管理として誤っているのはどれか。
理想体重で投与エネルギー量を算出する
23
65歳の男性。170 cm,65 kg 。左中大脳動脈域の脳梗塞により,鎮痛・鎮静下の人工呼吸管理(FIO2 0.6,PEEP 5 cmH2O,1回換気量550 mL)と,濃グリセリン・果糖注射液による脳圧管理とが行われている。意識レベルGCS E1VTM2,瞳孔2.5 mm(+)/3.5 mm(±),左共同偏視(+),換気回数10回/分,心拍数68回/分,血圧164/98mmHg, 体 温38.2 ℃,SpO2 94 %,EtCO2 48mmHgである。この患者の管理として適切なのはどれか。
頭側挙上20〜30度にする。
24
45歳の男性。ICUで家族と面会中に過活動型せん妄を発症した。看護師の家族への対応で誤っているのはどれか。
面会の制限を依頼する
25
62歳の男性。呼吸数34回/分,心拍数126回/分(洞性頻脈),血圧132/73 mmHg,体温36.5℃,SpO2 91.0%(経鼻カニューレ2 L/分)である。 呼吸音は全肺野で吸気時に粗い断続性副雑音を認める。胸部単純X線検査では,Kerley B線,気管支周囲の肥厚,心臓陰影の拡大が認められる。 この患者の疾患・病態として最も適切なのはどれ か。
肺水腫
26
70歳の男性。難治性の心室細動が継続している。 右腕末梢から細胞外液補充液が全開で投与され,左腕末梢から生理食塩液が20 mL/時で投与されている。医師からアミオダロン塩酸塩投与の指示があり,看護師はアミオダロン塩酸塩を5%ブドウ糖に加えて輸液ポンプにセットした。アミオダロン塩酸塩の投与経路に関する看護師の行動で最も適切なのはどれか。
左腕の輸液剤の投与中止を提案して末梢静脈路から単独投与
27
76歳の男性。敗血症性ショックの診断でICUに入室し,気管挿管による人工呼吸管理が行われた。 この患者に直ちに行うべき全身管理として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
抗菌薬を速やかに投与する, 平均血圧の初期目標を65 mmHg以上とする
28
65歳の男性。虚血性心疾患による心原性ショックとなり,ICUに緊急入室した。頸静脈の怒張はないが末梢冷感があり,血圧75/60 mmHg,心拍数110回/分,呼吸数28回/分であった。肺動脈カテーテルが挿入されて心係数1.6 L/分/m2,肺動脈楔入圧は14 mmHgである。看護師が至急準備すべきものとして最も適切なのはどれか。
輸液
29
非閉塞性腸管虚血の検査について誤っているのはどれか。
血液培養は不要である
30
脳の自動調節能,脳血流量および脳灌流圧について正しいのはどれか。2つ選びなさい。
脳灌流圧が50 mmHgを下回ると脳血流量は急激に低下する, 自己調節の範囲内では血圧が上昇すると脳血管は収縮する
31
18歳の女性。頭部外傷のためICUで治療中である。患者に意識の回復が見込めないことを両親に告げたところ,両親から患者の臓器提供意思表示カードが提示された。患者は,臓器提供の意思を「親族優先」と表示していた。両親が,移植を待機している拡張型心筋症の弟(15歳)への親族優先提供について臓器移植コーディネーターに相談したところ,「弟への提供はできない」と説明された。この患者の臓器を弟に提供できない理由はどれか。
レシピエントが弟である
32
80歳の男性。COVID-19,大動脈解離Stanford Bの診断でICUに入室した。収縮期血圧140 mmHg以下を目標に疼痛管理と降圧管理が開始されたが,背部痛が軽減しない。ICDSCは4点である。 この患者の対応について正しいのはどれか。2つ選びなさい。 * ICDSC:intensive care delirium screeningchecklist
鎮痛薬を投与する, 家族とのオンラインでの面会を検討する
33
88歳の男性。身長162 cm,体重50 kg 。誤嚥性肺炎によりpressure support ventilation(PSV)モード(PEEP 8 cmH2O,PS 8 cmH2O,FIO20.5)で人工呼吸管理が開始された。呼吸数7回/分で呼吸リズムは規則的,心拍数68回/分,血圧 102/51 mmHg,体温38.4℃,SpO2 95%,1回換気量 600~ 700 mL,EtCO2 52 mmHg,critical-carepain observation tool(CPOT)0点,Richmondagitation-sedation scale(RASS)-4である。鎮痛鎮静として,フェンタニルクエン酸塩62.5μg/時,プロポフォール30 mg/時,デクスメデトミジン塩酸塩20μg/時で投与中である。この患者について医師への提案事項で最も優先度が高いのはどれか。
フェンタニルクエン酸塩を減量する
34
重症患者の睡眠障害の特徴について誤っているのはどれか。 * REM:rapid eye movement
日中のメラトニンの分泌量増加
35
55歳の男性。脂質異常症の治療薬を内服している。数時間前から続く上腹部痛と圧痛とがあり,救急外来を受診した。血液検査で血清リパーゼ,血清アミラーゼの上昇が認められたため入院となった。入院時は,PaO2≦55 mmHg(室内気), BUN≧50 mg/dL,Cr≧2.5 mg/dL,Plt≦8× 104 /mm3であり,腹部CTで腎下極以遠に及ぶ炎症像を認めた。この患者に48時間以内に行うべき管理として適切でないのはどれか。
絶食とする
36
58歳の男性。交通外傷による骨盤骨折のため救急要請され,ICU入室4日目である。医師から床上安静の指示があり,入室直後から下腿型(カーフポンプ)の間欠的空気圧迫法を実施していたが,患者が強い不快感を訴えるようになった。このときの看護師の対応として正しいのはどれか。
下腿型(カーフポンプ)から足型(フットポンプ)に変更する
37
重症患者のリハビリテーションにおいて,離床の開始基準として誤っているのはどれか。 * RASS:Richmond agitation sedation scale, CPOT:critical-care pain observation tool
FIO2<0.7
38
72歳の男性。敗血症性ショックでICUに入室した。呼吸数24回/分,心拍数113回/分(洞性頻脈),血圧85/52 mmHg,体温37.8℃,SpO2 97%(室内気)である。この患者の第一選択薬はどれか。
ノルアドレナリン
39
てんかん重積状態の患者への対応について誤っているのはどれか。
フェンタニルを投与する
40
85歳の女性。脳出血と診断され,ICUに入室した。脳死状態となったため,医療チームは多職種で検討し,終末期と判断して家族に説明した。患者から延命措置を拒否する事前指示があったが,家族は積極的な治療を希望している。この患者・家族に対する医療チームの説明内容として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
最良の治療を行っても救命は不可能である, 延命措置を差し控えた場合,後戻りできない場合がある
41
54歳の男性。心室細動による院外心停止のためICUに入室した。循環動態は安定しているが昏睡状 態(GCS E1V2M4)で あ り, 体 温 管 理 療 法(targeted temperature management)が開始された。この患者の管理について誤っているのはどれか。
復温の速度を1.5~ 2.0℃ /時とする
42
日本医療機能評価機構に参加している施設における医療安全について正しいのはどれか。
インシデント影響度分類におけるレベル4 は,永続的な障害や後遺症が残存するものを指す
43
72歳の女性。3枝病変の狭心症に対して冠動脈バイバス術を受けてICU入室となったが,難治性のventricular tachycardia stormでVA-ECMO管理が16日間続いている。医師がVA-ECMOの3回目の回路交換の準備を進めている。患者の意思は確認できない。看護師は回路交換を行うことに疑問を抱いており,家族はVA-ECMOの継続を希望している。患者への対応として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
患者の推定意思は未確認であることを医療者間で共有する, 健康や治療に対する患者の考え方を家族に確認する
44
76歳の女性。肺炎を伴う敗血症を合併してICUに入室となった。入室5日目の時点で全身状態は安定しており,人工呼吸管理を継続している。初めての歩行を実施する際に,中止と判断する理由として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
修正Borg scaleが8, 人工呼吸との不同調
45
58歳の男性。胸部大動脈瘤の診断を受け,人工血管置換術を行い,術後はICUに入室した。人工呼 吸管理中のため鎮静薬が投与されており,鎮静深度はRASS −1でコントロールされていた。看護師が患者に呼びかけたところ,開眼がみられ,10秒程度アイ・コンタクトの応答があった。また,眉間にしわを寄せることがあり,創部に手をあててドレーンを触ろうとする動作もみられた。この患者への対応として最も優先度が高いのはどれか。 * RASS:Richmond agitation sedation scale
鎮痛薬の追加投与を検討する
46
ICUで行う処置時のタイムアウトについて正しいのはどれか。2 つ選びなさい。
実施する処置に関わる関係者全員で行う, チェックリストを用いて施行することが望ましい
47
悪性症候群について正しいのはどれか。
初期症状として意識障害が認められる
48
20歳の男性。呼吸困難で来院し,自然気胸と診断されて胸腔ドレナージによる治療が行われている。治療開始後,両側の呼吸音に異常はない。この患者のドレーン管理として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
ドレーンの開通性は水封室の水面の呼吸性移動で判断する, リークが止まった場合は回路の屈曲を確認する
49
34歳の女性。高所からの墜落で救急搬送され,急性硬膜下血腫,脳挫傷および外傷性くも膜下出血,左多発肋骨骨折,血気胸,左上腕骨骨折の診断でICUで気管挿管による人工呼吸・胸腔ドレーン・脳室ドレーン管理を行っている。入院翌日,突然に瞳孔不同が生じたため,緊急で頭部CTによる評価が必要となった。現在,自発呼吸はないが,人工呼吸器設定は従圧式強制換気(pressure control ventilation, PCV)10 cmH2O,PEEP 8 cmH2O,FIO2 0.60,換気回数15回/分 で酸素化・換気ともに保たれている。鎮痛・鎮静,ノルアドレナリンによる昇圧を行っている。この患者の搬送について正しいのはどれか。2つ選びなさい。
医師に応援を要請する, 胸腔ドレーンを水封式にする
50
65歳の男性。ARDSでICUに入室した。肺保護換気戦略として1回換気量を6 mL/kgに設定して人工呼吸管理を行うことになった。患者の体重は,見た目では90 kg程度であった。家族から聞いた入院前の体重は80 kgである。入室時の計測では身長178 cm,体重85 kgであった。人工呼吸器の1回換気量の設定に必要なのはどれか。
性別と身長から算出する体重
51
50歳の男性。肺炎による急性呼吸不全で人工呼吸管理となった。人工呼吸器の設定は,FIO2 0.5,従 圧 式(assist/control ventilation, A/C),pressure control 12 cmH2O,換気回数12回/分,PEEP 5 cmH2O,吸気時間1.0秒,フロートリガ 5 L/分である。人工呼吸器のグラフィックモニタ波形を図に示す。①でみられる波形から最も考えられる呼吸状態はどれか。
吸気努力の増大
52
7歳の女児。4日前から発熱と下痢とが出現していた。昨日より血便が出現し,ぐったりしているため来院した。意識は傾眠傾向,呼吸数24回/分,心 拍 数126回/分, 血 圧96/56 mmHg, 体 温37.9℃,SpO2 99%で,志賀毒素による溶血性尿毒症症候群と診断され,ICUに入室した。集中治療中に出現する可能性が高い症状はどれか。2つ選びなさい。
痙攣, 皮下出血
53
心臓血管外科手術後の肺高血圧症に対するNO(一酸化窒素)吸入療法の管理について誤っているのはどれか。
NO療法を終了する際は速やかに投与を中止する
54
レニン‐アンギオテンシン‐アルドステロン系について誤っているのはどれか。
アンギオテンシンⅡは血管平滑筋の拡張を 来す
55
50歳の男性。心肺停止の蘇生後にICUに入室し,人工呼吸管理を行っている。人工呼吸管理中の設定および患者データは,従量式の補助/調節換気モード(A/C:assist control)で,FIO2 0.4,換気回数15回/分,1回換気量500 mL,吸気流速は矩形波で30 L/分,I:E 1:3,PEEP 5 cmH2O,最高気道内圧25 cmH2O,プラトー圧15 cmH2Oである。この患者の静的コンプライアンス(mL/cmH2O)はどれか。
50
56
56歳の男性。尿路感染症によりショックを来したため集中治療が開始され,晶質液による初期大量輸液,ノルアドレナリンの投与および人工呼吸管理が行われている。動脈血ガス分析の直後に血圧低下アラームが鳴動した。トランスデューサは腋窩中線の高さで変化はない。フラッシュテスト(圧測定部をフラッシュデバイスで約1秒フラッシュした後,速やかに離す)を実施した際の動脈圧波形を図に示す。このときの血圧低下アラームの原因として考えられるのはどれか。2つ選びなさい。
動脈圧測定ライン内に気泡がある, 動脈圧ライン加圧バッグの圧力が低下している
57
70歳の男性。冠動脈バイパス術を受け,術後経過は良好であり,本日抜管予定である。RASS 0,CAM-ICU陰性で,筆談でコミュニケーションが可能である。この患者の疼痛評価を行う際に最も適切なのはどれか。 * RASS:Richmond agitation sedation scale, CAM-ICU:confusion assessment method for the intensive care unit * SAS:sadation-agitation scale,CPOT:critical-care pain obserbation tool, BPS:behavioral pain scale,NRS:numericrating scale
NRS
58
56歳の男性。左室前壁の心筋梗塞を呈した患者が次のような心電図を示した。この心電図波形について正しいのはどれか。
Wenckebach型ブロック
59
49歳の男性。アルコール大量摂取に伴う急性膵炎の診断でICU入室1日目である。鎮静薬と鎮痛薬の投与が開始され,人工呼吸管理と大量輸液療法を受け,心拍数95回/分,血圧108/58 mmHg,血清アミラーゼ234 IU/L,CRP 12 mg/dLである。胃管を挿入すると,胃内容物が400 mL吸引された。腸蠕動音,排便および排ガスは認められない。この患者の栄養療法の開始にあたり,医師への提案として適切なのはどれか。2つ選びなさい。
腹部単純X線検査の評価を医師に依頼する, 経腸栄養では持続的投与を提案する
60
64歳の女性。術後に静脈血栓塞栓症の発症予防として間欠的空気圧迫装置を使用している。医療関連機器圧迫創傷の予防を目的に実施するケアについて適切なのはどれか。2つ選びなさい。
足背動脈と後脛骨動脈の触知を確認する, 装着前の下腿に筒状包帯を装着する
61
気管挿管患者の気管吸引について適切なのはどれか。
合併症として気胸に注意する
62
RRT(rapid response team)について誤っているのはどれか。
ICUの退室患者と何らかの懸念がある患者を定期的に訪床する
63
52歳の女性。心不全の初期治療への反応が乏しく,肺動脈カテーテルが挿入されることになった。内頸静脈から肺動脈までカテーテルを挿入する際に観察できる圧波形の順番として正しいのはどれか。
波形D → 波形B →波形 A → 波形C
64
血液中のH+の増加による重炭酸緩衝系の反応で産生されるのはどれか。2つ選びなさい。
CO2, H2O
65
65歳の男性。心筋梗塞による心肺停止のためVA-ECMOが導入され,ICUに入室した。入室5日目,人工肺の機能が低下し,交換が必要な状態であるが,意識レベルおよび心機能の改善が認められない。医療者間では終末期医療についても議論が出ている状態である。家族は患者の推定意思について延命治療を望まないだろうと語るものの,家族としてはあきらめずに積極的な治療の継続を強く希望している。この患者および家族に対する看護について適切なのはどれか。2つ選びな さい。
ECMOの交換前に医療チームでカンファレンスを開催する, 家族の思いやその理由を再度確認する
66
85歳の女性。意識障害のため救急搬送された。 Ⅲ度房室ブロックの診断で体外ペースメーカのリードを挿入された。18時にICUに入室し,点滴を触るなどの落ち着かない行動がみられている。この患者への対応として誤っているのはどれか。
不眠時指示の睡眠薬を投与する
67
46歳の女性。肺炎で入院中に,敗血症性ショックで病棟からICUへ搬送された。ICU入室直後のバイタルサインは,呼吸数26回/分,心拍数105回/分,血圧86/52 mmHg,体温38.1℃であった。意識は保たれ,四肢は温かく,初期の敗血症性ショックと診断された。この患者に生じている生理学的な変化はどれか。
末梢血管抵抗の低下
68
58歳の女性。バセドウ病で入院治療を受けていたが,意識障害,発熱および頻脈を来たし,ICUに入室した。ICU入室時,意識レベルは声掛けに対してわずかに反応がみられる程度で,心拍数130回/分で心房細動,血圧144/86 mmHg,体温39.0℃であった。患者の家族に対して主治医から,バセドウ病に関連した甲状腺クリーゼの可能性が高いと説明された。この患者への投与を避けるべき薬物はどれか。
アミオダロン塩酸塩
69
DNAR指示について正しいのはどれか。2つ選びなさい。 * DNAR:do not attempt resuscitation
DNAR指示の妥当性は繰り返し評価する, artial DNAR指示は行うべきではない
70
脳死下で臓器を提供する場合,臓器移植法に定められた脳死判定が行われる。脳死判定の項目として誤っているのはどれか。
睫毛反射