問題一覧
1
心理療法と関係する人物の正しい組み合わせ A心理力動的心理療法 Bパーソンセンターアプローチ C認知行動療法 フロイト、ユング、ロジャース、ジェンドリン、ワトソン、ベック 暴露反応妨害法、認知構成法、エンカウンターグループ、フォーカシング、自由連想法、MBT
フロイト ユング ⾃由連想法 MBT, ロジャーズ ジェンドリン エンカウンターグループ フォーカシング, ワトソン ベック 曝露反応妨害法 認知再構成法
2
乳幼児期から抑圧されていた記憶や感情、欲動などが渦巻いている部分
エス
3
心を取りきっている部分
自我
4
早期の両親や重要な人物との関係の中で取り入れた規範が内在化している部分
超自我
5
⾃分が相⼿に向ける感情を、相⼿が⾃分に向けていると考える
投影
6
苦痛や感情、欲動を無意識に追いやる
抑圧
7
思っていることと反対の態度をとる
反動形成
8
社会的に認められない欲求を社会的に望ましいものに置き換える
昇華
9
:欲求が満たされない場合、正当化した理由を作る
合理化
10
⾃由連想法において、⽣じることがある、転移について説明をしなさい
クライエントが治療者に対して抱く意識的、無意識的空想のパターン
11
⾃由連想法において、⽣じることがある、逆転移について説明しなさい
治療者がクライエントに対して抱く意識的、無意識的空想のパターン
12
パーソンセンタードアプローチは(A)によって提唱されたカウンセリングの理 論と⽅法を指す。(B)や(C)の消失よりも個⼈の(D)と(E)を⽬ 指す⽴場である。⼈間は本来、よりその⼈らしく成⻑・成熟する傾向である (F)をもっているという⼈間観、つまり(G)を⼟台としている。カウンセリ ングにおける対等な関係を⽬指し、患者ではなく(H)という名称を使う 選択肢 ロジャーズ、フロイト、治療、⾏動、認知、症状、適応、変化、成⻑、問題志向傾向、 ⾃⼰実現傾向、⼈間性⼼理学、深層⼼理学、クライエント、セラピスト
ロジャーズ, 治療, 症状, 適応, 成⻑, ⾃⼰実現傾向, ⼈間性⼼理学, クライエント
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パーソンセンタードアプローチの中核三条件自己一致と、それぞれの意味について説明しなさい
⾃⼰⼀致(純粋性), クライエントとの関係において、⾃⼰の内的な体験に気づき、ありのままの⾃分でいようとすること 肯定的、否定的な感情が湧いてきても、否定せず、そういった気持ちがあることを認める
14
パーソンセンタードアプローチの中核三条件無条件の肯定的配慮(受容)と、それぞれの意味について説明しなさい
無条件の肯定的配慮(受容), ありのままのクライエントを受容すること
15
パーソンセンタードアプローチの中核三条件共感理解と、それぞれの意味について説明しなさい
共感的理解, クライエントの内的な世界をあたかもセラピスト⾃⾝も感じているかのように、共に感じること
16
⾏動療法についての説明で、次の( )に当てはまるものを選択 肢から選んで答えなさい ⾏動療法とは、⼈間の(A)を対象にし、(B)、(C)に効果のある⽅法を⽤いて問題解決を⽬指す⼀連の治療技法である。(D)理論を基盤としており、⼈間の様々な(E)や(A)の問題は、いずれも後天的に(D)された結果であると捉える。したがって(D)理論を応⽤し、(F)的な(A)をし直すことによって問題を改善させることができると考える。
⾏動, 科学的, 実証的, 学習, 不適応, 適応
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ソリューションフォーカストアプローチにおいて重要な概念である「リソース」とはどういうものなのか説明しなさい
すでにその⼈に備わっている能⼒や知識、特性(内的リソース), その⼈を取り巻く⼈間関係や環境など(外的リソース), すでにあるもの, あるものをどう活⽤していくか
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ソリューションフォーカストアプローチにおいて重要な概念である「コンプリメント」とはどういうものなのか説明しなさい
褒める, ねぎらう, クライエントを元気づける, 直接的に伝えることもあれば、間接的な表現、⾮⾔語的メッセージで伝えることもある, 普段から意識していくことで、自然に振る舞うことができるようになる
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コミュニティ⽀援では予防を重視しています。次に上げるものは、⼀次予防、⼆次予防、三次予防のどこに⼊るでしょうか。 1つ1点• ストレスチェック• ⼼理教育• ⾃殺の危機介⼊• 虐待における世代間伝達・連鎖の予防• 学校の教員への研修• ⾃死遺族への⽀援
⼀次予防 ストレスチェック・⼼理教育, ⼆次予防 ⾃殺の危機介⼊・学校の教員への研修, 三次予防 虐待における世代間伝達・連鎖の予防・⾃死遺族への⽀援
20
共感について説明しなさい
共感 相⼿の話を聞き、⾃分の枠組み(価値観、体験など)で相⼿の体験や気持ちを理解するもの ⾃分の⽬線で相⼿を理解しようとするもの
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⼼理学に基づく⽀援であって、⼀般に⼼理 療法や⼼理カウンセリングと呼ばれているものの総称である。
⼼理学的⽀援
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⼼理学的⽀援の⽬的とは
クライエント(相⼿)が信じる価値を理解する, ⽀援者(⾃分)⾃⾝の信じる価値を⾃覚する
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クライエント(相⼿)が信じる価値を理解する
価値判断は避けられない 必要に応じて、対応をすることを求められる
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クライエントの⾃⼰決定と⽀援者の中⽴的姿勢
クライエントを理解し、ありのままを受け⼊れる姿勢が必要 ⾃⼰決定を尊重し、中⽴的な姿勢を維持することは⼤切 ⽀援者はクライエントを裁く⽴場ではない
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クライエントの⾃⼰決定と⽀援者の中⽴的姿勢
クライエントを受容する ⇨クライエントの価値を正しいものと認めるのではなく、クライエントのありのままを認識する ⇩ クライエント⾃⾝の⾟さは受け⼊れる(受容) その上で、その決断に対してのコメントをする(価値判断
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基本的な傾聴のポイント
1うなづき、相槌(受容), 2要約, 3反射(繰り返し), 4感情の反映, 5探索(質問をする)
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⼼理⼒動的⼼理療法(精神分析)
フロイト(Freud,S.)によって創始され⼈間の⼼的メカニズムや精神病理の理論および治療技法の体系フロイト以後の分派を含めた発展的な理論体系全般
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⼈間の⼼の領域を意識、無意識、前意識の3つに分ける考え⽅
局所論
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今気がついている⼼の部分
意識
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抑圧されていて意識化できにくい⼼の部分 →無意識に抑圧して⼼の奥底に押し込めている
無意識
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今気付いていないが、努⼒によって意識化できる⼼の部分
前意識
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精神分析の代表的な理論 ⼒動論について
⼈の⼼はエス、⾃我、超⾃我から成り⽴っている。 また、エスからの欲求の突き上げ、超⾃我からの監視など、エネルギーの強さの関係によって、⼈の⼼や⾏動などが動かされていくという考え⽅
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精神分析の代表的な理論 防衛機制論について
エス、超⾃我、そして現実からのプレッシャーをうまく調整でき。ないと、⾃我が不安を感じる。その際に調整を⾏う⽅法
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苦痛や感情、欲動を無意識に追いやる(臭いものにフタ)
抑圧
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思考と感情を切り離し、苦痛に直⾯しないようにする(⾟い過去の経験を淡々と話す
隔離
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感情をストレートに認める代わりに論理的に捉える
知性化
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相⼿の⾏動や考え⽅などを取り⼊れて⾃分のものに(憧れの⼈の服装や持ち物を真似する
同一化
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抑圧された欲望を別のものに向ける
置き換え
39
早期の発達段階に戻る、現実から逃避する
退行
40
苦痛な現実を否定し、⽬をそらす
否認
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不快なものを別の⾏動や考えで打ち消す
打ち消し
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⾃由連想法 ①基本原則の説明
「頭に浮かんでくるものをそのまま⾔葉にして喋ってください」、「こんなことを話すのはつまらない、恥ずかしい、病気には関係ない、不快である、治療者を怒らせるのではないか、と思われることでも、そのまま、浮かんできたとおりに報告してください」抵抗や抑圧が出てくることもあるが、それを指摘しつつ取り除き、クライエント⾃⾝が無意識にあるものに気づかせていく⇨退⾏が進んでいく
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⾃由連想法 ②転移
クライエントが治療者に対して抱く、意識的/無意識的空想のパターン 陽性転移、陰性転移などがある 例)⽗親が厳格で厳しかった場合治療者が男性だった場合に拒否的な感情を抱く(陰性転移) 逆転移︓治療者がクライエントに対して抱く、意識的/無意識的空想のパターン ⇨積極的に治療に活かす
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⾃由連想法 ③解釈
連想を通して、相⼿の無意識で⽣じている出来事の意味やその理由を理解し、それを相⼿に伝えて気づかせること。 抑圧されている不安や葛藤の意味を読み解く様々な抵抗が⽣じている意味を取り上げ伝えていく。 ⇨転移について解釈することが有効
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⾃由連想法 ④洞察
解釈によって相⼿に気づきが⽣じること。 ⾃⼰理解が深まることとも⾔える。 無意識的な葛藤を認識し、⾃我が情動をコントロールできるようになることで、⾏動や態度、症状などが変化していく。
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⾃由連想法 ⑤ワークスルー(徹底操作)
時間をかけて様々な⾓度から解釈を続けていくこと。 クライエントが⾒出した洞察と現実と現実⽣活のあり⽅をすり合わせて、症状や問題の除去、パーソナリティの変容に⾄る。
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⾏動療法とは
⼈間の「⾏動」を対象にし、科学的、実証的に効果のある⽅法を⽤いて問題解決を⽬指す⼀連の治療技法。 学習理論を基盤としており、⼈間の様々な不適応や⾏動の問題はいずれも後天的に学習された結果であると捉える。 したがって、学習理論を応⽤し、適応的な⾏動をし直すことに よって問題を改善させることができると考える。
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⾏動療法の歴史
⾏動療法はワトソンらなどの⼀⼈の創始者によって体系化された⼼理療法ではなく、それぞれ独⽴した起源、異なる理論的背景を元に発展してきた⼼理療法
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⾏動療法の治療 • 系統的脱感作法
不安と拮抗する反応を使い、不安と反応の習慣を弱める
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行動療法の治療• 曝露反応妨害法
強迫性障害の治療で⽤いられる。不安感、不快感をそのままにして(曝露)強迫⾏為をしないようにする(反応妨害)。そうして時間の経過とともに不安が⾃然に薄らぐことを体験。
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行動療法• シェイピング
⽬標⾏動を獲得するため、それにつながる容易な⾏動から始めて順に難しい⾏動へ段階的に⾏動を形成
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第⼆世代 ⾏動療法+認知療法
ベック(Beck,A.T.)が開発した⼼理療法。 ものの考え⽅や受け取り⽅(認知)に働きかけて、気持ちを楽にしたり、⾏動をコントロールしたりする治療⽅法うつ病の患者に独特の受け取り⽅(認知)があることを発⾒し、1960年代に うつ病に対する認知療法を開発。, エリス(Ellis,A)は、感情と⾏動は出来事をどのように解釈するのか、認知の在り⽅によって変化すると考え、認知に働きかける論理情動⾏動療法を提唱
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認知⾏動療法とは
「認知」と「⾏動」に焦点を当て、⾃分のストレスの成り⽴ち を理解し、その解決を⽬指す⼼理療法, 認知療法︓⾮適応的な認知にアプローチ, ⾏動療法︓⾮適応的な⾏動にアプローチ, 認知⾏動療法︓⾮適応的な認知や⾏動にアプローチ
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⾏動的技法はどれ
リラクセーション, シェイピング, トークンエコノミー法, 応⽤⾏動分析, 曝露反応妨害法, 系統的脱感作法
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認知的技法とは
認知再構成法 (認知再体制化), 思考中断法, セルフコントロール法, 問題解決療法
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マインドフルネス認知療法
「不適応的な認知の内容を変容」から、「不適切な認知の内容そのものではなく、認知との関わり⽅を変容させる」(とらわれない⼼のモードを⼿に⼊れる) ⾃分の現状を理解し、その不適応的な認知から距離を置く ⇨マインドフルな状態 距離を取る訓練として、座禅や瞑想を⾏う
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認知⾏動療法の効果と限界
• うつ病、双極性障害、不安障害、強迫性障害、摂⾷障害、統合 失調症、パーソナリティ障害、薬物依存など様々な精神疾患に 対して治療効果のエビデンスが⽰されている • ⾏動療法については、⼦どもから成⼈、軽度から重度の障害 児・者、⽇常で⾒られる⽣活、⾏動上の問題から、不安・恐怖 を主症状とする問題まで適⽤可能, • 急性期の患者へのアプローチは慎重に • 認知⾯へのアプローチはある程度の知的⽔準が必要
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パーソンセンタードアプローチとは
治療や症状の消失よりも個⼈の適応と成⻑を⽬指す⽴場 ⼈間は本来、よりその⼈らしく成⻑・成熟する傾向(⾃⼰実現傾向)を持っているという⼈間観(⼈間性⼼理学)を⼟台としている。 カウンセリングにおける対等な関係を⽬指し、患者ではなく、クライエント(来談者)という名称を使う。
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パーソンセンタードアプローチの歴史
1942年に『カウンセリングとサイコセラピー』を出版 • その書籍の中で、⾮指⽰的アプローチを論じる ⇨パーソンセンタードアプローチのもととな, 当初は⾮指⽰的アプローチと呼ばれていたが、1950年代にはクライエント中⼼療法と捉えられるように, 1957年に『治療的パーソナリティ変容の必要⼗分条件』を発表, 1945年、シカゴ⼤学でカウンセリングセンターを開設。研究を積極的に⾏う, 1960年代後半より、パーソンセンタードアプローチという名称が使われる(クライエント中⼼療法、エンカウンター・グループ等を合わせた名称) • 個⼈療法はパーソンセンタードセラピーと呼ばれることも。
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パーソンセンタードアプローチの効果と限界
• 軽度から中等度のうつに対する⾮指⽰的カウンセリングの効果 • 疾患よりも、全体的な関係の効果として確かめられている • 共感的理解、肯定的配慮、⾃⼰⼀致の⾼さと対象者の改善の程 度には相関がある, 重篤な事例には適⽤できない(精神疾患の治療に単体で⽤いら れることはまずない)
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パーソンセンタードアプローチの観点が 役に⽴つ部分
カウンセリングの基本的な部分, スクールカウンセリングにおいては、パーソンセンタードアプ ローチの視点はとても⼤切, 対⼈コミュニケーションにおいても、傾聴する際の技法(相槌、繰り返しなど)の⼟台となっている (パーソンセンタードセラピーの基本的な技法は対⼈援助に携わる⼈にとってはとても有⽤
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漸進的筋弛緩法
漸進的筋弛緩法とはジェイコブソン(1938)によって開発さ れたリラクセーション技法, ストレスマネジメントの⽅法の⼀つとして、様々な対象に適⽤ されている, 意図的に⾻格筋の緊張と弛緩を繰り返すことによって全⾝をリ ラックスさせていく⽅法
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⾃律訓練法
⾃律訓練法とはシュルツ(1932)によって体系化された、注 意集中を⽤いたリラクセーション法, 「公式」と呼ばれる教⽰に従って⾃⼰暗⽰を促し、体の部位に温かい感じや重たい感じなどを味わうことでリラックス効果をもたらす
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ソマティックサイコセラピー
主に⾔語によっての介⼊が難しい場合、もしくはクライエント の問題解決のために⾝体へアプローチすることが有効であると 考えられる場合に使われる, トラウマから派⽣する様々な精神症状(もしくはすでに起こっ ている精神症状の背景要因にトラウマの存在が疑われる事象) への関⼼が⾼まり、トラウマへの理解や対処、克服を⽬指した 介⼊⽅法として注⽬されている
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TFT(Thought Field Therapy︓思考場療法)
キャラハン(1981)によって発表 • ⼀連の経路の系列へのタッピング刺激により、思考の場に付随した深い感情を取り除く療法
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EFT(Emotional Freedom Technique︓感情解放テクニック)
クレイグ(1996)がTFTの⽅法をより簡略化して感情の処理に焦点化 • TFTは症状別にタッピングのポイントや順序が異なるが、EFTではどの症状にも同様の⼿順で⾏う
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臨床動作法とは
成瀬悟策を筆頭とするグループが1960年代より開発に携わった⽇本発祥の⼼理学的援助技法, 脳性⿇痺児への援助技法として開発され、その後⾃閉症などの発達障害児の⾃⼰コントロールにも効果が⽰された, 精神症状の改善、統合失調症の治療、学校でのストレスマネジメント教育への転⽤、スポーツ選⼿のパフォーマンスの向上、⾼齢者の健康促進も効果が確認される
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プレイセラピー(遊戯療法)とは
⼦どもとセラピスト(治療 者)の適切で特別な対⼈関係の中で、安全な環境と遊び道具を 使って、⼦どもが⾃分の気持ちや考えや⾏動を表現したり探索 したりするのを、プレイセラピストという⼤⼈が促進し⼿伝う もの
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プレイセラピーの効果と限界
• ⾃⼰肯定感が⾼められ、カタルシスを得られ、⾃⼰理解を深め られる • 主訴だけでなく、クライエントの「⼈間として⽣きやすい⽅向 へ⼈格や特性を扱う」スキルを発達させる, • 表現しすぎることの危険性
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ソリューションフォーカストアプローチ (解決志向アプローチ)とは
• ブリーフセラピーという、アメリカの精神科医のミルトン・ H・エリクソン(Milton H.Erickson)から影響を受けた⼼理療 法の中の⼀つ, • スティーブ・ディ・シェイザー(Steve de Shazer)とイン スー・キム・バーグ(Insoo Kim Berg)を中⼼とし、アメリカ のブリーフファミリーセラピーセンター(BFTC)の同僚たちに よって考案された理論・⽅法論
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ブリーフセラピーとは
• 問題の原因を個⼈病理に求めるのではなく、コミュニケーション(相互作⽤)の変化を促して問題を解決・解消していこうとする⼼理療法, • 「原因が何か」ではなく、「今ここで何が起きているのか」(相互作⽤)を重要視, • 個⼈⾯接だけでなく家族⾯接、訪問援助、集団精神療法(⼼理教育)、コンサルテーションなどの様々な援助⽅法に適⽤でき、精神医療、保健福祉、学校教育、ビジネス、組織マネジメントなど幅広い領域・分野で⽤いられ効果をあげている
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コミュニティ⼼理学とは
• コミュニティ⽀援に必要な考え⽅や⽅法についての領域 • コミュニティ=地域、家庭、学校・職場、国家、ネット空間など
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コミュニティ⼼理学誕⽣の背景要因
地域精神保健センターに勤務する⽀援者が ⼗分でない⼈数, • 地域の住⺠全体にあらゆる⼼理学的⽀援を⾏うことを求められ 、伝統的な⽀援者の受け⾝の役割と個⼈⼼理療法とは異なる⽅向性をもつことが必要となった ⇨この要請に取り組むため、コミュニティ⼼理学が誕⽣
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伝統的⼼理学的⽀援がもつ2つの制約
⽀援が必要な⼈全てに⽀援を提供できない ・⽀援を求めてきた⼈と、⾯接室で1対1で対⾯し、その内⾯に深く⼊って弱い⾯や問題点を⾒つめる⾯接を重ねる, ⽀援の開始は早くない ・⽀援者が⽀援機関で待ち、個⼈⼼理療法を提供=伝統的⼼理学的⽀援
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心理師による訪問⽀援(アウトリーチ)とは
何らかの理由で訪問という形態をとることでしか会うことができない場合において、⼼理的⽀援を必要としている者の居る場所に、⼼理師が⾃ら出向いて⾏き、彼らにとって必要かつ適切な⼼理的⽀援を提供すること, ⼤震災で、⼼理師の有志らが避難所に⾜を運び、被災者⼀⼈ひとりに丁寧に⼼理的⽀援を⾏った 緊急事態は被災者、周囲の⼈達、⽀援者に対して⼼理的⽀援を行った
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訪問による⽀援の治療構造と⼼理師⾃⾝を守る枠組み
治療構造(⼩此⽊ら、1990) 「意図的に設定する、時間的、空間的な条件、および治療者・患者間の交流を規定する⾯接のルールなどの基本的な枠組み」 • 対象者がどんな⼈でどのような状態で何を求めているか(アセスメント) • 何をどのように提供するべきか(判断や予測) • いつ、どのくらいの時間でどんな場所で⾏うか、料⾦(基本的な設定) 訪問⽀援も「どういった時間でどんな様式で開始するのか」を確認する必要がある⇨特殊な治療構造が必要
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心の健康教育とは
⼼の健康が損なわれたり不調になったりしてからその⽀援を始めるのではなく、その前に健康を維持・予防し、⼼理的障害や病気になっても早期に回復するよう⽀援すること
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⼼の健康とは
ウェルビーイング≒精神的健康 • 疾患がないというだけでなく、⼈々が⽇常のストレスや困難に対処しながら、社会的にも⾃⼰の可能性を発揮して⽣きること • そのためには誰もがそのような⽣き⽅ができるような環境づくりにも協⼒し、貢献し合うことが奨励されている, 「健康⽇本21」 すべての国⺠がそのライフステージに応じて、健やかで⼼豊かに生活できる活⼒のある社会を実現するために⼼⾝の健康を向上させようというもの⼼の健康問題︓ストレスの低減、睡眠の確保および⾃殺者の減少
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教育における⼼の健康教育予防について
一次予防 ・⼼の健康的な側⾯を伸ばすような⼼理教育・予防教育 ・⾃尊感情や⾃⼰効⼒感を⾼める ・アサーションやストレスコーピングの⽅法を学ぶ, 二次予防 ・いじめや不登校、不適応等のハイリスク群をアセスメントし、問題が深刻にならないように対応する ・教員研修、授業観察、チーム学校としての関わりを検討, 三次予防 ・いじめ被害者、加害者への⽀援を⾏い、再発を防ぐ ・不登校の⽣徒の学校復帰後の適応⽀援
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地域における予防教育
一次予防 ・虐待に⾄る前に、気になるレベルで適切な⽀援を⾏う ・虐待につながるリスク︓経済的困窮、周囲からの孤⽴、保護者の ・精神疾患、アルコールやギャンブル依存、予期しない妊娠など ・⼦育て世代包括⽀援センターの全国展開を⽬指し整備の推進, 二次予防 ・要保護児童対策地域協議会の設置 ・⼦どもとその家庭や妊婦に対する⽀援を担う拠点の設置 ・児童相談所の体制強化, 三次予防 ・親⼦関係の再構築 ・⾥親委託など社会的養護体制の拡充 ・世代間伝達・連鎖の予防
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⼼理療法の効果
1952年、アイゼンクが、⼼理療法には効果がないという論⽂を出す, 1971年、バーギンが再分析し、⼼理療法に効果があることを⽰す, 1977年、スミスとグラスが、⼼理療法に効果があることを⽰す, その後の研究で、⼼理療法は学派の違いに関係なく効果があることが⽰されている ⇨⼼理療法は(何もしないより)受けたほうが効果的である
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職業倫理
基本的⼈権を尊重する, 常に専⾨家として資質の向上に努める, 守るべきこと︓公認⼼理師法(信⽤失墜⾏為の禁⽌、秘密保持、連携)、多重関係、インフォームド・コンセント
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質問する際の留意点
なぜ、どうしてなどの言葉は、使い方によってはあいてをひなしたり責めたりしてしまう意味を持ってしまう。
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共感について説明しなさい
共感 相⼿の考え⽅、ものの⾒⽅、感じ⽅の枠組みの中にたち、相⼿になったつもりでその体験を理解する 相⼿の気持ちを理解し、感じようとすること