問題一覧
1
発達を量的にとらえる際に用いられるもので、横軸に年齢や時間、縦軸に目的とする発達の指標をとり、年齢の関数としてグラフにしたもの。心身のさまざまな指標が、必ずしも年齢とともに一直線に上昇するわけではないことがわかる。
発達曲線
2
発達の質的変化をとらえる際に用いられるもので、ある時期に特有の顕著な特徴や機能の変化に注目し、段階設定したもの。エリクソンの8つの発達段階や、ピアジェの4つの発達段階がよく知られている。
発達段階
3
受胎から死に至るまでの発達のこと。 バルテスは、「人の受胎から死に至るまでの生涯をとおしての行動の恒常性の変化」と定義し、生涯の各時点で生じる行動の変化やそれらの順序性などを見出すことを重視した。
生涯発達
4
生活環境で必要でない能力が失われるのと同時に、 必要な能力が向上していくこと。 環境への適応過程としてとらえることができる。
獲得と喪失
5
生物個体にみられる 生まれ 成長 成熟し、老いて死ぬという時間の進行に伴った規則的な変化もしくはその期間のこと。
ライフサイクル
6
エリクソンの提唱した発達理論が有名。 発達のさまざまな時期で繰り返し経験する自身の内的要求と社会からの外的要求によって生じる葛藤 (心理社会的危機)をもとに、8つの発達段階にまとめた。
ライフサイクル論
7
人生の一定の時期 (ライフステージ) において、 解決しておくべき心理社会的な課題のこと。ハヴィガーストが提唱した。
発達課題
8
ピアジェが提唱した発達を質的にとらえる枠組みのこと。 感覚運動期, 前操作期、 具体的操作期, 形式的操作期の4つの発達段階で構成されている。
ピアジェの発達段階
9
ある時点で異なる年齢集団に対して調べる方法のこと。 一度に多くのデータを集められる利点がある一方で、 実際の時間経過による変化を調べていないため、 結果の確実性が弱まる。
横断的方法
10
同一集団を追跡する形で異なる時点での変化を調べる方法のこと。 現象の発達的変化を正確にとらえられる利点がある一方で、 時間や労力がかかり、同じ対象者を追跡する難しさもある。
縦断的方法
11
特定の時期における特定の経験によりある行動や発達が得られ、その時期を過ぎると達せられなくなる時期を
臨界期
12
臨界期ほど厳密なものではないが、特定の行動や発達に対する経験の効果がほかの時期に比べて強い時期を
敏感期
13
誕生直後に目があいており自力で歩行や採餌ができる。
離巢性の動物
14
誕生時に目があいておらず運動能力が十分になく親から給餌などの世話を必要とする。
就巣性の動物は
15
ほかの離巣性の哺乳類のような成熟に達する前に生まれるヒトの誕生を
生理的早産
16
ヒトの誕生時の状態は,感覚器官の発達に比して運動能力が未発達な状態である。これを
二次的就巣性
17
受精卵が子宮に着床してから受精後8週までの時期を指す。この時期の終わりには、極めて小さいもの、頭部、胴体、四肢、指など各部が整って、ほぼヒトの形になる。
胎芽期
18
受精後9週から出生まての時期を指す。この時期には、身体が大きくなると同時に、感覚を含む様々な器官が成長し機能し始める。環境とのやりとりを始めるという意味では、人生の最初期といえる。
胎児期
19
生後28日未満の時期を指す。原始反射や独特なパターンなど、この時期にだけみられるさまざまな特徴がある。
新生児期
20
新生児期も含め、 生後1年半頃までの時期を指す。 通常発達心理学的な観点からは歩いてしゃべるようになるとーーーに移行するが、その区分は明確ではない。 研究法の進歩により、この時期に外界の事物について知覚・認知能力がさまざまに発達することが明らかになっている。
幼児期
21
感覚のなかでも主要な視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を指す。 大人と同等になるには幼児期以降まで待たなければならないが、胎児期 乳児期を通じて五感の感度は大きく向上し、知覚・認知能力の発達の基礎となる。
五感
22
胎児期や生後早期の環境が乳児期への影響だけでなくのちの成長後の健康状態にも影響を及ぼすという仮説。これまでに、胎児期から幼小児期の低栄養やストレス, 化学物質曝露などの望ましくない環境が虚血性心疾患、脳卒中, 高血圧, 2型糖尿病, 精神疾患などのリスク要因となることが示されている。
DOHAD(Developmental Origins of Health and Disease)仮説
23
ヒトの反射行動のうち、乳児期、特に新生児期にのみみられるものをーーーーと呼ぶ。 その一時性は、発達中の中枢神経系の機能と密接に関わっていると考えられ、正常な時期に生じ、消失するかどうかが乳児の発達をアセスメントする際の手がかりとなる。
原始反射
24
知覚-運動協応のなかでも、目で見た対象と手の情報が手を動かす距離、方向, 加速減速、タイミングなどに反映され、精緻な対象の操作が行われることを目と手の協応と呼ぶ。最初は主に対象への手伸ばし (リーチング)、その後対象の把握 (グラスピング) においてみられる。
目と手の協応
25
乳児研究で多く用いられる方法の一つ。 2つの刺激を提示して、刺激によって注視時間が偏ることで2つを弁別していることを示す。 条件づけと組み合わせて用いられることもある
選好注視法
26
乳児が養育者など周囲の他者、環境との関わりの経験をとおして形成する、周囲は安定して自分にこたえてくれる。、安心を与えてくれるといった信頼感を指す。エリクソンは乳児期の発達課題を「ーーーー 対 基本的不信」とし、周囲からのからの安定した安心できる関わりがなければ、乳児は恐れや不信をもつようになると示した。
基本的信頼感
27
子どもが危機や不安を感じた際に、養育者など特定の対象に接近しそれをしようとする傾向であり、それによって安全・安心感を取り戻そうとする行動制御システム。また子どもと対象との間におけるやりとりを経て形成される情緒的な絆を指す。
アタッチメント(愛着)
28
子どもがアタッチメントを向けている対象が果たす、子どもが安心感や安全感を感じられるような、子どもにとっての心の拠り所としての機能。子どもは愛着対象である『 』を信頼することで自律的な探索活動をすることができる。
安全基地
29
養育者などの愛着対象と自分に関する確信、予測、期待などのイメージ(表象)。 必要なときに養育者は自分を守ってくれるだろう、自分は親からこんなふうに応じてもらえるだろう、といった子ども自身がもつ主観的な信念。
内的作業モデル
30
日常的に接している養育者などから身体的に離れたり、姿が見えなくなったりしたときに子どもが感じる不安や恐れ。ーーーーの背景には、特定の相手との間のアタッチメントの形成や、人の顔や身体的特徴を記憶したり見分けたりする認知的発達がある。
分離不安
31
子どもが日常的に持ったり触れたりしている毛布やぬいぐるみなどであることが多い。 養育者などからの分離や、分離を予期して不安や寂しさなどを感じる際に、 気持ちを落ち着かせて安心させてくれるような、感情の調整を支えてくれるものを指す。
移行対象
32
エインズワースらが開発した, 子どもと愛着対象の実験的観察に基づく, アタッチメントタイプの測定方法。 親子の分離場面, 再会場面, 子どもの探索活動などに着目して、子どものアタッチメントのタイプが安定型, 回避型, アンヴィバレント型, 無秩序 無方向型に分類される。
ストレンジ・シチュエーション法
33
子どもが安定したアタッチメントを発達させることを促すと考えられている, 養育者側の特徴。子どもの欲求に関するサインに気づき、タイミングよく、適切なやり方で子どもに応答することを指す。
敏感性
34
乳児は生得的に活動性や周期性、順応性などに表れる行動パターンの特徴をもっており、これをーーという。 子どもの育ちは、子どものーーと、子どもを取り巻いている養育のーーの組み合わせ、ーーとーーの相互の影響の及ぼし合いなどが絡みながら進む。
気質と環境
35
子どもの健やかな心身の発達を妨げ、 直接、間接に否定的影響を与えるような養育を指す。虐待には身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトが含まれ、子どもの心身を深く傷つける養育者の行為、養育の様子を指す。
不適切な養育;虐待
36
「外界の事物・事象を理解する際に用いられる一定の枠組み」であるシェマを、同化(外界の事物・事象を自分のシェマに合うように取り入れること)あるいは調節(外界の事物・事象に適するように自分のシェマをつくり変えること)することによって認知発達が生じると想定し、認知の発達段階説を提唱した人はだれですか。
ピアジェ;Piaget
37
ピアジェの発達段階説の一つで、0~2歳頃の時期を指す。 見る・聞く・触るなどの感覚や自らの身体を使った運動をとおして、この世界の物事を認識していく段階で、 たとえば「対象の永続性」の概念が獲得される。
感覚運動期
38
ピアジェの発達段階説のなかで2~ 7・8歳頃の時期を指す。 心的イメージや言語といった表象の出現に伴い、頭のなかで物事を想起したり、物事を関連づけるといった論理的思考がこの時期をとおして徐々に可能になっていくものの、1つの視点から物事をとらえてしまう (自己中心性) 等の特徴もみられる段階である。
前操作期
39
ピアジェの発達段階説のなかで 7.8~11・12歳頃の時期を指す。 自分の視点だけではなく、複数の視点から考える思考や、具体的な事柄に関して論理的な思考が可能になる段階で、たとえば「保存概念」 が獲得される。
具体的操作期
40
ピアジェの発達段階説のなかで11・12歳頃以降の時期を指す。 具体的な事柄だけでなく、記号・数字等の抽象的な事柄や経験・知識に反する事柄に関して論理的な思考が可能になる段階である。
形式的操作期
41
ピアジェ理論では「無生物に対しても心や生命があると考えるような幼児の心理的特徴」を意味し、相貌的知覚・人工論・実念論などとともに、象徴的思考段階の未分化な思考の現れの一つとされている。
アニミズム
42
「対象の形や状態を変形させても、対象の数量といった性質は変化しない」という概念で、ピアジェ理論では具体的操作期に獲得されると考えられている。
保存概念
43
他者視点の理解の発達を検討するためにピアジェとイネルデによって実施された課題で、台上に置かれた三つの山の模型を一定の位置 (視点) から子どもに見せ、自分 (子ども)とは異なる位置から見たらどのように見えるかを尋ねる。ピアジェ理論では、具体的操作期までは達成が困難であると考えられている。
三つの山問題;三つ山問題;3つ山問題
44
「自分の行為と他者/物の行為/活動、あるいは自分の視点と他者の視点が十分に分離できず、自分という1つの視点から物事をとらえてしまう傾向」を何というかで、前操作的段階の特徴の一つである。
自己中心性
45
具体的操作期に入り、この自己中心性から離れて思考できるようになることを「ーーー」と呼ぶ。
脱中心化
46
ヴィゴツキーは、認知発達を「他者との関わりや社会的活動のなかで可能な心理的機能(精神間機能)が、徐々に個人に内化された機能 (精神内的機能)になる過程」、つまり他者との相互作用のなかで生じるものであると想定し、発達の最近接領域の概念を提唱した。
Vygotskyの発達理論
47
ヴィゴツキーによって提唱された概念で、「現時点で自分一人で解決できる課題 問題の水準」と「現在の発達状態では解決できない課題・問題の水準」の間にある「大人や能力のある同年齢者との共同行為のなかでなら、解決がなされ得る課題 問題の水準」 を指す。
発達の最近接領域
48
1歳半頃から満6歳の小学校入学前までの期間を意味する。ピアジェ理論では主に前操作的段階にあたり、表象を用いてさまざまな思考が可能になりはじめるが、まだ自己中心性などの特徴をもつ時期である。
幼児期
49
小学校入学後の満6歳から、小学校を卒業する満12歳までの期間を意味する。 ピアジェ理論では主に具体的操作段階に当たり、具体的な事柄に関して論理的な思考が可能になりはじめる時期である。
児童期
50
物事や人の行動の良し悪しに対する理解のこと。幼児期には身近な人の基準を取り入れて理解するが、年齢が上がるにつれて、良し悪しの基準を自ら考え、つくり出すようになる。
道徳性
51
社会のなかで定められた、守るべき決まりに対する意識のこと。規範のなかには、法律のように制度化され明示的なものもあれば、慣習のように制度化されてはいないが守るべき決まりとして潜在的に存在するものもある。
規範意識
52
相手の気持ちや考えを相手の立場に立って考え、それを自分のことのように共有すること。相手と同様の感情状態になることを指していることが多い。Hoffmanは4段階の発達を考えた。
共感性
53
子どもが、相手が注意を向けているものに対して、自分自身も注意を向けること。 生後9か月頃からみられる。大人が、視線や指さしで注意を向けているものを示すと、乳児はその視線や指さしの先を追って見るようになる。
共同注意
54
あいまいな状況や対象に対して、生後12か月前後から、子どもが身近な他者の情動的な情報を参照して自らの行動を調整すること。たとえば、身近な大人の表情を見て、新しいおもちゃを触るかどうかを決めること。
社会的参照
55
自己や他者の行動を予測したり説明したりするための心の働きについての知識や原理のこと。幼児期には、 特に、他者の誤信念やそれに基づく行動を予測できるか否かが問われることが多い。
心の理論
56
主に幼児を対象として行われる 「自分の知識とは異なる他者の誤った考えを理解する力」を測定する課題のこと。4~5歳頃から課題に正答するようになる。
誤信念課題
57
児童期から成人期にかけての道徳的な推論を段階別に示したもの。道徳性の前慣習的水準、慣習的水準、脱慣習的水準という3つの水準からなり、それぞれの水準に2つの段階が存在する、6段階に分けて説明されている。
コールバーグの道徳性発達段階
58
他人あるいはほかの集団を助けようとするような、人々のためになることをしようとする自発的な行為のこと。具体的には、援助行動や配分行動などがあげられる。
向社会的行動
59
スキャモンは、身体の諸器官を、一般型、神経型、リンパ系型、生殖型の4つの系統に分け、それぞれの発達的変化を曲線として示した。乳幼児期は4つのなかで特に神経型の発育が著しいことが知られている。
スキャモンの発達曲線
60
生後2~4か月頃になり、機嫌のよいときやリラックスしているときなどに自然に発せられる「くー くー」といった声。口で音を鳴らしているというよりは、のどを使って音を鳴らしている状態である。
クーイング
61
4‐6か月頃に、「あーあーあーあー」といった切れ目のないーーと呼ばれる発声が出現する。そして、6か月以降には、「ば、ば、ば」といった複数の音節からなり、子音と母音が区別された規準ーーが出現する。
喃語
62
クーイングや喃語といった意味の不明瞭な音声を発する時期を経て、1歳頃に発せられる初めての言葉であり、特定の意味を伴っている点が特徴。初語がみられてから徐々に新しい言葉の発声がみられるようになる。
初語
63
単語のみの発話。この時期に発話できるようになる語のカテゴリーは, 「まんま」などの幼児語や「ばいばい」 といった日課やあいさつに関わる語、モノの名前などの名詞が多く、動詞や形容詞は少ない。
一語文
64
「ぼーる とって」などの語と語を一定のルールにしたがって結合し、構造化された発話。最初は、「お母さんの」といった自立語+ 格助詞の形式からはじまり、自立語+自立語のーーーの発話へ移行していく。
二語文
65
「おかあさんぼーる とって」といった三語以上の言葉をつないだ発話が2歳を過ぎる頃にみられるようになる
三語文・多語文
66
1歳半を超えて、発話できる言葉が50語を超えてきたあたりから、獲得する語彙の数が急速に増えることを指す。ーーーーに伴って、二語文の発話が増加するようになる。
語彙爆発
67
他者とのコミュニケーションのために用いられる言葉である
外言
68
自己内に内面化された言葉、心的に展開される言葉であり、自分自身との対話である。
内言
69
小学校1年生が、小学校入学後、クラスのなかで授業に集中できない、先生の話を聞かない、集団行動がとれないなどの問題を示し、学級運営がままならない状態のことをいう。
小1プロブレム
70
9~10歳頃に、メタ認知の発達、思考過程の意識化など、思考が質的に変化することで個人差が目立ちやすくなることに加え、学習内容が抽象化することによって学習についていけない子どもが目立ちはじめる現象。
9歳の壁 (10歳の壁)
71
相手の言動から、相手の気持ちや考えなどを推測すること。 共感性が比較的相手の感情状態を共有することを強調した語句であるのに対し、ーーーーーは、相手の行動から心的状態を想像する能力全般を指す。
メンタライゼーション
72
自分の考えや行動をコントロールし、目標に向かって行動を調整していく働きのことで、社会性の発達や社会的な行動に影響する。特に、社会性の発達においては、抑制機能との関連が強いことがわかっている。
実行機能
73
私たちが主観的に感じる心の働きで、通常は何らかの身体感覚を伴う。関連語に、より生理的・一過性の意味合いをもつ「情動」や長期的の日常の行動の背景として影響するという意味合いをもつ「気分」があるが、区別はではない。
感情
74
生まれつき (進化的に)ある程度分化し、ある特異的な反応と組み合わさった感情が、悲しみ、恐れ、怒り、驚き、嫌悪の6つが想定されている。このように考える立場を基本感情理論と呼ぶ。代表的な論者にエクマンやイザードがいる。
基本感情(理論)
75
感情は生まれたときは未分化であり、成長とともにやがてまとまりのある感情が組織されていくと考える立場。代表的な論者にルイスがいる。
感情の構成主義理論
76
生後2年目頃までの、自己意識が関連せずに生起する感情、喜び、怒り、悲しみ、驚きなどもここに含まれる。
一次的 (原初的)感情
77
自分や他者の感情について知覚・認知したり、調整表現したり、利用したりする能力。サロヴェイとメイヤーが提唱。
感情知性
78
さまざまな感情を適度に調整すること。発達プロセスとして、まわりの大人による制御から自分自身による制御へと移行していく。
感情制御
79
鏡に映った自分の認識。発達研究ではルージュテストに通過できるかどうかで測定される。およそ2歳頃に成立するとされる。
鏡映的自己
80
およそ2歳頃からみられる、大人の言葉かけや指示に何でも反抗する行動・態度。背後には、自分の意図や思いを主張できる主体性の育ちが考えられる。
第一次反抗期
81
自分の行動をモニタリングし、環境と自己の調整を図るよう行動を調整すること。抑制するだけでなく、自己を主張する側面も含められることがある。
自己制御
82
2歳頃からみられる、他者から見られた自己の意識と関連した感情。てれ、共感、羨望、誇り、恥、罪悪感などがある。
自己意識的感情
83
自分自身を価値あるものとしてとらえる感情。発達的には小学校中学年から低下する現象もみられる。
自尊感情(自尊心)
84
自分の行為が自分で制御できるという感覚、感情。バンデューラによって提唱された。遂行行動の達成、代理的経験、言語的説得、情動的喚起といった要因によって形成、影響される。
自己効力感
85
エリクソンの発達段階における「幼児前期(1~3歳頃)」の心理社会的危機。この時期は、自分で自分の行動・行為をコントロールする「ーーー」と、コントロールがうまくいかないときの「ーーー」の感情との間で揺れ動く時期とされる。
自律性 対 恥・疑惑
86
エリクソンの発達段階における「幼児後期(3~6歳頃)」の心理社会的危機。この時期は、自ら率先して目的意識的な活動に働きかけていく「ーーー」と、間違ったことをしてしまうときの「ーーー」との間で揺れ動く時期とされる。
自主性 対 罪悪感
87
対人関係のうち、年齢が近く興味・関心を共有する者との関係を指す。親や教師、きょうだいとの「タテ」の関係とは異なり、心身ともに対等な 「ヨコ」の関係であり、子どもたちは欲求の衝突や葛藤、調整の体験を通じて社会性を身につけていく。
仲間関係
88
仲間関係のうち、特に好感をもち、お互いを心理的に支え合うような特定の人物との親密な関係を友人関係という。友人の選択条件には発達差があり、初期には近接性が、しだいに類似性(特に、児童期以降) が重視されるようになる。
友人関係
89
共通の目標を達成するために、他者と一緒に活動する集団指向性を指す。特性論の一つであるビッグ・ファイブモデルの一因子でもあり、信頼、実直さ、利他性、応諾、慎み深さ、優しさといった特性をもつことをいう。
協調性
90
同性・同年齢の友だちからなる結束の固い仲間集団のことで、児童期中期以降の男子に特徴的ともいわれる。強い「われわれ意識」をもち、権威に対して反抗的な態度を示すが、リーダー役割や社会的スキルなどを学ぶ場となっている。
ギャング・グループ
91
仲間外れ、無視、悪い噂を流すなど、仲間関係を操作することによって相手を傷つけるタイプの攻撃行動で、女子に多いのが特徴。「○○してくれないなら遊んであげない」 といった直接的な形態であれば幼児期から観察される。
関係性攻撃
92
エリクソンの心理社会的発達論で仮定されている学童期の発達課題で、自分の能力を進んで磨き上げ、意味ある仕事をやり遂げようという熱意を含んだ態度をいう。Industryの訳であり、「生産性」 とも訳される。
勤勉性
93
学校での失敗などをとおして内在化される「自分は何の役にも立たない」という感情のこと。エリクソンは学童期の発達課題として、勤勉性を確立し、劣等感を克服することが重要であるとしている。
劣等感
94
児童期と成人期の間に位置する、子どもから大人への移行期のこと。心身の発達が加速し、自我、性への目覚めによって自己の内面への関心が増し、自立への徹が高まる。
青年期
95
自己に意識を向けること、つまり、意識の対象・焦点が自分自身にあること。
自己意識
96
自分で、自己を対象化して把握したイメージ・概念のこと。身体的特徴、性格、人との関係性をもとに構築される自己についての比較的永続した自分の考え。自己観、自己イメージ、自己像とも呼ばれれる。
自己概念
97
エリクソンの人格発達理論における青年期の中心的概念。個人が自分の内部に斉一性と連続性を感じられることと、他者がそれを認めてくれることの、両方の事実の自覚。
アイデンティティ(自我同一性)
98
遺伝的、生物学的性 (sex) に基づいて心理・社会的に男女に振り分けられた役割のこと。
ジェンダー
99
異性の関係性を表す言葉。青年期には、同性の友人との関係を基盤としながら、異性への関心が高まり、親密な関係を築く時期である。しかし、近年では、異性関係に積極的でない青年の様相が報告されており、以前の世代とは異なった実態が浮かび上がってきている。
異性関係
100
青年期のなかでも身体的な成熟が特に進む12~16歳頃の時期を表す言葉。性ホルモンの分泌によって、性的 、身体的に成熟に向けて大きな変化が起きる時期。
思春期