1920年代初頭の時期における日本の銀行を見ると、2,000を超える数の銀行が存在していたが、産業革命期に創設された小規模の銀行が多かった

第一次大戦後に株価の大暴落が発生したことにより、小規模銀行を中心に取り付けが相次いだ

日本とアメリカが金本位制を採用していて、アメリカでは金1gを1ドルと交換でき、日本では金1gを200円と交換できたとする。金の輸送費はかからないものとする。このとき、外国為替市場での実勢為替レートが150円であった場合、裁定取引を通じて、日本の金が海外に流出する

金本位制離脱の状態から復帰する場合、実勢為替レート（外国為替市場でのレート）が旧平価よりも自国通貨安の状態であるとすると、（旧平価で）金本位制に復帰した瞬間に金の流出が生じると考えられる

「昭和金融恐慌」の要因の1つとして、当時の銀行の多くが、国の機関として設立された国策の銀行、すなわち機関銀行であったため、経営が放漫になっていた点が挙げられる

1920年代末から国内銀行数が急減したのは、1927年の「昭和金融恐慌」によって数多くの銀行が経営破綻してその分銀行が減ったからである

「昭和金融恐慌」において全国の銀行において取り付けが発生したため、政府は銀行を一定期間休業させたほか、債務の支払いを一定期間猶予するなどして混乱を収束させた

1927年4月に台湾銀行の救済を政府が決定したところから、昭和金融恐慌は収束に向かった

関東大震災後に復興のために発行された公債、すなわち震災手形は、その数年後でも多くが未回収のままであった

1927年における金融機関の第一次動揺の契機は、当時の大蔵大臣による議会での失言であった

関東大震災後には日銀が手持ちの手形を廉価で民間に売却したが、これを手形の割引という

関東大震災後の金融パニックを抑えるため、被害を受けた企業の借金を帳消しにする「モラトリアム」を発令した

関東大震災は多くの金融機関にも大きな損害を与えたことから、銀行では震災直後に大規模な取り付け騒ぎが相次いだ

1920年代に取り付け騒ぎが起こったことで破綻した銀行のことを「機関銀行」と呼ぶ

第一次大戦後に株価の大暴落が発生したことにより、小規模銀行を中心に取り付けが相次いだ

1929年のアメリカの恐慌が世界に波及した要因として、金本位制によって各国の為替レートの変動が激しくなっていた点が挙げられる

金本位制を離脱していた日本が金本位制に復帰したとする。金の輸送費はないものとする。日本が金本位制に復帰した際、日本円の実勢為替レートが、平価よりも円高だった場合、日本から金が流出する動きが起こる。

国際金本位制のもとでは、ある国が金融引き締めを行うと、他国からその国に対して金が流出することになる結果、他国も金融引き締めを強いられる状況となる

国際金本位制のもとでは、ある国が金融引き締めを行うと、他国では金融緩和が強制されるという金融政策の非対称性が存在する

日本では「金解禁」に関する論争の結果、金解禁が中止されたために他国より世界恐慌の影響は弱かったと考えられる

昭和恐慌の影響が農村において特に深刻だった要因の1つは、他の物品と比較して農産物価格の下落が特に著しかったことである

高橋財政期に戦争目的で開始された日銀引き受けは、開始当初の目的通り、日中戦争以降の戦時期にも軍事費調達に役立てられた

高橋是清が殺された２・２６事件以降、軍部の持つ政治的影響力が強くなった

第二次世界大戦期には軍需産業が大きく発展したことで、日本では同時期を通じて持続的な成長が起こった

国家総動員法は、商品価格を1939年9月18日の水準に固定することを規定する条文を含んでいた

1939年に出された「国民徴用令」は、国家総動員法に基づいた勅令であり、「国民職業能力申告令」などと並んで、強制的に軍需産業への労働者の移動を行うことができるようにする役割を持っていた

軍服等の生産のために繊維産業は第二次大戦期の重要産業であったが、空爆などの攻撃対象として繊維工場が主に狙われたため、繊維産業の生産能力が著しく減退した

戦時期までの日本の経済水準は、西欧諸国と比較しても、また他のアジア諸国と比較しても低かったものの、高度成長期に先進国の水準まで追いついたと言える

高度成長期の日本は、産業革命期の日本と同程度のスピードで成長を遂げたと言える

日本の高度成長期は、経済に占める個人消費支出の割合が高まり、特に個人消費によって成長が牽引されたところにその特徴があった

日本の高度成長期には、明治の産業革命期以降の製造業の中心であった自動車工業がさらに大きく成長し、機械工業化が進展した

日本の高度成長期には、株式・証券投資が、他の株式・証券投資を促して連鎖する「投資が投資を呼ぶ」と言われる状況が生じたために、バブルが発生した

日本の高度成長期には、第一次産業の就業者比率が大きく低下する一方で第二次産業・第三次産業の就業者の割合が増大した

GDPの計算式（国民所得勘定の恒等式）によると、民間貯蓄および純輸出が一定である場合、政府支出の増加によって財政赤字が増えればその分だけ民間投資が増えることになる

GDPの計算式（国民所得勘定の恒等式）によると、民間貯蓄および財政黒字額が一定である場合、輸出が増えて輸入が減ると、民間投資は増えることになる

恒常所得仮説に基づくと、年功序列的に現役時代の所得が毎年上昇していくことが予想できる個人の場合、所得が多い年ほど（その所得から）消費に使う割合を高めることが合理的となる

ある個人がそれまで予定していなかった転職をしたことにより、所得水準がそれまでより大きく上昇して一生涯で得られる所得の見込みが増大したとする。恒常所得仮説に基づくと、この個人は転職後も毎年の消費水準（消費に使う絶対額）を変更しない（転職前と同じ額の消費を行う）と考えられる

高度成長期の日本における貯蓄率が高かった要因の1つは、貯蓄率が相対的に低い高齢者の人口に占める割合が小さかった点にある

近年の日本において貯蓄率が低くなっている最大の要因は、人口の高齢化が急速に進んだ点にあると考えられている

高橋財政期には国債の日銀引受けが行われたことで、市中銀行から大量の国債が日銀によって買われることとなった

井上財政は緊縮財政がその特色だったのに対し、高橋財政は積極財政がその特色であった

「管理通貨制度」とは、その国の通貨供給量が、金の保有量によって管理される制度を意味する

第一次大戦期に日本で導入された金本位制は、 1931年に行われた「金解禁」によって停止された

ある国が金本位制から離脱することが予想された場合、その国は金本位制離脱後に通貨の価値を自由に決められるようなるため、通貨価値が上がると予想される。したがって、ある国が金本位制から離脱することが予想された場合、その国の通貨が買われる動きが起こる

イギリスの金本位制離脱後、日本の離脱も予想されたことで結果的に金の国外流出が生じた

個人消費の面からみた高度成長期の日本の特徴の1つとして、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった耐久消費財が急速に普及した点が挙げられる

高度成長期の日本で耐久消費財需要が拡大した背景として、世帯規模の縮小があった

高度成長期の日本では大都市圏における労働力不足により労働需要が大きく高まった結果、地方の農業部門から大都市圏の第二次・第三次産業部門 に対する急速な人口移動が起こった

高度成長期の日本では都市圏における三世代世帯の割合が増えたことで、核家族化が進んだ

家計の支出の中に占める食糧費・被服費・住居費・光熱費といった生活に必要な支出の割合を 「エンゲル係数」と呼び、高度成長期の日本ではほとんど一貫してそのエンゲル係数が低下していった

高度成長期の日本では地方の農家世帯における若年者の多くが都市圏に就職した結果、1世帯当たりの世帯人数の縮小が生じた