食品衛生法では、食品添加物を「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と定義している。

指定添加物とは、安全性と有効性が確認され、厚生労働大臣により指定されている添加物のことである。

天然香料とは、動植物から得られるもので、食品の着香の目的で使用される天然添加物のことである。

食品添加物の保存料、防かび剤、酸化防止剤は、食品の腐敗、変質を防止するために使用される。

食品添加物のビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類は、食品の栄養価の維持、強化のために使用される。

JECFAは合同食品添加物専門家会議のことで、1955年にFAO（国連食糧農業機関）とWHO（世界保健機関）が協力して設けた委員会である。

天然添加物は安全性が確認されているため、食品に表示する必要はない。

食品添加物は、物質以外では表示することはできない。

食品添加物に関する製造基準、成分規格、保存基準、検査方法、表示基準、などは、食品添加物公定書に記載、公開されている。

食品添加物の使用基準は、1日摂取許容量（ADI）と同じになるように定められている。

一度指定された食品添加物についても安全性の再確認が行われているが、安全性に疑いがある品目や、使用実態がなくなった品目であっても、指定が削除されることはない。

ポストハーベストとは、収穫後の農作物に直接薬品を噴霧する方法で、かびの発生を抑えるのに有効であり、わが国ではこの方法を奨励している。

次の食品添加物は、全ての保存料として使用されている。 （1）安息香酸 （2）ソルビン酸 （3）デヒドロ酢酸ナトリウム

次の食品添加物のうち殺菌料として使用されるのは、（2）である。 （1）過酸化水素 （2）エリソルビン酸 （3）イマザリル （4）アスパルテーム

食品添加物のうち、着色料は、近年では、微量の使用で退色しにくい化学的合成品が多く用いられている。

食品添加物として用いられる還元漂白剤は、食品中の残存量が定められていない。

食品添加物のうち、品質保持剤には使用量の制限がない。

食品添加物として用いられるL-グルタミン酸ナトリウムは、こんぶのうま味に代表されるもので、調味料として使われている。

貴金属は、銅や亜鉛のように生命の異常に必要不可欠なものがあるが、限度を超えて摂取すると健康危害を起こす。

食品衛生法に、食品中のカドミウムこ基準値は設定されていない。

大きな調理器具・機械類は、外から見えるところだけでなく、機械内部や角の部分、接続部なども十分に洗浄する。

磁器は、吸水性はなく透光性があり、軟質でたたくと濁った音がする。

ほうろうは、鉄、ステンレス鋼、アルミなど金属の表面に特殊ガラスを処理したもので、耐食性に優れている。

ゴムには樹液を原料とする合成ゴムと、化学合成した高分子の天然ゴムがある。

プラスチックはその性状により、成型後に加熱すると軟化して変形する熱可塑性樹脂と成型後は加熱しても形状が変形しにくい熱硬化性樹脂に大別できる。

フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂は、すべて電子レンジの使用に適している。

ポリウレタン樹脂は熱に弱いため、汁椀、器の内面塗装に用いられることはない。

フッ素樹脂は、ホットプレートやフライパンなどの表面塗装に使用される。

ステンレス鋼は耐食性に優れ、シンク、調理台、包丁などの調理器具にも広く用いられている。

食品に関連する紙製の容器包装は、ポリ塩化ビフェニルなど一部の汚染物質を除いて、食品衛生法の規制の対象となっている。

金属製の食器、調理器具類の汚れが落ちにくいときは、漂白剤につけておくとよい。

食品営業施設では、非汚染作業区域（清潔作業区域・準清潔作業区域）と汚染作業区域に分けた構造配置が望ましい。

食品営業施設の構造として、フードを設置する場合には、なるべく天井とのすき間を開けて設置する。

ダンボール箱やポリ袋などに入って納品された原材料は、移し替えずに保管庫に持ち込み、納品された状態のままで保管するとよい。

食品営業施設の冷蔵庫に収容するのは、容量の90%程度に抑えるとよい。

大量調理施設衛生管理マニュアルでは、貯水槽を設置している場合や井戸水などを殺菌・ろ過して使用する場合は、遊離残留塩素が0.1mg/L以上であることなどが定められている。

環境汚染の原因として、現在1番問題となっているのは工業排水である。

2007（平成19）年に食品リサイクル法が改正され、コンビニエンスストアなどのフランチャイズ加盟店も法律の対象となった。

調理従事者の作業衣は、汚れが目立つので白いものは避ける。

調理従事者がトイレに行く際は、調理作業時に着用する作業衣、帽子、履物のまま入らないようにする。

食品衛生責任者は、食品衛生ならびに食品衛生法などを熟知し、施設の衛生管理を徹底して行い、日頃から作業員に対しても食品衛生の教育をしなければならない。

食品の品質や鮮度ののよしあしを見分けるときにわ触覚や嗅覚、味覚などによって鑑別する方法を官能検査法という。

鮮魚類は、腹部の線が崩れておらず、魚特有の色と光沢を持ち、うろこのしっかりしているものがよい。

新鮮な鶏肉を選ぶときには、皮の毛穴が目だたないものものを選ぶとよい。

生鮮食品などをそれぞれの品質保持に最も適した低温帯を保持しながら運ぶ（コールドチェーン）システムを低温流通機構という。

低温流通機構は、冷却、凍結、チルドの温度帯に分類されている。

冷凍食品は凍結の際に食品の組織が壊れて品質が変わるのを防ぐため、徐々に冷凍していくのがよい。

解凍した冷凍食品を再凍結すると、品質が損なわれると同時に、品質が高くなってものを冷凍庫に入れることにより、他の冷凍食品の品温が上昇して品質低下を招くおそれがある。

冷凍食品の中で、肉類、魚介類は自然解凍または低温解凍のような緩慢解凍が用いられている。

病原微生物で汚染された人の手を介して発生した大規模食中毒は、食材そのものが原材料から汚染されていた場合よりはるかに少ない。

次の順序は、調理従事者が行う衛生的な手洗いの順序を過不足なく示したものとして正しい。 時計や指輪を外す、流水で軽く洗う、手洗いせっけん液を付ける、十分に泡立てる、手首を洗う（5回ずつ）、肘まで洗う、ブラシで爪の間を洗う、流水で十分にすすぐ、ペーパータオルで拭く、アルコールをかける、手指全体にすり込む

軟水は、カルシウムイオン、マグネシウムイオンを多く含む天然水である。

滅菌は、目標とする物体中に含まれるあらゆる微生物を滅菌し、完全に無菌状態にすることである。

商業的殺菌とは、完全な無菌状態ではないが、食中毒や腐敗にかかわる微生物を殺菌した状態である。

物理的な殺菌法には、加熱、ろ過、紫外線、音波（超音波）、高周波などがある。

食品照射は、食品に放射線を照射することで、食品の腐敗、虫害、発芽などの防止、熟度の調節、食中毒細菌など病原菌の殺滅などを目的としている。

熱湯消毒、煮沸消毒は、薬剤を使用することなく、特別な機械・器具を必要としないので、人体に害がなく誰でも簡単にできることがメリットとしてあげられる。

パスツリゼーションとは低温殺菌法のことで、フランスの細菌学者であるルイ・パスツールが考案したものである。

レトルト食品を製造する際には耐熱性菌を含めて加圧加熱殺菌し、商業的無菌状態にしている。

レトルト食品に用いられる容器は、ヒートシールと呼ばれる。

日本では、放射線の食品への使用は認められていない。

ろ過除菌法はフィルターを通すことにより除菌する方法で、どんなものでもすべて除菌できる。

逆性せっけんを使用する場合、せっかんや陰イオン界面活性剤が残っていると、イオン同士で反応し、殺菌効果が弱くなってしまう。

次亜塩素酸ナトリウムを殺菌に使う際は、使用時に塩素ガスが発生するので、換気を十分に行う。

アルコール殺菌する際には、必ず殺菌する対象物の表面がぬれている状態で使用する。

HACCPシステムは、病院給食の安全確保を目的に医療分野で開発されたものである。

HACCPシステムは、完成した最終製品の検査を一つひとつ行なっていくので、確実に安全性が確保されるというものである。

HACCPシステムはあくまでも営業者が自主的に導入するものなので、食品衛生法に記載がない。

HACCPに沿った衛生管理のための実施に当たっては、事業規模にかかわらず、画一的な衛生管理を行うことになっている。

HACCPシステムは大企業のための考え方であり、その考え方の基本は小規模な食品製造業、調理施設、家庭などでは適用できない。

我が国では、食品衛生法により、患者を食中毒と診断した医師には最寄りの保健所長への届け出が義務付けられている。