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行政法

問題数 38 • 3/10/2024

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問題一覧

  • 1

    法律の留保の原則「法律」とは?

    この点について、法律の留保の原則の趣旨は、自由主義の思想に基づき、一定の行政活動につき国民の代表からなる議会の事前承認を義務付けることにより、国民の権利自由を保護することにある。よって「法律」とは、ある行政機関が国民の権利義務に関する一定の行政活動を行うにあたって必要とされる根拠規定、すなわち根拠規範を意味すると解す。

  • 2

    不利益処分に必要な手続き

    ・13条 聴聞ないし弁明の機会 ・14条 理由の提示 ※処分基準の設定公表(12条)は努力義務

  • 3

    申請に対する処分に必要な手続き

    ・5条 審査基準の設定公表 ・8条 理由の提示 ※標準処理期間の設定(6条)は努力義務 「相当の期間の経過」の重要な判断要素になる

  • 4

    いかなる手続きの瑕疵が行政処分の取消事由となるか

    この点について、行手法の目的(1条)に照らすと、行手法は同法上の適正な手続きによって行政処分を受ける権利を保障していると解されるから、同法の規定する重要な手続きを履践しないで行われた処分は、特段の事情のある場合を除き、処分の取消事由となると解す。

  • 5

    地方公共団体が主体及び名宛て人の場合の行手法の適用

    処分・届出→適用あり◯ 行政指導・命令等を定める行為→適用なし×

  • 6

    【手続き上の違法】 処分の理由の提示の程度

    理由提示の趣旨は、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の名宛人に処分の理由を伝えて不服申し立ての便宜を与える点にある。 そこで、提示の程度としては、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して当該処分を行なったかということが、被処分者において、その記載自体から了知しうる程度に具体的に記載されている必要があるとかいす。

  • 7

    処分性の意義

    処分とは、公権力の主体たる国または行政機関の行う行為のうち、直接国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められている行為を指す。 よって、行政の行為が①公権力性②法効果性を有する場合、処分性が認められると解す。

  • 8

    【違法性の承継】 先行行為の取消期間経過後に、後行行為の取消訴訟において、先行行為の違法性を主張することができるか。

    取消訴訟において出訴期間が規定されている趣旨は、行政過程の早期確定を図る点にあることからして、違法性の承継は原則認められないと解す。 もっとも、国民の権利保護の観点から違法性の承継を認めるべき場合も存する。 そこで、①先行行為と後行行為が連続して一つの法律効果の発生を目指す場合であって、②先行行為において、訴訟で争う手続き保障が十分に与えられていない場合は、違法性の承継を例外的に認めるべきであると解す。

  • 9

    【処分性】 法律見解の表示(病院開設中止勧告) 法効果性の判断基準

    ①ターゲットとなる行為の法効果 ②後行行為の法効果 ③ターゲットとなる行為と後行行為の関係 ④ターゲットとなる行為の段階で争わせる必要性

  • 10

    【処分性】 規範対立行為(公立保育園の廃止) 法効果性の判断基準

    規範定立行為だとしても、 ①行政処分と同視できるほど具体的といえるか ②取消訴訟で争うことの合理性があるか

  • 11

    【処分性】 申請に対する応答 法効果性が認められるか

    ①法令上の申請権に基づいてなされた申請に対しては、行政に応答義務が生じる ②ただの申出の場合は、応答義務がないため職権の発動を促すものにすぎない ③ただの申出に対する応答は、職権の発動をしない旨を事実上回答するにすぎないといえ、法効果性は認められない

  • 12

    【手続き上の違法】 いかなる手続きの瑕疵が行政処分の取消事由となるかが問題

    この点について、行手法の目的(1条)に照らすと、行手法は同法上の適正な手続きによって行政処分を受ける権利を保障していると解されるから、同法の規定する重要な手続きを履践しないで行われた処分は、特段の事情のある場合を除き、処分の取消事由となると解する。

  • 13

    法律の留保の適応範囲

    法律の留保の原則の趣旨は、自由主義の思想に基づき、一定の行政活動について国民の代表からなる機関による事前承認を義務付けることにより、国民の権利自由を保護する点にある。 そうであるとすれば、個人の権利を侵害し義務を課す侵害行政については、法律の根拠を要求すべきである一方、国民や公衆に便宜を与える給付行政については、法律で縛ることなく行政の自由度を高めておくほうがむしろ国民の利益になる。 よって、侵害的な行政活動についてのみ、法律の留保の原則が適用される。

  • 14

    理由の差替えは許されるか。

    そもそも、理由提示の趣旨は ①行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制すると共に ②当該処分の宛名人に処分の理由を伝えて不服申し立ての便宜を与える点 にある。 そして、理由の差替えの場合には、処分の際に処分理由が具体的に記載され通知されている以上、かかる趣旨は果たされているといえる。 したがって、理由の差替えは原則として認められる。 もっとも、処分の同一性を失わせるような理由の差し替えは、もはや別個の処分であり、その場合は処分の際に処分理由が具体的に記載され通知されているとはいえないので、そのような理由の差し替えは認められない。

  • 15

    理由の追完 理由付記の不備という瑕疵は治癒されるか?

    そもそも、理由付記の趣旨は、行政庁の判断の慎重と合理性を担保して、その恣意を抑制するとともに、当該処分の名宛人に処分の理由を伝えて不服申し立ての便宜を与える点にある。 そして、処分の際に理由が付記されていない場合は、その後理由が付記されたとしても、処分そのものの慎重・合理性を確保することができない。 また、処分の相手方も処分の段階で十分に理由を知り得ないので、十分な不服理由を申し立てることができない。 そこで、理由の追完がなされた場合、理由付記の不備という瑕疵は治癒されない。

  • 16

    【訴えの利益】 訴えの利益はどのように判断されるべきか

    そもそも訴えの利益とは、当該処分を取り消す必要性のことである。そこで、処分が取消判決によって除去すべき法的効果を有しているか否か、処分を取り消すことによって回復される権利利益が存在するか否か、という観点から検討される。

  • 17

    原処分が違法でないことが確定しても、なお裁決の取消訴訟をすることができるか?

    違法でないことが確定している以上、裁判所はこれと異なる判断をすることができず、もはや回復できる権利利益が存在していないといえる。 よってできないと解す。

  • 18

    非申請方義務付け訴訟 訴訟要件

    行訴法37条の2 ①「一定の」処分であること →処分が、裁判所における判断が可能な程度に特定されていること ②「重大な損害」が生じる ③「損害を避けるため他に適当な方法がない」

  • 19

    実質的当事者訴訟 訴訟要件

    ①「公法上の法律関係」に関する(行訴法4条) ②確認の利益がある(行訴法7条)

  • 20

    当事者訴訟 確認の利益・判断基準

    確認の利益が認められるためには、 ①確認対象の適切性 ②方法選択の適切性 ③即時確定の利益 が認められることが必要である。

  • 21

    【実体法上の違法】 裁量権の逸脱・濫用の規範

    判断が、重要な事実の基礎を欠くか、社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかである場合には、その裁量権の逸脱・濫用があったものとして違法となる。

  • 22

    【原告適格】 「法律上の利益を有する者」(行訴法9条2項)とは?

    「法律上の利益を有する者」(行訴法9条2項)とは、当該処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され、または侵害されるおそれがある者をいう。 そして、当該処分を認めた行政法規が、不特定多数人の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収・解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個人的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合、法律上保護された利益が存するとかいす。

  • 23

    【訴えの利益】 訴えの利益とは?その存否の判断方法は?

    訴えの利益(行訴法9条1項かっこ書き)とは 当該処分を取り消す必要性のことである。 そして、訴えの利益の存否は、処分が取消判決によって除去すべき法的効果を有しているか否か、処分の取消しによって回復される法的利益が存在するか否か、という観点から判断すべきである。

  • 24

    【無効等確認訴訟の原告適格】

    行政事件訴訟法36条 ①当該処分または裁決に続く処分により、損害をうけるおそれのある者 ②その他当該処分または裁決の無効等の確認を求めるにつき、法律上の利益を有する者で、当該処分もしくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないもの ※①につき、②後段の要件が要求されないのは、将来生じうる紛争・損害を未然に防止する必要があるため

  • 25

    【国家賠償】 国又は公共団体に対する国家賠償請求が認められる場合に、公務員個人に対して損害賠償請求することができるか

    この点について、「国又は公共団体が」責任を負うという国賠法1条1項の文言や、公務員個人の責任を認めると公務員を萎縮させ公務の適正な執行を妨げることからすると、公務員個人に対して損害賠償請求をすることはできないと解す。

  • 26

    【国家賠償】 「公権力の行使」とはいかなる意義か

    被害者救済の観点から、国又は公共団体の行為のうち、純粋な私経済作用と国家賠償法2条によって救済される営造物の設置又は管理作用を除くすべての作用を意味すると解す。

  • 27

    【国家賠償】 いかなる場合に国賠法上「違法」となるか。違法性の判断基準が問題となる。

    そもそも、違法性の判断基準として、行政活動の法規範適合性が重要であるので、行為に着目すべきである。 そして、行政事件訴訟と国家賠償請求訴訟とは制度趣旨を異にしており、それらの訴訟における違法性は別個に判断されると考えられている。 そこで、「違法」とは、職務上尽くすべき注意義務を尽くさなかったことをいうとかいす。

  • 28

    【無効等確認訴訟の原告適格】 「目的を達することができない」(行訴法36条)とは?

    無効等確認訴訟の、時機に後れた取消訴訟たる性質から、現在の法律関係を争うよりも無効等確認訴訟によることが直せつ的で適切な争訟形態といえることを意味する。

  • 29

    【無効等確認訴訟の本案勝訴要件】 無効事由の判断基準が問題となる。

    まず、無効等確認訴訟は、時機に後れた取消訴訟として機能するから、無効確認訴訟は出訴期間を経過してもなお衡平の観点から当事者の救済を認める必要がある場合に限って認めるべきである。 そうだとすると、無効事由には当該行政処分に重大な瑕疵があることを要する。 次に、行政法関係の安定性や第三者の信頼保護の観点から、原則として瑕疵が明白であることも必要である。 もっとも、処分の性質上第三者の信頼を保護する必要がない場合には、明白性の要件は不要である。 そこで、かかる場合は被処分者に不利益を甘受させることが著しく不当と言える事情があるかを検討する。

  • 30

    【品川マンション事件】 行政指導を理由とする処分留保の違法性の判断

    ①それだけで直ちに違法とはならないが ②相手方が指導に従わない意思を真摯かつ明確に示した場合には ③行政指導に対する不協力が、社会通念上正義の観念に反するといえるような特段の事情がない限り その時点以降違法になる。

  • 31

    【実体法上の違法】 裁量権行使と信義則

    もっとも、裁量権行使も法の一般原則に違反することは許されない。 そこで、行政権の限界を画する信義則に違反することは裁量権の逸脱・濫用として違法となると考える。(行訴法30条) 具体的には、 ①公的見解の表示の有無 ②その信頼 ③表示に反する処分により不利益を被ったか ④信頼に基づいて行動したことについて帰責性の有無 を考慮して判断する

  • 32

    法律の留保の原則 適用範囲が問題となる

    そもそも、法律の留保の原則の趣旨は、自由主義の思想に基づき、国民の代表からなる議会の事前承認を義務付けることによって国民の権利自由を保護する点にある。 そうだとすれば、個人の権利を制約し義務を課す侵害行政については、自由主義的観点から法律の根拠を要求すべきである一方、国民や公益に便宜を与える給付行政については、法律で縛ることなく行政の自由度を高めておくほうがむしろ国民の利益になる。 そこで、侵害的な行政活動についてのみ、法律の留保の原則が適用され、法律の根拠が必要となる。

  • 33

    【青色申告事件】 公法関係への信義則の適用

    租税法律関係においては、租税法規の運用における納税者間の平等・公平の要請を犠牲にしてもなお当該課税処分にかかる納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に限り、信義則の適用が認められるものとかいする。 そして、特別の事情の存否の判断については ①公的見解を表示した ②かかる表示を信頼し、信頼に基づき行動した ③表示に反する処分 ④納税者が経済的不利益を受けた ⑤信頼に基づき行動したことにつき納税者に帰責性がない といった事情を考慮するべきである。

  • 34

    【実体法上の違法】 裁量権の逸脱濫用 ものさし

    実体的統制 ①重大な事実誤認 ②目的・動機違反 ③信義則違反 ④比例原則違反 ⑤平等原則違反 判断過程統制 ①他事考慮 ②考慮不尽 ③評価の明白な合理性の欠如

  • 35

    【手続き上の違法】 理由の提示の程度

    理由付記の趣旨は、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服の申し立てに便宜を与える点にある。 そこで、提示の程度としては、 いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用して当該処分を行ったかということが、非処分者において、その記載自体から了知しうる程度に具体的に記載されている必要があると解す。

  • 36

    【無効等確認訴訟の原告適格】 行訴法36条「目的を達することができない」の意味

    かかる要件は、いずれの方が当該紛争の解決に有効・適切であるかという観点からの判断が要求される。 そこで、「目的を達することができない」とは、当該処分の無効を前提とする民事訴訟との比較において、当該処分の効力の有無を前提とする確認訴訟の方が、より直截的で適切な争訟形態である場合を含むものと解す。

  • 37

    【国家賠償】 行政処分をしていることを理由に建築確認処分を留保したことが「違法」となるか?

    ・建築確認処分は基本的には裁量の余地のない確認的行為 →速やかに建築確認処分をする義務を負う ・しかし、上記義務は例外を許さない絶対的な義務ではなく、相手方が確認処分の留保につき任意に同意をしていると認められる場合のほか、諸般の事情から直ちに確認処分をしないで留保することが法の趣旨目的に照らし社会通念上合理的と認められる場合には、その間応答を留保することも「違法」とはならないと解す。 ・もっとも、行政指導の内容は相手方の任意の協力によってのみ実現されるべきである。(行手法32条1項参照) →相手方が行政指導に対する不協力の意思を真摯かつ明確に表明している場合には、行政指導の継続によって相手方が受ける不利益と行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量し、行政指導に対する不協力が社会通念上正義の観念に反するものといえるような特段の事情が存在しない限り、「違法」となる。

  • 38

    【差止訴訟】 「重大な損害を生ずるおそれ」(行訴法37条の4 1項2項)の規範

    差止訴訟は、裁判所が行政庁の判断に先立ち違法性を判断するものであるから、国民の権利利益の実効的な救済及び司法と行政の権能の適切な均衡との調和を図る必要がある。 そこで「重大な損害を生ずるおそれ」とは、処分がされた後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定をうけることなどにより容易に救済を受けることができるものではなく、処分がされる前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けることが困難なものを言う。