[あらまほしかる]べけれ。
[ ]にちがいない。望ましい
[らうらうじく]書きたまへり。
[ ]お書きになっている。巧みに
[らうらうじう]愛敬づきたる、
[ ]かわいらしいのは、上品で
いと[うるせく]なりにけりな。
たいへん[ ]なったなぁ。巧みに
[はかばかしき]後ろ見しなければ、
[ ]後ろだてがないので、しっかりとした
まことは[あいなき]にや、
本当は[ ]のであろうか、つまらない
[あいなう]心苦しうもあるかな。
[ ]気の毒でもあるわ。なんとなく
などてかく[はかなき]宿は
どうしてこのように[ ]宿を頼りない
[心づきなし]事あらん折は、
[ ]ことがあるようなときは、気にくわない
[あへなく]失せ給ひぬ。
[ ]お亡くなりになった。はかなく
「ようなきありきは[よしなかり]けり」
「無用な忍び歩きは[ ]なあ」つまらない
わが心ながらも[おほけなく]、
わが気持ちながら[ ]にも、身の程知らず
をばの御心の[さがなく]悪しきこと
叔母の心が[ ]酷いこと意地が悪く
[さがなき]童べどもの
[ ]子供たちがいたずらな
[はしたなう]てこそは漂はめ。
[ ]状態で漂うことになる。中途半端な
[はしたなく]もてなし給ひ
[ ]振る舞いなさるそっけなく
野分[はしたなう]吹いて
台風が[ ]吹いて激しく
郡司の[しどけなかり]ければ、
郡司が[ ]だったので、怠慢
直衣ばかりを[しどけなく]着なしたまひて、
直衣だけを[ ]お召しになって、気楽に
[いぎたなし]と思ひ顔にひきゆるがしたる、
[ ]だと思っているような顔つきで、寝坊
庭の草も[いぶせき]心地するに、
庭の草も[ ]感じがするが、うっとうしい
と[いぶせく]思ひわたりし年ごろよりも、
と[ ]思い続けてきた長年よりも、気がかりに
いと[くちをし]と思へり。
とても[ ]だと思っている。残念
いといとほしく[あたらしく]なむ。
とても気の毒で[ ]でございます。惜しいこと
なかなか[ねたかる]べし。
かえって[ ]だろう。くやしい
人言はまことに[こちたく]なりぬとも
人の噂がほんとうに[ ]なったとしてもうるさく
うたて[こちたけれ]ど、
いやになるほど[ ]だが、大げさ
いと[こちたく]吹きくるを、
とても[ ]吹いてくるのを甚だしく
いつしか[けしかる]ものなど
いつの間にか[ ]ものなどが異様な
[けしからぬ]心にや。
[ ]心なのだろうか。よくない
[けしうはあらぬ]女を思ひけり。
(容姿の)[ ]女を愛していた。悪くはない
えもいはず[わびしき]をのぼりぬれば、
言いようもないほど[ ]坂を登ると、苦しい
御心の中に[心ぐるし]と思すこと
ご心中ひそかに[ ]と思いになることせつなくつらい
花盛りは[まだしき]ほどなれど、
桜の花盛りは[ ]ころであるが、まだ早い
堂舎塔廟、1つとして[またから]ず。
神社仏閣は、1つとして[ ]でない。完全
[さかしき]もなかるべし。
[ ]ものはないようだ。優れている
心[さかしき]者、
気の[ ]者、しっかりしている
[さかしき]やうにや思さむとつつまれて、
[ ]ようにお思いになるだろうかと、小賢しい
さし来る日影も[まばゆく]て
さしてくる日光も[ ]て眩しく
いと[まばゆき]までねびゆく、
ほんとうに[ ]成長していく、美しく
顕証に見えて、[まばゆけれ]ど、
はっきりと見えて、[ ]が、恥ずかしい
いと[まばゆき]人の御おぼえなり。
とても[ ]ほどのご籠愛である。見ていられない
「[かたじけなく]、きたなげなる所に、
「[ ]も、きたならしい所に、恐れ多く
[かたじけなき]御心ばへのたぐひなきを
[ ]ご愛情が比類ないのを恐れ多い
我ながら[かたじけなく]屈しにける心の程
[ ]くじけてしまった心のありさま面目ない
[かしこき]御蔭をば頼みきこえながら、
[ ]庇護を頼りにし申し上げながら、恐れ多い
[かしこき]行ひ人侍る。
[ ]行者がおります。優れた
[かしこく]ここにふして、
[ ]ここに寝ていて、上手い具合に
「[かしこく]左にて侍る」
「[ ]左でございます」運のいいことに
霰降り荒れて[すごき]夜のさまなり。
霰が降り荒れて[ ]夜の様子である。気味が悪い
いと[すごく]霧りわたりたるに、
実に[ ]一面に霧がたちこめているときにさびしく
[いたき]所まさりて
[ ]所が目立ってすばらしい
かぐや姫いと[いたく]泣き給ふ。
かぐや姫はとても[ ]お泣きになる。甚だしく
人[いたく]あらがはず。
人は[ ]反対しない。それほど
[あらまほしかる]べけれ。
[ ]にちがいない。望ましい
[らうらうじく]書きたまへり。
[ ]お書きになっている。巧みに
[らうらうじう]愛敬づきたる、
[ ]かわいらしいのは、上品で
いと[うるせく]なりにけりな。
たいへん[ ]なったなぁ。巧みに
[はかばかしき]後ろ見しなければ、
[ ]後ろだてがないので、しっかりとした
まことは[あいなき]にや、
本当は[ ]のであろうか、つまらない
[あいなう]心苦しうもあるかな。
[ ]気の毒でもあるわ。なんとなく
などてかく[はかなき]宿は
どうしてこのように[ ]宿を頼りない
[心づきなし]事あらん折は、
[ ]ことがあるようなときは、気にくわない
[あへなく]失せ給ひぬ。
[ ]お亡くなりになった。はかなく
「ようなきありきは[よしなかり]けり」
「無用な忍び歩きは[ ]なあ」つまらない
わが心ながらも[おほけなく]、
わが気持ちながら[ ]にも、身の程知らず
をばの御心の[さがなく]悪しきこと
叔母の心が[ ]酷いこと意地が悪く
[さがなき]童べどもの
[ ]子供たちがいたずらな
[はしたなう]てこそは漂はめ。
[ ]状態で漂うことになる。中途半端な
[はしたなく]もてなし給ひ
[ ]振る舞いなさるそっけなく
野分[はしたなう]吹いて
台風が[ ]吹いて激しく
郡司の[しどけなかり]ければ、
郡司が[ ]だったので、怠慢
直衣ばかりを[しどけなく]着なしたまひて、
直衣だけを[ ]お召しになって、気楽に
[いぎたなし]と思ひ顔にひきゆるがしたる、
[ ]だと思っているような顔つきで、寝坊
庭の草も[いぶせき]心地するに、
庭の草も[ ]感じがするが、うっとうしい
と[いぶせく]思ひわたりし年ごろよりも、
と[ ]思い続けてきた長年よりも、気がかりに
いと[くちをし]と思へり。
とても[ ]だと思っている。残念
いといとほしく[あたらしく]なむ。
とても気の毒で[ ]でございます。惜しいこと
なかなか[ねたかる]べし。
かえって[ ]だろう。くやしい
人言はまことに[こちたく]なりぬとも
人の噂がほんとうに[ ]なったとしてもうるさく
うたて[こちたけれ]ど、
いやになるほど[ ]だが、大げさ
いと[こちたく]吹きくるを、
とても[ ]吹いてくるのを甚だしく
いつしか[けしかる]ものなど
いつの間にか[ ]ものなどが異様な
[けしからぬ]心にや。
[ ]心なのだろうか。よくない
[けしうはあらぬ]女を思ひけり。
(容姿の)[ ]女を愛していた。悪くはない
えもいはず[わびしき]をのぼりぬれば、
言いようもないほど[ ]坂を登ると、苦しい
御心の中に[心ぐるし]と思すこと
ご心中ひそかに[ ]と思いになることせつなくつらい
花盛りは[まだしき]ほどなれど、
桜の花盛りは[ ]ころであるが、まだ早い
堂舎塔廟、1つとして[またから]ず。
神社仏閣は、1つとして[ ]でない。完全
[さかしき]もなかるべし。
[ ]ものはないようだ。優れている
心[さかしき]者、
気の[ ]者、しっかりしている
[さかしき]やうにや思さむとつつまれて、
[ ]ようにお思いになるだろうかと、小賢しい
さし来る日影も[まばゆく]て
さしてくる日光も[ ]て眩しく
いと[まばゆき]までねびゆく、
ほんとうに[ ]成長していく、美しく
顕証に見えて、[まばゆけれ]ど、
はっきりと見えて、[ ]が、恥ずかしい
いと[まばゆき]人の御おぼえなり。
とても[ ]ほどのご籠愛である。見ていられない
「[かたじけなく]、きたなげなる所に、
「[ ]も、きたならしい所に、恐れ多く
[かたじけなき]御心ばへのたぐひなきを
[ ]ご愛情が比類ないのを恐れ多い
我ながら[かたじけなく]屈しにける心の程
[ ]くじけてしまった心のありさま面目ない
[かしこき]御蔭をば頼みきこえながら、
[ ]庇護を頼りにし申し上げながら、恐れ多い
[かしこき]行ひ人侍る。
[ ]行者がおります。優れた
[かしこく]ここにふして、
[ ]ここに寝ていて、上手い具合に
「[かしこく]左にて侍る」
「[ ]左でございます」運のいいことに
霰降り荒れて[すごき]夜のさまなり。
霰が降り荒れて[ ]夜の様子である。気味が悪い
いと[すごく]霧りわたりたるに、
実に[ ]一面に霧がたちこめているときにさびしく
[いたき]所まさりて
[ ]所が目立ってすばらしい
かぐや姫いと[いたく]泣き給ふ。
かぐや姫はとても[ ]お泣きになる。甚だしく
人[いたく]あらがはず。
人は[ ]反対しない。それほど