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臨床3年前期(カンファ)
  • 稲木美夏

  • 問題数 45 • 8/2/2023

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    問題一覧

  • 1

    ➄肩こりの定義は?

    自覚的に頸部・肩上部・肩甲間部に不快感、自発痛・軽い運動時痛があり、 他覚的にはこれらの部位の筋を触診すると異常に緊張し、特定の部位に圧痛やしこりを生じていること

  • 2

    ➄肩こりの原因 本態性肩こりとは?

    原因が不明 誘因 ・不良姿勢 ・加齢 ・運動不足 ・筋力低下 ・寒冷 ・寝不足 筋疲労による血行障害、筋内の酸素不足や老廃物の蓄積が筋を収縮させる悪循環  これらが仮説としてあげられる

  • 3

    ➄肩こりの原因 症候性肩こりとは?

    ①整形外科領域による肩こり 頸椎症、胸郭出口症候群、肩関節疾患、テニス肘などに伴う肩こり ②内蔵からの反射性による肩こり 呼吸器疾患、胃や肝臓などの消化器疾患、心疾患などからの反射的に起こる肩こり ③顔面や頸部からの影響による肩こり 眼精疲労、顎関節症、副鼻腔炎など

  • 4

    ➄肩こりの原因 心因性の肩こりとは?

    ①元来ある肩こりが精神的ストレスにより増悪するもの (日によって訴える場所が違うなど) ②心理的な不安が身体症状の一つとして現れるもの

  • 5

    ➄肩こりの問診事項11つは?

    1、主訴の部位 2、こり・疼痛の性質は? 3、発症時期はいつか 4、発症は急性か慢性か 5、発症の原因・誘因 6、上肢症状はあるか 7、頸部の運動で症状は憎悪するか 8、上肢の部位により疼痛の憎悪・軽減はあるか 9、上肢以外の随伴症状がみられるか 頭痛、めまい、ふらつき、目の疲れ、耳鳴り 10、検査治療歴 11、日常生活上の憎悪・軽減因子はあるか

  • 6

    ➄頸椎症とは?

    【頸椎椎間板の退行性変化を基盤】とし、その変化が周囲組織に影響し、脊髄、神経根、交感神経を刺激・圧迫して種々の症状を呈する疾患 画像検査で認められるもの ・椎間孔の狭小化 ・椎体周辺の骨棘形成 ・椎間板変性 胸郭出口症候群 胸郭出口での【神経】・血管の圧迫や牽引により上肢の痛みや痺れを訴える疾患

  • 7

    ➄頸椎症の分類  1、局所症状型(関連痛型)とは?

    頸・肩のこり、頭痛などの症状を訴え、頸肩部局所に筋緊張・圧痛・硬結を認めるが、【神経学的所見】に異常なし 椎間板や椎間関節に分布する神経が刺激されると、肩や肩甲間部に強いコリ感や痛みを訴える 頸部の後屈で頸の付け根や肩甲間部に痛みの誘発がみられる

  • 8

    ➄頸椎症の分類  2、神経根型とは?

    ・頚椎椎間板ヘルニア ・頸椎の変形(骨棘や椎間板の変性) ・神経根炎 上記による【椎間孔の狭小化】により神経根の刺激症状を示す 自覚症状 ・頸・肩・上肢の痛み・痺れ・脱力感 ・同部位に筋緊張・圧痛・硬結 ・【頸部の後屈により憎悪】 ・ジャクソン、スパーリング、イートンなど陽性 ・神経学的所見を認めることが多い

  • 9

    ➄肩こり(頸椎症)の診察は?6つ

    1、脊柱の弯曲異常の確認 (手で全体を触り、前弯・後弯を確認する) 2、頸部の可動性と痛みとの関係 (頸部ROM→施術後も確認) 3、筋緊張の確認 4、圧痛・硬結の確認(施術後も) 5、徒手検査の実施 6、神経学的検査の実施 (腱反射、知覚検査、筋力検査)

  • 10

    ➄頸椎症の分類  3、脊髄型とは?

    頸部の脊柱管が狭窄し、脊髄を圧迫するために上肢の【脱力感】、手指の巧緻運動障害、歩行障害などを示す ・深部反射亢進(+) ・病的反射出現(+) ・膀胱直腸障害に留意する(失禁・便秘)

  • 11

    ⑥腰痛(腰下肢痛) 急性腰痛  椎間板ヘルニアとは?

    ・20〜30歳代の男性に多い (椎間板変性を生じ始めるため) ・【急激な運動】、重量物の挙上により発症 (直接的な原因なく徐々に発症するものもある) ・発症直後は両側・【中心性の激烈な腰痛】で次第に【片側の腰痛】、坐骨神経痛(放散痛)と痺れへと変化 ・荷重、運動、くしゃみ・咳で症状の憎悪が生じる ・障害神経根高位に一致して知覚・筋力・深部反射など神経学的所見の異常がみられる

  • 12

    ⑥腰痛 急性腰痛  筋・筋膜性腰痛とは?

    ・野球、ゴルフのスイング ・重量物を持ち上げる ・不安定な姿勢の保持後 ・【ぎっくり腰】の代表 ・最初は患側腰部全体から起立筋部に局限する ・前屈で痛い、後屈痛くない ・L3肋骨突起を圧迫すると痛くなることが多い

  • 13

    ⑥腰痛 急性腰痛  椎間関節性腰痛(腰椎捻挫)とは?

    ・椎間関節周囲の疼痛に加え、この部には腰神経の後枝内側枝が分布するため、殿部・【大腿外側】への放散痛が認められる →【大腿外側】が筋・筋膜性との違い ・反射による牽引痛を示す ・腰椎に負荷をかけると痛い (後屈・後斜屈)

  • 14

    ⑥腰痛 慢性腰痛 変形性腰椎症とは?

    ・40歳以上の男性に多い ・腰痛は激しくなく、【体動時に強く(動作開始時痛)】、安静により軽減 ・起床時、同一姿勢をとって、次の動作に移る時に疼痛を訴え、【しばらくすると軽快】

  • 15

    ⑥腰痛 慢性腰痛 椎間関節性腰痛(腰椎椎間関節症)とは?

    ・30歳代より発症増加 ・重量物の挙上、農業従事者、長時間の運転従事者に多い ・急性(腰椎捻挫)とほぼ同様であるが、椎間孔の狭小化が出現すると圧迫された神経支配領域に疼痛、知覚異常 ・後屈、後斜屈時に痛み

  • 16

    ⑥腰痛 慢性腰痛 骨粗鬆症とは?

    ・Th12・L1が多い(胸腰椎移行部) ・【腰背部痛】が多く、初期は安静時から動作に移る際に痛みを訴える ・疼痛は漸次持続性(いつも)となり、長時間の立位、歩行、座位が苦痛 ・重量物の挙上、尻もち、寝返りなどの外力により、椎体圧迫骨折を生じると激痛を訴える ・圧迫骨折の程度により、【帯状痛、下肢の痺れ】なども訴える

  • 17

    ⑥腰痛 慢性腰痛 脊柱菅狭窄症とは?

    ・激しい腰痛ではなく、経過の長い、鈍い腰痛 ・30歳代以降に発症(高齢者に多い) ・【ヘルニアと異なり2〜3の複数の神経根症状】が両側性、片側を障害 ・【間欠性跛行;短時間の歩行により、疼痛と痺れ、脱力を発症するが【前傾姿勢による休息】により歩行可能となる ・知覚異常(足の冷え、ほてり感)を伴うこともある →腰部交感神経調節障害の関与が指摘

  • 18

    ⑥腰痛 慢性腰痛 脊髄腫瘍とは?

    ・続発性腫瘍の転移癌がほとんど ・肺癌、乳癌、子宮癌からの転移が多い(その他、胃癌、直腸癌、前立腺癌、甲状腺癌など) ・症状は腫瘍の部位と進行によって様々 ・頑固な背腰部痛で、【安静によって軽快しない】 ・神経根症状としての、帯状痛、坐骨神経痛を訴える場合もある ・るいそう(痩せる)、貧血などの全身症状を呈する

  • 19

    ⑥腰痛 慢性腰痛 内臓疾患による腰痛とは?

    ・【症状は部位の限定がしにくく、運動による憎悪がみられない】→特徴 ・筋緊張→防御痛が出る→治療効果薄い 【消化器疾患】 肝臓・胆嚢;右季肋部〜右肩・右背部 胃・膵臓;左季肋部〜左肩・左背部 【泌尿器・生殖器】 外陰部〜大腿内側と腰痛(腎尿路結石、腎盂炎) 【骨盤内臓器の腫瘍】 子宮筋腫、卵巣嚢腫、月経困難症での腰・仙骨神経叢の圧迫による腰痛、下肢痛

  • 20

    ⑥腰痛 慢性腰痛 心因性腰痛とは?

    ・心身症、神経症に付随 ・腰痛以外の他の症状を多く持っているケース ・【疼痛部位が治療日ごとに移動】

  • 21

    ⑥腰痛の医療面接の要点は?

    1、主訴部位の確定 2、疼痛の性質は? 3、発症時期はいつか 4、急性か慢性か 5、発症の原因・誘因は 6、疼痛は下肢に放散するか、運動麻痺、知覚障害はあるか 7、運動痛や特定の肢位による疼痛の誘発はあるか 逆にじっとしていて痛むか 8、検査、治療歴はあるか 9、日常生活上の増悪・軽減因子はあるか 10、間欠性跛行はあるか 11、膀胱直腸障害はあるか(狭窄症) (便秘、漏れるなど) 12、内蔵に関する症状・既往、また現在かかている病気はあるか (特に泌尿・生殖器、婦人科疾患、または悪性腫瘍の骨転移に注意) →腰痛訴える→楽な姿勢ない

  • 22

    ⑥腰下肢痛の診察の手順

    1、立位 ①脊柱の弯曲異常の確認 (円背、平背、腰椎前弯増強など) ②体幹の運動負荷テストに実施 2、座位 ①筋力の確認(MMT) (腸腰筋、大腿四頭筋) 3、仰臥位 ①股関節ROMの確認 ②徒手検査の実施 ③筋緊張の確認 ④圧痛・硬結の確認 (筋緊張の強い所を中心に) ➄筋力の確認 (前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、長母趾屈筋、長趾屈筋など) 4、腹臥位 ①筋緊張の確認 ②圧痛・硬結の確認 (L3 肋骨突起、L4・L5 間椎間関節) ③徒手検査 ④筋力(脊柱起立筋、大殿筋など)

  • 23

    ⑦膝関節痛  変形性膝関節症の概要は?

    ・中高年で最も頻度が高い ・【60歳以上で女性の約40%、男性の約20%】がレントゲン上、変形性膝関節症と診断 (骨棘形成、軟骨のすり減り、裂隙の狭小化など) ・年齢とともに増加 ・約20%には自覚症状がある (変形があっても自覚症状ない人もいる) ・女性の割合が多い

  • 24

    ⑦膝関節痛  変形性膝関節症の病態は?

    ・退行性変化が基盤 ・【進行性】であり、病態の主体は【関節軟骨の変性と摩耗が混在】したもの(半月板も含む) 。最初は片側に発症

  • 25

    ⑦膝関節痛  変形性膝関節症の分類は?4つ

    変形の主体がどこにあるか ・内側型 ・外側型 ・膝蓋大腿関節型 ・混合型 ※日本人は内側型が多い

  • 26

    ⑦膝関節痛  変形性膝関節症の症状は?

    主な症状 膝関節の【運動痛と可動域制限】 ・変形が進行するとともに症状憎悪 ・長期化・進行する中で【内側広筋】を中心に筋萎縮・筋力低下が起こり、膝折れ(歩いてる時に膝がカクッ)もみられる ※痛くて動かかなくなる→筋萎縮・筋力低下

  • 27

    ⑦膝関節痛 変形性膝関節症 初期の症状は?

    ・軽度の【動作開始時痛】 ・歩いているうち、徐々に【痛みは軽減・消失】する

  • 28

    ⑦膝関節痛 変形性膝関節症 中期の症状は?

    ・関節軟骨の変性・摩耗が進行 →【運動痛の憎悪、可動域制限、関節水腫】など出現 ・痛みは【立ち上がり時】、平地歩行時、【階段昇降時(特に降りる)】に著明となり、長歩きで憎悪 ・可動域制限の進行と痛みのため、正座困難(正座→膝関節屈曲140°以上) ・和式トイレも困難となる→ADL障害 ・関節水腫→関節リウマチより軽度 関節液貯留30ml→膝関節跳動著明

  • 29

    ⑦膝関節痛 変形性膝関節症 進行期の症状は?

    ・関節軟骨の摩耗が進み(激痛)、軟骨下の骨が露出するようになると骨棘形成など骨変形が著明となり、疼痛、可動域制限も顕著となる ・平地歩行でも足のひきずり、休み休みとなる ・階段昇降は手すり使用 ・ADL制限著明

  • 30

    ⑦膝関節痛の診察は?

    変形の様子や機能障害の程度を評価し、靭帯損傷や半月板障害との鑑別を行う ①【炎症症状の確認】 熱感、発赤、腫脹、膝蓋骨跳動テスト ②変形の確認 【内反変形、屈曲拘縮、膝蓋骨の可動性、膝蓋骨圧迫テスト、膝関節運動時のクリック】 ③靭帯損傷や半月板障害との鑑別 ・内反・外板ストレステスト(内・外側側副靭帯) ・ラックマンテスト(前十字靭帯) ・前方・後方引き出しテスト(前・後十字靭帯) ・マクマレーテスト(半月板障害) ④体表所見の収集 (圧痛、硬結、筋緊張、筋萎縮など) ➄計測 ・膝関節の可動域測定(殿踵間距離) ・大腿四頭筋等の筋力テスト ・大腿・膝関節周径の測定 ※留意する疾患 ・関節リウマチ(両側、憎悪・寛解を繰り返す) ・膝内障(関節ねずみ) ・特発性大腿骨下部壊死(変形性膝関節症と似てる→こちらは激痛)

  • 31

    ⑦膝関節痛を起こす主な疾患 変形性膝関節症とは?

    ・中高年の肥満女性に好発 ・明確な原因は見当たらない ・運動開始時痛、運動痛が主体とした痛み、ROM制限 ・内反変形、多い

  • 32

    ⑦膝関節痛を起こす主な疾患 靭帯損傷とは?

    ・日本では内側側副靭帯の損傷、前十字靭帯損傷およびその合併例が多い ・外傷がきっかけに急性発症 ・膝関節の疼痛と不安定感 ・ラックマン、前方・後方引き出しテスト陽性 ・十字靭帯損傷は血腫による関節腫脹

  • 33

    ⑦膝関節痛を起こす主な疾患 半月板障害とは?

    ・外傷をきっかけに急性発症 ・嵌頓現象(ロッキング)、弾発現象、関節裂隙の圧痛、関節水腫 ・中高年では【半月板の変性断裂】が多い(日常生活でも起こる) →【内側膝裂隙の後部の圧痛が特徴】

  • 34

    ⑦膝関節痛を起こす主な疾患 特発性大腿骨下部壊死とは?

    ・【50〜60歳代女性に好発】 ・原因不明 ・【急性の激痛】 ・大腿骨内側顆の壊死→内反変形を伴う ・【日時をはっきり言える】→急性の発症 ・骨折したような強い痛みで【夜間時痛、自発痛】がある

  • 35

    ⑦膝関節の用語

    ①ロッキング(嵌頓症状) ・膝の屈伸が急にできなくなる ・半月板損傷、関節鼠の膝に発生 ②ギビング・ウェイ(膝くずれ) ・凸凹道、小石を踏む、急なターンした時に膝が「ガクン」として関節内で何か【すべったような感じ】 ・大腿四頭筋の制御作用が大きく影響しているため【筋萎縮】に頻発する ・半月板損傷、靭帯損傷(特に前十字)、関節鼠に発生 ③バッキング(膝折れ) ・歩行時、下り坂などで【膝が急に屈曲】するか、しそうになる ・【大腿四頭筋筋力低下(筋萎縮)】を合併する疾患、膝蓋骨脱臼、亜脱臼に好発 ④スナッピング(弾発)とクリック ・膝の屈伸にて、不規則にゆれるのが観察され【雑音】を触れるか聞く →スナッピング ・半月板損傷の損傷部位を越える時、棚障害などで発生 ・これの小さいもの→クリック ※棚障害;胎生期にある関節包にヒダ(棚)あり、成長しても残る人がいる ➄キャッチング(ひっかかり) ・膝の屈伸時、何かひっかかった感じがするもの ・棚障害では棚が膝蓋・大腿関節に挟まれた時に発生

  • 36

    ⑧肩関節痛について

    代表疾患は肩関節周囲炎 ・上腕二頭筋長頭腱炎 ・腱板炎 ・肩峰滑液包炎 ・石灰沈着性腱板炎 ・腱板断裂 ・狭義の五十肩 狭義の五十肩(いわゆる五十肩) ・加齢に伴う変性 ・腱板機能の障害 ・長頭腱機能の障害 ↓ 治癒せずに憎悪、周囲に拡大 ↓ 癒着性滑液包炎、関節包炎 ↓ 関節拘縮

  • 37

    ⑧肩関節痛を主体とする主な疾患の特徴 ①上腕二頭筋長頭腱炎とは?

    ・上腕二頭筋長頭腱や腱鞘に【機械的刺激】が加わりやすい ・中年以降では摩耗や退行変性が進行して腱炎や腱鞘炎を引き起こし、疼痛や機能障害の原因となる ・若年層はスポーツ、中年以降は変性を基盤 ・肩関節前面の疼痛、夜間痛 ・肩関節外転・外旋動作や肩関節前方で物を持ち上げる動作 ・結節間溝に圧痛 ・ヤーガソン、スピード、ストレッチテスト陽性 ・可動域制限なし(痛みで動かせない)

  • 38

    ⑧肩関節痛を主体とする主な疾患の特徴 ②腱板炎とは?

    ・腱板の変性、断裂を証明できない腱板不全断裂、外傷性の炎症などで発症 ・上肢外転時に【肩峰弓(烏口肩峰靭帯の辺り)】によって圧迫、摩擦されるため炎症が起こる ・特に棘上筋腱の障害が多い ・【外転・外旋時の運動時痛】 ・【大結節に圧痛】 ・ペインフルアークサイン陽性 ・肩関節可動域ほぼ正常

  • 39

    ⑧肩関節痛を主体とする主な疾患の特徴 ③肩峰下滑液包炎とは?

    ・肩峰下滑液包は腱板と肩峰の間にあり、肩関節の運動を容易にしている ・上腕二頭筋長頭腱炎に続き【二次的に発症(最初に痛くなならない)】 ・夜間痛を訴える ・腫脹、疼痛、熱感→腫れて痛くて動かせない(拘縮はない)

  • 40

    ⑧肩関節痛を主体とする主な疾患の特徴 ④石灰沈着性腱板炎とは?

    ・棘上筋腱は機械的刺激を受けやすく血行も不十分で変性も著しく、石灰沈着を起こしやすい ・痛みは【腱板の石灰沈着が滑液包に流出】した時に発生 ・発生は急性 ・肩関節の中で【最も激しい痛み】 ・夜間痛も著明 ・【女性に圧倒的に多い】

  • 41

    ⑧肩関節痛を主体とする主な疾患の特徴 ➄腱板断裂とは?

    ・腱板の外傷、変性した腱板の打撲、重量物の挙上などによる肩回旋筋群の急激な収縮で発症 ・棘上筋腱の断裂を起こしやすい ・中年以降の男性に多い ・不全(部分)断裂ではペインフルアークサイン陽性 ・完全断裂は挙上困難(他動運動は可能) ・拘縮の結果、五十肩と誤ることがある ・疼痛は断裂の際に起こり、数時間後にいったん軽減し、6時間後くらいに局所の出血・浮腫のため、激しくうづく ・高齢者は症状軽く、自覚ないまま起床時に自動運動ができなくなったと訴える例もある

  • 42

    ⑧肩関節痛を主体とする主な疾患の特徴 ⑥五十肩とは?

    ・肩関節や肩関節周囲組織の【退行性変化】を基盤として【疼痛と運動制限】をきたし、一定期間内に治癒する ・関節包の慢性炎症の持続により関節包の癒着、すなわち関節包の縮小化所見がみられる ・前半→疼痛期【自発痛・夜間痛(肩峰下滑液包に病変が及ぶため)】     後半→拘縮期(筋萎縮) ・50歳代がピーク ・多くは【非外傷性】 ・徐々に発症して肩関節部の疼痛や運動制限をきたし【自動・他動運動がともに障害】される ・特に外転・外旋動作の障害が著明 【結滞・結髪動作が困難】 ・上腕骨の近位外側部や橈骨神経領域、頸部に放散痛 ・肩の冷感を訴えることも ・圧痛点 烏口突起部、結節間溝部、大結節部、烏口突起上腕骨頭間、肩髃、肩貞、天宗など   

  • 43

    ⑧五十肩と腱板断裂の相違点

    (1)症状 五十肩:疼痛と【運動制限】 腱板:疼痛と【筋力低下】 (2)好発年齢と性差 五十肩:50歳前後、女性に多い 腱板:60歳以上、男性に多い (3)外傷の既往 五十肩:外傷はないことが多い 腱板:外傷後に多い。自然断裂もある (4)運動 五十肩:自動・他動共に制限あり 腱板:自動運動制限あり。他動はなし (5)筋力・筋萎縮 五十肩:ほぼ正常(廃用性萎縮はある) 腱板:【外転・外旋筋力低下】    棘上筋・棘下筋の筋萎縮 (6)画像検査 五十肩:ほぼ正常 腱板:MRIでは腱の連続性が絶たれている。X線では肩峰骨頭間距離が狭い (7)圧痛点 五十肩:肩関節周囲にある【特異性はない(初期は前、徐々に後ろ)】 腱板:大結節(筋停止部)

  • 44

    ⑧五十肩の診察(医療面接)

    ①発症時期、発症状況 (急性?慢性?スポーツ歴、外傷など) ②痛みの状況 ・痛みの部位  肩関節前面、外側、後面  放散痛の有無、場所も ・痛みの性質と程度  運動痛、安静時痛、夜間痛、激痛 ・夜間痛がある場合  就寝直後→炎症  明け方の痛み→循環障害 ・痛みと姿勢の関係  腕を垂らしていても痛むか  仰臥位でも痛むか  患側下の側臥位で痛むか ③可動域制限の有無、ある場合はその経過 ④ADL障害の状況  結滞、結髪、日常生活で何ができないか

  • 45

    ⑧五十肩の診察 身体診察

    ①頸部、広義の肩関節、肘関節のROM  拘縮の有無 ②触診 ・肩関節周囲の炎症の有無 ・循環障害の有無(冷え) ・筋萎縮の有無 ・筋緊張の有無 ・圧痛・硬結の部位と程度 ③徒手検査 ・肩関節に関するテスト(必須) ④神経学的検査 (頸椎症性神経根症などが疑われる場合には、必ず実施)