問題一覧
1
官・位に思ひをかけ、主君の"かげ"を頼むほどの人は、
恩恵
2
(あやしき)賤・山がつも、力尽きて、
卑しい
3
世に(はづかしき)方もあれど、みづからも、いみじと思へるけしき、かたくななり。
気後れする
4
世に"はづかしき"方もあれど、みづからも、いみじと思へるけしき、かたくななり。
気後れする
5
心も浮き立つものは、春の"けしき"にこそあめれ。
有様
6
万の鳥獣、小さき虫までも、心をとめて有様を見るに、子を思ひ、親を"なつかしく"し、夫婦を伴ひ、
慕わしく
7
消えまどへる気色いと心苦しくらうたげなれば、
気の毒で
8
やうやう天の下にも(あぢきなう)人のもて悩み種になりて、
面白くなく
9
ここら舟に乗りてまかりありくに、まだかかる"わびしき"目を見ず。
つらい
10
いふぜうはべることをも(あきらめ)はべりにしかな。
晴らし
11
遅桜また(すさまじ)。虫のつきたるのもむつかし。
興ざめだ
12
影すさまじき暁月夜に、
殺風景な
13
飛び越え飛び越え焼けゆけば、おそろしなども"おろかなり"。
不十分だ。
14
大将の君も、御忌みに籠り給ひて、"あからさまにも"まかで給はず、明け暮れ近くさぶらひて、
全く
15
(あぢきなき)ことに心をしめて、生ける限りこれを思ひ悩むべきなめり。
どうしようもない
16
うしろめたう思ひつつ寝ければ、ふと(おどろき)ぬ。
目を覚まし
17
世の中は(ありがたく)、むつかしげなるものかな。
(生きるのが)難しく
18
暮るるまでかくたち騒ぎて、はては闘じょう起こりて、あさましきことどもありけり。
嘆かわしい
19
年越ゆるまで、"音"もせず。
便り
20
物思ふ人の魂はげにアクガルルものになむありける。
離れさまよう
21
暮るるまでかくたち騒ぎて、はては闘じょうおこりて、(あさましき)事どもありけり。
嘆かわしい
22
伏しまろび泣きたる"影"の見えけむは、これにこそはありけれ。
姿
23
右近は、ただ、あな"むつかし"と思ひける心地みなさめて、泣きまどふ様いといみじ。
恐ろしい
24
なほ苦しげなれど、(念じて、)二、三日のほどに見えたり。
我慢して
25
世の人(悩み)申して、
非難し
26
やうやう天の下にも"あぢきなう"人のもて悩み種になりて、
おもしろくなく
27
昨日今日みかどのたまはむことにつかむ、人聞き(やさし)。
恥ずかしい
28
大将殿も、常に(とぶらひ)聞こえ給へど、
お見舞い
29
遅桜また"すさまじ"。
殺風景だ
30
常に、「天照御神を(ねんじ)申せ。」といふ人あり。
祈り
31
世の中は常にもがもな渚漕ぐ海人の小舟の綱手カナシも
心ひかれる
32
"あたらしかり"し御かたちなど恋しくかなしとおぼす。
すばらしかっ
33
かくて明けゆく空の景色、昨日に変はりたりとは見えねど、ひきかへ(めずらしき)心地ぞする。
目新しい
34
世にあり(わぶる)女の、にげなき老法師、あやしの吾妻人なりとも、...
かねる
35
いかにして過ぎにし方を過ぐしけむ暮らし(わづらふ)昨日今日かな
かねる
36
取り難きものを、かく"あさましく"もて来る
驚くあきれるほど
37
大将殿も、常にトブラヒ聞こえ給へど、
見舞う
38
長い"ちぎり"のなかりければ、ほどなくまかりぬべきなめりと思ひ、
前世からの困縁
39
「いま来んよ。」と言ふも、聞きもたりて、まねび(ありく)。
いつも(〜する)
40
返り事は、かしこなる(おとなしき)人として書かせてあり。
年配の
41
いみじく築地など全きに、なかなか"わびしく"、
つまらなく
42
いかにして過ぎにし方を過ぐしけむ暮らしワヅラフ昨日今日かな
かねる
43
影(すさまじき)暁月夜に、雪はやうやう降り積む。
殺風景な
44
"あぢきなき"ことに心をしめて、生ける限りこれを思ひ悩むべきなめり。
どうにもならない
45
今日、川尻に船入りたちて、漕ぎのぼるに、川の水干て、悩みワヅラフ。
苦しむ
46
御心ばへいと"なつかしう"、おいらかにおはしまして
親しみが持て
47
昨日今日帝ののたまむことにつかむ、人聞き"やさし"。
恥ずかしい
48
慎まがるべきものかなと思ふに、すずろに心地もアクガレにけり。
落ち着かな
49
(つらき)こともありとも、さて濡れてきたらむは、憂きこともみな忘れぬべし。
恨めしい
50
つれづれ(わぶる)人は、いかなる心ならん。
思い嘆く
51
かかる人の親にて重きくらいにと見え給はず。若う(なまめかしき)御さまなり。
みずみずしい
52
この所に住みはじめし時は、"あからさま"と思ひしかども、今すでに五年を経たり。
ほんのしばらく
53
いと思わずにのみぞ、世はありける。
夫婦の仲