問題一覧
1
問ひつめられて、「え」答へずなり侍りつ。
できなく
2
や、「な」起こしたてまつりそ。幼き人は寝入りたまひにけり。
な
3
黄金ある竹を見つくる事かさなりぬ。かくて、翁、「やうやう」豊かになりゆく。
だんだん
4
薬も食はず。「やがて」起きもあがらで、病み臥せり。
そのまま
5
その夜、夜ひと夜、大御酒まゐり、遊びたまひて、大将も物「かづき」、忠岑も禄賜はりなどしけり。
いただき
6
守の館にて、あるじしののしりて、郎等までに物「かづけ」たり。
与え
7
いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて「ときめき」たまふありけり。
寵愛を受け
8
奈良の京、春日の里に、「しる」よしして、狩りに往にけり。
領有する
9
いとど、この世のものならず、きよらに「およすけ」たまへれば、いとゆゆしう思したり。
成長し
10
「世こそ定めなきものなれ」と、いと「およすけ」のたまふ。
大人び
11
「ねび」たまふままに、ゆゆしきまでなりまさりたまふ御有様かな。
成長し
12
仕うまつりし君に、少将「おくれ」たてまつりて、かはらむ世を見じと思ひて、法師になりにけり。
先立たれ
13
奏したまふに、おもてをのみ「まもら」せたまうて、ものものたまはず。
見つめ
14
物思ふ人の魂は、げに「あくがるる」ものになむありける。
さまよい出る
15
果ては年ごろありける所をも、その事となく「あくがれ」て、
さまよい出
16
女どちも、契り深くて「かたらふ」人の、末まで仲よき人かたし。
親しくしている
17
陽成院のニの皇子、後陰の中将のむすめに、年ごろ「すみ」たまひけるを、
通っ
18
御心地「かきくらし」、いみじくたへがたければ、
悲しみにくれ
19
ものを言ふもくぐもり声に響きて「きこえ」ず。
聞こえ
20
これ、昔、名高く「きこえ」たる所なり。
評判になっ
21
「さら」ずまかりぬべければ、
避ける
22
「若い人参らせよ」と仰せられるば、え「さら」ず出だしたつるにひかされて、また時々出で立てど、
断る
23
いたうこそ「こうじ」にたれ。
疲れはて
24
いかにいかにと日々に責められ「こうじ」て、
困っ
25
逢はでやみしに憂さを思ひ、あだなる契りを「かこち」、
不平を言い
26
腰より下に引きかけて、「そばみ」てあれば、顔は見えず。
横を向い
27
女もいやしければ、「すまふ」力なし。
抵抗する
28
この歌は、都近くなりぬる喜びに「たへ」ずして、いへるなるべし。
がまんし
29
作文の船、管弦の船、和歌の船と分かたせたまひて、その道に「たへ」たる人々を乗せさせたまひしに、
すぐれ
30
法住寺をぞ、いといかめしう「おきて」させたまへる。
計画し
31
高名の木登りといひし男、人を「おきて」て、高き木に、登せて梢を切らせしに、
指図し
32
ある人の、「月の顔見るは「いむ」こと」と制しけれども、
忌み嫌う
33
八日。「さはる」ことありて、なほ同じ所なり。
差しつかえる
34
亡き人の手習ひ、絵描き「すさび」たる見出たるこそ、ただその折の心地すれ。
気ままに
35
御車もいたく「やつし」たまへり。
目立たないようにし
36
法師といひながら、心もなく、たちまちに形を「やつし」てけることと、胸つぶれて、
出家姿に変え
37
八日。なほ川上りに「なづみ」て、鳥飼の御牧といふほとりに泊る?
停滞し
38
師の説なりとて、必ず「なづみ」守るべきにもあらず。
執着し
39
うちつけにや思さむ、と心恥づかしくて、「やすらひ」たまふ。
ためらい
40
御佩刀などひきつくろはせたまひ、「やすらは」せたまふに、
立ち止まり