問題一覧
1
① カルボキシ基を有する化合物の誘導体化試薬として適切なものはどれか.【 】の中から選び,記号で答えなさい. 【㋐ トリメチルシリルクロリド ㋑ ダンシルクロリド ㋒ ニンヒドリン ㋓ トリメチルシリルジアゾメタン ㋔ o-フタルアルデヒド】
エ
2
ハロゲンを有する化合物やニトロ化合物の高感度検出に用いる検出器の名称を答えなさい (略称は不可).
電子捕獲型検出器
3
キャピラリーカラムが充填カラムよりも分離に優れる理由を簡潔に述べなさい.
キャピラリーカラム内では中空で、eddy拡散をしないから
4
原子吸光光度法に関する記述について,正しいものをすべて選び,記号で答えなさい.正しい記述がない場合は,「なし」 と記しなさい.誤ったものを選択した場合は減点する. ㋐ 原子吸光光度法の光源部には主に中空陰極ランプが用いられる. ㋑ 原子吸光光度法で測定する原子スペクトルは,鋭い線スペクトルである. ㋒ 原子吸光光度法において,水銀は冷蒸気方式により原子化される. ㋓ 原子吸光光度法は,光が原子蒸気層を通過するとき,励起状態の原子が特有波長の光を吸収する現象を利用する. ㋔ 原子化において,より高温の熱源を用いると,金属に加えてリンやホウ素なども分析できる. ㋕ 定量に際して,干渉やバックグラウンドを考慮する必要があるときは内標準法を用いる.
ア, イ, ウ
5
タンパク質などの高分子化合物の質量分析に適したイオン化法 2 種を正式名称 (略号は不可) で答えなさい.
エレクトロスプレーイオン化, マトリックス支援レーザー脱離イオン化
6
高速液体クロマトグラフィー/質量分析法 (LC/MS) で用いられる大気圧イオン化法 2 種を正式名称 (略号は不可) で答えなさい.
エレクトロスプレーイオン化, 大気圧化学イオン化
7
マススペクトルにおいて縦軸は何を表しているか,答えなさい.
基準ピークに対する相対強度
8
四重極型質量分析計が LC/MS で汎用される最大の理由を簡潔に述べなさい.
高度の真空を要さず、HPLC接続が容易だから
9
【 】の中から血清タンパク質を変性および不溶化させるのに適した試薬を全て選び,記号で答えなさい.適さない試薬を選んだ場合は減点する.【㋐ 塩化ナトリウム ㋑ 塩酸 ㋒ 過塩素酸 ㋓ 酢酸 ㋔ 炭酸ナトリウム ㋕ メタノール ㋖ ヘキサン ㋗ クロロホルム ㋘ 1-オクタノール ㋙ アセトニトリル】
ウ, カ, コ
10
【 】の中から液-液抽出 (有機相に薬物を抽出する) に適した溶媒を全て選び,記号で答えなさい.適さない溶媒を選んだ場合は減点する. 【㋐ メタノール ㋑ アセトニトリル ㋒ アセトン ㋓ クロロホルム ㋔ 酢酸エチル】
エ, オ
11
弱酸性薬物の液-液抽出 (有機相に薬物を抽出する) において,血清に加えると薬物の抽出率が向上することが期待できる試薬を【 】の中から全て選び,記号で答えなさい.適さない試薬を選んだ場合は減点する. 【㋐ 塩化ナトリウム ㋑ 塩酸 ㋒ 水酸化ナトリウム ㋓ アルブミン ㋔ ドデシル硫酸ナトリウム】
ア, イ
12
イムノアッセイには [Ⓐ IgE Ⓑ IgG] クラスの抗体が用いられる.
B
13
ハプテンは [Ⓐ 競合法 Ⓑ サンドイッチ法] で測定される.
A
14
競合法では抗原よりも抗体を [Ⓐ 多く Ⓑ 少なく] 用いる.
B
15
酵素イムノアッセイのうち,抗原や抗体をプレートなどの固相上に固定化して行う測定法を [Ⓐ ELISA Ⓑ EMIT] という.
A
16
ヘテロジニアスイムノアッセイと比べて,ホモジニアスイムノアッセイには何がないか?
B/F分離
17
グルコースの酵素的分析に関する記述について, ( ア ) および ( イ ) に入る酵素を答えなさい. まず,グルコースに ( ア ) を作用させ,H2O2を生成させる.H2O2はフェノールと ( イ ) の存在下,4-アミノアンチピリンを赤色キノン色素に酸化するので,その吸光度を測定すればグルコースが定量できる.
グルコースオキシダーゼ, ペルオキシダーゼ
18
シリカゲルを固定相,クロロホルム-メタノール (10:1, v/v) を展開溶媒とする薄層クロマトグラフィーにおいて,Rf 値が小さいのは [Ⓐ エストラジオール (ステロイドホルモンの 1 種),Ⓑ グルコース] である.
B
19
オクタデシルシリル化シリカゲルを固定相,メタノール-水 (2:1,v/v) を移動相とする高速液体クロマトグラフィー(HPLC) において,遅く溶出されるのは [Ⓐ エストラジオール,Ⓑ グルコース] である.
A
20
オクタデシルシリル化シリカゲルを固定相とする HPLC において,エストラジオールが遅く溶出する移動相は [Ⓐ メタノール-水 (3:1,v/v),Ⓑ メタノール-水 (2:1,v/v)] である.
B
21
オクタデシルシリル化シリカゲルを固定相とする HPLC においてイブプロフェン (酸性薬物,pKa 4.4) が遅く溶出する移動相は [Ⓐ メタノール-pH 2.4 の緩衝液 (1:3,v/v),Ⓑ メタノール-pH 6.4 の緩衝液 (1:3,v/v)] である.
A
22
陰イオン交換クロマトグラフィーにおいてpH 5.0の緩衝液を移動相とするとき,遅く溶出されるのは [Ⓐ リシン (pI 9.75),Ⓑ アスパラギン酸 (pI 2.77)] である.
B
23
親水性の多孔性ゲルと水系移動相を用いるサイズ排除クロマトグラフィーにおいて,遅く溶出されるのは [Ⓐ アルブミン(分子量:約 66,000),Ⓑ イムノグロブリン (分子量:約 150,000)] である.
A
24
ニンヒドリンは,アミノ酸の HPLC 用 [Ⓐ プレカラム,Ⓑ ポストカラム] 誘導体化試薬として利用される.
B
25
ガスクロマトグラフィー (GC) の誘導体化で,電子捕獲型検出器に有利なのは [Ⓐ トリフルオロアセチル化,Ⓑ トリメチルシリル化] である.
A
26
液体ポリマーを固定相とする GC の分離機構は [Ⓐ 吸着,Ⓑ 分配] である.
B
27
ドデシル硫酸ナトリウムとポリアクリルアミドを利用した電気泳動 (SDS-PAGE) ではタンパク質は分子量に応じた速度で [Ⓐ 陽極,Ⓑ 陰極] へ泳動される.
A
28
①~④のクロマトグラフィーのパラメータのうち,カラムの長さに影響されるものを全て選び,番号で答えなさい.影響されないものを選んだ場合は減点する.ただし,移動相や流速など,カラム以外の条件は一定とする. ① 保持時間 (tR) ② 質量分布比 (k) ③ 理論段数 (N) ④ 理論段高さ (H)
1, 3
29
高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析 (LC/MS/MS) において特定のプリカーサーイオンとプロダクトイオンを選択して検出する手法を ( ㋒ ) といい,生体試料中の微量薬物の定量などに威力を発揮する.
選択反応モニタリング
30
生体試料の前処理において,酸を用いる除タンパク法では,トリクロロ酢酸や ( ㋔ ) が汎用される (化学式は不可)
過塩素酸
31
原子吸光光度法の光源部には主に ( ㋕ ) が用いられる.原子化の方法には ( ㋖ ) 方式,( ㋗ ) 方式,( ㋘ ) 方式の 3 種があり,水銀の原子化には㋘方式が用いられる.
中空陰極ランプ, フレーム, 電気加熱, 冷蒸気
32
原子吸光光度法による定量に際して,干渉やバックグラウンドを考慮する必要があるときは ( ㋙ ) 法を用いる.
標準添加
33
フューズドシリカキャピラリーを用いるキャピラリーゾーン電気泳動では,( ㋚ ) が生じるため,検出器は陰極側に設置される.
電気浸透流
34
ドライケミストリーの中で,抗原-抗体反応を利用するものはイムノクロマトグラフィーと呼ばれ,( ㋜ ) の検査などに利用される.
妊娠
35
pH 測定に用いるガラス電極はイオンセンサーであり,グルコースセンサーは ( ㋝ ) センサーである.
バイオ
36
熱分析法の中で,試料の融解,転移,化学反応などの熱的変化を基準物質との温度差 (ΔT) として検出する方法を( ㋞ ) という.
示差熱分析法
37
蛍光物質 C の希薄溶液の励起及び蛍光スペクトルを測定したところ,それぞれの極大波長は 280 nm 及び 320 nm であった.溶液の濃度を変えずに,蛍光光度法の原理に基づき,より強い蛍光強度を得る方策として正しいものを全て選び,番号で答えなさい.正しい方策がない場合は,「なし」と記しなさい.正しいもの以外を選んだ場合は減点する. ① 溶液にクエンチャーを添加する. ② 測定温度を高くする. ③ レーザーなどを用いて,照射する光を強くする. ④ 光を照射する時間を長くする ⑤ 層長 (光路長) の長いセルを用いる. ⑥ 280 nm よりも短波長の光を照射する. ⑦ 320 nm よりも長波長の光を測定する.
3, 5
38
ダンシルクロリド (蛍光団としてジメチルアミノナフタレンを有する) は,アミノ酸の HPLC 用 [Ⓐ プレカラム,Ⓑ ポストカラム] 誘導体化試薬として利用される.
A
39
旋光分散スペクトルにおいて長波長側に山 (比旋光度の極大値),短波長側に谷 (極小値) が見られる場合を ( ㋙ )のコットン効果という.
正
40
生体試料 (血清や尿) の前処理における除タンパク法について,汎用される有機溶媒と酸をそれぞれ1種類ずつ答えなさい.また,生体試料中の薬物の液-液抽出 (有機溶媒抽出) に汎用される溶媒を1種類答えなさい.化学式は不可.
アセトン, 過塩素酸, クロロホルム
41
免疫測定法 (イムノアッセイ) に関する記述について正しいものをすべて選び,記号で答えなさい (誤ったものを選択した場合は減点する). (a) 免疫測定法は,多成分の一斉分析に適している. (b) 通常用いられるのは,IgG クラスの抗体である. (c) モノクローナル抗体を用いる系では,交差反応性は認められない. (d) ステロイドホルモンのような低分子化合物は,そのままでは免疫原性を示さないので,抗体作製にはタンパク質などの 高分子と結合させて動物に投与する必要がある. (e) 蛍光偏光イムノアッセイでは,蛍光標識した抗原が抗体に結合すると抗原の回転運動が減少するため,蛍光偏光度は 減少する. (f) Enzyme multiplied immunoassay technique (EMIT) は,均一系 (ホモジニアス) イムノアッセイの 1 種である. (g) 非競合法 (サンドイッチ法) はタンパク質などの高分子化合物を測定対象とし,一方,競合法は低分子化合物のみを測 定することができる.
b, c, d, f
42
液-液抽出法に対する固相抽出法の利点を 1 つ答えなさい.
使用する溶媒が少ない
43
B/F 分離を行わない方法を [Ⓐ ホモジニアスイムノアッセイ Ⓑ ヘテロジニアスイムノアッセイ] という
A
44
陽イオン交換クロマトグラフィーにおいて pH 7.0 の緩衝液を移動相として,イオン強度の増加により溶出するとき,早く溶出されるのは [Ⓐ リシン (pI 9.8),Ⓑ アルギニン (pI 10.8)] である.
A
45
ガスクロマトグラフィー (GC) では,カラム温度を上昇させると,成分の溶出時間は一般に [Ⓐ 早くなる,Ⓑ 遅くなる].
A
46
フューズドシリカを用い,泳動液に陰イオン性ミセルを添加したミセル動電クロマトグラフィーにおいて,早く陰極に到達するのは [Ⓐ コレステロール,Ⓑ グルコース] である.
B
47
ドライケミストリーの中で,抗原-抗体反応を利用し,妊娠検査やインフルエンザ検査に用いられる手法を ( ㋝ ) という.
イムノクロマトグラフィー
48
クロマトグラフィーの分離機構は,吸着,分配,イオン交換,分子ふるい (サイズ排除) と ( ㋞ ) の 5 つに大きく分類される.
生物学的アフィニティー
49
蛍光光度法の光源には [Ⓐ タングステンランプ,Ⓑ キセノンランプ] が最もよく用いられる.
B
50
化合物 D の希薄溶液をセルに入れ,280 nm の紫外光を照射すると 320 nm に蛍光が観察された.照射する光の強さを 2 倍にしたとき,その値も 2 倍となるものを㋐~㋖の中からすべて選び,記号で答えなさい.該当するものがない場合は, 「なし」と記しなさい.該当しないものを選んだ場合は減点する.[㋐ 280 nm における吸光度,㋑ 280 nm における透過度, ㋒ 化合物 D の蛍光量子収率,㋓ 320 nm における蛍光強度,㋔ 吸収された光の量,㋕ Stokes シフト,㋖ 化合物 D の モル吸光係数]
エ, オ
51
コレステロールの酵素的分析に関する記述について,( ㋐ )~( ㋒ ) に入る酵素を答えなさい. まず,コレステロールエステルは ( ㋐ ) によってコレステロールに水解される.生成したコレステロールは ( ㋑ ) によりコレステノンと H2O2 を生成する.H2O2 はフェノールと ( ㋒ ) の存在下,4-アミノアンチピリンを赤色キノン色素に酸化するので,その吸光度を測定すればコレステロールが定量できる.また,コレステノンの 240 nm における吸収を利用してもコレステロールが定量できる.
コレステロールエステラーゼ, コレステロールオキシダーゼ, ペルオキシダーゼ
52
オクタデシルシリル化シリカゲルを固定相とする HPLC でアニリン (pKb 9.4) を分析するとき,アニリンの溶出が早い移動相は [Ⓐ メタノール-pH 3 の緩衝液 (1:3,v/v),Ⓑ メタノール-pH 7 の緩衝液 (1:3,v/v)] である.
A
53
フューズドシリカを用いる通常のキャピラリーゾーン電気泳動において,早く陰極に到達するのは [Ⓐ 電気浸透流,Ⓑ陽イオン] である.
B
54
マトリックスを使用するイオン化法 2 種を正式名称 (略号は不可) で答えなさい.
高速原子衝撃, マトリックス支援レーザー脱離イオン化
55
高速液体クロマトグラフィー/質量分析 (LC/MS) において,目的化合物に固有のイオンを選択し,質量分析装置をこのイオンの m/z に固定して検出する手法を ( A ) と言う. また,高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析 (LC/MS/MS)において特定のプリカーサーイオンとプロダクトイオンを選択して検出する手法を ( B ) という.A,B ともに生体試料中の微量薬物の定量などに威力を発揮する.
選択イオンモニタリング, 選択反応モニタリング
56
飛行時間型質量分析計 (TOFMS) はタンパク質などの高分子の分析に適している.その理由を簡潔に述べなさい.
測定質量範囲に制限がないから
57
有機溶媒を用いる除タンパク法について,汎用される溶媒を 2 種類とタンパク質が変性する機構を答えなさい.
アセトン, メタノール, タンパク質内部の疎水領域に浸透する