問題一覧
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(2) 相談受付の初期段階では、依頼の動機・目的が整理されていないことが多いため、依頼者の権限や資産状況の把握に努めるが、加えて、家族の状況や将来に対する考えなども依頼者の種々の事情までヒアリングできれば、その後のコンサルティングに有効である。
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(4) 旧耐震基準により設計された建築物は地震リスクが大きいが、耐震補強を行うことで安全性が増すことから、地震リスクに関する指標であるPML値を上昇させることができる。
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(4) 事業スケジュールは、事業推進のための業務内容や、完了までの必要時間を、受託者が整理し把握した上で依頼者に理解してもらうため、企画段階で作成するものであるが、余裕を持たせたスケジュールにすると工事遅延や関連費用の増加に繋がるなどマイナス面が多いので、基本的に必要最低限で作成することが望ましい。
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(1) 所要資金の調達先としては、金融機関からの長期借入金による場合が多いが、事業の健全性を判定する指標として返済余裕率(DSCR)があり、年間の元利返済額に対する年間純収益の割合で計算され、一般的にこの値が1.2~1.5以上であれば、健全性のある事業計画と判断される。
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(4) 金利水準は様々な要因によって変動するので事業の安定化のためには長期の固定金利による借入れが適しており、一般的に金利は、短期に比べて長期が低く、変動に比べて固定は低い。
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(3) 相続発生時における相続税の課税価格の引下げを目的とした借入金による賃貸マンション計画では、相続発生後に不動産を売却して借入金を返済することも可能なため、累積繰越損失が続いても、事業収支計画を見直す必要はない。
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(2) 事務所や住宅などの建物用途にかかわらず、建築プランを見直してレンタブル比の増加を図ることが、賃料収入の増加の確かな方策である。
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(2) 賃貸ビルの事業収支計画において、建築費については損益計算上、耐用年数に応じて費用配分し減価償却費として計上するが、資金計算上は、実際の出費を伴わないため計上しない。
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(4) 企画提案書の提出に当たっては、依頼者と締結したコンサルティング業務委託契約に定められた業務範囲や内容を網羅し作成しているか、依頼者の趣旨に沿っているかを確認することが大切である。
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(2) 事業受託方式を採用する場合、コンサルティング業務委託契約書又は基本協定書を締結する前に受託業務を確定し、今後の事業実施に向けて当面必要となる業務を取り決めるために、基本合意書を締結することが必須である。
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(1) 事業受託方式における基本合意書は、企画提案書について依頼者の了解を得た後、事業収支計画の内容などが明確になり、事業化の見通しが立った時点で締結するのが通常であり、建物プラン、コンサルティング報酬額と支払方法、事業スケジュールなどが記載される。
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(1) 地権者の一人が建築費などの事業費を出資する場合、地権者の各々の出資額を求めるに当たっては、敷地一体化による増分価値を考慮するのが一般的である。
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(3) 底地の所有権と借地権の交換に際して、借地人が所有する建物がまだ使用可能であるため、借地権付建物の価格と底地の価格が等価になるように交換比率を設定した場合、他の要件も満たしていれば、地主、借地人の双方ともその総額について税法上の固定資産の交換特例の適用を受けられる。
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(2) 貸宅地と借地権を交換する場合に、税制上のいわゆる固定資産の交換特例の適用を受けるためには、取得資産は交換直前の譲渡資産の用途と同一の用途に供する必要があるが、当事者の一方が同一の用途に供さない場合には、特例適用要件の全てを満たしている相手方も特例の適用が受けられなくなる。
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(1) 前払地代方式による定期借地権設定契約に中途解約条項を設け、貸主が前払地代の未経過分を借主に返還しないこととすると、税務上、前払地代の要件を満たさなくなるが、前払地代の未経過分の返還とは別に違約金の規定を設けることも認められていない。
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(3) 定期借地権設定契約書に借地人は借地期間中の賃料の全部又は一部を一括して支払い、土地所有者は期間中毎年均等に賃料に計上する旨の定めがあれば、税務上、前払地代と認められる。
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(4) テナントに対する賃料設定は、売上歩合賃料や最低保証付売上歩合賃料とするケースが多いが、企画段階においては階層別の採算が不明なため、各フロア同一条件で設定するのが一般的である。
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(1) 経済のグローバル化やSDGsへの配慮などにより事務所ビルを取り巻く環境は変化しているため、テナント計画において経済や金融について市場分析を行うことは必要であるが、政治情勢や国際問題はより複雑であるため、これらは分析の項目には加える必要はない。
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(2) 賃貸借契約が終了し明渡しが完了すると、貸主は滞納賃料や原状回復費等、借主に債務が残っていれば敷金から差し引くが、借主が自ら雨漏りの修繕や備付けのエアコンの修繕等行った場合の費用である有益費は、賃貸借契約終了時に借主の請求に応じ償還しなければならない。
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(3) 賃貸不動産としての資産価値を維持するためには、建物及び設備の保守点検を単に有資格者に任せるだけでなく、長期修繕計画に基づき保全し、突発的な不具合や自然災害による損傷等の修繕にも適切に対応する維持管理体制を構築する必要がある。
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(2) 不動産の証券化において、投資家が投資しやすくするために証券化スキームが備えるべき要件には、倒産隔離、二重課税の回避、信用力の補完などがあるが、このうち倒産隔離に関しては不動産の所有権移転が真正売買に該当することが要件の一つであり、これを充足するためには、対象不動産の譲渡時の適正価格に対してオリジネーターのリスク負担の金額割合が10%以下であることが必要とされる。
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(2) 不動産特定共同事業法に定める業務管理者は、不動産特定共同事業契約の締結の勧誘、契約内容及び契約に係る財産の管理状況の説明の実施等に関して必要な助言、指導その他の監督管理を行う。
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(4) IRR(内部収益率)は、対象不動産が将来生み出すキャッシュ・フローの現在価値の総合計すなわちNPV(正味現在価値)が、投資額と等しくなる利回りであるが、IRRが、国債の利回りに不動産固有のリスクプレミアムを上乗せした利回りを上回れば、必然的に投資適格と判断されることとなる。
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(3) 10億円の不動産に対する投資を行うに当たり、自己資金2億円、借入金8億円、NOIが1億円、借入金の年間元利金返済額が4,000万円の場合、自己資金利回り(CCR)は、20%となる。
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(2) 適切なリノベーションを行うことで、キャッシュ・フローの悪化をもたらす賃料収入の増加は期待できるが、リノベーションに要した費用は減価償却費として必要経費に計上できないため不動産所得に係る所得税の軽減効果は見込めない。
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(3) リノベーションは、賃貸物件の価値を高める再生手法であり、耐震補強はもとより、マーケットニーズに適合する最新の設備・システムに更新するなど、古さや特徴を可能な限り払拭してすべてを新築に近づけることで、賃貸物件の競争力を根源的に回復、改善させる手法である。
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(4) 三人の相続人の中に特別受益者がいると、特別受益の全額を相続財産に加えることになるため、特別受益がないケースより必ず全体の相続税額は増加する。
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(1) 不動産所有者が将来、成年被後見人となった場合を想定し、この対策への本人の意思と内容を明記した指図書と家族の同意書をあらかじめ用意しておけば、親族以外の者が成年後見人となった場合でも、成年後見人はこの対策を実行しなければならない。
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(4) 賃貸物件の所有者がプライベート・カンパニーとして利用する不動産管理会社の形態のうち、所有者のその後の所得税対策や将来の相続税対策の観点からは管理料徴収方式の効果が最も高い。
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(3) CRE戦略や、時価ベースでのROA(総資産経常利益率)などの企業経営指標が重要視されることになった背景には、いわゆるバブル経済の崩壊後に不動産価値が大幅に下落したことがあるが、企業会計基準や企業統制に関する法制度の変更などは直接的な要因とはいえない。