問題一覧
1
変額年金保険とは何ですか?
変額年金保険は投資信託と生命保険の融合商品であり、運用成果により受け取る年金額もしくは解約時や死亡時の受取額が変動する保険商品です。
2
変額年金保険が日本で販売が始まったのはいつですか?
変額年金保険が日本で販売が始まったのは1999年です。
3
変額年金保険の市場はどのように拡大しましたか?
変額年金保険の市場は、2002年に銀行窓販が認められたことを契機に大きく拡大しました。
4
変額年金保険にはどのような最低保証が付与されることがありますか?
変額年金保険には最低保証として、災害死亡保証や元本保証、生存時の最低保証などがあります。
5
最低保証の権利行使時点を契約者が選択可能な商品とは何ですか?
最低保証の権利行使時点を契約者が選択可能な商品はGMWB(Withdrawal)です。
6
変額年金保険の一般的な商品形態は何ですか?
保険料一時払(Single Premium VA(SPVA)
7
変額年金保険において、契約時点で払い込まれる保険料は何を意味していますか?
特別勘定への投入金額を意味する名目的なもの
8
変額年金保険において、保険関係費用が実質的な意味での保険料に相当する理由は何ですか?
最低保証のための純保険料+付加保険料
9
変額年金保険の販売に要する新契約費用の回収は何に依存することになりますか?
将来の保険関係費用の収入及び解約控除
10
変額年金保険の特別勘定の運用実績が振るわない場合、どのようなリスクが生じることがありますか?
費差のリスクが大きくなる
11
最もプレーンなGMDBでは、何が保証される?
一時払保険料相当額の死亡保険金
12
GMDBの保証は何にかかわらず行われる?
特別勘定の運用成果
13
GMDBの保証は何によって変化する?
積立金の運用成果
14
GMDBの保証はいつ保証されない?
解約時や年金開始時(満期)に当初の払込保険料
15
変額年金保険は何からスタートした?
GMDB
16
変額年金保険の売れ筋は何にシフトしてきている?
オプション価値の大きいもの
17
変額年金保険の主たる市場はどこか?
銀行窓販
18
銀行窓販においては、どのような高齢者への販売が中心になる?
比較的リスク許容度の低い高齢者
19
銀行窓販においては、どのような変額年金保険が販売の中心になってきている?
生存時の元本保証があるGMLB
20
GMLBは何に分類される?
年金開始時(満期)における年金受取保証または年金受取額保証
21
年金受取額保証は何に分類される?
特別勘定にとどまるものと一般勘定移行するもの
22
特別勘定でのGMIBとGMABを比べると、どちらのオプション行使期日が長くなる?
GMIB
23
特別勘定でのGMIBはGMABと比べてどうなる?
最低保証コストが割安となる
24
一般勘定でのGMIBは年金原資換算での保証水準は何未満となる?
100%
25
一般勘定でのGMIBはGMABと比べてどうなる?
最低保証コストが割安となる
26
高齢の契約者への適合性をより意識したトレンドの中で、どちらがより好まれるようになってきている?
GMAB
27
最低保証のパリエーションのひとつであるラチェット型では、何が起こるか?
運用実績が好調で特別勧定の積立金が一定水準を上回れば、最低保証額が切り上がってゆく。運用実績が悪化しても最低保証額は下がらない。
28
ラチェット型の特徴は何か?
オプション価値を引き上げる効果があり、特別勘定の運用実績が良好な場合の解約の抑止や保険関係費用収入の増加に寄与する。
29
最低保証のバリエーションのひとつであるノックアウト型では、何が起こるか?
特別勘定残高の目標水準超過あるいは下限(フロア)抵触で、特別勘定から一般勘定に金額をキャッシュアウトしオプションが消滅する。
30
ノックアウト型の特徴は何か?
オプション価値の引き下げ効果があり、特別勘定での滞留時間が減ることから保険関係費用収入の減少効果もある。
31
最低保証の原資産である投資信託について、初期の商品はどのような特徴があったか?
契約者が自由に投資信託のアセットミックスを変更できるものが中心であった。
32
投資信託の資産構成はどのように変化してきたか?
GMLB商品の売れ筋が増えるにつれ、資産構成は固定されるものが多くなり、市場インデックスを模したパッシブ運用のものが中心になってきている。
33
投資信託側で行われるリスクコントロールの例は何か?
特定期日における元本保証機能を持たせた運用を行う商品が登場している。
34
最低保証の権利行使時点が不確定なGMDB機能は、どの勘定が担う必要があるか?
一般勘定が担わなければならない。
35
株価指数連動年金(Equity Indexed Annuity(EIA))は何の対象となる原資産を持つ商品か?
株価指数等の市場インデックス
36
株価指数連動年金(Equity Indexed Annuity(EIA))はどのような商品か?
完全な一般勘定商品
37
株価指数連動年金(Equity Indexed Annuity(EIA))の最低保証コストはどのように回収されることがあるか?
超過収益の一定割合の削減や、収益上限(キャップ)を設定するなどの収益制約を設けることで回収される
38
変額年金保険のリスク特性は何と異なるか?
伝統的な生命保険とは大きく異なる
39
変額年金保険では、保険会社にはどのような機能が求められるか?
特別勘定と一般勘定の機能
40
変額年金保険の最低保証機能と販売・事務経費を賄うために、一般勘定は何を徴収するか?
保険関係費用の一定割合の残高
41
変額年金保険の引受リスクは何であり、どのようなオプションを販売していることに相当するか?
最低保証した金額と特別勘定残高の差額、保険関係費用(最低保証料と予定事業)+運用関係费用(信託報酬等)相当の外部流出のある原資産のプットオプション
42
変額年金保険では、保険会社は一般にどのような関与をしないか?
投資信託の運用
43
変額年金保険において、投資信託に対応するヘッジ手段は市場で購入可能か?
必ずしも市場で購入可能ではない
44
変額年金保険の最低保証では、どのような構成が一般的であるか?
保証機能のない通常の投資信託と保険会社の引き受けるプットオプション
45
変額年金保険と割引債の関係を表す式は何か?
C+Ke=P+S
46
変額年金保険において、金利リスク管理に関してはどのようなリスク管理負荷が小さいか?
割引債で静態的にヘッジできる前者のリスク管理負荷
47
変額年金保険のオプション料に相当する最低保証料は何によって日々徴収されることが一般的か?
特別勘定資産の残高比例で
48
特別勘定資産が減少し最低保証の本源的価値が高まるほど、最低保証料収入はどうなるか?
減少する
49
特別勘定資産が増加し最低保証の本源的価値が低下するほど、最低保証料収入はどうなるか?
増加する
50
変額年金保険の最低保証オプションは、どのような特殊性を持っているか?
原資産が投資信託である
51
変額年金保険の最低保証オプションが、市場で一般的に取引されるデリバティブでの複製は難しい理由は何か?
特殊性と長期性から
52
変額年金保険の最低保証オプションは、金融市場での完全な複製は不可能であるとなる理由は何か?
金融リスクと保険リスクの積の構造を持っているため、金融リスク管理手法だけでは対処できないため
53
伝統的な生命保険数理では何をモデルとして取り扱ってきたか?
被保険者の生死を生命表に従う決定論的なモデル
54
伝統的な生命保険数理の文法に従うものは何を用いたモデリングになっているか?
生命表と生命関数
55
変額年金保険においては何が共通に関与するため、保険リスクの収斂性が劣後することが考えられるか?
特別勘定を原資産とするオプションのペイオフに対応する金融リスク
56
変額年金保険の商品ではどのような保険リスクに関してアグレッシブなものとなっているか?
一律の最低保証料率や職業のみによる危険選択
57
年齢・性別分布の仮定に起因するミスプライシング・リスクは金融リスクに比べて小さいか?
小さいとはいえない
58
オプションの満期の平均的な長さの違いやオプション料の収入現価の多寡は何に直結するか?
ミスプライスの要因となる
59
保険リスクファクターの中で、解約率が大きな影響を持つものは何か?
解約率
60
低金利環境下での年金原資保証はどのようなオプションか?
高価なオプション
61
変額年金保険において、インザマネーの度合いが深くなると何が起こるか?
解約率が低下する
62
変額年金保険において、アウトオブザマネーの度合いが深くなると何が起こるか?
解約率が上昇する
63
変額年金保険において、最適行使を前提とすることは適切か?
適切ではない
64
最適行使を前提とすると、最低保証の価値はどうなるか?
跳ね上がる
65
最適行使を前提とすると、最低保証料はどうなるか?
非現実的な水準となる可能性が高い
66
変額年金保険の解約率モデルはどのようなモデルが用いられることが多いか?
経過時間や原資産価格と保証水準の関係に応じた決定論的なモデル
67
変額年金保険の統計は死亡率ほど頑健的なものか?
いえない
68
変額年金保険の最大のリスク・ドライバーは何か?
金融リスク
69
変額年金保険の責任準備金やソルベンシー評価において、どのような手法が採用されているか?
確率論的な保険数理手法
70
変額年金保険の数理手法はどのような枠組みから脱却しているか?
伝統的保険の枠組み
71
価値評価とは何を意味するか?
リスク管理のための内部管理上の価値評価を含む広い概念であって、法定責任準備金評価だけを意味するものではない。
72
最低保証の価値はどのように評価されるか?
最低保証の価値は保険関係費用収入とのネットで評価されるため内部管理用の価値では負値を取りうる。
73
責任準備金と内部管理用の価値評価の違いは何か?
責任準備金は負値をとらないが、内部管理用の価値では負値を取りうる。また、責任準備金では法定基礎率の遵守が求められるが、内部管理ではより現実的なパラメータが求められる。
74
内部管理用の価値評価では何が必要になるか?
内部管理用の価値評価では、費差収支や危険差収支の反映も必要になる。
75
変額年金保険においても責任準備金によるリスク把握には何があるか?
変額年金保険においても責任準備金によるリスク把握には限界があり、金利変化のリスクRhoやボラティリティー変化のリスクVegaは把握不能である。
76
変額年金保険数理の実務では何が必要になるか?
変額年金保険数理の実務では、最低保証が一種の金融オプションであるため、生命表を用いた伝統的なモデリング手法と金融的モデリング手法との融合が必要になる。
77
変額年金保険ではなぜ金融的モデリング手法の適用が難しいのか?
変額年金保険では、保険期間が長い上に、死亡あるいは解約という非金融的な事象が関与するため、金融市場での完全な複製ができない「非完備市場問題」となり、一筋縄ではいかない。
78
非完備市場問題において価値評価の標準的手法は確立されているか?
非完備市場問題では価値評価の標準的手法は確立されておらず、様々な試行錯誤が行われている。
79
金融工学の分野で非完備市場における価値評価問題に何が注目されているか?
金融工学の分野でも、非完備市場における価値評価問題に保険料計算原理などの保険数理的手法の活用が注目されている。
80
複合的視点での価値評価の考え方は、EUの何において採用されているか?
ソルベンシーⅡ
81
ヘッジ可能部分はどのように評価されるか?
市場整合的評価
82
ヘッジ不可能部分はどのように評価されるか?
最良推定十リスクマージン
83
「市場整合」とは何を意味するか?
入手可能な現在の市場価格と整合的に、あるいは市場に整合的な原則や手法・パラメータを用いて導かれること
84
「経済価値」とは何を意味するか?
評価された資産または負債のキャッシュフローの現在価値
85
市場整合的な評価は、どのような基準に準拠するものでもあるか?
際財告基準(IFRS)や保険監督者国際機構(IAIS)の監督基準の目指す方向性
86
部分的な市場整合的な評価をすることの実務的なメリットは何か?
事後的なリスク管理の自由度を高める
87
完全なリスク中立評価、市場整合的評価が困難な場合、どのような評価手法を使用すべきか?
統計的に推定した資産価格モデル
88
北米における変額年金保険規制の評価手法はどのような考え方で設計されているか?
統計的に推定した資産価格モデル
89
変額年金保険の規制で用いられている計算原理としては何が代表的か?
分位原理と期待値原理
90
CTEアプローチはどのような原資産に注目し、どのような評価を行うものか?
原資産価格変動リスクに注目し、最低保証の価値評価と必要資本要件のためのリスク評価を行う
91
リスク調整済み期待値アプローチでは、どのような変動を評価の対象とすることが一般的か?
原資産価格変動だけでなく、モデル・パラメータの変動も評価する
92
確率微分方程式の解析解を用いるモデリング手法は何と呼ばれるか?
フォーミュラー方式
93
モンテカルロ法を想定したシナリオテスティング方式に分類されるモデリング手法は何と呼ばれるか?
モンテカルロ法
94
北米のCTEアプローチはどのモデリング手法に分類されるか?
モンテカルロ法
95
リスク調整済み期待値アプローチでは、解析解があればどのモデリング手法を用いるか?
フォーミュラー方式
96
リスク調整済み期待値アプローチでは、解析解がない場合にどのモデリング手法を用いるか?
モンテカルロ法
97
北米型のCTEアプローチと日本の規制での標準的方式であるリスク調整済み期待値アプローチはどのような評価手法か?
対照的な二つの評価手法
98
カナダで導入された規制の名称は何ですか?
CIA Report