問題一覧
1
適切な語句を順に選択せよ。 卵の卵黄の少ない極を、【1】、卵黄に富む極を【2】と呼ぶ。卵は表層と細胞質との二重構造をもち、【2】の表層にWnt11等の背側決定因子が存在する。受精すると、微小管の働きにより表層が回転し、背側決定因子が【3】の侵入点の反対側の【1】側にずれる。このずれた背側決定因子の作用によって【4】蛋白質の蓄積がおこり、その部位が胚の背側になる。 【1】~【4】の選択肢 ① 陽極 ②陰極 ③動物極 ④植物極 ⑤卵子 ⑥精子 ⑦BMP ⑧β-catenin ⑨FGF8 ⑩Smad
3, 4, 6, 8
2
適切な語句を順に選択せよ。 卵割後の胞胚期には、外胚葉、中胚葉、内胚葉が形成される。将来、外胚葉は主に表皮や【5】を形成し、中胚葉は骨格や【6】、腎臓、心臓、血液などを、内胚葉は消化官や【7】、肺などを形成する。中胚葉形成は、内胚葉に蓄えられている母性mRNAから【8】と呼ばれる転写因子が発現することにより始まる。【8】は内胚葉で【9】と呼ばれる分泌因子の発現を活性化し、この分泌因子が拡散して外胚葉に作用し中胚葉が誘導される。 【5】~【9】の選択肢 ① 筋肉 ②神経 ③肝臓 ④Hox ⑤VegT ⑥Wnt ⑦Nodal ⑧oskar ⑨BMP ⑩β-catenin
2, 1, 3, 5, 7
3
適切な語句を順に選択せよ。 胞胚期の末期までに、背側の【4 β-catenin 】蛋白質と、【8 VegT 】の活性が重なる背側内胚葉で【9 Nodal 】がより強く発現するようになり、この作用を受けた組織(背側中胚葉と内胚葉の一部)が【10】と呼ばれる組織を形成する。【10】は体軸誘導活性をもち、切り取って他の胚に移植すると、余計な頭部(2次軸)を誘導する。【10】はやがて原口から外胚葉の下に潜り込み、その直下に【11】と呼ばれる内腔が新たに形成される。外胚葉の下に潜り込んだ【10】は、前後軸に沿って前部内胚葉、脊索前板、【12】を形成し、神経誘導因子を分泌する。神経誘導因子は直上の外胚葉に作用し、神経板を誘導する。神経誘導因子の分子実体は、Nogginや【13】等、【14】シグナルリングに対する阻害因子である。外胚葉では【14】が発現しており、もし神経誘導因子の作用を受けなければ【14】の作用により【15】に分化するよう運命づけられている。 【10】~【15】の選択肢 ① 原腸 ②直腸 ③表皮 ④脊索 ⑤脊髄 ⑥Notch ⑦Chordin ⑧Wnt ⑨BMP ⑩オーガナイザー
10, 1, 4, 7, 9, 3
4
適切な語句を順に選択せよ。 神経板は前後軸を伴って形成される。陥入して神経管になると、その前端から広報に向かって 【16】、【17】、【18】と呼ばれる3つの脳分節と【19】を形成する。初期神経板の前後軸は、【10】由来の前部内胚葉や脊索前板が分泌するDkk-1やFrzb-1等によって与えられる。Dkk-1やFrzb-1等は、【20】シグナリングに対する阻害因子である。【20】シグナルは神経板後部や【12】から作用して後方化を促すが、その作用を胚の前方ではDkk-1やFrzb-1が抑制する。 【16】~【20】の選択肢 ① 終脳 ②間脳 ③前脳 ④中脳 ⑤小脳 ⑥後脳 ⑦脊髄 ⑧Wnt ⑨BMP ⑩FGF
3, 4, 6, 7, 8
5
適切な語句を順に選択せよ。 ショウジョウバエ胚は、初期には連続した細胞質に多数の核が含まれる合胞体として発生する。この時期に前後軸の決定を担うのが、bicoidとnanosのような【21】のグループである。bicoidとnanosのmRNAは、それぞれ卵形成期に将来の前端部と後端部に蓄えられ、受精後に翻訳されて前後に逆向きの濃度勾配を形成する。次に【21】の働きにより、hunchbackやkruppel、knirps、giant等の【22】と総称されるグループが胚の異なった領域で活性化し、大まかな区分けが起きる。細胞化が進んで合胞体期が終わると、さらにeven-skippedやfushi tarazuといった【23】のグループが活性化して、胚を【14 BMP 】の分節構造に分ける。これら各分節の前端あるいは後端で発現し、分節境界と分節内での前後軸極性を明確にするのが、engrailedやhedgehog、wingless等の【24】のグループである。その後、各分節では【25】のグループが発言し、位置情報に従った個性を与える。【25】にはantennapediaやultrabithorax等があり、いずれも【26】と呼ばれるDNA結合ドメインをもつ転写調節因子をコードし、同じ染色体上に1列に並んでいる。 【21】~【26】の選択肢 ①生殖細胞形成遺伝子 ②母性効果遺伝子 ③ペアルール遺伝子 ④相同遺伝子 ⑤ギャップ遺伝子 ⑥ホメオスティック遺伝子 ⑦セグメントポラリティ遺伝子 ⑧ジンクフィンガードメイン ⑨ホメオドメイン ⑩ロイシンジッパードメイン
2, 5, 3, 7, 6, 9
6
誤りを1つ選択せよ。
②約25,000種類の遺伝子のうち、いずれを活性化するには、主に翻訳の段階で決まる。
7
誤りを1つ選択せよ。
①エンハンサーはプロモーターに結合するタンパク質である。
8
誤りを1つ選択せよ。
③細胞間シグナリングに転写因子は関与しない。
9
誤りを1つ選択せよ。
②種顆粒に含まれるoskar遺伝子のmRNAは、受精後に合成される。
10
誤りを1つ選択せよ。
①父性染色体と母性染色体の間で相同組換えが起きるのは、減数分製の第二分裂である。
11
誤りを1つ選択せよ。
②異なる種類のカドヘリンが、お互いに結合する。
12
誤りを1つ選択せよ。
②ソニックヘッジホッグは脊素前板から分泌され、網膜の原基がふたつに分離するのを阻害する。
13
誤りを1つ選択せよ。
①Ephの発現量が多い視神経は、Ephrin濃度の高い中脳部位とシナプス結合を形成する。
14
誤りを1つ選択せよ。
③切り取った右肢芽の外胚葉を、左肢芽の間充識に被せて発生させると、左手の甲と平が反転する。
15
誤りを1つ選択せよ。
②水かきは外胚葉から形成される。アヒル肢芽の外胚葉をニワトリ肢芽の間充識に被せると、水かきを持つアヒルのような脚ができる。
16
誤りを1つ選択せよ。
③脊索で発現するSonic hedgehog(Shh)は、神経管背側の蓋板(ルーフプレート)に作用してShhの発現誘導する。
17
誤りを1つ選択せよ。
③一般に再生は、位置価の連続性を無視することにより、失われた部位を回復する。
18
誤りを1つ選択せよ。
③ナメクジウオは下顎骨を持たないが、ヤツメウナギは下顎骨を持つ。
19
誤りを1つ選択せよ。
②エンマコガネのオスは体の大きさに関わらず、角をできるだけ長く発達させてメスを獲得しようとする。
20
先体反応は卵子の中で起こる。
✕
21
先体から放出される酵素により、卵子に穴をあける。
○
22
エピジェネティック制御は、遺伝子が変異することにより調節されている。
✕
23
エピジェネティック制御とは、細胞が分化する過程で不要な遺伝子は捨てられていく。
✕
24
ES細胞やiPS細胞は生殖細胞には分化できない。
✕
25
一卵性多数子は親も子もクローンである。
✕
26
異種間の体細胞核移植の成功例はない。
✕
27
NT-ES細胞は、iPS細胞よりもES細胞に近い性質を持つ。
○
28
NT-ES細胞が抱える倫理的問題は解決済みである。
✕
29
クローンマウスは死んだ細胞からはできない。
○
30
iPS細胞から臓器を作製することはできない。
○
31
成体幹細胞の分裂速度は遅い。
○
32
造血幹細胞は血液中に存在する。
✕
33
一般的に幹細胞の増殖速度は遅い。
○
34
多能性幹細胞は、自己複製能を持つが分化能は持たない。
✕
35
がん幹細胞は分裂速度が遅く、放射線で傷ついたゲノムが修復される。
✕
36
現在の技術では、胎盤にだけ遺伝子を導入することはできない。
✕
37
8細胞期胚同士のキメラ胚は4倍体になる。
✕
38
CRISPR/Cas systemは、従来の方法より時間がかかる。
✕
39
CRISPR/Cas systemは細菌が持つ免疫システムを応用して開発された。
○
40
誤りを1つ選択せよ。
③ips細胞の作製過程には、クローン人間作製の危険性が伴う。
41
表層粒の膨化は、1つの卵子に多数の精子が融合するのを防ぐ
✕
42
細胞が分化する過程で不要な遺伝子は捨てられていく。
✕
43
iPS細胞を樹立するためには卵子が必要である。
✕
44
iPS細胞を用いて臓器を再生する試みがなされている。
○
45
iPS細胞は、がん細胞のゲノムの変異を正常化できる。
✕
46
がん細胞にも寿命はある。
✕
47
栄養外胚葉は将来胚体を形成する部分である。
✕
48
ノックアウトマウスは新生仔の遺伝子を改変することにより作製する
✕
49
CRISPR/Cas systemとは細菌が持つ免疫機構の1つである。
○