問題一覧
1
心理学分野において、「人格」は「比較的変わりにくい個人的特徴」と定義づけられる。
〇
2
ドイツの心理学者ヴント(Wundt,W.M.)は、個人差心理学と全体性心理学の知見をある程度、統合した。
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3
個人差心理学は、特にアメリカで、個人間の比較をより容易にした知能検査などの心理検査の開発や応用によって展開してきた。
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4
感情・人格心理学Ⅰの授業では、「性格・人格・パーソナリティ」を「個人が示す、独自で、時間や状況を超えて完全に一貫した行動パターン」と定義する
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5
個人差心理学は、計量的な方法で、行動の予測や変容を目的とする。
○
6
類型論とは,ある典型的な性質をもついくつかの類型に分けるという考え方であり,例としてクレッチマーの3気質の分類やユングの8つのパーソナリティのタイプなどが挙げられる。
〇
7
類型論は,一人ひとりのパーソナリティの独自性を理解できる一方,中間型が無視されやすいという特徴がある。
〇
8
特性論の一つであるキャッテルの行動評定は,語彙アプローチの方法をとり,アイゼンクの理論がもとになっている。
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9
5因子モデルは,外向性,調和性(協調性),誠実性(良識性・統制性),神経症傾向(情緒安定性・情緒不安定性),開放性(経験への開放性・知的好奇心)の5つの因子よりなる。
〇
10
現在の心理学研究において,血液型と人の性格の関係は否定されている。血液型性格論が普及しているのは,誰にでも当てはまるような一般的な性格の記述であるのに,自分だけに当てはまる正確なものだと判断してしまう「バーナム効果」や,性格特性のある部分に関する思い込みができると確信を強めてしまうような認知の歪みである「仮説確証バイアス」の影響が考えられる。
〇
11
行動の原因として重要なのは、個人の人格か、それとも個人がおかれている状況なのかという「人間ー特性論争(一貫性論争)」が約20年間にわたって続けられた。
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12
レヴィン(Lewin,K)は、人と環境の相互作用のモデルとして、B=f(P,E)という新相互作用論を提唱した。
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13
Aさんは授業にはいつも真面目に出席するがサークル活動は時々休み,Bさんは授業は常にさぼりがちだがサークル活動にはいつも熱心に参加している。この状況と行動との間に一貫したパターンがみられる安定したパターンを「首尾一貫性」という。
〇
14
行動主義的アプローチは、環境や状況の要因を重視し、人間性心理学的アプローチは、個人の主体的側面を重視する。
〇
15
フロイト(Freud,S)は、人間のこころを1つの装置と考え、その心的装置の意識・前意識・無意識の機能が力動的に関連し合い、具体的な行動を決定するという構造論を唱えた。
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16
人格の形成過程における外的要因は、個体の外側から働きかけるという環境要因のことであり、自然的、地理的、物理的環境の3つで構成されている。
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17
人格形成における遺伝の研究方法として、親子を対象とした横断的研究法や縦断的研究法が主流である。
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18
自分で自分の性格を一定の方向に意欲的、能動的に作っていこうとする「自己形成の要因」は、印象管理を伴う場合もある。
〇
19
行動遺伝学の三法則として、心理・行動的特徴では、同一家庭のきょうだいで共有されている環境の影響は、共有されていない環境の影響よりも大きい。
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20
人格の形成における一回性の要因によって、それまで希望してきた進路が変化する場合もある
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21
「子どもの気質が親の養育態度に与える影響と、親の養育態度が子どもの行動に及ぼす影響の相互の影響を考慮する必要がある」という考え方を、発達の相乗的相互作用モデルという。
〇
22
イギリスのボウルビィ医師が提唱した、生後6ヶ月頃から子どもにみられる、自分にとって重要な人間との間に形成する情緒的な絆は、何というか(漢字もしくはカタカナで回答)。
愛着
23
エリクソンは、アイデンティティの状態について、危機の体験の有無とコミットメントから4つの状態(アイデンティティ達成、モラトリアム、早期完了、アイデンティティ拡散)に分類した。
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24
養育者との分離ではあまり混乱せずに、再会しても養育者から一定の距離をとる。
回避型
25
養育者との分離では泣きわめき、再会すると近づいていくが、自分から離れたことを養育者に怒る。
アンビバレント型
26
養育者におびえ、初対面の見知らぬ人に笑顔で近づいていく。
無秩序・無方向型
27
養育者との分離時で泣くが、再会すると喜んで近づいていく
安定型
28
気質とは、発達初期より出現し、環境要因と影響を及ぼし合い、「行動上の個性の初期値」と定義される。
〇
29
アイデンティティ・ステイタスのひとつに、決断を先延ばしにしたり本業でない活動に没頭し過ぎたり等する「アイデンティティ拡散」がある。
〇
30
分析心理学者のエリクソンは、ライフサイクル論のなかで各発達段階のパーソナリティの正の構成要素のみを学べばよいと唱えた。
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31
心理学の先行研究においては、誠実性の高い人や神経症傾向の低い人が長生きしやすいと推測される。
〇
32
パーソナリティの相対的な位置の安定性については、再テスト法の相関関係を調べ評価されることが多く、50歳以上に各種の人格特性の一貫性が増す傾向である。しかし、自尊感情については中年期から高齢期にかけて一貫性が減少することが示唆されている。
〇
33
人間のライフサイクルを4段階に分け、最大の危機を中年期の転換期であると考えた。
ユング
34
ライフサイクルについて面接法を用いて実証的に研究をし、発達期の移行では新たに生活構造の再構築をしなければならないと考えた。
レビンソン
35
ライフサイクルの各発達段階には達成すべき発達課題があるという考えを提唱した。
ハヴィガースト
36
アメリカの心理学者Cronbachは,学習指導における適性処遇交互作用を提唱した。「適性」とはパーソナリティや学力,既有知識等の個人差を,「処遇」とは指導方法や課題,カリキュラム等の教授方法を指し,統計の分析をもとに導かれたものである。
〇
37
教師期待効果(ピグマリオン効果)に関する研究の問題点として,研究結果の再現性の点や一方向的な影響のみに焦点を当てた点等が挙げられる。
〇
38
学校場面では,子どもと教師,子ども同士,子どもと学校・学級の関係等の様々な関係があり,それぞれの関係が独立して子どもの人格へ影響を及ぼしている。
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39
仲間関係のなかで子どもは自ら積極的に関わり人格を形成していく場合もみられ,近年,「受動的な非行少年」観として研究されている。
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40
学校での問題行動が生じたとき,援助や介入の対象を,個人のパーソナリティと共に関係のあり方も含めると,より効果的である。
〇
41
心理学の先行研究において,自分と態度が類似している友人や社会的望ましさを感じている友人に対して,より魅力的であると感じる傾向が明らかとなっている。
〇
42
1人の人間が円滑にコミュニケーションをとれる人数は,5因子モデルをふまえると,150名程度と考えられている。
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43
仮想的有能感が高いけど,自尊感情は低いタイプ。日常生活での対人経験で敵意・抑うつを感じる傾向がある。
仮想型
44
仮想的有能感も自尊感情もともに低いタイプ。
萎縮型
45
仮想的有能感は低いけど,自尊感情は高いタイプ。
自尊型
46
仮想的有能感も自尊感情もともに高いタイプ。いじめの加害・被害経験ともに多い傾向がある。
全能型
47
抑うつ傾向が高くても,自尊感情が高かったり,安心さがし行動をあまりとらなかったりする人は,友人から拒絶されることは少ないと考えられる。
〇
48
養育者とのやりとりに基づき、子どもは「内的作業モデル」という自分や他者に対する安定した期待・信念を形成し、このモデルは成人期の親密な関係にも影響する。
〇
49
関係構築においてパーソナリティの好ましさが重視されているが、対人魅力の研究では、関係を形成する段階で類似性が、関係をさらに深めたり維持したりする段階で相補性が重要であると言われている。
〇
50
親密な関係にとって望ましい予言の自己成就傾向を引き起こすのは、アタッチメント・スタイルの関係に対して没頭するとらわれ型である。
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51
親密な関係の形成に重要なのはパーソナリティの好ましさと言われているが、社会的スキルの乏しい人はそれ以上のスキルの向上が望めないため親密な関係が形成できない
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52
自分が相手から愛されているか、拒絶されるのではないかという不安を常にもち、拒絶を強く意識し過ぎて相手をうんざりさせる言動は、親密な関係の悪化を招きやすい
〇
53
人間を個人としてではなくシステムの一部と考えるシステム論では,「夫婦間の不和が子どもの問題行動の原因になっている」という直線的因果律で考えるのではなく,“子どものささいな問題に対処しようと夫婦で話し合ったことがきっかけで潜在的な不和が表面化し,それをみた子どものストレスが問題行動につながったのかもしれない”という円環的因果律で捉える。
〇
54
「説き明かし・私の家族面接-初回面接の実際-」の動画では、アプローチ法が異なってもセラピストが介入のキーポイントとなると選び、その意味を説き明かした面接のダイジェスト場面は同じであった。また、面接を受けた家族へのフィードバック内容も共通していた。
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55
ヨコの関係とも言われるきょうだい関係は,その関係のみで個人差を説明するのは難しく,家庭内役割や社会的価値観,養育者のかかわり等の個人差への影響も考えられうる。
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56
夫婦間葛藤に対する子どもの恐れや自己非難等の認知の仕方によって,子どもの人格への影響が異なると考えられており,不和状態の夫婦によくみられるコミュニケーション・パターンの研究では「管理ー放棄」であることが指摘されている。
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57
人間の個人差について,遺伝と環境の影響を養子や双生児等を対象としたデータを用いて明らかにしようとする学問
人間行動遺伝学
58
養育者との間の情緒的な絆
アタッチメント
59
子どもの発達を支えているのは,親を含む多くの人々によって作られている社会的環境であるという考え
ソーシャル・ネットワーク理論
60
生まれてすぐにあらわれ,ある程度の期間,持続する行動の個人差
気質
61
促進焦点をとりやすい人は,いろいろやってみることの中でそれが上手くいくことがよくあり,成功した人を目標の対象としてイメージする傾向にある。
〇
62
否定的な自己意識的感情
恥、罪悪感
63
他者との比較を通した自己評価
妬み、嫉妬
64
肯定的な自己意識的感情
誇り、思い上がり
65
他者の印象形成に影響を及ぼすものとしてアクセシビリティが挙げられる。これは,符号化の仕方の個人差に影響を与えるものでもある。
〇
66
肯定的な自己意識的感情を抱きやすい人は,良好な対人関係を築きやすく精神的健康が高い適応的なパーソナリティで,否定的な自己意識的感情を抱きやすい人は,対人関係と精神的健康を悪化させやすく不適応的なパーソナリティである傾向が考えられる。
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67
長期的に求めているものに関する個人変数
目標と価値
68
自己,他者,出来事などの解釈に関する個人変数
符号化
69
目標を生みだすための行動の制御に関する個人変数
能力と自己制御計画
70
人格尺度が測定しようとしている人格特性をどの程度,正確に測定できているかを表す指標
妥当性
71
誤差の影響によって,人格尺度の得点が変化する度合いの小ささを表す指標
信頼性
72
質問紙法の長所として集団で実施可能で結果の判定が比較的容易で意識的操作がしにくい点がある。一方,短所としては性格構造の全体を把握することが難しい点である
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73
「観察者が教室の中から,グラウンドで遊んでいる子ども達の行動を観察する」方法について,最も当てはまる観察法の分類(観察事態ー観察形態)を1つ選びなさい。
自然的ー非参加観察
74
投映法(投影法)には,パーソナリティを測定するという目的のみならず,心理面接を進めるための手段として用いられる場合もある。
〇
75
面接法の種類のなかでも半構造化面接は,質問の順番が異なってもよく,追加の質問ができ,比較的構造に自由度がある。アイデンティティ・ステイタス面接も半構造化面接に該当する。
〇
76
現在の一般的な考え方として,人格障害は,パーソナリティの著しい偏りであり,「性格が悪いこと」を意味するものではない
〇
77
対人関係,自己像,感情などの不安定および著しい衝動性
境界性パーソナリティー障害
78
親密な関係では急に気楽ではいられなくなることや,親密な関係を形成する能力がないこと,認知や知覚の歪曲,一般的な人からみて著しく風変わりで奇妙にみえる行動
統合失調型パーソナイリティ障害
79
他者からの拒絶に対して極端な感受性を示し,そのために社会的に引きこもる
回避性パーソナイリティ障害
80
演技的で感情的できまぐれにみえ,激しい衝動性や情動性が突出する形で対人関係に困難を生じる
B群パーソナイリティ障害
81
対人関係から引きこもったり奇妙で風変わりにみえたりし,他者との共鳴性を著しく欠く形で対人関係に困難を生じる
A群パーソナイリティ障害
82
不安または恐怖を感じているようにみえ,自分に自信がないということで対人関係に困難を生じる
C群パーソナイリティ障害
83
人格と病理の連続性に関する議論は,明確な答えが出ているわけではないが,抑うつや社交不安障害,自閉症スペクトラム等,連続性を仮定している精神障害もある。
〇
84
精神医学では,正常と異常を考える場合,適応的基準,価値的基準,統計的基準,病理的基準という多次元的な基準が挙げられる
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