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短答【特実】4
  • EAA 352

  • 問題数 100 • 11/29/2023

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  • 1

    特許法第41条の規定による優先権の主張を伴う特許出願が特許庁に係属しているが、出願審査の請求又は出願公開の請求のいずれもされていない。当該特許出願の願書が特許庁長官に提出された日から1年6月を経過していない場合においても、特許庁長官は、その特許出願について出願公開することがある。

  • 2

    パリ条約による2以上の優先権の主張を伴う特許出願であって、出願公開の請求がなされていないものは、当該優先権の主張の基礎とした出願の日のうち最先の日から1年6月を経過する前に出願公開が行われる場合はない。なお、ほかのいかなる優先権の主張も考慮しないものとする。

  • 3

    甲は、特許出願Aをし、特許出願Aの日の後、特許出願Aを分割して新たな特許出願Bをした。この場合において、特許出願Bについて出願公開の請求がされず特許掲載公報の発行もされていないときは、当該分割の日から1年6月を経過する前に特許出願Bについて出願公開がされることはない。

  • 4

    特許出願Aを基礎とする特許法第41条第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願Bがなされた後、出願A及びBを基礎とする同項の規定による優先権の主張を伴う特許出願Cがなされた。この場合において、出願A及びBのいずれについても、出願公開されることはない。

  • 5

    出願公開の請求がされた場合、出願公開が行われる前に、拒絶をすべき旨の査定が確定したときであっても、必ず出願公開が行われる。

  • 6

    特許庁長官は、外国語書面出願について出願公開をする場合、その外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文が提出されているときは、当該外国語書面及び外国語要約書面に記載した事項を特許公報に掲載しないことができる。

  • 7

    願書に添付した要約書の記載に不備があった場合、特許庁長官は、当該要約書に記載した事項に代えて、審査官が作成した事項を特許公報に掲載することができる。

  • 8

    外国語書面出願が、特許法第36条の2第2項に規定する外国語書面の翻訳文が特許庁長官に提出されていないものである場合、特許出願人は、出願公開の請求をすることができない。

  • 9

    出願公開の請求をした特許出願人は、その出願公開の請求を取り下げることができる場合がある。

  • 10

    特許出願人が、当該特許出願に係る発明を業として実施している第三者に対して、出願公開後に当該特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をした。その後、特許請求の範囲を減縮する補正がされた場合、その第三者の実施している製品が補正の前後を通じて当該発明の技術的範囲に属するときは、再度の警告がされていないことを理由として、当該特許権の設定の登録後に補償金請求権(特許法第65条第1項の規定による補償金の支払請求権をいう。)を行使することが妨げられることはない。ただし、特許請求の範囲に記載された請求項の数は、当該補正の前後を通じて1つであるものとする。

  • 11

    出願公開に係る補償金の支払いを請求するための警告は、内容証明郵便でなされなければならない。

  • 12

    特許出願人が、特許法第65条第1項に規定する補償金の支払いを請求する場合は、必ず特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしなければならない。

  • 13

    甲のした特許出願Aについて、出願公開があった後、甲が出願Aに係る発明イの内容を記載した書面を提示して、出願Aに係る発明イを実施している第三者乙に対して警告をした場合であっても、乙が、出願Aに係る発明イの内容を知らないで自ら発明イをし、出願Aの出願の際現に日本国内において発明イの実施である事業の準備をしていたときは、出願Aに係る特許権の設定の登録がされても、乙は補償金を支払う義務を負わないことがある。

  • 14

    物の発明に係る特許権Aの特許権者甲は、特許権Aの設定の登録前に当該発明に係る物を業として使用していた乙に対して、特許権Aの設定の登録後に、特許法第65条第1項に規定する補償金の請求権を行使した。乙が特許権Aの設定の登録後も引き続き当該発明に係る物を業として使用した場合に、甲は、特許権Aの侵害を理由として損害賠償の請求をすることができる場合がある。

  • 15

    特許出願が実用新案登録出願に変更され、当該実用新案登録出願が実用新案登録を受けた場合であっても、特許法第65条第1項に規定する出願公開に基づく補償金請求権を行使できる場合がある。ただし、実用新案登録に基づく特許出願は考慮しないものとする。

  • 16

    出願公開に係る補償金請求権は、出願公開後に特許出願が放棄され、又は取り下げられた場合のみ、初めから生じなかったものとみなされる。

  • 17

    特許料の納付が猶予され、納付の猶予後の期間内に特許料を納付せず、その期間が経過した後の特許料を追納することができる期間内に、納付が猶予された特許料及び割増特許料を納付しなかったことにより特許権が初めから存在しなかったものとみなされた後は、それ以前に補償金請求権が生じていたとしても、当該補償金請求権を行使することができる場合はない。

  • 18

    特許法第65条第1項に規定する出願公開に基づく補償金請求権は、当該請求権を有する者が特許権の設定の登録前に当該特許出願に係る発明の実施の事実及びその実施をした者を知ったときは、特許権の設定の登録の日から3年を経過した後は行使することができない。

  • 19

    特許権の設定の登録の日から3年を経過したときは、その特許権に係る特許出願の出願公開に係る補償金請求権を行使することができる場合はない。

  • 20

    補償金請求権の訴訟においては、裁判所が補償金額を立証するために必要な事項について鑑定を命じたときに、当事者が鑑定人に対して鑑定をするために必要な事項について説明する義務を負うことはない。

  • 21

    特許法上の規定によれば第1年から第3年までの各年分の特許料の納付がなくても特許権の設定の登録がされる場合がある。

  • 22

    特許庁長官は、特許権の設定の登録があった場合において、その特許出願について出願公開がされておらず、かつ、必要があると認めるときは、願書に添付した要約書に記載した事項に代えて、自ら作成した事項を特許公報に掲載することができる。

  • 23

    第一国出願の日の後に日本国において特許出願がなされ、その特許出願がパリ条約による優先権の主張を伴う場合、特許権の存続期間は、当該第一国出願の日から20年をもって終了する。ただし、特許権の存続期間の延長登録出願はないものとする。

  • 24

    甲は、特許出願Aをし、特許出願Aの日の後、特許出願Aを分割して新たな特許出願Bをした。この場合において、特許出願Bについて特許権の設定の登録がされたとき、この特許権の存続期間は、当該分割の日から20年をもって終了する。ただし、特許権の存続期間の延長登録の出願はないものとする。

  • 25

    政令で定める処分を受けるために特許発明の実施をすることができない期間は、その処分の申請人にその処分が到達することにより処分の効力が発生した日の前日を終期とする。

  • 26

    特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分である医薬品医療機器等法所定の医薬品の製造等の承認を受けることが必要であるために特許発明の実施をすることができなかった期間の初日は、その承認を受けるのに必要な試験を開始した日又は特許権の設定登録の日のいずれか遅い方の日である。

  • 27

    政令で定める処分を受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があったときは、5年を限度として、延長登録の出願により特許法第67条第1項に規定する存続期間を延長することができる。

  • 28

    特許権に係る特許発明の実施をするために政令で定める処分βが必要である場合において、その処分βに先行する政令で定める処分αに係る実施の態様が、その特許権についてのいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは、その先行する処分αがされていることを根拠として、その特許権の特許発明の実施に処分βが受けることが必要であったとは認められないということはできないことがある。

  • 29

    特許法第67条の3第3項の延長登録(期間補償のための延長登録)によって存続期間が延長されたとき、当該延長期間内であれば特許法第67条第4項の延長登録の出願(医薬品等に係る延長登録の出願)をすることができる。

  • 30

    共有に係る特許権について、共有者の一人が、他の共有者の同意を得て単独で特許権の存続期間の延長登録の出願をした場合には、拒絶の理由とならず、延長登録無効審判の請求理由にも該当しない。

  • 31

    特許権の存続期間の延長登録の出願があったとき、その出願の拒絶をすべき旨の査定が確定した場合及び特許法第67条の7第3項の延長登録(医薬品等に係る延長登録)があった場合を除き、同法第67条第1項に規定する存続期間は延長されたものとみなされる。

  • 32

    特許権者は、特許法第67条第1項に規定する存続期間が特許法第67条第4項に規定する政令で定める処分に基づいて延長されているときに、当該処分とは異なる処分に基づいて延長登録を受けることができる場合がある。

  • 33

    特許法第67条第4項の延長登録の理由となる処分を受けることが必要であるために特許発明の実施をすることができなかった期間が3年である場合において、当該延長登録出願の出願人が4年の存続期間の延長を求めたときは、審査官は、当該延長を求める期間がその特許発明の実施をすることができなかった期間を超えていることを理由とした拒絶の理由を通知しなければならない。

  • 34

    特許法第67条第4項の延長登録の出願(医薬品等に係る延長登録の出願)に関し、特許発明の実施をすることができなかった期間が6年であったので、当該延長登録出願の出願人が6年の存続期間の延長を求めた。この場合、「延長を求める期間が6年であること」は、拒絶の理由となる。

  • 35

    特許権についての専用実施権を有する者が、特許法第67条第4項の政令で定める医薬品医療機器等法に規定する医薬品に係る承認を受けた場合、当該専用実施権者は、医薬品等の特許権の存続期間の延長登録の出願をすることができる。

  • 36

    審判官は、特許法第67条第4項に規定する特許権の存続期間の延長登録の出願(いわゆる医薬品等の延長登録出願)に係る事件について、その特許権に係る特許出願の審査において、その査定に審査官として関与したときは、その職務の執行から除斥される。

  • 37

    ラジオ受信機の発明につき特許権の設定の登録がなされている場合、個人が当該特許権者の許諾を得ずに趣味として当該特許発明の技術的範囲に含まれるラジオ受信機を1台製造して家庭内に設置し、個人で楽しむためにラジオ放送を受信する行為は、特許権の侵害となる。

  • 38

    専用実施権の設定の登録がなされると、設定行為で定めた範囲内において、特許権者と専用実施権者とが特許発明の実施をする権利を共有する。

  • 39

    特許法上、特許発明の実施が特許権者の行為であれば、当該特許権に関する権利の侵害となる場合はない。

  • 40

    日本に特許権を有する特許権者甲が、譲受人乙との間で当該特許発明に係る特許製品の販売先から日本を除外する旨を合意した上で、国外において当該製品を譲渡した場合、譲受人乙の販売した当該製品を国外で購入した第三者丙が、当該製品を業として日本に輸入しようとしたとき、甲は、常にその輸入行為を差し止めることができる。

  • 41

    特許権者が日本において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ、それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは、特許権者は、その特許製品について、日本で特許権を行使することができ、上記にいう特許製品の新たな製造に当たるかどうかについては、当該特許製品の属性、特許発明の内容、加工及び部材の交換の態様のほか、取引の実情等も総合考慮して判断される。

  • 42

    メガネ製造会社丙が、特許発明「メガネの洗浄方法」に係る特許権Pと、その特許発明の実施にのみ使用する特許発明「メガネの洗浄装置」に係る特許権Qを有する場合において、Pに係る方法はQに係る装置以外の装置によっても使用できるとき、甲が丙から購入したQに係る装置によって、Pに係る方法を使用する行為は、特許権の侵害となる。

  • 43

    特許請求の範囲を「物質aを有効成分として含有する医薬品」とする特許権の存続期間が延長された場合の当該特許権の効力は、その延長登録の理由となった特許法第67条第4項の政令で定める処分である医薬品医療機器等法の承認が[有効成分として物質a、効能・効果として消化促進]を備えた医薬品についてされたものである場合には、[有効成分として物質a、効能・効果としてかゆみ止め]を備えた医薬品を業として生産する行為には及ばない。

  • 44

    甲が医薬品についての特許権を有する場合に、乙が特許権の存続期間の終了後に当該医薬品と有効成分等を同じくする医薬品を製造、販売することを目的として、その製造につき所定の法律に基づく承認申請をするため、特許権の存続期間中に、特許発明の技術的範囲に属する医薬品を生産し、これを使用して前記申請に必要な試験を行うことは、特許法条の「試験又は研究のためにする特許発明の実施」に当たり、特許権の侵害とはならない。

  • 45

    「医薬品」に係る発明の特許権の存続期間満了後に当該特許発明に係る医薬品と有効成分等を同じくする医薬品を販売する目的で、その特許権の存続期間中に当該特許発明の技術的範囲に属する医薬品を製造し貯蔵する行為には、特許権の効力が及ぶ場合はない。

  • 46

    特許権の効力は、試験又は研究のためにした特許発明の実施により生産された物を業として販売する行為には及ばない。

  • 47

    「自転車」に係る特許発明の技術的範囲に属する自転車が、当該特許出願の時から日本国内にある場合、その自転車の所有者が特許法第79条に規定する先使用による通常実施権を有しないときであっても、その自転車には当該特許権の効力が及ばない。ただし、当該特許出願は、分割又は変更に係るものでも実用新案登録に基づく特許出願でもなく、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。

  • 48

    2つの医薬を混合して医薬を製造するための方法の発明に係る特許権が存在する場合、医師の処方せんによって医薬を調剤する薬剤師の行為が、当該発明を実施することになるとき、当該薬剤師の調剤行為に当該特許権の効力が及ぶ。

  • 49

    特許権侵害訴訟において、特許請求の範囲に記載された構成と対象製品の構成に異なる部分が存する場合であっても、その異なる部分が特許発明の本質的部分であるときは、対象製品の当該構成の異なる部分が特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、当該対象製品は、特許発明の技術的範囲に属すると解される。

  • 50

    特許権侵害訴訟において、特許請求の範囲に記載された構成中に、その特許権を侵害したと主張されている相手方製品と異なる部分が存するとしても、当該相手方製品は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、その特許発明の技術的範囲に属すると解される場合がある。その場合、特許権の侵害を主張する者は、特許請求の範囲に記載された構成のうち、相手方製品と異なる部分をその相手方製品におけるものと置き換えることについて、当業者が当該特許権の設定登録の時点において容易に想到し得たことを、要件の1つとして主張し、立証しなければならない。

  • 51

    出願人である特許権者が、その特許出願時に、特許請求の範囲に記載された構成中の被疑侵害品(以下「対象製品」という。)と異なる部分につき、対象製品に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず、これを特許請求の範囲に記載しなかった場合には、当然に、対象製品が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するから、対象製品は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するとは解されない。

  • 52

    特許権侵害訴訟においては、特許発明の技術的範囲を認定するために、当該特許に係る出願の経過を参酌することができない。

  • 53

    特許請求の範囲の請求項の記載が機能的な表現を含んでいる場合、その請求項に係る特許発明の技術的範囲は、常に願書に添付した明細書に記載した実施例に限定して定められる。

  • 54

    特許発明の技術的範囲を定めるにあたって、発明の詳細な説明には記載されているが特許請求の範囲には記載されていない事項を特許請求の範囲に記載されているものと解釈することは許されない。

  • 55

    特許権の侵害訴訟における特許発明の技術的範囲の解釈においては、特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか、あるいは一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情のある場合に限って、明細書の発明の詳細な説明を参酌することが許される。

  • 56

    特許庁の判定においては、特許発明の技術的範囲を認定するために、願書に添付した要約書の記載を考慮することができる。

  • 57

    特許庁の判定においては、具体的な製品が他人の特許発明の技術的範囲に属するか否かについての判断を求めることができる。

  • 58

    甲及び乙の共有に係る特許権に関し、甲は、乙と共同でなければ、その特許発明の技術的範囲について、特許庁に対して判定を求めることができない。

  • 59

    判定の審理が口頭審理によりなされる場合、その口頭審理は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるときに限り、非公開で行われる。

  • 60

    特許発明の技術的範囲に関する判定の結果について利害関係を有する者であっても、当該判定の審理に参加することはできない。

  • 61

    判定の審理において、判定請求人の申し立てない理由については審理することができない。

  • 62

    判定の請求は、答弁書の提出があった後は、相手方の承諾を得なければ取り下げることができない。

  • 63

    特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。判定は、第三者に対しては法律的な拘束力を有しないが、当事者に対しては法律的な拘束力を有する。

  • 64

    特許発明の技術的範囲についての判定は、利害関係人の権利義務に直接関係し、その法律上の利益に影響を与え得るものであることから、判定を求めた者は、自己に不利益な判定に対して、行政不服審査法上の不服申立てをすることができる。

  • 65

    特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があったときは、審判官を指定して、その鑑定をさせなければならず、その鑑定は、5人の審判官の合議体が行う場合がある。

  • 66

    特許権者は、その特許発明がその特許出願の日の出願に係る他人の特許発明を利用するものであるときは、業としてその特許発明の実施をすることができない。

  • 67

    甲及び乙の共有に係る特許権に関し、その特許発明イが、その特許出願の日前の出願に係る乙の特許発明ロを利用するものであるときは、甲は、特許発明ロを実施する何らかの権原がない限り、業として発明イを実施することができない。

  • 68

    甲及び乙の共有に係る特許権に関し、甲は、乙の同意を得なくても、その持分を移転することができる場合がある。

  • 69

    特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡すること、その持分を目的として質権を設定すること及びその持分を放棄することのいずれもできないと、特許法に規定されている。

  • 70

    特許権が共有に係るとき、各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、その特許発明の実施をすることができない場合がある。

  • 71

    甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙及び丙に対して、両者の共有とする専用実施権を設定し、その登録がされている場合、乙は、契約で別段の定めをした場合を除き、甲及び丙の同意を得ることなく、その特許発明の実施をすることができる。

  • 72

    特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者全員の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定することができないが、他の共有者全員の同意を得なくとも、他人に通常実施権を許諾することができる場合がある。

  • 73

    特許法第123条第1項第6号に規定する要件(いわゆる冒認出願)に該当する特許に基づく特許権が冒認者から真の権利者以外の第三者にすべて譲渡されていた場合、当該真の権利者は当該冒認者に対して当該特許権の移転を請求することができる。

  • 74

    甲と乙は共同で発明をし、特許を受ける権利を共有していたところ、乙及び丙が甲に無断で当該発明について共同で特許出願をし、その後特許権を取得し、共有するに至った。この場合、甲が丙に対して当該特許権の自己の持分の移転を請求し、当該請求に基づく特許権の持分の移転の登録があったときは、その特許権の持分は初めから甲に帰属していたものとみなされる。なお、上記以外の特許出願はないものとする。

  • 75

    特許権が共有に係るときは、各共有者は、相続その他の一般承継の場合を除き、必ず他の共有者の同意を得なければその持分を移転することはできない。

  • 76

    特許権者が死亡し、民法第952条2項(相続人の捜索の公告)の期間内に相続人である権利を主張する者がないときは、相続財産である特許権は国庫に帰属する。

  • 77

    甲が自己の特許権について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、丙に対して、当該特許権についての専用実施権を設定することができる場合はない。

  • 78

    通常実施権については、時間的、内容的、地理的等の制限を付すことができるが、専用実施権については、このような制限を付すことはできない。

  • 79

    甲が自己の特許権について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、乙の専用実施権は、実施の事業とともにする場合又は甲の承諾を得た場合に限り移転することができる。

  • 80

    特許権者甲は、乙に対してその特許権に関して設定行為で実施の範囲を制限することなく通常実施権を許諾し、その後、丙に対してその特許権に関して設定行為で実施の範囲を制限して専用実施権を設定し、その登録がされたとき、丙は、甲及び乙の両者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権について質権を設定することができる。

  • 81

    甲が自己の特許権について乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合において、乙は、甲の承諾を得て当該専用実施権について丙に質権を設定しその登録がされた。その後、丙が当該質権を実行して当該専用実施権を丙に移転するときは、当該移転について甲の承諾が必要である。

  • 82

    専用実施権が甲と乙の共有に係るときは、甲は、実施の事業とともにする場合であっても、乙の同意を得なければ、自己の持分を第三者に譲渡することができない。

  • 83

    従業者が職務発明について特許を受けた後に、当該特許権を使用者に譲渡した場合、その使用者がその特許権について有していた特許法第35条第1項に規定する通常実施権が消滅しない場合がある。

  • 84

    甲は発明イをし、発明イに係る特許出願Aをした。この場合、乙が特許出願Aに係る発明イの内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願Aに係る発明イの内容を知らないでその発明をした者から知得した場合であっても、乙が甲より後に発明イをしたときは、乙に先使用による通常実施権は認められない。

  • 85

    乙は、甲による発明イの内容を知らずに甲と同じ発明イをし、発明イを実施する事業を計画した。甲が発明イに係る特許出願をしたとき、乙は、発明イの実施品である製品Xの製造販売事業を行うにあたり必要となる機械を購入する目的で、銀行に対し資金借入れの申込みを行っている状態であった。乙が製品Xの製造販売事業を開始した後、甲による発明イに係る出願は特許権として登録された。この場合、上記申込みは特許法第79条(先使用による通常実施権)における「事業の準備」に該当しない。

  • 86

    特許法第79条に規定する通常実施権(先使用による通常実施権)は、特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者に対して、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において認められるものであり、特許出願の際に存在しなかった製造装置による実施行為について認められることはない。

  • 87

    ある発明に関し、特許を受ける権利を有しない甲による出願について特許権の設定登録がされた後、その発明について特許を受ける権利を有する乙が、その特許権の移転の登録を受けた。その移転の登録の際現にその特許権についての通常実施権を有していた丙は、その移転の登録の前に、その特許がその発明について特許を受ける権利を有しない者による出願に対してされたものであることを知らないで、日本国内においてその発明の実施である事業をしていた。丙は、その実施をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。

  • 88

    特許法における通常実施権の規定には、特許法第35条第1項に規定する職務発明に係る特許権についての通常実施権及び同法第79条に規定する特許権についての先使用による通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することは規定されていないが、同法第79条の2に規定する特許権の移転の登録前の実施による通常実施権、同法第80条に規定する特許権についての無効審判の請求登録前の実施による通常実施権及び同法第82条に規定する意匠権の存続期間満了後の特許権についての通常実施権については、当該特許権者は当該通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有することが規定されている。

  • 89

    実用新案登録に係る考案と特許に係る発明とが同一である場合に、実用新案登録無効審判において実用新案登録を無効にしたとき、もとの実用新案権者であって、その無効審判の請求の登録前に、その実用新案登録が無効理由を有することを知らないで、日本国内においてその考案の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施又は準備をしている考案及び事業の目的の範囲内において、その実用新案登録を無効にした場合における特許権又はその際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

  • 90

    同一の発明イについての特許A及び特許Bのうち特許Aが特許無効審判により無効にされた場合において、その特許無効審判の請求の登録の際現にその無効にした特許Aに係る特許権についての先使用による通常実施権を有する者は、特許Bについて先使用による通常実施権を有しないときでも、特許Bに係る特許権についての通常実施権を有することがある。

  • 91

    甲の特許出願の日前の意匠登録出願に係る乙の意匠権がその特許出願に係る甲の特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、原意匠権者乙は、原意匠権の範囲内において、当該特許権について通常実施権を有し、甲は、乙から相当の対価を受ける権利を有する。なお、甲の特許権に専用実施権は設定されていないものとする。

  • 92

    特許権者甲は、特許出願の日から3年を経過した日に特許権の設定の登録を受けた。その登録の日から更に4年を経過した日から、甲は、その特許発明について適当な実施を開始し、現在に至るまで継続している。その後、第三者乙は、甲に対し、その特許権について、特許法第83条第2項に規定する不実施の場合の通常実施権の設定の裁定の請求の前提となる協議を求めることはできない。

  • 93

    特許発明の実施が係属して3年以上日本国内において適当にされていなければ、当該特許発明を実施しようとする者は、特許法第83条第1項(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)の規定により、いつでも当該特許発明に係る特許権者に通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

  • 94

    日本国内において、特許権の設定の登録の日から継続して5年以上、その特許発明の実施が適当にされていないとき、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対して通常実施権の許諾について協議を求め、この協議が整わなかったときは、特許庁長官の裁定を請求することができる。

  • 95

    特許法第83条第2項(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)の裁定の請求があったとき、登録していない質権者でもその裁定の請求について意見を述べることができる。

  • 96

    特許法第93条第2項(公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)に規定する裁定に関しては、経済産業大臣は、通常実施権を設定すべき旨の裁定をしようとする場合のみならず、請求を棄却する旨の裁定をしようとする場合であっても、工業所有権審議会の意見を聴かなければならない。

  • 97

    特許権Aに係る特許発明の実施をしようとする乙が、特許権Aについて不実施の場合の通常実施権の設定の裁定(特許法第83条)を請求した場合、通常実施権を設定すべき旨の裁定(同法第86条第2項第1号)において定めなければならない「通常実施権を設定すべき範囲」には、時期、地域的範囲、実施することができる発明の範囲等のあらゆる制限的事項が含まれる。

  • 98

    特許法第83条第2項の規定により通常実施権を設定すべき旨の裁定がされたときに、裁定で定めるところにより、当事者間に通常実施権の許諾についての協議が成立したものとみなされる。

  • 99

    通常実施権の設定を受けようとする者が裁定で定める支払の時期までに対価の支払又は供託をしないときは、経済産業大臣又は特許庁長官は、通常実施権を設定すべき旨の裁定を取り消さなければならない。

  • 100

    特許庁長官は、特許法第83条第2項(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)の規定により通常実施権を設定すべき旨の裁定をした後に、裁定の理由の消滅その他の事由により当該裁定を維持することが適当でなくなったとき、又は通常実施権の設定を受けた者が適当にその特許発明の実施をしないときは、利害関係人の請求により又は職権で、裁定を取り消すことができる。