問題一覧
1
術前の口腔ケア指導の有無と手術後肺炎の発症の関連を調べるために、術前に口腔ケアを実施する患者150人と実施しない患者150人をサンプリングし、術後に肺炎を発症したかどうかを調査した。結果は、相対リスクが0.6、95%信頼区間は0.8~12.1であった。
この疫学研究は、前向きコホート研究である。, 相対リスクが0.6とは、口腔ケアを指導した患者が肺炎を起こす確率は、口腔ケアを指導しない患者の肺炎を発症する確率の40%の肺炎減少効果を示す。
2
ある集団1,000人の体重を測定した結果、平均値55㎏、標準偏差5㎏で正規分布を示した。正しいのはどれか。
50㎏から60㎏の範囲におよそ682人いる。, 45㎏以下の人はおよそ25人である。
3
抗菌薬に関する説明で正しい組み合わせはどれか。
外膜変化とは、細菌を覆っている膜を変化させて薬の流入を防ぐことである。, 排出ポンプとは、細菌内に入ってきた抗菌薬を外に汲み出す仕組みである。
4
感染症に関する説明について正しいものはどれか。
デング熱はヒトスジシマカなどの蚊に刺されることで感染し、原因微生物はウイルスである。
5
感染症に関する説明で正しいものを2つ選べ。
RSウイルス感染症は初感染した場合に重症になりやすい。, 伝染性単核症のほとんどがEBウイルスによって発症する。
6
微生物検査における検体について、正しい組み合わせはどれか。
糞便は、膿性部、粘血性部があればその部分を採取する。, インフルエンザ検査では、後鼻腔ぬぐい液を採取する。
7
手術部位感染の予防策に関する説明で、正しいものはどれか。2つ選べ。
術前患者の鼻腔のMRSAスクリーニング監視培養検査は一律には行わない。, 皮膚消毒をする前に切開する部位および周辺を十分に洗浄清浄化し、汚れを取り除く。
8
防護環境に入室する面会者への指導内容で正しいものを2つ選べ。
全身に発疹のある人は面会を禁止する。, ポリオ経口ワクチン内服後3~6週間以内の人は面会を禁止する。
9
Clostridioides difficile(C.difficile) に関する説明で正しいものを2つ選べ。
C.difficile感染症の診断にはC.difficile抗原検査とトキシン検査を行う。, C.difficile感染症は、不要な抗菌薬を中止してから治療を始める。
10
結核に関して正しいものはどれか。2つ選べ。
潜在性結核症の化学療法としてINHおよびRFPの2剤併用療法を3~4か月行う。, 結核の原因菌は結核菌(Mycobacterium tuberculosis)であり、取り扱いはバイオセーフティレベル3(BSL-3)である。
11
2011年公開の「血管内カテーテル関連血流感染予防のためのCDCガイドライン」において推奨されている対策の正しいものはどれか。2つ選べ。
中心静脈カテーテルの挿入や被覆材を交換するときは、0.5%を超える濃度のクロルヘキシジンアルコール製剤を用いて皮膚消毒を行う。, 中心静脈カテーテル挿入部位を選択する際、成人の場合は鎖骨下静脈を使用する。
12
人工呼吸器関連肺炎に関する説明で、正しいものを2つ選べ。
抜管の可能性を毎日検討する。, 医学的に禁忌でなければ、経鼻気管挿管よりも、経口気管挿管を優先的に選択する。
13
2009年公開の「カテーテル関連尿路感染予防のためのCDCガイドライン」について正しいものを2つ選べ。
十分な排尿を確保できる、可能な限り最小径のカテーテルの使用をする。, 尿失禁管理のために、患者に尿道カテーテルを使用することを避ける。
14
感染経路別予防策に関する説明で正しいものを2つ選べ。
ウイルス感染のある免疫不全者は感染経路別予防策の期間を延長する。, 先天性風疹症候群の患者は接触予防策を実施する。
15
麻疹に関する説明で、正しいものを2つ選べ。
2015年に世界保健機構西太平洋地域事務所により、日本が麻疹の排除状態にあることが認定された。, 麻疹ウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することがある。
16
予防接種に関する説明で、正しいものを2つ選べ。
健康被害救済制度とは、接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものである。, MRワクチン接種後は2か月程度避妊する必要がある。
17
消毒薬の濃度と適応について正しいものを2つ選べ。
流行性角結膜炎患者に使用したスリーミラーレンズ(拡大鏡)は、洗浄後に0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム液に30分浸漬する。, 腸管出血性大腸菌O157感染症患者が使用した便座は、アルコールで清拭する。
18
ファシリティ・マネジメントに関する説明で、正しいものを2つ選べ。
手術室では、高性能以上のフィルターを使用し、周辺区域に対し陽圧を保つ。, 空気感染隔離室は、廊下との圧格差2.5Paを維持し、1時間に12回の換気を行う。
19
滅菌に関する説明で正しいものを2つ選べ。
過酸化水素ガスプラズマは、セルロースには適用できない。, 酸化エチレンガスの場合の生物学的インジゲーターの指標には、Bacillus atrophaeusを用いる。
20
あなたは病院の感染管理看護師です。透析室の看護師長から、「最近、感染症の患者が増えているので感染対策を見直したい」と相談がありました。 透析室における消毒について正しいものを2つ選べ。
透析用カテーテルを挿入する時の皮膚消毒には、0.5%を超える濃度のクロルヘキシジングルコン酸塩を含有するアルコールを使用する。, リネン類は患者ごとに交換することが望ましい。
21
あなたは病院の感染管理看護師です。透析室の看護師長から、「最近、感染症の患者が増えているので感染対策を見直したい」と相談がありました。 あなたは、各感染症への対策について指導することになりました。指導内容に関する正しいものを2つ選べ。
注射を準備する場所には、針捨て容器などを置かない。, 医療者は手指に外傷や創がある場合は創部を覆い、業務に従事する。
22
あなたは病院の感染管理看護師です。透析室の看護師長から、「最近、感染症の患者が増えているので感染対策を見直したい」と相談がありました。 透析室にHIV感染の患者が入室する予定のため、感染対策を見直しました。HIVの感染対策として正しいものを2つ選べ。
HIV感染者の感染対策として、穿刺針については安全機能付き穿刺針を用いる。, HIV曝露時の予防内服の開始は、できるだけ早くできるように薬剤を準備する。
23
細菌の構造に関する記述で正しいものはどれか。
グラム陰性菌の細胞壁には、物質の通過の調整や外界とのセンサーとしての働きをもつ。
24
細菌を同定するための検査法または反応名と同定される細菌の組み合わせで誤っているものはどれか。
コアグラーゼテスト・・・連鎖球菌
25
微生物名と染色法の組み合わせで正しいものはどれか
Legionella pneumophila・・・ヒメネス染色
26
エンベローブを持たないウイルスはどれか。
ロタウイルス
27
食中毒を引き起こさない細菌はどれか。
Clostridium tetani
28
微生物の略語と和名の組み合わせで誤っているものはどれか。
ESBL産生菌・・・メタロβラクタマーゼ産生菌
29
検体の採取・保存方法について正しいものはどれか。2つ選べ。
創傷部位の培養検体は、蒸留水で洗浄後、浸出液を吸引するか組織片を採取する。, 成人の血液培養検体は、1回につき2セット以上採取するのが望ましい。
30
検体採取に関する説明で正しいものはどれか。2つ選べ。
Miller & Jonesの分類とは、喀痰の肉眼的評価の基準である。, 感染症の診断に用いるペア血清は、発病後早期の急性期と回復期に採取する。
31
クロストリジウム・ディフィシルに関する記述で正しいものはどれか。
クロストリジウム・ディフィシル腸炎は、クロストリジウム・ディフィシルが産生する毒素によって引き起こされる。
32
微生物検査に関する説明で、正しい記載はどれか。2つ選べ。
抗酸菌はグラム染色では染まりにくいため、塗抹検査には、チール・ネルゼン法や蛍光染色法が用いられる。, Campylobacter jejuni の培養には、Skirrow培地を使用する。
33
微生物に関する説明で、正しい記述はどれか。2つ選べ。
アシネトバクター属は、グラム染色によって、桿状と球状の間の球桿状のグラム陰性菌として観察される。, A型インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子表面に存在する糖蛋白であるヘマグルチニンとノイラミニターゼの組み合わせにより、複数の亜型に分かれる。
34
微生物に関する説明で正しいものはどれか。2つ選べ。
Campylobacter jejuniに感染後、1~3週間でギラン・バレー症候群を発症することがある。, アデノウイルスは、感染性胃腸炎を引き起こすことがある。
35
小学校で下痢、腹痛を発症した児童が集団発生し、原因曝露日の学校給食の喫食調査を行った結果を表に示す。結果の解釈で正しいのはどれか。
牛乳が原因食品である可能性が高い。
36
耐性菌に関する説明で正しいものを2つ選べ。
外膜変化とは、細菌を覆っている膜を変化させて薬の流入を防ぐことである。, 排出ポンプとは、細菌内に入ってきた抗菌薬を外に汲み出す仕組みである。
37
次の文章を読み、ノロウイルスに関する説明で適切な答えを2つ選んでください。
培養細胞で再現性良く増殖させることができない。, ノロウイルスによる感染性胃腸炎は5類感染症の一部であり、小児科の定点届出感染症である。
38
次の文を読み、適切な答えを2つ選んでください。 1月13日時点での感染対策として適切なのはどれか。
1号室の患者は移動せず、患者全員に対して接触予防策を開始する。, 1号室の空床にはノロウイルス感染症の発症が終息するまで患者を入院させない。
39
次の文章を読み、行うべき感染対策として適切なものはどれか。2つ選べ。
1号室の共用トイレを次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。, 1号室の室内で吐物や便で汚染した可能性のある場所や高頻度接触面を次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。
40
次の文章を読み、表1のデータから、2020年における1,000中心ライン使用日数あたりのCLABSI発生件数で正しいのはどれか。
4.0
41
表1および表2のデータから得られる情報で正しいのはどれか。2つ選べ。
病院ICUにおける2020年度のCLABSI発生密度率は、JHAIS委員会サマリーデータの90パーセンタイル値を超えていたが、2021年度には中央値付近まで減少した。, 病院ICUでCLABSIサーベイランスを行う主要な目的は、日常的なCLABSIリスク評価と低減である。
42
CLABSIサーベイランスから得られるデータの精度を高める方法で正しいのはどれか。1つ選べ。
CLABSI発生件数は、一般に公開され、広く使われている疾患定義に基づいて明らかにする。
43
次の文を読み、心臓血管外科病棟で実施する感染対策について正しいものを2つ選べ。
E氏のみを402号室から個室に移動する, E氏の周囲の高頻度接触環境表面を、低水準消毒薬を含むクロスで1日1回以上拭く運用を開始する。
44
次の文章を読み、あなたは心臓血管外科医師と看護師に対し、手術部位感染予防策を提案することになった。提案する内容で正しいものはどれか。2つ選べ。
心臓血管外科手術を受ける患者に対し、術前にメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)およびMRSAの検出を目的とした鼻腔培養検査を実施し、MSSAまたはMRSAを保菌している患者にムピロシン2%軟膏を用いた除菌を行う。, 手術前日と手術当日に石けんによる皮膚の洗浄をするための入浴を行う。
45
次の文章を読み、1週間後、E氏と同室の患者3名のうち、2名からMRSAが検出された。1名は術後創の表層部位から、もう1名は胃管の圧迫創傷部から検出され、主治医によりMRSA感染と診断された。MRSAの検出がなかったもう1名の患者は、術後創部は治癒し、数日後に退院の予定である。この時の適切な感染対策について正しいものはどれか。2つ選べ。
新たにMRSAが検出された2名は同じ部屋でのコホートと接触予防策を実施し、MRSAが検出されなかった患者については、別室へ移動し、標準予防策を実施した。, MRSAのアウトブレイクの可能性を考え、該当の病棟に入院している患者にMRSAスクリーニング検査を実施する。
46
次の文を読み、この病院の内視鏡室で実施すべき感染防止対策はどれか。2つ選べ。
介助者の防護具は汚染した場合に交換する。, 介助者は検査室の外に出るときは防護具を外して手指衛生する。
47
次の文章を読み、内視鏡室での耐性菌の伝播予防対策として正しいのはどれか。2つ選べ。
ベッドサイドで吸引・鉗子チャンネルの吸引洗浄を実施する。, 吸引・鉗子チャンネルは、ブラシを用いてすべてのチャンネルをブラッシングする。
48
次の文を読み答えなさい。あなたは病棟に勤務する職員にMBL-ECについて説明することになりました。MBL-ECに関する説明で正しいものはどれか。2つ選べ。
カルバペネム耐性Enterbacter属菌には、カルバペネマーゼを産生せず、染色体性のクラスC型β-ラクタマーゼ産生と膜の透過性低下により、カルバペネム耐性を示すものが多い。, カルバペネマーゼは、IMP型やNDM型を含むメタロ‐β-ラクタマーゼと、KPC型やOXA-48型を含むセリン型カルバペネマーゼに大別される。
49
次の文章を読み、G氏からのMBL-EC検出を受けて、6月5日時点で行う必要がある感染対策の内容で正しいものはどれか。2つ選べ。
G氏を個室に隔離する。, G氏のケアをする職員は、手指衛生後に手袋とガウンを装着する。
50
次の文章を読み、以下の問いに答えよ。 病院では、入院4日目以降に検出された耐性菌を院内獲得と判定しています。この病棟における6月のMBL-EC発生状況に関する説明で正しいものはどれか。適切な答えを2つ選べ。
耐性菌の発生率(incidence rate)は、観察期間中に存在するすべての保菌患者数を分子として計算する。, MBL-ECの有病率(prevalence rate)は、1%である。
51
次の文を読み、麻疹に関する記述で正しいものを2つ選べ。
診断はウイルス遺伝子の検出とIgM抗体・IgG抗体検査の併用が望ましい。, 麻疹肺炎は比較的多い合併症で麻疹脳炎とともに二大死亡原因といわれている。
52
次の文章を読み、7月4日時点での麻疹の感染対策として正しいのはどれか。
保健所への連絡と同時に、麻疹の免疫のある職員が患者の検査・会計などの対応をし、なるべく他の人と接触しないようにして帰宅させる。
53
次の文章を読み、H氏の接触者への対応で正しいものはどれか。2つ選べ。
H氏の検査結果に関わらずH氏と同室にいたすべての人を対象に、ワクチン接種歴・罹患歴を確認し、免疫不明の人にワクチン接種・グロブリン投与を、同意を得て実施する。, H氏に接触した免疫不明の職員は、7月9日から7月25日までは就業停止の対象とする。