問題一覧
1
日照と日射の違いは何か。
可視光線(光)と紫外線(化学的効果)を利用するものが日照、赤外線(熱)を利用するのが日射
2
建築物の日影を検討する際、注意すべきことは
もっとも条件の悪い冬至の日影で検討する。長時間日影となる範囲は東西方向の幅が大きく影響する。
3
日照率の計算式を答えよ
日照率=日照時間/可照時間×100%
4
全天日射、直達日射、天空日射の関係を説明せよ
直達日射は太陽からの直射によるエネルギー、天空日射は散乱光からの放射エネルギー、すべてあわせたものが全天日射。天空日射は直達日射の1/7程度
5
建物各面の終日直達日射量の略図を書け
写真参照
6
外部から窓ガラスを通して室内に侵入する日射にはどのようなものがあるか。また、入射した日射量に対するこの日射の熱量の率をなんと呼ぶか
ガラスを透過した日射量とガラスに吸収された後室内側に再放射された熱量がある。入射量に対する率は、日射熱取得率と呼ぶ
7
西向き窓に有効な日射の遮蔽物を答えよ
可動型鉛直(縦型)ルーバ
8
可視光の波長の範囲を答えよ。明所視でもっとも比視感度の高い色とその波長を答えよ
可視光は380~780nm 明所視で比視感度が高いのは波長555nmの黄緑色(暗所視は480nm付近の青緑色)
9
光束、光度、照度を説明し、それぞれの単位を答えよ
光束 F 単位時間に流れる光のエネルギー量で光源全体の明るさを示す。単位はlm(ルーメン) 光度 I 点光源のある方向の明るさを示す量。単位立体角あたりの光束の量。単位はcd(カンデラ)またはlm/sr(ルーメンパーステラジアン) 照度 E 受照面の単位面積あたりに受ける光束の量。単位はlx(ルクス) 点光源からの照度Eは光源の光度Iに比例し、光源からの距離rの二乗に反比例する。これを逆二乗の法則という
10
採光計画時の太陽光の扱いについて注意事項を答えよ
直射日光を除く天空光だけの照度を用いる
11
水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプの特長と違いを述べよ
すべて高輝度放電(HID)ランプで高天井空間や屋外照明に用いる。水銀ランプを基本にメタルハライドランプは演色性、高圧ナトリウムランプは効率が改善されている。
12
色の3属性を日本語と英語合わせて答えよ
色相(Hue:ヒュー) 明度(Value:バリュー) 彩度(Chroma:クロマ)
13
マンセル表色系の記号表示の順番を答えよ。また、それぞれ何階調設定されているか
色相・明度/彩度 色相は10色相、明度は0~10の11段階、彩度は1~14の14段階
14
安全色には何色があるか。また、対比色とは何か
赤(禁止、高度の危険、防火) 黄赤(危険、航海の保安施設) 黄(注意) 緑(安全) 青(指示、誘導) 赤紫(放射能) の6色 対比色は安全色を引き立たせたり、文字や記号に使用する無彩色のこと
15
温熱環境6要素を答えよ あわせて、OTとは何か設定せよ
《環境要因》気温、湿度、気流、放射 《人間側の要因》代謝量、着衣量 気温、気流、放射の3要素で示される指標を、作用温度OTといい、静穏な気流の下では室温と平均放射温度MRTの単純平均値とすることもできる
16
代謝量について、単位とSI単位系への変換、室温との関わりによる特性を説明せよ
単位met(メット)で表す。椅座安静時の代謝量を1met(58.2W/㎡)とする。 潜熱(汗の蒸発などに使われる)と顕熱があり、室温が上がると潜熱が増加し顕熱が減少する。
17
ビル衛生管理法に定める室内環境基準を答えよ(7つ以上)
温度 18~28℃ 湿度 40~70% 気流速度 0.5m/s以下 二酸化炭素 1,000ppm以下 一酸化炭素 6ppm以下 浮遊粉じん 0.15mg/m3以下 ホルムアルデヒド 0.1mg/m3以下 ほか、クロルピリホス 使用禁止 二酸化窒素 0.04~0.06ppm
18
必要換気量Qと換気回数Nを求める公式を答えよ
Q=発生量/(室内のCO2濃度Piー室内のCO2濃度Po) N=換気量Q/室の容積V
19
風力換気量Qwを求める公式を答えよ。 有効開口面積αA、風速v(秒速)、風上の風圧係数C1,風下の風圧係数C2とする
Qw=αAv×√(C1―C2) ×3600 m3/h
20
温度差換気量Qtを求める公式を答えよ。 有効開口面積αA、開口の高さの差h、高温側の温度t1,低温側の温度t0(いずれも摂氏)とする
Qt=αA×√2gh×(t1―t0)/(273+t1) ×3600 m3/h
21
第1種換気、第2種換気、第3種換気の特徴を説明せよ
第1種換気 吸気と排気の両方を機械で行う。室内圧を自由に設定でき、高気密住宅や屋内駐車場などに採用される 第2種換気 吸気を機械で行う。室内は正圧になり、外部から汚染空気が流入しないため清浄室などで採用される。燃焼用空気を供給するためボイラー室にも 第3種換気 排気を機械で行う。室内は負圧になり、内部で発生する臭いなどを外部に漏らさないためトイレや厨房で採用される。
22
熱の伝わり方を3つ答えよ。また、熱伝達について説明せよ
熱伝導、熱対流、熱放射(ふく射) 熱伝達とは、熱対流と熱放射の影響を受け流体から固体表面へ熱が伝わる現象のこと
23
熱貫流について説明せよ
熱の流入、流出による一連の熱量の移動のこと。 例として閉鎖した室内では、外気から外壁面への熱伝達、壁体内での熱伝導、内壁面から内気への熱伝達が起きている
24
次の主要な建材の熱伝達率を熱伝導率の大きい順番に並べよ コンクリート グラスウール 板ガラス ALC 木材 鋼材
鋼材>コンクリート>板ガラス>木材=ALC>グラスウール
25
空気層の断熱効果が厚みにより増加するのはどの程度までか
2~4cmまで 以降は対流により断熱効果が少しずつ下がる
26
内部結露防止に有効な方法を3つ述べよ
室内側に防湿層を設ける 屋外側煮通気層を設ける 外断熱構造にする
27
音速cを求める公式を答えよ
c=331.5+0.6t (t=気温)
28
音の回折現象はどんな音で起きやすいか
長波長、低周波の音。低音。
29
人間の可聴周波数と聞き取りやすい音の範囲をそれぞれ答えよ
可聴範囲 20Hz~20kHz 聞き取りやすい音 3,000~4,000Hz
30
同じデシベル値の2音を合成したとき、何dB大きくなるか
約3dB
31
ラウドネスレベルとは何か
感覚的に同じ大きさと感じる1,000Hzの純音の音圧レベル値によって表したもの。単位はphon(フォン)
32
コインシデンス効果とは何か
特定の周波数において壁体の共振による共鳴透過が起こり遮音性能が低下すること
33
吸音率とは何か
音のエネルギーの反射しにくさを表すもの。遮音性能の要素だが、透過音が多い場合も吸音率は高くなるので、遮音性能と直結していないことに注意。
34
多孔質材料、孔あき板、板状材料の吸音のしくみとそれぞれの吸音特性を説明せよ
多孔質材料 音エネルギーを材料との摩擦熱に変えて吸音する。吸音率は高音で高い。他の材料と組み合わせると吸音率が上がる 孔あき板 穴の部分の摩擦熱で吸音する。吸音率は中音域で高い。特定周波数で吸音率を上げることができるので、目的にあわせて設計可能 板状材料 材料の内部摩擦で吸音する。吸音率は低音(共鳴周波数)で高い。吸音材料ではないため、中~高音域の音は反射する。
35
残響時間の定義と代表的な公式を答えよ
残響時間 音の強さレベルが60dB低下するまでの時間 セービンの式 T=0.161V/A (A:室の等価吸音面積)
36
単一ダクト式空気調和設備の略図を書け
写真参照
37
空調機のCAV方式とVAV方式の違いを説明せよ
CAV方式 定風両方式 吹き出し風量が一定で温度のみ変わる VAV方式 変風量方式 吹き出し風量を変えられる。設備費はかかるが送風動力を節減できる
38
圧縮式冷凍機と吸収式冷凍機の略図を書け。
写真参照
39
角形ダクト断面の設計時の留意点は何か
扁平な形状のほうが収まりがよいが、送風抵抗が増すのでアスペクト比4を上限に設計する。角形でもっとも送風抵抗が小さいアスペクト比は1
40
受水槽の容量は1日使用量の何倍とすべきか。
一般に4/10~6/10倍。高置水槽なら1/10倍(時間最大予想水量の1/2~1倍)
41
次の各器具の必要最低圧力を答えよ 一般水栓、便器の洗浄タンク、自動水栓、便器洗浄弁
一般水栓、便器の洗浄タンク 30kPa 自動水栓 50kPa 便器洗浄弁 70kPa
42
クロスコネクションについて説明せよ また、対策のために設けるものを述べよ
給排水設備においては、上水と上水以外の水が交じる配管のこと。いかなる場合も避けなければならない。逆止弁をつけても不可。 避けるために吐水口空間(吐水口径✕2〜3)やバキュームブレーカーを設けることが有効
43
高置水槽方式について水圧、メリット、デメリットの各要素を説明せよ
高置水槽方式は受水槽の高さが1m上がるごとに10kPaの水圧を得ることができる。停電時にも給水できるメリットがあるが、水質汚染がもっとも起きやすいデメリットがある。
44
排水トラップを設ける際の注意点を説明せよ
封水深は管径50~100㎜とし、二重トラップはいかなる場合も禁止する
45
電力の需要率と負荷率について説明せよ
需要率は電気設備の全容量(負荷設備容量)に対する実際に使用する最大電力(最大需要電力)の割合 負荷率はある期間の最大需要電力に対する同期間の平均需要電力の割合
46
電圧の低圧と高圧、特別高圧の区分を答えよ
直流の場合、750V以下が低圧、750から7,000V以下が高圧、以降が特別高圧 交流の場合、600V以下が低圧、600から7,000V以下が高圧、以降が特別高圧
47
契約電力と供給電圧の関係を説明せよ
契約電力50kW未満の場合、供給電圧は100V、200Vの低圧となる。50kW以上では供給電圧6kVの高圧、2,000kW以上が特別高圧となる
48
UPS、CVCFとは何か説明せよ
UPSは無停電電源装置のことで、オンラインのコンピュータ室など停電が致命的となる施設に設置する。ただしUPSには誤作動のおそれがあるため、特に重要な施設の電源ではCVCF(定電圧定周波装置)を設ける。
49
単相交流と三相交流について説明せよ
単相交流は一般家庭に使用される取り扱いが容易な配電方式。低圧配線で使う単相2線方式と一般的に使われ100Vと200V両方を供給できる単相3線方式がある。 三相交流は工場など大量の電力を使う場所に採用される配電方式。電圧降下が小さく効率が良い。基本的には3線方式だが、小型機器と電動機を併用する場合4線方式を採用する。
50
配線方式のパスダクト方式について説明せよ
金属ダクト内に絶縁物を介して導体を直接納めた配線方式。負荷の増設や移設に対応しやすく、分岐ボックスにより負荷電源の取り出し位置を自由に取ることができる。
51
避難計画時に注意すべき流動係数と群衆流動の特性を説明せよ
流動係数は、水平部分で1.5m/s、群衆密度が高いと1m/s、階段部分は1.3m/s 1.歩行距離が長いと群衆は分散するため、動線を長くする。 2.方向の違う群衆は接触を避けるので動線を分離する 3.階段などで群衆の速度が低下するので、通路の幅を広げネックを作らない。出入り口も広げるが階段幅以下とする 4.階段を避け、なるべく緩勾配の斜路を利用する 5.行き先案内を明示し常に正しい情報を与える
52
煙の流速を答えよ
水平方向0.5~1.0m/s、垂直方向3.0~5.0m/s
53
A火災、B火災、C火災を説明せよ
A火災 普通火災。水で消火できる B火災 油火災。火元を拡散させるため、水消火が不向き C火災 電気火災。感電のおそれがあるため、水消火が不向き
54
建物火災の消火に使われる3つの作用と代表的な消火設備を述べよ
冷却作用 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、ドレンチャー設備など 窒息作用 水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備(すべて冷却作用あり)など 抑制作用 粉末消火設備(窒息作用あり)、ハロゲン化物消火設備など
55
消火器、屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、連結送水管の放水口の配置の留意点を述べよ
消火器 各階部分からの歩行距離が20mとなるよう配置する。大型の場合は30m間隔でもよい 屋内消火栓設備 1号消火栓(放水量大。工場や事務所など)は水平距離25m以下、2号消火栓(取り扱い容易。集合住宅、病院など)は水平距離15m以下 屋外消火栓設備 有効範囲が40m。延焼防止に有効な設備。 連結送水管の放水口 3階以上の各階に半径50mの円で建物各部を包含するよう配置、階段や非常用EVの乗降ロビーで有効に消火活動できるよう配置する
56
スプリンクラー設備の形式と設置する位置を述べよ
開放型 ヘッド内部が解放され、火災感知器により一斉開放弁を開放する。舞台などに設置される 閉鎖型(湿式) ヘッド内部が水で満たされ、手動で湿式弁を開く。もっとも一般的な形式。 閉鎖型(乾式) ヘッド内部を圧縮空気で満たし、手動で乾式弁を開く。凍結のおそれがある寒冷地で設置する。 閉鎖式(予作動式)ヘッド内部を圧縮空気で満たし、火災報知器により予作動弁を開放する。誤作動防止のため電算室に設置する
57
水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性化ガス消火設備について、採用する場所を述べよ
水噴霧消火設備 指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場など屋内消火栓やスプリンクラーの設置に向かない場所 泡消火設備 飛行機の格納庫、自動車整備工場、駐車場など。電気絶縁性がないので電気室、通信機器室、ボイラー室には不向き 不活性化ガス消火設備 電気や油火災、水損を嫌うコンピュータ室、図書館書庫や美術館の収蔵庫煮採用する。ガス濃度が上がると人体に有害なため、音声警報装置を設置する。代表的なガスは二酸化炭素だが、安全性の高いイナートガスも採用される。
58
ドレンチャー設備とは何か
文化財などに設置される。消火目的というより、水膜により延焼を防止する設備。高所に放水する放水型スプリンクラー設備とは異なる。
59
消火活動上必要な施設について説明せよ。また、代表的なものを5つ例示せよ
消防隊に寄る消火や救助活動を支援するため設けるもの。排煙設備、連結散水設備、連結送水管、非常コンセント設備、無線通信補助設備が該当する。 在室者が使用する屋内消火栓設備は含まれないことに注意