問題一覧
1
植物の光合成過程は、チラコイドで起こる反応とストロマで起こる反応に大きく分けることができる。チラコイドには、色素タンパク質複合体が多数集まってできた光化学系Ⅰおよび光合成化学系Ⅱとよばれる2種類の反応系がある。ストロマでは、二酸化炭素が固定され、有機物が合成される。この反応経路は多くの酵素が関与する化学反応からなり、カルビン・ベンソン回路とよばれる。 図1に示すように、カルビン・ベンソン回路では、1分子の二酸化炭素量は、まず1分子の物質A(炭素数5)と反応する。その結果、炭素数( )のホスホグリセリン酸が2分子できる。この反応は、ルビスコと呼ばれる酵素によって促進される。ホスホグリセリン酸は、2分子のATPを用いてリン酸化されたのち、2分子の物質Bによって還元され、炭素数( )のグリセルアルデヒドリン酸が2分子できる。すなわち、カルビン・ベンソン回路では、6分子の二酸化炭素が固定されると、( )分子のATPと( )分子の物質Bが消費され、( )分子のグリセルアルデヒドリン酸が同化産物として得られる。このグリセルアルデヒドリン酸が単糖の物質Dなどに変えられ、栄養分として利用される。
3, 3, 18, 12, 12
2
このグリセルアルデヒドリン酸が単糖の物質Dなどに変えられ、栄養分として利用される。 物質A〜Dの物質名に対応する組み合わせとして正しいものを選べ
A.リブロースビスリン酸 B.NADPH C.NADP+ D.グルコース
3
チラコイドで起こる反応の説明として正しいものを選べ
光化学系Ⅱの反応中心クロロフィルは、水の分解によって生じる電子によって還元される。
4
細菌には植物と同じ光化学系Ⅰあるいは光化学系Ⅱ似た反応系を備える光合成細菌が存在する。光合成細菌として適切な細菌を選べ
シアノバクテリア, 緑色硫黄細菌
5
生物は異化によって生命活動に必要なエネルギーを取り出している。異化には、発酵や呼吸などの過程があり、生物が利用する主な呼吸基質には、炭水化物ら脂質、タンパク質がある。この中で、分解経路の過程で( )か発生する呼吸基質はタンパク質である。タンパク質が呼吸基質として利用された際に生じる有機酸は、( )に入って分解され、ATPの合成に利用される。また、脂質分解で生じた脂肪酸はらミトコンドリアのマトリックスにおいてβ酸化によって分解され( )が生成される。
ア.アンモニア イ.クエン酸回路 ウ.アセチルCoA
6
酵母菌はグルコース(C₆H₁₂O₆)を用いて、発酵と呼吸を同時に行う場合がある。 反応式1 C6H12O6 + 6O2 + 6H2O⇒6H2O+12H2O 反応式2 C6H12O6⇒2C2H5OH+2CO2 呼吸の反応はどちらか
反応式1
7
反応式1で、O2が3分子吸収され、反応式と反応式2の両反応でCO2が4分子発生したとき、反応式2によって発生したCO2の分子数及び分解されたグルコースの分子数として最も適切な数値を以下の数値から選べ。 発生したCO2の分子数( ) 分解されたグルコースの分子数( )
1, 0.5
8
植物の成長の調節にはオーキシンという植物ホルモンが重要な働きをしている。オーキシンの科学的な実態は( )と呼ばれる物質である。
インドール酢酸
9
オーキシンは、細胞壁の主成分であるセルロース繊維どうしの結び付きを( )働きを持っており、その結果、細胞は吸水して伸長する。
弱める
10
オーキシンは、茎の先端で作られて、基部方向へ移動し、逆方向には移動しない。このような方向性をもつ物質の移動を( )と呼ぶ。
極性
11
オーキシンは取り込み輸送体による輸送と拡散によって排出される。輸出輸送体は細胞の( )にしかないため、オーキシンは( )の細胞へ移動していく。
基部側
12
マカムラスギの幼葉鞘に一方向から当てると、青色光を吸収する光受容体どある( )が光を受容する。
フォトトロピン
13
一方向から光を当てると、幼葉鞘の先端部の細胞にある輸出輸送体の分布が変化してオーキシンが( )に輸送されるようになり、( )の濃度が高くなる。その濃度差のままオーキシンが基部方向へ輸送された結果、( )の細胞の成長が促進され、くきは光の方向へ屈曲する。
陰側
14
オーキシンは細胞の成長を促進するが、その最適濃度は器官によって異なり、濃度が高すぎると茎や根などの成長を制御する。暗所に置かれた芽ばえでは、オーキシンが下方に移動して下側の濃度が高まるため、茎では下側の成長が相対的に促進されて、( )の重力方向を示す。根でも同様に下側のオーキシン濃度が高まるが、茎と同じオーキシン濃度では根の成長が抑制されるため、下側の成長が相対的に抑制されて、( )の重力方向を示す。
負 正
15
重力方向は、根の先端にある根冠で感知されている。根冠の細胞には( )と呼ばれる細胞小器官がある。重力によって( )が細胞内で下側に移動すると、根冠のオーキシン輸出輸送体も下側に移動し、オーキシン濃度が下側で高くなって根の下側の伸長が抑制される。
アミロプラスト
16
マカムラスギの幼葉鞘を寒天片ではさみ、オーキシンの移動を調べた実験を示している。オーキシンを含む寒天から含まない寒天へオーキシンが移動したものを1~4から2つ選べ。
1, 3
17
マカムラスギの茎の細胞内に置けるオーキシン取り込み輸送体と輸出輸送体の分布を示している。最も適切なものを選べ。
3
18
図ではオーキシン濃度が高いのは上側か下側か。
下側
19
次のグラフは茎か根か。
a.根 b.茎
20
オーキシンが働くとき、細胞壁のセルロース繊維がどの方向に配列しているかによって、細胞の方向が決まる。セルロースを( )に揃える働きがある( )とプラシノステロイドは、細胞の肥大成長を抑え、茎の伸長生長を促進する。セルロース繊維を縦に揃える働きがある( )は、細胞の伸長生長を抑え、茎の肥大成長を促進する。
横, ジベレリン, エチレン
21
頂芽があると側芽の成長が抑制される現象を頂芽( )とよぶ。頂芽で合成されたオーキシンが下方へ移動し、側芽の成長促進にはたらく( )の合成を抑制するため、側芽の成長が抑えられると考えられている。
優勢, サイトカイニン
22
すべての生物において、ATPと呼ばれる物質が、代謝に伴うエネルギーの受け渡しを行っている。図2はATPの構造を模式的に示したものである。Aは( )、Bは( )、Pはリン酸である。また、AとBを合わせた部分を( )とよぶ。
アデニン, リボース, アデノシン
23
ATPのエネルギーを必要とする現象や反応として適切なものを、以下の選択肢から2つ選べ。
ナトリウムポンプによるイオン輸送, 筋肉の収縮
24
動物では、発生の過程で胚のある領域が他の領域にも作用して、その分化を引き起こす誘導と呼ばれる現象が起こる。他の領域に作用して誘導作用を持つ胚の領域を( )という。カエルやイモリの胞胚では、予定内胚葉が隣接する胚領域に働きかけて( )を誘導する。 ( )からは、( )や( )などの器官が形成される。一方、内胚葉からは、( )などが形成される。
形成体, 中胚葉, 中胚葉, 心臓, 骨格筋, 肝臓
25
A~Dのうち、接触させて培養すると神経が分化する組み合わせを、以下の選択肢から選べ。
AとB, AとD
26
AとCの間に、細胞が通過できないほど小さな穴(直径0.1µm)の空いたフィルターを挟んで接触させて短時間培養した後、それぞれを別のシャーレに移して培養した。AとCはそれぞれどのような器官に分化するか。 A( ) C( )
血球, 腸管
27
ショウジョウバエの卵の前後軸の発生には、調節遺伝子の一つであるビコイド遺伝子が重要な働きをになっている。受精する前の卵には、母親の体内で卵形成中に合成された母性効果遺伝子の( 1 )が蓄えられている。卵の前方にはビコイド遺伝子の( 1 )が多く存在しており、卵の後方には少なくなっている。受精後に、ビコイド遺伝子の( 1 )から( 2 )によってビコイド( 3 )が作られる。 その結果ビコイド( 3 )は卵の前方に多いという濃度勾配ができる。この濃度勾配によって卵の位置情報が形成され、胚の前後軸ができあがる。胚の前後軸が形成されたあと、( 4 )と称される複数の遺伝子が領域ごとに働くことで、体節構造が形成される。形成された体節では、( 5 )遺伝子と呼ばれる複数の調節遺伝子がはたらき、それぞれの体節に特有の構造が形成される。そのため、( 5 )遺伝子に突然変異が起こると、触覚が足に置きかわった変異体やはねを4枚もつ変異体ができる。
mRNA, rRNA, タンパク質, 分節, ホメオティック
28
体節構造の形成では、最初に頭部、胸部、腹部、尾部が形成される。遺伝子変異によってビコイド遺伝子が機能しない卵が形成された場合、発生する異常胚として最も適切なものを選べ。
頭部、胸部のない胚
29
ヒトのABO式血液型にはA型.B型.AB型.O型の4つがある。これらの血液型を決める対立遺伝子にはA.B.Oの3種類がある。 対立遺伝子について説明した分として正しいものを選べ。
対立遺伝子Aと対立遺伝子Bの間には優性劣性の関係がない。
30
図は、ある家族の血液型を示した家系図である。四角は男性、丸は女性を示している。最も下に書かれた子の血液型として考えられるものをすべて含む組み合わせはどれか。
AとBとABとO
31
重力に応答して屈曲する( )
重力屈性
32
植物のつるが支柱に巻き付く( )
接触屈性
33
根が水分が多い方へと屈曲する( )
水分屈性
34
植物の器官が刺激の方向とは無関係に、ある一定の方向に屈曲する性質を( )という
傾性
35
ヒトなどの動物の関節が曲がる仕組みとは異なり、植物に見られるすべての屈性や一部の傾性は、部分的な成長速度の差によって起こる( )である。
成長運動
36
セルロース繊維を横方向に揃える。
ジベレリン
37
セルロース繊維を縦方向に揃える。
エチレン
38
植物において重力の方向を感知する場所はどこ
根冠
39
頂芽が合成したオーキシンが下方へ移動して側芽の成長を抑制している事がわかる。このことをなんというか
頂芽優勢
40
外胚葉由来の器官はどれか。
表皮, 神経系
41
中胚葉由来の器官はどれか
腎臓, 心臓 血球, 筋肉
42
内胚葉由来の器官はどれか
消化管, 肺
43
胚のある領域が隣接する領域の細胞に作用して、その分化を引き起こす現象を( )といい、予定内胚葉域が隣接する予定外胚葉の細胞に働きかけて中胚葉を誘導する現象を( )という。
誘導, 中胚葉誘導