積極説によれば、「行政」の概念は、「法の下に法の規則を受けながら、現実具体的に国家目的の積極的実現を目指して行われる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」と定義している

消極説は、行政の観念の歴史的形成過程と関係ない

消極説は、多様な行政作用を含むことができるメリットがある

全部留保説は、民主主義的憲法に適合している

日本国憲法は、緊急命令と独立命令を認めている

法律は、その目的や内容に関して、法規命令に白紙委任あるいは包括委任することがてきる

最高裁判例は、国家公務員法102条1項が、公務員の政治活動の禁止を抽象的に規定し、具体的内容を人事院規則に委任していることは白紙委任に該当し、違憲であると判示している

委任命令の内容が法律の委任を超えた場合、無効になる

法律の定める範囲内でも、法規命令が再委任することは認められない

法律が改正されて古い法律に基づく法規命令と接触する場合、法規命令全体が無効になる

法律が廃止された場合、その法律に基づく法規命令も無効になる

法規命令に罰則の規定を設けることは、罪刑法定主義の観点から認められない

最高裁判例は、約10年間物品税が課せられていなかったパチンコ球遊器に通達により物品税を課すことを違憲と判示した

行政行為は、会議の立法行為を参考にして創造された

行政行為の概念内容は、現在に至るまで一義的に定まっている

行政行為は、英米法においては存在しない

行政庁の行為の全てが、行政行為である

公定力とは、違法な行政行為でも取り消されるまでは、一適応法とする効力である

公定力は行政行為の適法性を推定している

公定力の根拠は、君主の権威である

取消訴訟などで行政行為を取消して公定力を排除しなければ、その行政行為の憲法性を主張して国家賠償請求訴訟を提起することはできない

全ての行政行為は、不可変更力を有している

最高裁判例は、無効の行政行為と一応有効の行政行為(取消しうべき行政行為)の区別の基準に関して、重大説の立場をとっている

瑕疵ある行政行為の転換の理論とは、行政行為をした後にその瑕疵が治癒したならば、それを適法な行政行為とみなす理論である

瑕疵の治癒の理論とは、Aという行政行為としては瑕疵があり無効であるが、Bという行政行為としてみれば有効であると判断し、Bという行政行為を認める理論である

瑕疵の治癒の理論、瑕疵ある行政行為の転換の理論は、法治主義に反するので現在は認められていない

現在、法治主義の観点から、行政裁量は認められていない

裁量行為は、常に司法審査の対象とならない

最高裁判例は、裁量権ゼロ収縮の理論を採用している

職権取消しの効果は、当該行政行為の成立時まで遡及することはなく、将来に向かってのみ及ぶ

侵害的行政行為の撤回は、法的安定性、既得権の保護の観点から一定の制限を受ける

受益的行政行為の撤回は、原則として自由にできる

相手方が負担により命じられた義務を履行しない場合、当該行政行為の効力は発生しない

撤回権制限の法理により、撤回権の行使は一定の制限をうけるので、附款としての撤回権の留保は確認的な意味しかもたない

撤回権の留保が付されると、撤回権制限の法理が破壊される

附款が違法である場合、常に附款のない行政行為となる

附款が違法である場合、附款が行政行為の重要な要素である時は附款のない行政行為として適法になる

附款が違法であるが、行政行為と附款が不可分である場合は、附款付行政行為全体を対象にした取消訴訟を提起することになる

行政計画は、常に法律の根拠が必要である

非拘束的計画は、取消訴訟で争える

拘束的計画は、取消訴訟で争う余地がある

行政計画の変更・中止により私人が不利益を被った場合、信頼保護の原則により民事上の損害賠償が認められる

最高裁判例は、工場誘致計画が変更されて、製紙会社が損害を受けた事件について、民事上の損害賠償を否定した

行政契約は、何ら制約なく契約自由の原則の適用を受ける

行政契約は、取消訴訟で争うことはできる

最高裁判例は、公害防止協定は違法と判示している

公害防止協定に関しては、紳士協定説が通説である

行政指導をする上で法律の根拠は必要である

行政指導は国民の権利義務に対し具体的に法的効果を及ぼさない行為である

国民は、行政指導に必ずしも従う必要はない

最高裁判例は、規制的行政指導のみ法律の根拠が必要であると判示している

最高裁判例は、平等原則、比例原則のような法の一般原則で裁量を統制する手法を否定している

行政手続法は、行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨および内容のみを明確に示さなければならないと規定している

行政手続法は、行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、常にこれを交付しなければならないと規定している

行政指導は、取消訴訟で争うことができない

最高裁判例は、行政指導は、常に国家賠償請求訴訟で争うことがてきないと判示している

要綱行政は、法治主義の観点から現在認められていない

行政庁が強制執行をする上で、裁判所の許可が必要である

行政行為をする上での法律の根拠があれば、強制執行する上での別の法律の根拠は必要ない

代執行は行政庁が自ら行うことができるほか、私人である第三者に代わりに行わせることもできる

代執行に要した費用は、行政庁が負担すべきで義務者から徴収することはできない

ほかの手段によってその履行を確保することができる場合でも、代執行をすることができる

戒告をしなければ、常に代執行することはできない

最高裁判例は、行政上の強制執行が法律上用意されている場合は、行政庁は民事上の強制執行は認められないと判示している

行政罰と執行罰は、その趣旨・目的が違うので、併科することはできる

即時強制は、行政処分で義務を命じることを前提にしている

憲法33条と35条の令状主義の保証は、主に刑事手続に関連しているので、即時強制のような行政手続には一切保障されない

行政庁は、審査基準を定める努力義務がある

行政庁が定める審査基準は、抽象的な基準でもよい

行政庁は、標準処理期間を定める法的義務を負う

行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、当該申請により求められた許認可等を拒否する法的義務を負う

行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、放置してもよい

行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、申請の受理を拒否することができる

行政庁は、法令に定められた申請が形式上の要件に適合しない場合は、申請者に対し申請の補正を求めるか、申請の拒否をする法的義務を負う

行政庁は、申請により求められた許認可等をする場合は、申請者に対し、許認可等の理由を示す法的義務を負う

法令に定められた許認可等の要件又は公表された審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合、申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、理由を示すことは不要である

申請拒否処分を口頭でするときは、理由は書面で示す法的義務を負う

行政庁は、申請者の求めに応じて、申請の審査の進行状況及び申請に対する処分の時期の見通しを示す法的義務を負う

公聴会の開催は、住民参政の意味がある

申請に対する拒否処分は、「不利益処分」に該当する

行政庁は、処分基準を定める法的義務を負う

差し迫った必要がある場合でも、不利益処分後に理由を示すことは認められない

行政庁は、許認可等を取り消す不利益処分の場合、聴聞手続をとらねばならない

行政庁は、許認可等を停止する不利益処分の場合、聴聞手続をとらねばならない

弁明手続においては、文書閲覧請求権は認められていない

行政指導に携わる者は、相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてもよい

同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数のものに対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じて、行政指導指針を定め、かつ、例外なくこれを公表しなければならない

命令等とには、行政指導指針は含まれない

現行の行政手続法は、行政計画手続を規定しなていない

情報公開法には、知る権利が明記されている

情報公開法の対象機関には、外務省および防衛省は含まれない

対象文書は、官庁における文書管理上の「決裁」「供覧」の手続を採っている文書に限られる

官報、白書は、対象文書に含まれる

外国に居住している外国人は、行政機関の保有する行政文書の開示を請求できない

一部に不開示情報がある場合において、部分開示は認められない

行政機関情報公開法において、グローマー拒否は認められていない