固定資産を自家建設した場合、当該建設に要する借入資本の利子で稼働前の期間に属するものは、これを取得原価に算入することができる。

株式を発行しその対価として固定資産を受け入れた場合には、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。

自己所有の固定資産と交換に固定資産を取得した場合には、交換に供された自己資産の時価又は適正な簿価をもって取得原価とする。

固定資産を贈与された場合には、取得原価すなわち取得のための支出額がゼロであるから、ゼロ評価か備忘価額１円を取得原価とする。

圧縮記帳の記帳方法について、直接減額方式、引当金方式、利益処分方式のそれぞれによった場合、固定資産の簿価は異なるが、いずれの方法によっても当期純利益への影響額は同じである。

耐用年数の延長を伴わない固定資産の改良費は、資本的支出として資産計上しなければならない。

固定資産の減価償却において想定される減価原因には、使用もしくは時の経過に伴う物理的減価原因であり、陳腐化・不適応化による経済的減価原因については他の手続きによる簿価の切り下げを行う。

取替法は、同種の物品が多数集まって一つの全体を構成する資産である取替資産にのみ例外的に適用される。

減価償却の計算要素は、取得原価、残存価額、耐用年数である。

減価償却の方法のうち定率法は、比較的初期の間に減価償却費を多く計上する結果になるので逓増法と呼ばれる。

減価償却の方法のうち級数法は、残存価額がゼロ円である場合には償却率を設定できないデメリットがある。

総合償却によると個別償却で生じる除却損益の相殺と平均化を図ることができる。

減価償却のうち、臨時損失の計上は、災害・事故による物理的要因に伴って実施されるものである。

ローマン・ルフチ効果が成立するためには、減価償却費を回収しうるだけの十分な収益を獲得しうることが必要である。

のれんは資産としての性質が不確定であるから、我が国においては５年以内に均等額以上償却する。

その他有価証券について部分純資産直入法によって評価損を計上した場合であっても洗替処理を行う。

固定資産の減損において用いられる回収可能額とは、正味売却価額と再調達原価のうちで高い額をいう。

投資不動産については、経営成績を適正に開示するために時価評価し、評価差額を損益処理する。

前払費用は、まだ用役提供を受けていない分の費用であるのに対して、繰延資産は用役提供を受けている点で異なる。

創立費及び開業費は、支出の効果は会社の存続する全期間であるが、効果の発現が不確実であるため、原則として費用処理される。

研究開発費のうち開発費に該当するものは繰延資産とすることができる。

量販目的のソフトウェアは原則として5年以内に定額法によって償却する。

増資に伴う株式交付費については、資本金、資本準備金から控除することはできない。

繰延処理が認められた臨時巨額の損失は繰延資産とは異なる。

修繕引当金は、見積債務(条件付債務)であるから負債として分類される。

社債を割引発行した時には券面額で社債を評価する。

分離型の新株引受権付社債については、新株予約権のみの発行が可能となったことから、現在は消滅した。

非転換社債型新株予約権付社債は、社債対価と新株予約権を分別経理（区分法）する。

資産除去費用の見積額は、減価償却を通じて固定資産の耐用年数にわたって費用配分する。

資産除去に対する見積額と実際額の差異については遡及修正を行う。

企業会計原則注解・注18に示される引当金の設定要件は資産負債アプローチに基づくものである。

翌期に実施される修繕の原因が当期に発生したときに見積計上されるのが特別修繕引当金である。

退職給付引当金は、退職一時金だけでなく、確定拠出型企業年金も含む企業の退職給付について設定される。

年金資産の額が退職給付債務の額を上回る場合には貸借対照表において資産計上される。

外部年金基金から退職給付が支払われたときは、年金資産が減少するから退職給付引当金が増加する。

個別財務諸表において数理計算上の差異は、原則として発生時に一時に認識しない。

損害補償損失引当金は保守主義の観点から設定される。

会社法上の引当金は会計上の引当金が前提となっている。

留保利益は損益取引の結果としてもたらされるものであるから資本として分類されない。

資本金の算定は総額引受主義に基づいて株主の総引受額を基準として決定される。

我が国において額面株式は商法改正により廃止されている。

譲渡制限株式とは、取締役会、あるいは株主総会の許可を得なければ譲渡できない株式である。

資本金と発行済株式数の関係は切断されている。

会社法上は資本と利益は峻別されるため、その他利益剰余金を資本金に組入れることはできない。

共同支配企業及び共通支配下の取引以外の企業結合は持分プーリング法による。

のれんは我が国においても国際会計基準によっても20年以内に定額法等により償却する。

完全子会社の成立を促進するための株式交換に伴って生じる株式交換剰余金はその他資本剰余金とする。

完全親会社を設立するための株式移転に伴って生じる株式移転剰余金は資本準備金とする。

我が国の会社法において、自己株式処分差益は一種の株式払込剰余金と考えられるから資本準備金として処理する。

資本準備金は欠損金が資本金に直ちに影響しないように法律上積立てが強制される資本剰余金である。

資本助成目的の国庫補助金・工事負担金は贈与剰余金であるから貸借対照表においてその他の資本剰余金として計算表示される。

その他利益剰余金を配当するときは、準備金総額が基準資本金額に達するまで、配当額の十分の一以上を利益準備金として積み立てなければならない。

利益剰余金残高がマイナスである場合、当該マイナス分に限りその他資本剰余金で補填できる。

剰余金の分配時における自己株式の簿価と当期首から分配時までの自己株式処分対価については分配することはできない。

資本等金額がのれん等調整額を下回る場合には分配規制はない。

その他有価証券評価差額金のうち評価益相当額については分配可能額から除外する。

繰延ヘッジ損益は、ヘッジ対象の評価差額を繰り延べたものである。

新株予約権の行使によって新株を発行することはできるが、自己株式を交付することはできない。

新株予約権が失効したときは特別利益として計上する。

ストックオプションに関する費用は権利確定日前においても認識する。

企業会計原則に基づく損益計算書における最終利益（末尾）は当期純利益である。

財務諸表等規則に基づく損益計算書は報告式により表示する。

会社計算規則に基づく損益計算書における営業利益金額を「営業利益」と計算表示した。

我が国の制度における損益計算書は無区分損益計算書である。

営業損益の計算においては、本来の営業活動の業績内容を詳しく分析するため、総額によって計算表示する。

収益は現在の収入により、費用は現在の支出により測定する。

通常の販売形態では、代金回収まで不確実性を伴うので回収基準により営業収益を認識する。

収益認識に関する会計基準を適用すると消費税の会計処理について税込方式を適用することはできない。

割賦販売においては、代金回収の期間が長期にわたり、かつ、分割払であることから代金回収上の危険が高いので、原則として割賦金の回収期限の到来日又は入金の時点で収益を認識する。

生産完了基準は、主に穀物等の農産物経営や貴金属業などに適用する。

長期請負工事について販売基準と同様に工事が完了し引渡しの時点で収益を認識した。

工事契約に関して工事原価総額が工事収益総額を上回る可能性が高く、その金額の合理的な見積りができるときには工事損失引当金を計上する。

新収益認識基準によると、収益認識の単位は契約における履行義務である。

新収益認識基準によると、契約金額によって収益の額を決定する。

新収益認識基準によると、収益は履行義務の充足に基づいて計上時期を決定する。

新収益認識基準によると、製品保証引当金は廃止される。

新収益認識基準によると、預かった消費税について税込経理してはならない。

新収益認識基準によると、売上割戻引当金は廃止される。

新収益認識基準によると、商品販売取引において検収基準により売上を計上すべきであり、出荷基準や着荷基準は認められない。

有形固定資産は減価償却費として原価配分されるが、棚卸資産は原価配分とは異なり、売上に対応する仕入額が売上原価として決定される。

製造業において生産基準によって売上高を計上する場合には、当期の製造原価は常に売上原価を構成する。

役員報酬は一般管理費であるが役員賞与は利益処分区目である。

売上割引は、新収益認識基準によると変動対価とされ、営業外費用にはならない。

経常利益は、企業の短期的な業績もしくは正常な収益力を示す。

投資有価証券売却益は金融商品に関する収益なので営業外収益の区分に計算表示する。

金融商品取引法適用会社は、過去の見積誤りに起因する減価償却費の過不足を特別損益としてはならない。

金額が僅少な臨時損益は、経常損益計算に含めることができる。

税効果会計の導入に伴い法人税等の会計的性質は利益処分項目と解されている。

会計上の損益計算と税務上の課税所得計算は、目的の違いから差異が生じる。

税効果会計は、法人税等の額を適切に期間配分することにより、税引前当期純利益と法人税等を合理的に対応させることを目的とする手続である。

我が国における税効果会計は繰延法が採用されている。

罰金については支払時に会計上・税務上の費用・損金の差異が解消するので一時差異である。

将来加算一時差異は、会計上の薄価より税務上の簿価が上回る場合に生じる。

未払事業税については将来加算一時差異が生じる。

法人税等調整額が貸方残高となる場合には、法人税等から控除する形式で計算表示される。

繰延税金資産は固定資産・投資その他の資産の区分に計算表示される。

損益計算書の当期純利益は貸借対照表の未処分利益を構成する。

我が国における現行制度上の損益計算書は包括主義によっている。