問題一覧
1
No.1 政治学上の概念に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 支配の安定のためには支配権力の正当性が必要とされるが、M.ウェーバーによって分類された支配の三類型のうち、「合法的支配」とは、形式的に正しい手続によって明示的に定められた制定規則による支配をいう。ただし、ウェーバーの「合法的支配」は、支配や規則の内容に対する価値判断を行っていないという点で批判がある。
2
No.2 ウェーバーの支配の3類型に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. ウェーバーによる支配の3類型は、理念型として設定されたものであり、現実の支配形態は、これらの混合型として存在している。
3
No.3 マックス・ウェーバーの支配の正当性の3類型に関する以下の記述として、妥当なのはどれか。
4. 伝統的正当性とは、伝統や慣習、先例が重んじられる社会で見られ、古代より封建社会に至るまでの農耕社会を背景とする政治権力に一般的な正当性のあり方である。
4
No.4 メリアムに関する記述として、妥当なのはどれか。
5. 彼は、権力のクレデンダを、被治者の内面や知性や合理性に訴えて権力を正当化するものであるとし、その形態として、神による授権、指導力の承認、多数意思の形成があげられるとした。
5
No.5 ラズウェルの権力論に関する記述として、妥当なのはどれか。
3. ラズウェルは、人間は社会における種々の価値を所有又は追求しているが、ある人間が他の人間の持つ価値に対して、これを剥奪する能力を有するとき、そこに権力関係が成立するとした。
6
No.6 ダールの権力論に関する記述として、妥当なのはどれか。
3. ダールは、「さもなければBがしなかったような事柄をBに行わせる場合、その度合いに応じてAはBに対して権力を持つ」と定義し、権力を、それを行使する者と行使される者との間の相互関係においてとらえた。
7
No.7 権力に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. 権力の関係概念は、権力を具体的な状況における人間又は集団の相互関係においてとらえるものである。これは、権力を、具体的な状況や人間関係の中で、どれだけの服従を確保できるかという点に着目してみようとする点で、機能的なとらえ方だともいえる。
8
No.8 福祉国家に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 我が国では、1973年に高齢者の医療費自己負担の無料化、厚生年金や国民年金の給付額の増加など、社会保障の充実が図られたため、この年は「福祉元年」とも呼ばれる。その後、1982年の老人保健制度の創設、1984年の被用者保険本人に対する1割負担の導入など、見直しが進められた。
9
No.9 次の文は、ポルスビーの議会類型論に関する記述であるが、文中の空所A〜Dに該当する語又は国名の組合せとして、妥当なのはどれか。 アメリカの政治学者ポルスビーは、開放的な政治システムのもとにある議会の機能の中心が、議員・政党等に媒介された社会的要求を政策へ変換することにあるとし、現代議会を大きく次の2類型に整理した。(A)型議会は、人々の要求を議員が法案にし、具体的な立法作業を議員が担っているので、「立法作業の議会」ともいう。そこでは、(B)の議会が代表例とされている。(C)型議会は、与党の意向に沿って官僚らが法案を作成し、議会は政府法案をめぐり与野党で論戦する「論戦の議会」ともいう。そこでは、(D)の議会が代表例とされている。
2. A変換、Bアメリカ、Cアリーナ、Dイギリス
10
No.10 議会の類型に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. アメリカ連邦議会は、委員会の権限が大きい委員会中心主義を採っており、議員により提案された法案の多くは、委員会における法案審議で、否決や修正をされる。
11
No.11 議院内閣制又は大統領制に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. 議院内閣制の典型例はイギリスであり、大統領制の典型例はアメリカであるが、フランスの政治制度は、国民の選挙によって選出される大統領の他に首相がおり、半大統領制と呼ばれる。
12
No.12 イギリスの政治制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. イギリスでは、野党第一党が「影の内閣」を組織し、政権を取った場合に備えている。
13
No.13 イギリスの政治制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. イギリスには成文憲法はないが、議会における下院優位については議会法で成文化されている。
14
No.14 日本と英国の政治に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. 法案を内閣提出法案と議員提出法案とに区分した場合には、英国においても、日本においても、第二次世界大戦後に成立した全法案の中で内閣提出法案が占める割合は、議員提出法案が占める割合よりも高い傾向にある。
15
No.15 アメリカの大統領制に関する記述として、妥当なのはどれか。
3. 大統領は、議会に法案を提出することはできないが、議会に教書を送り、必要な立法措置を勧告することができる。
16
No.16 アメリカの政治制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. 連邦議会の上院議員は、各州から2名ずつ選出され、任期は6年であるが、その3分の1が2年ごとに改選され、上院は、条約批准同意権と官吏任命同意権を有している。
17
No.17 議会と立法過程に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. アメリカ合衆国では、大統領は教書を送るなどして自らが望む法律の制定を要請することはできるが、法案を議会へ提出する権限は持たないので、形式的にはすべて議員立法である。また、大統領には議会が可決した法案への拒否権が与えられているが、上下両院は、大統領が拒否した同一の法案について各々3分の2以上の多数で再可決すれば、これを成立させることができる。
18
No.18 日本の国会に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. 国会は、「会期不継続の原則」を採用しており、会期末までに成立しなかった法案は、原則として廃案になるため、野党は、時間稼ぎをすることで反対法案を廃案に追い込むことも可能である。しかし、国会法には委員会の閉会中審査、いわゆる継続審議の規定があるため、会期末までに成立しなかったことのみをもって、法案がただちに廃案になるわけではない。
19
No.19 執政制度と法案提出に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
5. 大統領制を採用している米国では、大統領に議会への法案提出権はなく、法案は全て連邦議会議員が提出することになっている。一方、法案提出権を持たない大統領には、議会に教書を送付して立法を促す勧告権と、議会で可決した法案の成立を拒む拒否権が与えられている。
20
No.20 議会と立法過程に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. N.ポルスビーは各国の議会を類型化した。米国連邦議会を典型とする「変換型議会」は、社会の様々な要求を実質的に法律に変換する機能を果たす。これに対して、英国議会を典型とする「アリーナ型議会」は、与野党が次回の選挙を意識しながら、争点や各政党の政策の優劣を争う場として機能する。
21
No.21 議会政治に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. 英国では、内閣の形成・存立が議会の意思に依存する議院内閣制が、名誉革命後から19世紀にかけて徐々に確立された。また、19世記後半には、選挙権の拡張を契機として近代政党が形成され、保守党と自由党が交互に政権を担当する二大政党政治が展開された。
22
No.22 各国の政治制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. アメリカでは、厳格な三権分立制が採用されていることから、大統領は議会への法案提出権がない代わりに、「教書」の形で政策上必要な立法措置を議会に要請する勧告機能を有する。
23
No.23 各国の政治制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. イギリスでは、成文の憲法典は存在していないが、議院内閣制をとっており、内閣の最高責任者である首相は、国家元首である国王が庶民院の第一党の党首を任命するという慣行になっている。
24
No.24 各国の立法過程に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. イギリスでは、下院の審議は全議員が出席できる本会議を中心として行われ、そこでの論戦は政府と野党の双方が向かい合って行われることに特徴がある。最前列に座るフロントベンチャーと呼ばれる閣僚や野党の指導的議員(影の内閣の閣僚)等を中心に法案の基本原則などについて討論が行われる。
25
No.25 各国の政治制度に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 我が国では、1885年に内閣制度が発足し、内閣職権においては、内閣総理大臣は各大臣の首班として行政各部を統督すると定められた。その後に公布された大日本帝国憲法においては、各大臣が直接に天皇を輔弼することになっており、内閣総理大臣は、内閣における同輩中の首席にすぎなくなった。
26
No.26 執政制度に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. フランス第五共和制の執政制度は半大統領制に分類される。半大統領制では、大統領と議会議員がいずれも国民によって直接選出される。この執政制度の下では、大統領と首相が執政権力を分有しながら両者の所属政党が異なる状況、すなわち「コアビタシオン」が生じる可能性がある。
27
No.27 各国の政治制度に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 第五共和制下のフランスの大統領は、国民の直接選挙によって選出され、首相や閣僚の任免権を持つほか、議会の解散権を持つなど、強力な権限を有する。フランスの執政制度は、「半大統領制」と呼ばれ、大統領は外交や国防を担当する一方で、首相は内政を担当するなど、執政権限を大統領と首相とで二分する状況がみられる。
28
No.28 各国の政治制度に関する次の記述のうち、最も適当なのはどれか。
2. 米国の大統領は、議会に対する法案提出権や議会を解散する権限を持たない一方で、教書を通じて必要な立法措置の審議を議会に勧告する権限や、議会で可決された法案に対する拒否権が憲法上付与されている。
29
No.29 権力分立に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. アメリカ合衆国では、議会に法案を提出できるのは上下両院それぞれの議員であり、大統領は、教書の送付によって立法を促すことができる。また、議会を通過した法案に大統領が拒否権を発動した場合、上下両院それぞれにおいて3分の2以上の多数で再議決すれば、法案は成立する。
30
No.30 各国の大統領に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
2. 米国の大統領は、各州及びワシントンD.C.選出の選挙人による間接選挙によって選出される。大統領は議会が可決した法案に対する拒否権を持つが、これに対して議会は上下両院で3分の2以上の賛成で再可決すれば、拒否権を乗り越えることができる。
31
No.31 選挙制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. 比例代表制における議席配分方式の一つであるドント式は、各党の得票数を1,2,3といった整数で割り、その商の多い順に議席を配分していくものであり、我が国の衆院、参議院の比例代表の部分はこの方式を採用している。
32
No.32 選挙制度に関するA〜Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。 A. 選挙制度には、多数代表制や比例代表制等があり、1つの選挙区から1人の代表を選出する小選挙区制は多数代表制の典型であるが、小選挙区制を採用している国には、アメリカ、イギリス、カナダ等がある。 B. 小選挙区2回投票制とは、絶対多数でなければ当選せず、1度で決まらない場合は上位者で決選投票を行うものであり、イタリアが国民議会選挙で採用している。 C. 比例代表制では、世論の分布を議会に反映させるため、各党の得票数に応じて議席が配分され、その党の獲得議席の分だけ政党が作成した名簿の上位から当選とする非拘束名簿式が多く用いられており、この方式では有権者は政党のみを選ぶこととなる。 D. デュヴェルジェの法則とは、小選挙区制は二大政党制をもたらし,比例代表制は多党制をもたらすという、選挙制度と政党システムの関係について示したものである。
3. A.D
33
No.33 比例代表制の選挙において、A党は6,000票、B党は4,000票、C党は1,800票の得票があった。議席数が12議席である場合、ドント式による議席配分法でA党、B党及びC党が獲得する議席数の組合せとして、妥当なのはどれか。
3. A党6議席、B党4議席、C党2議席
34
No.34 我が国の選挙に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 我が国の衆議院議員選挙においては、小選挙区に立候補した上で、比例代表選挙にも名簿登載をされる、重複立候補が認められている。小選挙区で落選した候補者のうち、名簿の当選人となるべき順位が同一のものとされた者の間において比例代表での当選を決める際には、小選挙区で落選した候補者の得票数が、その小選挙区で当選した候補者の得票数に対し何%であったかを計算した「惜敗率」が用いられている。
35
No.35 我が国の選挙制度に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
2. 民主党と自由党が合同して昭和30(1955)年に自由民主党が結成された。同党は、主として定数3~5の中選挙区制をとる衆議院選挙で、同一選挙区に複数の候補者を立てることになり、これが派閥や、候補者個人を支援する後援会の発達を促した。
36
No.36 我が国の選挙に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. 衆議院議員総選挙の小選挙区比例代表並立制においては、衆議院の定数475議席のうち、295歳席は小選挙区から選出され、残りの180議席は比例代表で選出される。小選挙区制では大政党が有利になる一方、比例代表制では小政党でも候補者を当選させることができるため、小選挙区比例代表並立制は、大政党と中小政党間の議席配分上のバランスをとる側面がある。
37
No.37 次の文は、各国の国民代表を選出する選挙制度に関する記述であるが、文中の空所A〜Cに該当する国名の組合せとして、妥当なのはどれか。 選挙制度は、大きくは、多数代表制と比例代表制の2つに分けることができる。多数代表制は、1選挙区から1人の代表を選出する小選挙区制がその典型であり、アメリカや( A )では相対多数でも当選とする制度だが、( B )では1回目の投票において絶対多数でなければ当選としないとする制度で、一度で決まらない場合、上位者で決選投票を行う。比例代表制は、個々の有権者の票をできるだけ生かし、有権者の政党支持の分布がそのまま議席比に反映されるように配慮されており、過度の小党乱立を防ぐために、一定の得票率を獲得しないと議席を比例配分しないという( C )の5%条項は有名である。
4. A.イギリス、B.フランス、C.ドイツ
38
No.38 選挙制度に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. 多数代表制は、ある選挙区における多数派から支持を獲得した候補者や政党を代表として選出する仕組みであり、一選挙区から一人の代表を選出する小選挙区制はその典型であるが、小選挙区制には、次点以下の候補に投じられた票はすべて死票となるといった短所がある。
39
No.39 我が国の政治制度に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 平成6(1994)年の制度改革によって、衆議院議員総選挙の選挙制度が小選挙区比例代表並立制に改められた。この制度では、一人の候補者が小選挙区選挙と比例代表選挙の両方に立候補できる重複立候補制が採られている。比例代表選挙は拘束名簿式で行われ、有権者は政党名を投票用紙に記入して投票を行う。
40
No.40 選挙制度に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
3. 比例代表制には拘束名簿式と非拘束名簿式があり、候補者名簿の順位の付け方が異なる拘束名簿式の場合、政党が候補者の名簿順位を決める。非拘束名簿式の場合、有権者が名簿上の候補者に投票でき、各候補者が獲得した票数の多寡によって名簿順位が決まる。
41
No.41 政治制度及び選挙制度に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 選挙制度のうち、比例代表制は死票を最小限にし、有権者の政党支持の分布が比較的忠実に議席数として反映できる反面、小党分立を招き、政治が不安定化しやすいとの見方もある。これに対し、G.サルトーリは、多党制が存続してきた大陸ヨーロッパ諸国の経験から、政党間のイデオロギーや政策の分裂が激しくない場合には、多党制でも政治は安定し得ると論じている。
42
No.42 リンスの権威主義体制論に関するA〜Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。 A. リンスは、全体主義と民主主義の中間に位置する政治体制を権威主義体制として概念化し、この体制では、高度の政治動員体制がないとした。 B. リンスは、全体主義と民主主義の中間に位置する政治体制を権威主義体制として概念化し、この体制は、発展途上国に一切見られないとした。 C. リンスは、全体主義と民主主義の中間に位置する政治体制を権威主義体制として概念化し、この体制では、体制や指導的理念としてのメンタリティは存在するものの体制を支える体系的なイデオロギーが存在しないとした。 D. リンスは、全体主義と民主主義の中間に位置する政治体制を権威主義体制として概念化し、この体制では、限られた範囲であっても多元主義が認められないとした。
2. A.C
43
No.43 次の図は、ダールの公的異議申し立てと包括性による現実の政治の区分を表したものであるが、図中の空所A〜Dに該当する語の組合せとして、妥当なのはどれか。
3. A.競争的寡頭体制、B.ポリアーキー、C.閉鎖的抑圧体制、D.包括的抑圧体制
44
No.44 ダールのポリアーキー論に関するA〜Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。 A. ダールは、デモクラシーという言葉を理念型としての民主主義のために留保しておき、民主主義の現実形態にはポリアーキーという名前を与えて理念型と区別した。 B. ダールは、ポリアーキーを成立させる条件を不完全だが近似的に満たした体制を準ポリアーキーとし、競争的寡頭体制と包括的抑圧体制を準ポリアーキーに分類した。 C. ダールは、近代社会における政治体制を閉鎖的抑圧体制と呼び、閉鎖的抑圧体制から、選挙に参加し公職に就く権利のみが拡大すれば、競争的募頭体制になるとした。 D. ダールは、民主化の条件として、公的異議申立てと包括性の2つの基準を設け、どちらも高い状態にあるのがポリアーキーであるとした。
3. A.D
45
No.45 次の文は、ダールのポリアーキー論に関する記述であるが、文中の空所A〜Cに該当する語の組合せとして、妥当なのはどれか。 ダールは、デモクラシーの条件を測定するために、言論・集会・結社の自由などをどの程度許容しているかといった次元である( A )と、政治にどの程度関与できるかといった次元である( B )という2つの基準を設けた。この2つの次元の両方が高い状態にあるのがポリアーキーであり、( A )の程度が高く( B )が低いものが( C )体制であるとした。
1. A.公的異議申立て、B.包括制、C.競争的寡頭
46
No.46 政党又は政党制に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. バークは、政党とは、全員が同意しているある特定の原理に基づき、共同の努力によって国民的利益を推進するために結集した人々の集まりであると定義し、政党を徒党と区別した。
47
No.47 政党又は政党制に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. リプセットとロッカンは、西欧諸国の1960年代の政党システムは、1920年代の社会的亀裂構造を反映しているとする凍結仮説を主張した。
48
No.48 サルトーリの分類による政党制の類型に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. 穏健な多党制は、政党数が3~5で、政党間のイデオロギーの相違が比較的小さく、連合政権軸は二極で、政党間の競合が求心的な政党制である。
49
No.49 サルトーリの分類による政党制の類型に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. 一党制は、唯一の政党しか法律上も事実上も認められない非競争型政党システムであり、イデオロギー支配の強度と下位集団の自立性の程度に応じて全体主義一党制、権威主義一党制、プラグマティズム一党制に分類される。
50
No.50 政党又は政党制に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. デュヴェルジェは、政党制を、政党の数を基準として、1つの政党だけが存在し、支配している一党制、2つの強力な政党が存在し、政権をめぐって有効競争をしている二大政党制、3つ以上の政党が存在し、いずれもが過半数を制しておらず、連立によって政権が形成されている多党制に分類した。
51
No.51 アメリカ合衆国の政治に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
5. アメリカ合衆国の連邦議会では、我が国の国会にみられるような採決における党議拘束が慣例化しておらず、法案などの採決において、政党の違いを超えて賛否の投票をする交差票(aross voting)が行われることがある。
52
No.52 各国の政治体制に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. 英国では、憲法は、コモンローと制定法、過去から引き継がれた多くの慣習からなっており、全体を法典化した単一文書としての憲法は存在していない。また、2009年、最高裁判所が新設され、貴族院から司法機能についての権限の移管がなされた。
53
No.53 政党と政党制に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. G.サルトーリの類型によれば、一党優位政党制は、優位政党以外の政党が合法的な存在として認められているにもかかわらず、優位政党が選挙において一貫して多数派を獲得し続け、政権交代が事実上生じないというシステムである。もっとも、優位政党の勝利は制度的に保障されたものではないため、選挙の結果によっては二大政党制にも多党制にも変化し得る。
54
No.54 政党に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. E.バークは、政党を、メンバーが合意している原理に基づいて共同で国家的利益を推進するためにつくられた集合体であると定義し、社会の中の特定のグループの利益をはかるための組織ではないとした。
55
No.55 政党と政党制に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. 地域、職業、階層あるいは民族的・文化的特徴などに基づき社会的下位グループ間に断絶・緊張が観察される場合、これを社会的亀裂という概念で説明することがある。この社会的亀裂が相互に対抗する社会的・政治的勢力を生み、これらの勢力間の力関係と配置が政党制の基礎を構成するという理論が社会的亀裂理論である。
56
No.56 政党の機能と組織に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. R.ミヘルスは、20世紀初頭にドイツの社会民主党について分析を行い、この政党が民主主義を掲げているにもかかわらず、組織の内部では一握りのエリートが支配している実態を明らかにした。このことから彼は、あらゆる組織において少数者支配が生じるという「寡頭制の鉄則」を主張した。
57
No.57 第二次世界大戦後の我が国の政党システムに関する記述として、妥当なのはどれか。
3. 1993年に、自民党は政治改革関連法案を巡って分裂し、8党派の非自民非共産連立政権の細川護熙無内閣が発足して、「55年体制」は崩壊した。
58
No.58 議会と政党に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
5. S.リプセットと S.ロッカンは、第二次世界大戦後の西欧諸国では、社会に存在する民族、言語、宗教、階級といった、人々を区分し、潜在的に対立を引き起こしうる分断線(社会的亀裂)に沿った形で政党が形成されており、1960年代の西欧諸国の政党システムは、少数の重要な例外を除いて、1920年代の亀裂構造を反映しているという政党システムの凍結仮説を唱えた。
59
No.59 議会と政党に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
4. G. サルトーリは、政党システムを七つに分類した。そのうち、一党優位政党制は、複数政党間で競争が行われているにもかかわらず、一政党が継続して政権を担うシステムであり、1955年から1993年までの日本が例として挙げられる。また、多党制を穏健な多党制や分極的多党制などに分けている。
60
No.60 ネオ・コーポラティズムに関する記述として、妥当なのはどれか。
2. ネオ・コーポラティズムとは、巨大な利益集団が国家の政策決定過程に重要なメンバーの一員として参加し、自己利益を部分的に反映させるとともに、国家の政策に協力しながら集団相互の妥協、調整を図っていく仕組みをいう。
61
No.61 圧力団体に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. アメリカでは、圧力団体の代理人であるロビイストが連邦議会の議員に対して働きかけを行う場合、連邦ロビイング規制法によって、連邦議会へのロビイストの登録及びその収支報告が義務づけられている。
62
No.62 圧力団体に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. D.トルーマンは、人々が複数の集団に重複的に加入することで集団間の利害対立が調整され、また、特定の集団の利益が過剰に代表されるような場合には、潜在集団が現れ、それを抑制するとした。
63
No.63 政治過程又は政策過程に関する記述として、妥当なのはどれか。
3. ネオ・コーポラティズムとは、巨大な圧力団体が、国家の政策決定過程における重要なメンバーとなり、政府の政策に協力しながら、自己利益を部分的に反映させ、かつ、集団相互の妥協、調整を図る形態をいう。
64
No.64 アメリカ合衆国の政治に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
2. アメリカ合衆国の上院議員の定数は100名で、人口に関係なく各州2名ずつ選出される。下院議員の定数は435名で、人口に比例して各州に配分されるが、州の人口が少なくとも各州最低1名は配分されている。条約批准同意権や官職任命同意権は上院のみが有しているが、法律を制定する権限という点では両院は対等である。
65
No.65 利益団体に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. コーポラティズムとは、一般的に、職能領域をほぼ独占的に代表する巨大利益集団が政府の政策過程に参加ないし包摂・編入されるような政治形態のことを指す。典型的には、各領域を代表する頂上団体の代表と政府官僚機構とのエリート協調的な政策決定のかたちをとる。
66
No.66 利益団体・圧力団体と政策形成に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. M.オルソンは、たとえ人々が共通の利益を持っていることを明確に認識していたとしても、コストをかけずに利益を得ようとする合理的なフリーライダーの発生によって、共通の利益を実現するためだけに組織化して利益団体が作られることはないと指摘した。こうした集合行為問題は、利益団体の規模が小さいときには発生しにくく、一人一人の活動の結果が左右する程度が大きいほど、フリーライダーは生じにくい。
67
No.67 政治的無関心に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. ラスウェルが分類した政治的無関心の類型のうち、脱政治的態度とは、かつて政治に関与したものの、自己の期待を充足できず、政治に幻滅を感じ、政治に関心を示さなくなる態度である。
68
No.68 リースマン又はラスウェルの政治的無関心の分類に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. ラスウェルは、無政府主義者のように、政治そのものを軽蔑したり否定する場合を、反政治的態度に分類した。
69
No.69 政治意識に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. 政治的社会化とは、社会の成員が、その社会で一般的に行われている政治的価値観や態度を習得し、同化していく過程、あるいは世代間で政治文化を継承する過程である。
70
No.70 アーモンドとヴァーバの政治文化論に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. 参加型政治文化は、国民の多くが政治システム、入力機構、出力機構、自己の全てを志向する場合であり、5か国でこれに最も近い政治文化を持つのがアメリカで、次はイギリスとした。
71
No.71 マス・コミュニケーションの機能又は効果に関するA〜Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。 A. ラスウェルは、マス・コミュニケーションの社会的機能として、「環境の監視」「環境に反応する際の社会諸部分の相互関連付け」、「世代から世代への社会的遺産の伝達」、「娯楽の提供」を指摘した。 B. クラッパーは、マス・メディアの発する情報は既存の態度を改変する効果は持たず、むしろ補強する効果を持つにすぎないとした。 C. ノイマンは、人々は自分の意見が多数派のものなら、それを他人に表明し、あたかも螺旋をたどるように増幅していく一方で、少数派の意見は、沈黙へと追いやられていくことになるとした。 D. リップマンは、人々がマス・メディアの膨大な情報の前に決まりきった判断を下すようになるステレオタイプについて、世論を形成する際の大衆の行動には影響しないと指摘した。
4. B.C
72
No.72 マス・コミュニケーションの効果に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. ノイマンは、人々は自分の意見が多数派のものなら自分の意見を積極的に表明するが、少数派の意見だと思うと沈黙してしまい、多数意見か少数意見かの判断にマス・メディアが大きな影響を及ぼしているとした。
73
No.73 政治とマスメディアに関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. J.クラッパーによれば、マスメディアは、一般的に、受け手に対して直接的に作用するのではなく、様々な要因に媒介されて作用しており、それらの媒介要因によって、通常、受け手の考え方を改変するというよりは、補強する傾向が強い。
74
No.74 マスメディアの影響力に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. ガーブナーらは、暴力行為が頻繁に出るテレビを長時間見る人ほど、現実社会で暴力に巻き込まれる可能性が大きいと考える比率が高く、他人への不信感が強まることを示し、培養理論を提起した。
75
No.75 世論とマスメディアに関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
5. マコームズとショーが提唱した議題設定機能仮説は、マスメディアは現在の争点が何であるかという有権者の認知レベルに影響を与えているとするものである。具体的な分析としては、米国大統領選挙に際し、有権者の争点認知、候補者の公約、マスメディアの争点設定の三つの関係を見た。
76
No.76 政治と世論に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. S.アイエンガーは、マスメディアが社会問題を取り上げる場合に、争点を描与する際のフレーム(切り口)の違いが、問題の責任をどこに帰属させるかという受け手の解釈に差をもたらした、としてフレーミング効果の存在を示した。
77
No.77 世論とマスメディアに関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. P.ラザースフェルドらは、1940年のエリー調査に基づき、選挙キャンペーンの効果について検証した。その結果、選挙までの半年の間に、マスメディアの影響で投票意図(投票を予定している政党)を変えた有権者がごく少数であったこと、すなわちマスメディアによる改変効果は小さいことを主張した。
78
No.78 マスメディアの影響力に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
5. 「バンドワゴン効果」とは、マスメディアによって一方の候補者が有利だと報道されると、その候補者の得票が増加する効果であり、小選挙区制における選挙でよく見られる現象である。一方、「判官びいき効果」とは、マスメディアによって不利だと報道された候補者の得票が増加する効果であり、かつての我が国の中選挙区制における選挙でよく見られた現象である。
79
No.79 投票行動研究に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. キャンベルを中心とするミシガン大学のグループは、有権者と政党との心理的結びつきを政党支持度とし、この要因によって投票行動を決める場合が最も多いことを示した。
80
No.80 次の文は、投票行動研究に関する記述であるが、文中の空所A〜Dに該当する語句又は人物の組合せとして、妥当なのはどれか。 ( A )らを中心とするコロンビア大学のグループは、1940年代の大統領選挙の時にオハイオ州エリー郡で有権者の調査を行い、有権者の( B )により形成される政治的先有傾向が投票行動に大きな関係があることを明らかにした。一方、A.キャンベルらを中心とするミシガン大学のグループは、( B )から投票行動を説明しようとしたコロンビア・グループを批判し、( C )を重視していった。また、ミシガン・グループは、政党、争点、候補者に対する選好とその強度が重要であるとし、特に、有権者と政党との結び付きを( D )として捉え、この要因を中心に投票行動を分析した。
1. A.ラザースフェルド、B.社会的属性、C.心理的要因、D.政党帰属意識
81
No.81 有権者の投票行動に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. M.フィオリーナにより定式化された「業績投票モデル」では、有権者が現政権の過去の業績を高く評価すれば、政権政党やその候補者に投票するとされる。これまで、特に経済政策面の業績に注目した研究が蓄積され、自分自身や社会全体の経済状況に基づいて投票する有権者の存在が明らかにされてきた。
82
No.82 我が国の選挙に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
4. 比例代表選挙は各党の得票数に応じて議席を配分するのを基本とするが、細部は多様であり、我が国でも衆議院と参議院とで仕組みが異なる。有権者は、前者では政党へ投票するのに対し、後者では政党だけでなく候補者個人への投票も可能であり、また、前者は複数の選挙区を設けるのに対し、後者は全国を一つの選挙区としている。さらに、前者の候補者名簿には当選人となるべき順位が付されているのに対し、後者のそれには付されていない。
83
No.83 投票行動に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. A.キャンベルらのミシガン大学のグループは、社会心理学的要因を導入したモデルを提示した。このモデルでは、特定の政党に対する心理的愛着ないし忠誠の感情である「政党帰属意識」が、有権者の投票行動に対して長期的な影響を及ぼすとして重視された。
84
No.84 政治過程のアクターに関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. M.ウェーバーは、政党をその組織様式から「貴族政党」「名望家政党」「近代組織政党」に類型化した。そして、その中の名望家政党とは、制限選挙制度の下で財産と教養を持つ名望家層により形成された政党であり、選挙権の拡大に伴って、これに代わって近代組織政党が台頭してきたと論じている。
85
No.85 古代ギリシアの政治思想家に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. アリストテレスは、支配者の数と、共通の利益をめざしているか否かという基準によって国制を6つに分類し、そのうち、多数者支配の堕落した形態を「民主制」と呼んだ。
86
No.86 マキャヴェリ又はボダンの政治思想に関する記述として、妥当なのはどれか。
2. マキアヴェリは、共和国を理想としたが、イタリアが分裂状態にある現状においては、共和制の実現可能性を見出しえず、君主国の創出にイタリア再生の条件を見出した。
87
No.87 社会契約論に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. ロックは、自然状態では皆が平等であり、互いの自然権を侵害することはないが、自然権の保障を確実にするために、人々は相互契約を結んで政治社会を形成し、政府に自然法の解釈権と執行権のみを委譲するとした。
88
No.88 近代の西洋政治思想に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. ボダンは、深刻な政争が続くフランスで「国家論」を著し、主権を国家の絶対的にして永続的な権力とし、国家秩序を維持するためには、絶対的権威をもった主権が必要不可であるとした。
89
No.89 ベンサム又はJ.S.ミルの政治思想に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. J.S.ミルは、その著書「自由論」において、各人の幸福にとって、思想及び言論の自由や個性の擁護が不可欠であり、そのためには、私的な領域に対する政府の干渉は、できる限り制限されるべきであるとした。
90
No.90 J.S.ミルの政治思想に関する記述として、妥当なのはどれか。
1. J.S.ミルは、「自由論」を著し、自律した個人が自らの個性を自発的に開発することが幸福を実現することとなるので、何人も、各人の行為が他者に対して危害を及ぼさない限り、その人の行為に制限を加えてはならないとした。
91
No.91 次の文は、保守主義と自由主義に関する記述であるが、文中の空所A〜Dに該当する語、語句又は人物名の組合せとして、妥当なのはどれか。 保守主義は古くから漠然とした形で存在していたが、18世紀頃、自由主義の挑戦を受けて自覚的な政治思想となった。近代保守主義という場合はこれをいい、代表的な政治思想家は「 A 」を著したイギリスのバークである。彼は、古くから存在してきたものはそれだけ( B )で人間性に適したものだとして、伝統的秩序や伝統的価値体系を尊重した。自由主義は17世紀のイギリスにおいて政治的自由主義として成立したもので、18世紀には資本主義の発展に伴って経済的自由主義も現れた。のちに、( C )主義の立場から、「最大多数の最大幸福」で有名な「 D 」が出て、自由主義をさらに発展させた。
4. Aフランス革命の省察、B自然、C功利、Dベンサム
92
No.92 政治思想に関する次の記述のうち、最も妥当なのはどれか。
4. ドイツの哲学者G.ヘーゲルは、国家こそが人倫の最高形態であると考えた。彼によれば、市民社会においては個人の欲望によって成員間の対立や貧困が引き起こされる一方で、国家においては、人々が国家の法を尊重することで、個人の自由や社会の福祉が実現される。
93
No.93 イデオロギーに関するA〜Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。 A. 自由主義は、トマス=モアが、その著書「ユートピア」において、人間の自由を個人の普遍的な権利として位置付け、絶対的恣意的的権力からの自由を主張し、国家権力を否定することで個人の自由が完全に実現されるとする政治思想として成立した。 B. 保守主義は、古くから漠然とした形で存在していたが、自由主義の挑戦によって自覚的な政治思想となったもので、その代表者であるバークは、社会の変化は、具体的な試行錯誤を経た経験的思慮の宝庫である伝統を足がかりに、漸進的に進められるべきであるとした。 C. 社会主義は、生産手段の社会的所有をめざす労働者階級のイデオロギーとして、エンゲルスにより唱えられたが、サン=シモンは、エンゲルスの社会主義を空想的社会主義と呼び、理想社会を描いているにすぎないと批判して、科学的社会主義を確立した。 D. ファシズムは、狭義ではイタリアにおけるムッソリーニ指導下の政治体制やイデオロギーをいうが、広義では民族主義的急進運動をいい、個人主義の全面否定が特徴であり、一党独裁による指導者と被指導者との一体化を図る指導者原理が基本となる。
5. B.D
94
No.94 デモクラシーに関する記述として、妥当なのはどれか。
1. トクヴィルは、「アメリカにおけるデモクラシー」を著し、対立関係にあった自由主義と民主主義を結びつけ、自由民主主義への道をひらいた。
95
No.95 自由主義に関する記述として、妥当なのはどれか。
5. ロールズは、「正義論」において、正義の2原理を提示し、第1原理は平等な自由原理と呼ばれ、各人は他の人々にとっての同様な自由と両立しうる最大限の基本的自由への平等な権利を持つべきであるとし、この第1原理は格差原理と公正な機会均等原理からなる第2原理に対して優先されるとした。
96
No.96 市民革命期以降の政治思想に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
1. 功利主義の立場に立つJ.ベンサムは、人々が快楽(幸福)を求め苦痛(不幸)を回避するという原理で行動する存在であるという前提の下、快楽(幸福)を増大するものが善であるという立場に立っており、「最大多数の最大幸福」を実現することが統治の目的であるとした。
97
No.97 政治思想に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。
3. H.アレントは、『人間の条件』において、人間の営みを「労働(labor)」・「仕事(work)」・「活動(action)」に分けて考え、「労働」と「仕事」は人が物に対して行う行為であるのに対し、「活動」は対等な複数の人々の間で主に言葉を通じたコミュニケーションによってなされる相互行為であるとした。彼女は、「活動」こそが本来の政治にふさわしい行為の在り方であると考えた。
98
No.98 シュンペーターの民主主義論に関する記述として、妥当なのはどれか。
3. シュンペーターは、民主主義的方法とは、政治的決定に到達するために、個々人が人民の投票を獲得するための競争を行うことによって決定力をうるような制度的装置であるとした。
99
No.99 シュンペーターの民主主義論に関する記述として、妥当なのはどれか。
4. シュンペーターは、民主主義の制度の第一義的な目的は政治問題の決定を行うべき者を選挙することにあり、人民の役割は政府をつくること、ないしは国家の行政執行府または政府をつくり出すべき中間体をつくることにあるとした。
100
No.100 デモクラシーに関する記述として、妥当なのはどれか。
5. シュンペーターは、「資本主義・社会主義・民主主義」を著して、旧来の民主主義論を批判し、決定を行うべき者を選挙することを第一義的なものとし、選挙民による問題の決定を第二義的たらしめるという新しい理論を唱えた。