民法は財産法と家族法に分けられ、全部で５編ある。編纂方式はドイツ式である。

意思能力のない者がした法律行為は、無効である。

権利能力がない者は権利の主体となりえず、外国人は、権利能力を有しない。

民法の起草に当たっては、日本の伝統的法が尊重され、外国法は参考にされなかった。

明治期のいわゆる不平等条約改正問題の解決策として、民法が制定された。

民法は、私法の特別法で、実体法である。

責任能力のない者は、不法行為による損害賠償責任を問われない。

信義則は、当事者のした契約の趣旨を解釈する際の基準となる。

権利の濫用に当たるには、権利者が不当な意思をもっていることが常に必要である。

民法の改正は、今回の債権法改正（2020年4月1日に施行）がはじめてである。

制限行為能力者本人が、自己に行為能力があると詐術することによって、相手方と取引した場合でも、取消権を失うわけではない。

株式会社のような法人は、人工的な存在であるので、権利能力の主体である人には入らない。

行為能力を制限されるのは、意思能力のない者である。

家屋に付随している建具は、従物として、当事者間に特別な意思表示がない限り、主物の処分に従う。

補助開始の審判がなされるだけで、補助人は被補助人の一定の行為に対する同意権をもつ。

保佐開始の審判を行なうためには、被保佐人となる者の同意は必要ではない。

不動産とは土地およびその定着物を言い、土地とその上に立つ家屋は、合わせて一つの不動産である。

成年被後見人は、一切の法律行為について、行為能力を制限される。

制限行為能力者のした行為は、すべて、取消し可能な行為となる。

未成年を理由として契約を取り消した場合、未成年者は契約によって受け取ったもののすべてを返還しなければならないわけではない。

契約も不法行為も、法律行為の一種である。

法律行為は、その法律行為の成立後に内容を実現することが不可能となったときには、無効となる。

心裡留保とは、自らの真意でないことを知りながらする意思表示のことである。

詐欺とは、相手方を欺罔して畏怖させて意思表示させることである。

法律行為は、その内容が法律の規定と異なるときであっても、無効とならないことがある。

日、週、月、年によって期間を定めた場合、期間の初日は原則として算入しない。

法律行為は、権利変動原因の１つである。

意思表示は、法律行為に錯誤があっても、表意者に重大な過失があったときは、その法律行為は取り消しできない。

条件の中で、成就により法律行為の効力が生じるものを解除条件、成就により法律行為の効力が消滅するものを停止条件とよぶ。

虚偽表示とは、虚偽の情報による勘違いを原因としてする意思表示のことである。

債権の消滅時効期間は、民法その他の法律に別段の定めがない限り、２０年である。

時効は、権利変動原因の一種ではない。

代理人は、本人が自ら選任することも、本人以外の者が法律の規定に基づいて選任することもある。

代理権のない者が代理人と称して締結した契約は、本人が取り消すまでは、本人に効果が帰属する。

権限の定めのない代理人も、物の保存行為をすることができる。

時効の更新が生じた場合、それまで経過した時効期間は無意味となり、また新たに時効が進行する。

無権代理人が本人の印鑑を盗み、委任状を勝手に偽造して契約を結び、相手方がそれを過失なく信じた場合、表見代理が成立する。

代理人が有効に代理行為を行うためには、代理権の範囲内で行為するのみならず、行為の際に本人の名を常に明示する必要がある。

意思表示の不存在・瑕疵について、その事実の有無は代理人について決する。

時効の期間が経過して、時効が完成しても、時効によって利益を得る当事者がその利益を受ける旨の意思表示をしなければ、裁判所は、時効の効力が発生したことを前提として裁判することができない。

土地の二重売買で、第一の買主よりも早く第二の買主が登記を備えた場合、第二の買主が背信的悪意者であれば、第一の買主は登記なくして、自己の所有権を第二の買主に対して対抗することができる。

物の所有権は、代金支払いの前でも、原則として売買の意思表示のみで移転する。

ＡがＣに預けているタンスをＢに売った場合、ＡがＣに対してタンスを以後Ｂのために保管するように命じ、Ｃがこれを承諾することによって、引渡しが認められる。

物の所有者が、その物全部の占有を喪失した場合、その物を正当な権原なく占有する者に対して物権的妨害予防請求権を行使することができる。

腕時計の売買では、買主は、引渡しを受けるだけではその所有権取得を第三者に対抗することができない。

物権は物を支配する権利であるのに対し、債権は人に行為を求める権利である。

物権はその種類・内容が法律によって定められたものに限定されるが、債権にはそのような制約はない。

家屋の売買で、買主は、第三者が家屋を不法に占拠した場合、その第三者に自己の所有権を登記なければ対抗することができない。

家・土地の売買では、買主は、登記を備えなければ、その所有権取得を第三者に対抗することができない。

プレートナンバーが付いた自動車の売買では、買主は、引渡しを受けるだけではその所有権取得を第三者に対抗することができない。

用益物権は、建物や動産に設定することができる。

占有は、物を所持することによってのみ取得される。

相続は、承継取得の一例である。

抵当権では、債務者が抵当不動産を占有することができる。

友人から借りた腕時計を第三者に盗まれた場合、借りた者は盗んだ第三者に対して占有回収の訴えを行って取り戻すことができる。

通行地役権の場合、権利者は設定行為で定められた承役地上の特定部分しか通行することができない。これに対し、隣地通行権の場合には、権利者は周囲の他の土地のどの部分を通行しても良い。

売買は、特定承継の一例である。

地上権は、一定範囲内の地下または空間に及ぶことがある。

物を他人に貸して引き渡した者は、その物の占有を失う。

先取特権は、法定担保物権である。

特定物債権では、勝手に他の物を給付の客体にすることはできない。特定物が滅失すれば、履行不能になる。

履行遅滞による損害賠償請求の前提として、相当の期間を定めた催告が必要である。

選択債権では、当事者の合意がない場合、まず債務者が給付物の選択権をもつ。

種類債権の債務者は、種類物の特定前も保管について善管注意義務を負う。

債務不履行による損害賠償は金銭による賠償とされ、別の方法によることは全く許されない。

債権債務は、債務者が弁済の提供をしさえすれば、消滅する。

金銭に見積もることができないものを目的とする債権を発生させることもできる。

特別損害は、当事者が特別の事情を予見していたときにのみ、賠償の対象になる。

不完全履行の場合、買主は、完全履行請求権を有する。

損害賠償は、財産的損害だけでなく、非財産的損害についても認められる。

有償の受寄者は、善良な管理者の注意をもって、 寄託物を保管する義務を負う。

同時履行の抗弁は、相手方の債務の弁済期が未到来であっても主張することができる。

申込みを受領した者が、申込みに変更を加えて同意する意思表示をした場合、その意思表示によって成立しない。

贈与は、受贈者が目的物を受け取らなければ成立しない。

善管注意義務は自己の物と同一の注意義務よりも責任が重い。

受任者は、無償である場合でも、善管注意義務を負う。

双務契約の一方の債務が不可抗力で履行不能になり、その債務者が債権者に対して反対給付を履行するように請求する場合、債権者は契約を解除しない限りそれを拒絶することができない。

代金が一定金額以上の売買は、常に契約書を作成しなければ成立しない。

買主が定められた期日に代金を支払わない場合、売主は、直ちに契約を解除することができる。

売主の債務不履行を理由に契約を解除した場合でも、売主に対し、損害賠償を請求することができる。

特定物の受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を自ら使用することはできない。

請負人は、仕事の完成のために必要であっても、履行補助者や下請負人を使用できない。

特定物の売買では、債務の履行の場所は買主の所になるのが原則である。

不動産の売主は、買主に対して、所有権移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。

貸借型の契約類型では、借主が目的物の所有権を得ることはあり得ない。

請負人は、役務を提供しても、仕事が完成しなければ、原則として報酬を請求することができない。

受任者は、当然に報酬の支払いを請求することができる。

賃貸人は目的物を使用収益させる義務を負うので、原則として使用収益に必要な修繕義務を負う。

売買契約の契約不適合責任として、買主は、相当の期間を定めて履行の追完の催告をして、その期間内に履行の追完がないときは、その不適合の程度に応じて代金の減額を売主に請求することができる。

賃借権は債権であるので、土地の賃借人は、その土地の新しい所有権者に対して、原則として賃借権を主張することができない。しかし、借地人が借地上に建物を建て、建物の保存登記を備えた場合は対抗することができる。

相続人は、相続開始の時点から、被相続人の財産に属した一切の権利義務（地位）を包括承継するが、扶養請求権など一身専属的な権利は除く。

法律上の原因なく他人の財産・労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした受益者は、原則としてその利益の存する限度で返還する義務を負う。

不法行為では、加害者に制裁を与えるため、被害者が被った実損害を超えた賠償を命じることができる。

婚姻は、当事者の意思のみによって有効に成立し、夫婦ではあっても同居する義務まではない。

相続人は相続分が決まるまでいつまでも、相続について単純承認・限定承認または放棄をすることができる。

不法行為が成立するためには、加害者が○○権という名で保護されている権利を侵害することが必要である。

事務管理者は、事務管理の開始後、管理の継続が本人の意思に反することが明らかになったときは、本人の利益になる場合であっても、事務管理を中止しなければならない。

不法行為と結果との間の因果関係の証明には、一点の疑義も許されない自然科学的な証明まで、必要である。

夫婦間で協議が整っていれば、裁判所による判決を経なくても、離婚をすることができる。