問題一覧
1
不規則抗体検査用の検体を、全血のまま冷蔵庫で保存してはいけない理由は?
低温下で高力価の抗Iが反応すると一緒に同種抗体が血球に結合してしまい、血清中の抗体が消失または低力価となる。
2
複数抗体の同定方法について
①抗体が複数ある場合、凝集の強弱を認めることがある ②酵素法で処理される場合、IAT(+)/酵素法(-)となる ③抗I、抗P1、Lewis血液型抗原に対する抗体は、型物質で中和される ④吸着または解離試験によって抗体を分離し反応パターンを簡略化する ⑤複数の特異性に対し、それぞれの抗原を1つだけもつパネル赤血球で検査する ⑥患者の抗原を検査する
3
分子標的薬が輸血検査にどのような影響を与えるか?
抗CD38単クローン抗体を投与された患者において、SCR、クロスのIATで汎反応性に凝集を認める
4
高力価低親和性(HTLA)抗体について述べよ
凝集塊は比較的脆く、高力価でありながら凝集する力が弱い 自己対照以外のすべてのパネル赤血球と反応が認められる 一般的にはHTRを起こすことなく臨床的意義は低い
5
抗KANNOの血清学的特性について
•輸血よりも妊娠によって産生されやすい •臨床的意義は低いと考えられている •酵素処理赤血球と反応しない •DTT,AET処理赤血球に反応する •血清の補体成分で反応しない •C3/C4感作赤血球との反応は未感作赤血球と比べて反応に差がない
6
DATが陽性の時、その後の検査の進め方について
•解離試験(解離液中に赤血球と特異的に反応する抗体が無いか確認する) •自己抗体の吸着→吸着後の血漿で同種抗体の特異性の確認 •患者赤血球の抗原の確認(IAT法で確認するDuffy 、Diegoは自己抗体を吸着した赤血球で検査する。モノクローナル抗体のRh、Kiddは影響を受けない)
7
新生児の交差適合試験
母親の血液で代用 ①母児のABO血液型が同型の場合 ②児がO型もしくは母親がAB型の場合 コンピュータークロスマッチは禁忌 IAT で主試験を実施 重症感染症の場合、副試験も実施
8
赤血球製剤の輸血量
予測上昇Hb値(g/dL)=投与Hb量(g)/循環血液量(dL)
9
洗浄血小板の保存液について
ACD-A液および重炭酸リンゲル液を約1対20で混和したもの
10
アルブミン製剤の必要投与量(g)
期待上昇濃度(g/dL)=目標血清アルブミン濃度-現在の血清アルブミン濃度 必要投与量(g)=期待上昇濃度(g/dL)*循環血漿量(dL)*2.5
11
新鮮凍結血漿の予測上昇凝固因子活性値(%)
予測上昇凝固因子活性値(%)=投与血漿量(ml)*血中回収率(%)/循環血漿量(ml)
12
アルブミン製剤過剰使用のリスク
合成能力の低下 等張液:ナトリウムの過大な負荷をまねくことごある 高張液:循環血漿量が増えるため、肺水腫、心負荷が伴う
13
免疫学的機序による輸血副反応について ①発熱
輸血中〜2時間後、38℃以上、1℃以上上昇
14
免疫学的機序による輸血副反応について ②悪寒、戦慄
患者保有の白血球抗体+製剤中抗原(TNF-α) 抗原抗体反応によって産生されたサイトカイン→IL-1,IL-6
15
免疫学的機序による輸血副反応について ③アレルギー反応
蕁麻疹、掻痒感、呼吸困難、血圧低下など→全身性のものアナフィラキシー
16
免疫学的機序による輸血副反応について ④輸血関連肺障害TRALI
輸血後6時間以内 非心原性の急激な肺水腫による呼吸困難 製剤中の抗体(好中球抗体、HLA抗体)、未確認物質+患者白血球、肺毛細血管内皮細胞→好中球の活性化→肺毛細血管の障害
17
免疫学的機序による輸血副反応について ⑤輸血後紫斑病PTP
輸血後5〜12日後に発症 製剤中の血小板抗原HPAに対する患者の抗体により血小板減少症
18
免疫学的機序による輸血副反応について ⑥輸血後移植片宿主病Pt-GVHD
輸血後1〜2週間後 移植片に含まれるリンパ球によって患者の身体が免疫学的に攻撃される
19
古典的クラスⅠ HLAクラスⅠ
第6染色体 短腕上部 CD8陽性T細胞 HLA-A,B,C 細胞傷害性T細胞に抗原提示する精子、卵母細胞、胎盤トロボブラストをのぞく全ての有核細胞と血小板の膜上に発現(角膜、赤血球には発現しない)
20
古典的クラスⅡ HLAクラスⅡ
第6染色体 短腕上部 CD4陽性T細胞 HLA_DR,DQ,DP 樹上細胞、マクロファージ、単球、B細胞などの抗原提示細胞に発現する
21
不規則抗体検査の赤血球試薬にDia抗原陽性赤血球が組み込まれていなくてはいけない理由
•Dia抗原はアジア人種特有の抗原である •日本人においては約10%の頻度で検出される •欧米から輸入されたスクリーニング赤血球に含まれないことがある
22
連銭形成はどのような時に起こるか
γグロブリンの増加→赤血球表面の電気的反発力の抑制
23
Fisherの確率計算法
P=(A+B)!*(C*D)!*(A+C)!*(B+D)!/N!*A!*B!*C!*D!
24
非免疫学的機序による輸血副反応 ①輸血後関連循環過負荷(TACO)
輸血後6時間以内 輸血に伴う循環負荷による心不全 ※輸血量や速度に注意
25
非免疫学的機序による輸血副反応 ②細菌感染症
輸血後4時間以内 発熱 悪寒戦慄
26
非免疫学的機序による輸血副反応 ③輸血後感染症
個別NATの導入で、輸血後感染症は大幅に減少した