悪性腫瘍は良性と比較し（）が高く、（）が低い。

悪性腫瘍は周囲組織への（）能力がある点で良性と区別できる。

何よりも（）する能力を持つていることが、悪性腫瘍最大の特徴。

良性腫瘍は原発果を切り取れば治癒するが、悪性腫瘍は浸潤や転移のため取りきることが難しく、一見切除できたように思えても、既に転移していれば後に（）する

一般に、異型性が高いほど（）と考える

異型性とは正常細胞との（）を表現するもの

細胞指数（） 細胞、核の（）および、（） 核胞対比（）の増加 核（）量 （）の明瞭さ

組織指数（） （）の乱れ （）の方向・傾向の異常 （）の乱れ

分化について しゅようの発生母地となった正常細胞への機能的・形態的（）を示す

皮膚や消化管、尿路などの内腔を覆う粘膜上皮、分泌を行う腺組織や肝臓などの実質臓器は上皮性組織からなり、ここから発生する腫瘍が（）である。

結合組織や脂肪組織、筋組織や血液などは非上皮性組織であり、ここから発生する腫瘍は（）である。

上皮性の悪性腫瘍を（）、非上皮性の悪性腫瘍を（）と呼ぶ。

上皮細胞由来 Adenoma（）- Adenocarcinoma（）

結合組織（非上皮組織）由来 Lipoma（）-Liposarcoma（）

血液細胞由来 Lymphoma（），Leukemia（）

突然変異したものを（）、変異前の正常細胞に内在している状態のものを（）と呼び分けるが、実際はどちらもがん遺伝子で通用する。

9番と22番染色体の転座によりbor/abl融合遺伝子ができる異常は（）にみられるもので、（）と呼ばれる。

ある種のがんで同じ染色体が2本とも部分欠失する例が発見され、この欠失した部位にがん化を抑制する遺伝子があると考えられた。こうして（）から、（）である（）が同定された。

最も有名でがんの半分以上に変異が認められるがん抑制遺伝子（）は、細胞にDNA 損傷などのストレスがかかると細胞周期を止めてDNA修復を促し、修復できないダメージであればアポトーシスを誘導する。

日本でも欧米同様、（）ががん発生の最大の要因となっている。

タバコは（）をはじめ（）、（）、（）、（）、（）、など多くのがんの発症と関係することが明らかになっている。

（）感染によって肝癌発生リスクが36倍、（）感染によって胃癌発症リスクが10倍になる。

慢性肝炎や肝硬変は肝癌の、子宮頸部の異形成は子宮頚癌の（）と考えられる。

その他代表的な前癌病変として、（）は口腔癌の、まだら食道は食道癌 の、（）は皮膚癌の前癌病変として知られる。

がん転移の種類について （）転移（）転移（）転移

（）転移：肺癌→（）リンパ節 甲状腺癌→（）リンパ節 乳癌→（）リンパ節 下肢の悪性黒色腫→（）リンパ節など

（）（Virchow）転移：胃癌などの消化器癌による左鎖骨上リンパ節（静脈角）への転移をいう。ここは（）の流入部位であり、ここに転移があれば、癌細胞が大循環内に入り全身の血管へ癌細胞が運ばれることになり、予後不良の指標となる。

（） リンパ節Sentinel lymph node 乳癌における（）が最も有名で臨床的に重要である

血行性転移について 毛細血管の豊富な（）、（）に起こりやすい。

門脈系に腫瘍細胞が入る上部消化管の腫瘍では（）に、それ以外では（）に血行性転移を起こすのが一般的である。

（）腫瘍（Krukenberg Tumor）：もともとは胃癌（印環細胞癌）の血行性卵巣転移のことを言う。現在は転移性卵巣癌として見つかった癌全般を言い、血行性転移ではないものも含んでいる。

著しくなると、体腔内全体が腫瘍細胞に覆われ、（）、（）と呼ばれる状態になり、しばしば血性の胸水、腹水を貯留するようになる。

（）転移：胃癌などの腹腔内臓器の腫瘍の播種による直腸膀胱窩（ダグラス窩）への転移を言う

がんは異常な細胞であるため、正常細胞とは異なる物質をつくる。生検組織や血液、尿などから検出できるがんの目印になる物質を（）という。

腫瘍マーカーの役割 （）：健康診断などのスクリーニングに用いられるのはごく一部のみで、実際には画像診断でみつかったがんの確認など、補助的に用いられるにすぎない。

腫瘍マーカーの役割 （）のモニタリング：抗癌剤治療などで、数値の変化でがんの大きさ等を推測し、効果判定に用いる。

腫瘍マーカーの役割 （）： 治療によって正常値に戻ったマーカーが、再発に伴い再び上昇するのを監視して、早期に再発を見つける

（）:（癌胎児性抗原）：本来は胎児の消化管などでつくられるタンパクで、消化器系の粘膜細胞が癌化すると産生するようになる。大腸、胃、膵臓などの腫瘍マーカーとして用いられる。臓器特異性はない。

（）:（αフェトプロテイン）：胎児期の肝臓でつくられるタンパクで、肝細胞癌のスクリーニングや治療効果判定などに用いられる。

（）:（前立腺特異抗原）：前立腺癌に特異的なマーカーで、前立腺肥大などでも上昇するが、特異性の高い優秀なマーカーとされ、前立腺癌のスクリーニングにひろく利用されている。

（）：膵癌や大腸癌、胆道がん、胃癌などの消化器系の腫瘍マーカーとして用いられる。特に膵癌での陽性率が高く、膵癌の治療効果判定や経過の観察に用いられている。

がんの治療は主に、（）、（）、（）の3つの方法で行われている。

2000年代に入って、がんに特異的に発現している分子などを狙い撃ちにする（）が開発され、画期的な効果をもたらす薬剤も登場するようになった。

抗がん薬の副作用：抗がん薬はがん細胞のような増殖が早い細胞にダメージを与える特徴があるため、増殖の早い消化器粘膜、骨髄造血細胞、毛根がダメージを受け、（）（悪心・嘔吐、下痢など）（），（）が3大副作用とされている。

生まれつきなんらかの身体的異常を持つことを（）と呼ぶ。

先天異常のうち、形態学的な異常を（）と呼ぶ

（）heredity とは、からだの形態や機能などの生物学的な特徴（これを形質という）が、親から子へ伝わっていくことを指す。

遺伝は、次世代に（）geneが伝えられることによって起こり、その遺伝子の本体は（）： デオキシリボ核酸である。

父親と母親のからだの細胞に存在する染色体数はいずれも（）本である

精子および卵子といった配信子を作る過程において、染色体が半分になる必要がある。この配偶子をつくる過程を（）という。

遺伝子の異常によって起こる疾患が広義の遺伝病であるが、このうち染色体の数の異常や構造異常などを（）と呼ぶ。

非メンデル遺伝病について 核染色体とは別に、ミトコンドリア内にも遺伝子が存在するが、このミトコンドリア遺伝子は母親からのみ遺伝すること

1つの優性遺伝子が片親から子供に伝 えられて発症する。この優性遺伝子は1つあれば疾患を発症させるので、両親のどちらかが必ずその疾患を持っている 代表的な疾患を3つ

保因者である両親から異常な遺伝子を1つずつ伝えられ、子供に2つ異常な遺伝子がそろったとき（対立遺伝子がともに異常な状態）に発症する。代表的な疾患2つ

劣性遺伝する異常な遺伝子がX染色体上にあるために、ほとんど男性のみに発症する遺伝病。代表的な疾患2つ

本来ペアで存在する相同染色体が3個あること

21トリソミー（） 21番染色体の過剰によって生じる、核形は47,XY，+21（男性）もしくは47.XX，+21（女性）

女性のみに発生。正常女性核型がXXであるのに対し、X染色体のうち1本が完全または部分的に欠失している（X、XO）

男性のみに発生。正常男性核型がXYであるのに対し、X染色体が過剰である（XXY,XXXYなど）。

新生児期から低フェニルアラニン食を与えることで、精神発達遅滞を完全に防ぐことができるため、早期発見・早期治療を目的とした（）が行われている。

（）（fluorescence in situ hybridization）法は、変異配列を認識するプローブ（DNA断片）を用いて、染色体上の当該部位を蛍光で認識する。

分子生物学的遺伝子診断法 末梢血細胞から抽出したDNAを検体として、目的の遺伝子部分を（）で増幅して、次にシークエンサーを用いて塩基配列を決定する。