膀胱は、尿を溜めて排出する自律神経系支配の袋状の臓器であり、成人では300～400mLの尿を溜めておくことができる。

男性生殖器は、精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺、陰茎からなる。

女性生殖器は、卵巣、卵管来、卵管、子宮、膣、外陰部からなる。

前立腺は、精液の一部である前立腺液を分泌し、精子の細胞分裂や栄養を与える役割と、射精における収縮も担っている。

卵子が受精すると分裂を繰り返しながら、卵管粘膜の線毛運動、蠕動運動によって子宮まで運び、受精後3日間で子宮粘膜に着床する

内分泌系の構成器官として、下垂体・甲状腺・上皮小体（副甲状腺）・胸腺・膵臓・副腎・十二指腸・性腺・腎がある。

ホルモンは、内分泌腺から直接リンパ中に分泌され、対象となる標的器官や組織に達し、発育、物質代謝、性行動などを調整している。

ホルモンは身体の内部調節を保つ化学物質で、ホルモンの分泌腺をもつ器官を「内分泌系」と呼ぶ。

視床下部から分泌されるホルモンは下垂体に運ばれて、下垂体ホルモンの分泌を調節する

下垂体前葉ホルモンには、オキシトシン、パソプレシン(抗利尿ホルモン)がある

甲状腺の役割は、血中のヨウ素を取り込み、T4(サイロキシン)、T3(トリヨードサイロニン)を生成、分泌する。

甲状腺ホルモンは、60%程度が甲状腺ホルモン結合蛋白に結合している。

生物活性を示す甲状腺ホルモン(FT4、FT3)は、甲状腺ホルモン結合蛋白に結合している。

甲状腺ホルモンの分泌は、下垂体一甲状腺系によって調軽されている。

甲状腺ホルモンが過剰になると、下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン（TSH）、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン（TRH）が抑制され、血中の甲状腺ホルモンが正常になるように調整されている(ネガティブフィードバック)。

甲状腺機能亢進症として、橋本病、クレチン病がある。

甲状腺機能低下症として、バセドウ病がある

副腎皮質ホルモンの構造はステロイドである

ホルモンの構造には、ペプチド、糖タンパク質、アミノ酸誘導体、ステロイド、アミンがある

脳と脊髄を中枢神経系という。

末梢神経の体性神経には、知覚神経と運動神経がある。

末梢消神経には自分の意志で動かせる体性神経と、動かせない自律神経がある

眼、耳、鼻、舌、皮膚には感覚器(感覚器系)があり、刺激を受けると電気的変化を起し、その興奮が知覚神経を経て、大脳皮質の特定の中枢につたえられ感覚として捉えられる。

第1次リンパ組織として、リンパ節、脾臓、扁桃、パイエル板、がある。

第2次リンパ組織として、骨髄、胸腺がある。

免疫担当細胞は、①抗原提示細胞（単球、マクロファージ、樹状細胞）、②リンパ球系細胞（T細胞、B細胞、NK細胞）、③顆粒球（好中球、好塩基球、好酸球、肥満細胞）の3つに大別される。

免疫系は、リンパ球系細胞と顆粒球の2つの免疫担当細胞がバランスを保ち連携しながら働くことにより生体防御システムが成り立つ。

体内循環血液量は、男女とも100ml/体重（kg）である。

臨床検査の検体として使われる血清は、採血時に抗凝固剤を添加した時の液体成分を指し、抗凝固剤を添加しない時の液体成分を血漿という。

成人での血球産生は骨髄で幹細胞から分化、増殖され、①赤血球、②白血球、③血小板系の幼若型が分裂、分化し、成熟型の血球となって末梢血液中に出ていく

赤血球の寿命は約60日である。

赤血球は、1日平均4～5万個/mm3が骨髄で造られ、脾臓や肝臓で壊される

赤血球産生の指令は、骨髄から出るエリスロポエチン（赤血球造成刺激因子)のよる。

赤血球数は、男女とも300～600万/μLである。

白血球はリンパ球、単球、血小板に分類される。

白血球数は、男女とも3,500～9,000/μLである

血液中に占める赤血球の体積の割合を示す数値をヘマトクリット値という。

血液は有形成分（血球）と液体成分（血漿）からなる

エリスロポエチンの作用で、巨核芽球、巨核球に成熟して血小板を産生する

血小板の働きは、損傷した血管壁に粘着、凝集し、損傷部位を防ぐ血小板凝集塊を作る一次止血を行う。

血小板数は、男女とも13～35万/μLである。

血液の一次止血は、一次凝集として、トロンビンを仲立ちとした血小板同士の凝集が起こる。

血小板同士の一次凝集後に放出反応が起こるとADP（アデノシンニリン酸）やセロトニンの作用により凝集は非可逆性の血栓形成を起こし、これを二次凝集という．

血液凝固を二次止血という

血液凝固では最終的にフィブリノゲンからフィブリンポリマー（フィブリン網）が形成される。

血液の凝固因子は、Ⅰ～ⅩⅢ因子（VI因子は欠番）の12種類が存在する

損傷血管修復時には、フィブリン沈着と線溶のバランスが崩れている。

損傷血管の内皮細胞はプラスミノゲンアクチベータ（組織プラスミノゲンアクチベータ（tPA）、ウロキナーゼプラスミノゲンアクチベータ（u-PA））を放出し、線溶を活性化する。

プラスミノゲンアクチベータはプラスミノゲンの切断を触媒し、血餅を溶かすプラスミンを生成する。

生理的に起きる線溶を抑えて血栓を安定化させるのに、プラスミノゲンアクチベーターインヒビター（PAl）とプラスミンインヒビター（Pl）による制御を受けている

内因系凝固は、血液が血管内皮細胞のコラーゲンに接触することから始まる

生体の構成成分として、水分は体重の60%を占めており、このうち40%は細胞内液で、20%が細胞外液である。

内因系、外因系凝固の共通系は、プロトロンビンをトロンビンにし、それがフィブリノゲンを分解してフィブリンにし、フィブリン網が形成される

細胞外液では陽イオンとしてKイオンが、陰イオンとしてHPO4イオンが多いのに対し、細胞内液では陽イオンとしてNaイオン、陰イオンとしてCIイオンが多い

ヒトの1日あたりの水の排出2,600mlは尿、糞便と不感蒸泄(肺からの水蒸気や皮膚からの蒸散による水の喪失)からなる。

正常な場合の水代謝は、下垂体前葉の抗利尿ホルモン分泌と口渇感による飲水で調節される。

生体の血液のpHバランスは常に一定（pH8.00）になるように保たれ、これを「酸一塩基平衡」という

アシドーシスではpHは高値になる。

代謝とは、生命体内にある特定の物質変化の総称である。

代謝は体外から摂取した栄養及びそれから産生されるエネルギーを使って生体物質を合成する同化過程と、不要になった生体物質を分解する分解過程とがある。

代謝の同化過程ではエネルギーを遊離し、異化過程ではエネルギーを必要とする

生命活動を維持するための最小必要量のエネルギー量を、代謝という。

生命活動を行う上で必要なエネルギーは糖質代謝、脂質代謝、タンパク質及びアミノ酸代謝の分解、酸化で得られる

糖の消化は、リパーゼなどの酵素で分解され、グルコース、ガラクトース、フルクトースなどの単糖類になる。

単糖類は、胃粘膜より吸収され門脈に入る。

解糖系は、グルコースをピルビン酸にまで合成する代謝経路である。

TCAサイクル（クエン酸回路）では、ピルビン酸や脂肪酸の酸化的リン酸化によって最終的に高エネルギー化合物である12分子のATPを産出する。

脂肪組織に蓄えられたトリグリセライドは、グリセロールと脂肪酸に加水分解される

食事等から摂取した大部分の脂質は、コレステロールである。

ケトン体は肝臓で合成され、肝臓の糖代謝が低下すると脂肪酸から多量のアセチルCoAを生成し、ケトン体に変えられる。

コレステロールは、肝臓でアセチルCoAを出発物質として合成される。

コレステロールからステロイドホルモンである、副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾール）と性ホルモン(テストステロン、エストラジオール）と胆汁酸が合成される。

食餌から摂取したタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて吸収される

タンパク質は30種類のアミノ酸から合成される。

タンパク質を合成するアミノ酸で、グルタミン酸は必須アミノ酸である。

アンモニアは、肝臓で尿素回路によって無害な尿素となり排泄される。

生物の遺伝情報を伝達するものが核酸であり、DNAとRNAの2種類がある。

RNAは、役割に応じてmRNA、tRNA、rRNAの三種がある。

mRNAは、DNAの遺伝情報を写し取って、その情報をタンバク質合成の場であるリボソームに運ぶ、タンパク質の合成に関わる分野で最も重要である。

tRNAは、タンパク質の材料であるアミノ酸をリポソーム上のDNAのところまで運ぶ

rRNAは、翻訳装置として働くリボソームの構成因子である。

ウラシルはRNAに含まれ、アデニンと相補的である。

DNAの遺伝情報を基にタンパク質が作られる過程は、核内で起こる転写と、細胞質中で起こる翻訳の2つに分けられる。

RNAのヌクレオチド同士が連結してヌクレオチド鎖になり、1本のRNAとなったものがmRNA である

mRNAの塩基配列に基づいて並んだ隣り合うアミノ酸同士が水素結合し、折りたたまれて立体構造をとり、タンパク質が合成される

翻訳作業の開始コドンはUAA, UAG,UGAの3種、終止コドンはメチオニンのAUGである

極端値（極異常値）とは、まれにしか見られない検査値のことである。極端値は、出現実績を基に作成されており、臨床的意義は考慮されていない。

臨床判断値とは病気の診断や治療の目安となる値で、予防医学的閾値、治療閾値と診断値（カットオフ値）の3つに大別される

診断閾値とは、疫学研究から将来の発症が予測され、予防医学的な見地から一定の対応が要求される検査値を指す

治療値とは、即時に治療を必要とする重篤な状態を表していると判断される値を指す。

診断閾値とは、カットオフ値ともよばれ、特定の疾患を有する疾患群と有さない非疾患群を判別できる値である。

2020年度10月1日現在、人口を男女別にみると男性は6486万7千人、女性6136万人となり、男性が女性より350万7千人多い。

悪性新生物（腫瘍）の主な部位別に死亡率をみると、女性では「肺」が最も多く、第2位は「大腸」、第3位は「胃」となっている。

2018（平成30）年度の国民医療費において、傷病分類別では循環器系の疾患が最も多い割合を占めている。

健康日本21（第二次）における基本的な方向の一つは、健康寿命の延伸と健康格差の縮小である。

要支援とは日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であり、5段階に区分される。

2018（平成30）年の調査結果による、入院医療費は、第1位は脳血管障害（36.6%）、第2位は虚血性心疾患（29.0%）.第3位は糖尿病（12.4%）、第 4位は高血圧症（9.5%）、第5位は人工透析（9.0%）で、前年度からの順位の変動はない

日本高血圧学会は、血圧の値が最高血圧／最低血圧のどちらか一方、あるいは両方が140/90mmHg 以上になる場合を高血圧としている。

糖尿病の診断基準値の一つで、時間関係なく測定した血糖値は200mg/dL以上である。

診療室血圧（mmHg）で高血圧の診断基準で高値血圧に分類されるのは収縮期血圧130-139かつ／または拡張期血80-89である。