問題一覧
1
血管内溶血
24時間以内 IgM型 ABO不適合輸血 赤血球が壊される 主に補体が関与
2
血管外溶血
24時間以降 IgG型 同種抗体による不適合輸血 マクロファージに貪食され肝臓、脾臓で処理
3
稀な血液型
Ⅱ群 1/100〜1/1000程度 s-,Fy(a-,b+),Di(a+,b-),Do(a+,b-),Jr(a-) Ⅰ群 Ⅱ群よりも検出頻度の低いもの
4
冷式抗体の臨床的意義
室温以下(25℃以下)で反応する 生体内で赤血球を破壊しない 生食法で検出される IgM型
5
温式抗体の臨床的意義
30〜37℃でよく反応する IAT法でよく検出される IgG型 生体内で抗原と結合して溶血反応を起こす
6
量的効果とは
赤血球に発現されている抗原量の違いによって、抗原抗体反応の強さが異なる現象 Rh,Kidd,Daffy,MNS
7
コンピュータークロスマッチ
①検査結果の不一致や血液製剤の選択が間違ってる時に警告される ②患者の血液型が2回以上異なる時点で採血された検体で確認されている ③SCRが輸血に先立つ3日以内に採血された検体で検査されている ④赤血球製剤の血液型がオモテ検査により自施設で確認されている ⑤生後4ヶ月未満の児において、児または母親の血漿中に臨床的意義のある不規則抗体がない。児の血漿について、IATでウラ検査を行い母親由来のIgG型坑A,Bを保有してないことが確認されている
8
D— or -D-
C,c,E,e抗原の欠損 D抗原量が正常なD陽性より10倍多い
9
Rhnull
全てのRh抗原が欠損している
10
R1R1
DCCee 頻度:43% 第1染色体の短腕に存在して、ハプロタイプで遺伝する
11
R2R2
DccEE 頻度:9.1%
12
R1R2
DCcEe 頻度:37.4%
13
酵素法で反応が増強される抗体
抗Rh、抗Kidd、抗Lewis
14
酵素処理による赤血球のゼータ電位低下の原理について
酵素法は、赤血球膜表面の陰性荷電を担う赤血球抗原を破壊、減弱させることでゼータ電位を下げ、IgG型抗体が赤血球を架橋できるようになる
15
インフォームドコンセント
①輸血療法の必要性 ②使用する血液製剤の種類と使用量 ③輸血に伴うリスク ④医薬品副作用被害救済制度、生物由来製品感染等被害救済制度と給付の条件 ⑤自己血輸血の選択肢 ⑥感染症検査と検体保管 ⑦投与記録の保管と訴求調査時の使用 ⑧その他、輸血療法の注意点
16
白血球除去の有用性
白血球に起因する輸血副反応の減少を目的としている(発熱反応や感染症など) 1バッグ中に含まれる白血球1*106個以下に低減
17
クロスの副試験が陽性となる原因
患者のDATが陽性 患者赤血球の汎凝集反応(壊死性腸炎、重症感染症) 検体の取り間違い 供血者の血液型間違い(ラベル、判定間違い)
18
クロスの副試験を省略できる理由
患者の血液型が2回以上異なる時点で採血された検体で確認されている 血液センターから供給される血液製剤を用いる場合(不規則抗体陰性が確認されているため)
19
直接抗グロブリン試験の意義
自己免疫性溶血性貧血の診断 新生児溶血性疾患の診断 血液型不適合輸血の証明 薬剤の影響 血液型判定の有効性
20
自己免疫性溶血性貧血の原因
赤血球抗原が変化して非自己として認識 微生物の感染に対して産生された抗体が自己血球と交差反応 免疫系に変調をきたした免疫寛容が破綻 抗体産生細胞が増殖または活性化され自己抗体が産生
21
IgG感作血球で確認する理由
赤血球の洗浄不良 抗ヒトグロブリン試薬の入れ忘れ 抗ヒトグロブリン試薬の劣化
22
acquiredB
直腸癌などでB抗原が露出して全てのヒト血清と凝集する ※モノクローナル抗体由来の判定試薬では凝集しない
23
キメラ
二卵性双生児にみられる 由来の異なる2種類の赤血球が混在する オモテ検査で部分凝集を示す フローサイトメトリーが有効(ヒストグラムがニ峰性)
24
モザイク
同一個体内に2種類の赤血球が混在している 突然変異で発生すると考えられている
25
SBOE=手術血液準備量計算法
①患者の術前Hb値 ②患者の許容できる輸血開始Hb値(トリガー値:7~8g/dl) ③術式別の平均的な出血量
26
HLA適合血小板の適応患者
血小板輸血を繰り返し行うと、HLAクラスⅠ抗原に対する同種抗体が産生され、血小板輸血不応状態に陥る 患者血清とドナーリンパ球のクロスマッチをして、陰性を確認 HLA-A,-B,-C,-DR
27
HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)
血栓性疾患 血小板輸血は原則禁止 ヘパリンと血小板第4因子の複合体と、それに対する自己抗体による免疫複合体が血小板を活性化させることで、血小板減少がもたらされる
28
TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)
血栓性疾患 血小板輸血は原則禁止 ADAMTS13に自己抗体が原因となる フォンヴィレブランド因子(VWF)分解酵素(ADAMTS13)の活性が著しく低下したことでもたらされる ADAMTS13の活性がなくなると、体内で産生された巨大な分子量を含有する多重合体型のVWFが未分解のまま血中に放出され、血小板を巻き込み、多発性の血小板血栓を微小循環系で形成させる 消費性の血小板減少による紫斑、血管内溶血、臓器障害が出現する
29
カラム凝集法で見られる異常反応 偽陽性の理由
フィブリン析出 クリオグロブリン析出 高タンパク血漿(連銭形成) 白血球増多症 低比重赤血球(小球性低色素性貧血、フィルター効果が不十分となる) 検体汚染 遠心時間が不十分 カセットの不備(乾燥、気泡)
30
カラム凝集法で見られる異常反応 偽陰性の理由
検体、試薬の入れ忘れ 検体、試薬の分中量不足 試薬の劣化 遠心時間の過剰、再遠心 抵抗対価(特に抗B) 反応層のエアギャップ形成不良
31
ハプロタイプ
同一染色体上に存在する複数の遺伝子座が組み換えを起こさず遺伝する対立遺伝子(アリル)の並びのこと。
32
HLAアリル(対立遺伝子)の表記方法
先頭にHLA、その後ろにハイフン、遺伝子のシンボル名をアルファベット(Cについて補体成分との混合をさけるためCwと表記)、アスタリスク*、抗原名の2桁の数字、半角コロン:、2桁ないし3桁の数字でアリル名を特定 例)HLA-A24 HLA-A*24:02,HLA-A*24:04
33
HLA(ヒト白血球抗原)
MHC(主要組織結合性抗原複合体)の1つ 第6染色体短腕上にコード 自己と非自己の識別により細菌やウイルスなどの病原体を排除もしくは中和する
34
Kidd血液型
JK(a+b-) 22.1% JK(a+b+) 50.4% JK(a-b+) 27.2% 389のアミノ酸からなる10回膜貫通型のKidd糖蛋白 4番目の細胞外ループ上にある280番目のアミノ酸の違いで特異性が決定 JK(a-b-)は世界的に稀 抗体産生から数ヶ月後には抗体価が検出レベル以下に低下する
35
Sal法を実施する意義は
低温反応性の不規則抗体は、反応増強剤を使用したIATで陽性を呈することがあるため、低温反応性の不規則抗体の有無を確認する
36
赤血球液の有効期間
採血後28日間 2023.3.13〜
37
血小板製剤の有効期間
採血後4日間
38
新生児の血液型検査
生後 1 年未満の児においては,自然抗体(IgM 型抗 A/抗 B)の産生が不十分であることや,ときに母親由 来の移行抗体(IgG 型抗 A/抗 B)の影響があることから,オモテ検査の結果のみで血液型を暫定的に判定してよい ただし,輸血の可能性があり十分な検体量がある場合,ウラ検査を実施することが望ましい.
39
新生児の2〜3mlの採血は、成人だとどれくらいか?
1000gの未熟児90~120ml 3000gの新生児30~40ml
40
経胎盤出血(TPH)または母児間出血(FMH)とは?
母親が陰性で胎児(父親由来)が陽性の赤血球が母体の血流中に流入する現象。
41
ABO不適合による溶血性貧血の診断
①早発黄疸を伴う間接抗ビリルビン血症 ②母児間にABO不適合の組み合わせがある ③母親血清中のIgGの抗Aまたは抗B抗体価が512倍以上 ④同型成人血球(ABO血液型)による間接抗グロブリン試験陽性 ⑤児の抗体解離試験陽性または児血清中の抗Aまたは抗B抗体価が8倍以上
42
光線療法
間接ビリルビンは水に対して難溶性 紫外線などの光線を当てると水溶性となる 肝臓での処理が容易となり胆汁として腸管に排泄される 一部は腎から尿中に排泄される
43
ウラ検査で冷式自己抗体などの影響による偽陽性反応の対応
血漿(血清)を予備加温した再検査 対応抗原陰性のA1およびB型赤血球試薬を用いた再検査(セグメント血球でも可)
44
胎児貧血の検査(非侵襲的な方法)
胎児の中大脳動脈最高血流速度 心拍出量の増加や血液粘度の低下によりMCA-PSVの上昇をきたす
45
胎児輸血の適応とするもの
①母児間血液型不適合による胎児貧血 ②パルボウイルスB19感染症 ③胎児母体間輸血症候群 ④αサラセミア
46
洗浄血小板の適応
①血小板による輸血副反応が2回以上観察された場合。但し、アナフィラキシーショックなどの重篤な副反応の場合には1回でも観察された場合。 ② ABO異型HLA適合血小板を輸血する場合。当該製剤の抗A、抗B抗体価が低値の場合には洗浄する利点が少ないが、1)抗体価が128倍以上の場合2)または患者が低年齢の小児の場合には、可能な限り洗浄血小板を考慮することが望ましい
47
反応剤無添加Sal-IATの原理
反応増強剤がない場合、抗原抗体複合体の産生は37℃60分で最高点に達する
48
ポリエチレングリコール液PEG-IATの原理
PEGの脱水作用による抗体濃縮効果(立体排他現象)によって抗体濃度が高くなり抗原抗体反応が増強する
49
低イオン強度溶液LISS-IATの原理
反応溶液中のイオン強度を下げることで抗原抗体反応を増強する
50
(重合)ウシアルブミン溶液ALB-IATの原理
反応溶液中のイオン強度を下げることで抗原抗体反応を促進する アミノ酸の双極性によってゼータ電位を下げ赤血球間の距離を狭める
51
糖鎖系抗原
ABO I Lewis P
52
糖蛋白系抗原
Rh MNSs Duffy Kidd Kell Diego
53
cisAB型の遺伝形式
A,B遺伝子が同一染色体上に乗って遺伝している A型、B型物質の発現が通常のAB型に比べ弱い
54
亜型は血清学的性状により分類される
①赤血球上の抗原量 ②血漿中の不規則な抗体(抗A1,抗B) ③唾液中の型物質の有無 ④血漿中のA,B糖転移酵素活性
55
オモテ検査 抗原の減弱or欠如
血液疾患(白血病、MDS、Hodgkin病) 亜型(Ax,Bx,Am,Bm)
56
オモテ検査 部分凝集
キメラ 異型輸血 血液型不適合造血幹細胞移植 亜型(A3,B3,Amos,Bmos)
57
オモテ検査 潜在or修飾抗原
重症感染症(汎凝集反応、acquiredB)
58
オモテ検査 抗体試薬の中和
腫瘍(型物質の産生)
59
ウラ検査 抗A、抗Bの消失or欠如
血液型不適合造血幹細胞移植後 新生児 免疫不全
60
ウラ検査 非特異的凝集
寒冷凝集素症
61
ウラ検査 連銭形成
γグロブリンの増加
62
ウラ検査 不規則抗体の保有
低温反応性抗体(寒冷凝集素•抗I、抗M、抗P1など) 受動/移行抗体(母親由来の抗A、抗B) 亜型(抗A1、抗B)
63
ABO遺伝子
第9染色体 7つのエクソンからなる(酵素活性は6、7)
64
He遺伝子
第19染色体
65
Se遺伝子
第19染色体
66
Lewis血液型 表現型、型物質の分泌、日本人の頻度
Le(a+b-) 非分泌 20% Le(a-b+) 分泌 70% Le(a-b-) 分泌又は非分泌 10%
67
アレルギーの反応分類 ①名称、②抗体、③疾患 Ⅰ型
①即時型、アナフィラキシー ②IgE ③アトピー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー、蕁麻疹、薬物アレルギー
68
アレルギーの反応分類 ①名称、②抗体、③疾患 Ⅱ型
①細胞障害型、細胞溶解型 ② IgM、IgG ③輸血反応、溶血性貧血、Goodpasture症候群
69
アレルギーの反応分類 ①名称、②抗体、③疾患 Ⅲ型
①免疫複合体型、アルサス型 ② IgG ③SLE、血管炎、糸球体腎炎、血清病、アルサス反応
70
アレルギーの反応分類 ①名称、②抗体、③疾患 Ⅳ型
①細胞免疫型、遅延型、ツベルクリン型 ②抗体は関与せず、T細胞による障害 ③結核、真菌、ウイルスなどの感染症、感染アレルギー、皮膚炎、移植免疫
71
Rhコントロールが陽性
①寒冷凝集素(IgM)による非特異反応 ②温式自己抗体(IgG)による非特異反応 ③抗Dによる胎児新生児溶血性疾患(HDFN)における異常反応