問題一覧
1
フルベストラントが製剤化しにくい2つの課題の背景には何があったか?
・体内(主に肝臓)で非常に分解されやすい。経口投与した時のバイオアベイラリティが非常に低い ・難容性の化合
2
SOLO2試験で、発現率30%を超える有害事象を頻度とともに5つ教えてください。
・悪心75.9% ・貧血43.1% ・疲労37.9% ・嘔吐37.4% ・下痢32.8%
3
study19試験のITTでのPFSmの、HRは?
8,4ヶ月 HR 0.35
4
卵巣癌の初回手術と化学療法後に完全寛解が得られた場合、分子標的薬を用いた維持療法について Ⅲ・Ⅳ期症例においてベバシズマブを併用しない初回治療により完全寛解が得られた場合 ガイドラインにはどのような記載になっているか?
・BRCA1/2変異を有する症例ではオラパリブまたはニラパリブの維持療法を推奨、推奨の強さ1、エビデンスレベルB、 ・BRCA1/2変異を有しないが、HRDの症例ではニラパリブの維持療法を推奨する、推奨の強さ1、エビデンスレベルB ・HRDがない症例ではニラパリブの維持療法を提案、推奨の強さ2、エビデンスレベルB
5
study19試験でのgBRCA陽性とgBRCA野生型での、PFSmとHRと有意差を教えてください。
gBRCAm:11.2ヶ月 vs 4.1ヶ月 HR 0.17 有意差あり gBRCAw:8.3ヶ月vs 5.5ヶ月 HR 0.50 有意差あり
6
放射線療法の内分泌療法の併用について。 ネオアジュバント療法の目的は、腫瘍を縮小し死角なしに照射を行うことである。結果として、正常部分に対する照射線量を低下する。 ○か×か? また、アジュバント療法の目的は何か?
○ アジュバント療法の目的は、根治的放射線療法の治療成績を向上させる。
7
フルベストラントは、ステロイド骨格に長いアルキルスルフィニル側鎖を有することで、アゴニスト作用を持たない抗エストロゲン剤として合成された。 ○か×か?
○
8
SOLO2試験では、治験担当医師によって治療ベネフィットがあると判断され、その他の中止基準に抵触しない限り継続可能とした。 ○か×か?
○
9
SOLO1試験の7年フォローアップのOS中央値は? HRは? 84ヶ月時点での全生存率は?
OS中央値は未到達、HR 0.55 67.0%
10
Piccartのアルゴリズムによると、化学療法は高リスク例に行い、HER2の発現状況や術後補助療法でアンスラサイクリンを投与したかどうかでその後の治療を選択する。 また、アンスラサイクリンとトラスツズマブの併用も推奨している。 ○か×か?
× 化学療法は中〜高リスクに行う。 心障害の可能性が高くなるため、アンスラサイクリンとトラスツズマブの併用は避けるべきであるとされている。
11
・ERの活性化には〜という部位が重要である。 ・通常のERでは、E2が〜に結合することで、〜が活性型の立体構造の安定化し、それが引き金となりERの活性化につながります。
・ERの活性化にはヘリックス12(H12)という部位が重要である。 ・通常のERでは、E2がLBD(リガンド結合ドメイン)に結合することで、H12が活性型の立体構造の安定化し、それが引き金となりERの活性化につながります。
12
SOLO2試験によると、リムパーザ群の〜%の患者さんが〜年以上、次の再発をせずに単剤維持療法を継続できた。 1年間の継続割合は~%
SOLO2試験によると、リムパーザ群の30.3%の患者さんが2年以上、次の再発をせずに単剤維持療法を継続できた。 1年間の継続割合は62.1%
13
卵巣癌の組織学的異型度(Grade)分類によると、充実性の占める割合がどれくらいになれば、grade3となるか?
50%超
14
FLIPPER試験のPFSの結果を教えてください。有意差とHRも合わせて。
試験群が31.8ヶ月、コントロール群が22ヶ月。有意差あり。HRは0.48
15
ESR1変異は、リガンド結合ドメイン(LBD)の特定の部位に発現し、中でもどこに最も多い変異か?
D538GとY537S
16
SOLO1試験でのPFSのサブグループ解析として、術後残存腫瘍有りではPFS中央値は?HRは?
29.4ヶ月、HR 0.44⇦高リスク症例ではニラパリブと考える先生へのディスカッション案。
17
フルベストラントが、臀部への投与経路を設定した背景は何か?
非常に分解されやすく、かつ極めて溶けにくいフルベストラントを持続的に有効な血中濃度で維持させるためには、5mLの持続放出型製剤という用量のため、安全性の点からより大きな筋肉に投与する必要があったため。
18
ゾラデックスを使用した放射線療法後のアジュバント療法の試験を、対象患者とともに教えてください。
RTOG 92-02 cT2c-4でPSA<150 RTOG85-31 cT3 or cT1-2でN(+) EORTC 22863 cT1-2でGrade3 or cT3-4でN0-1 DART01/05 cT1c-T3bでN0 EORTC 22991 cT1b-cN0M0,PSA≧10ng/mL or Gleasonスコア≧7 cT2aN0M0
19
study19試験で、TOI評価可能集団におけるTOIスコアの改善例の割合は? 有意差は?
20.0% vs 18.0% 有意差なし
20
ASCOガイドラインの迅速改訂でHR陽性HER2陰性転移乳癌の治療をガイドするためのESR1変異の検査が推奨された。 ○か×か?
○
21
SOLO2試験の、以下のことを教えてください。 ・n数と、割り付け割合 ・日本は含まれていた? ・直前の化学療法に併用でない場合はベバシズマブは組み入れ可だが、リムパーザ群は何%にベバシズマブの既治療歴が含まれていた?
・nは295例で、これを2:1に割り付け ・日本は含まれている。 ・リムパーザ群の17%
22
タモキシフェンの作用機序を説明してください。
核内のERに競合的に結合して2量体を形成するが、エストロゲンのように転写を開始させ癌の増殖を促す作用は阻害する。
23
FLIPPER試験の主要評価項目の結果を教えてください。有意差とHRも合わせて。
1年時PFS率は、試験群が83.5%、コントロール群が71.9%で有意差あり。HRは0.55
24
卵巣癌の試験開腹術とは、どんな手術か?
原発腫瘍の摘出が困難で生検と最小限の進行期確認にとどめる手術
25
前立腺癌取扱い規約(第4版)によると、根治術後のPSA再発の判定についてどのように記載されているか?
術後にPSAが2回連続して≧0.2nd/mLとなった場合にPSA再発と判定し、初回の変化日を再発日と規定する。 また、術後一度もPSAが<0.2nd/mLと下降しなかった場合は、手術日の時点で再発と判定する。
26
PAOLA-1試験の患者背景として、PDS症例は〜%、比較的予後不良であるPDS後の残存腫瘍あり症例及びIDS症例はそれぞれ〜%、〜%である。
PAOLA-1試験の患者背景として、PDS症例は50.5%、比較的予後不良であるPDS後の残存腫瘍あり症例及びIDS症例はそれぞれ41.0%、42.5%である。
27
日本におけるCDK4/6阻害薬使用実態を検討した6,442例のデータベース研究(2017年12月〜2021年3月)では、初回CDK4/6阻害薬使用時の併用薬として最も多かった薬剤は何で、何%か?
フェソロデックスで59%
28
PAOLA-1試験のOS最終解析時にupdateされたPFS中央値は、全体集団でLYN+Bevが〜ヶ月、Bev単独が〜ヶ月。 HRD陽性例のPFS中央値はLYN+Bevが〜ヶ月、Bev単独が〜ヶ月だった。
PAOLA-1試験のOS最終解析時にupdateされたPFS中央値は、全体集団でLYN+Bevが22.9ヶ月、Bev単独が16.6ヶ月。 HRD陽性例のPFS中央値はLYN+Bevが46.8ヶ月、Bev単独が17.6ヶ月だった。
29
study19試験で、死亡に至った有害事象、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象を教えてください。
写真参照
30
SOLO2試験でのBICRの評価に基づくPFSの結果は? HRは?
・30.2ヶ月vs5.5ヶ月 ・0.25
31
study19試験のOSの結果について、gBRCAmとgBRCAwでの結果を教えてください。 中央値、HR、有意差
gBRCAmは32.9ヶ月vs 27.3ヶ月 HR 0.68 有意差なし gBRCAwは29.7ヶ月vs 28.9ヶ月 HR 0.83 有意差なし
32
骨盤MRI検査では、卵巣腫瘍の良性・悪性の鑑別にはならない。 ○か×か
× 卵巣腫瘍の良性・悪性の鑑別において最も有用な検査
33
卵巣癌の外科切除として、ⅡA期以上は肉眼的残存腫瘍がない状態を目指した最大限の腫瘍減量手術をすることが、 推奨の強さ1、エビデンスレベルA、合意率100%である。 ○か×か?
× ⅡA期以上ではなく、ⅡB期以上
34
卵巣癌のPRRに推奨される化学療法のレジメンについて、 ガイドラインにはどのように記載されているか?また、どんな薬剤があるか? ・ ・
・前回治療と交差耐性のない単剤治療を提案する ・単剤の化学療法に加え、ベバシズマブの併用療法を提案する ・イリノテカン、ゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、リポソーム化ドキソルビシン、ベバシズマブ併用
35
SOLO2試験の主要評価項目のコントロール群の結果は?HRは?
5.5ヶ月 0.30
36
FLIPPER試験の患者背景として、進行癌と晩期再発症例の割合はそれぞれどれくらいか?
進行癌は46.8% 晩期再発症例は53.2%
37
CT検査は卵巣癌が疑われる場合に良性・悪性の鑑別に有用。 また、他臓器への転移の有無の評価に最も適している。 ○か×か?
○
38
卵巣癌の腫瘍マーカー測定、CT検査は必要に応じて適宜行うことを推奨する。 推奨の強さ〜、エビデンスレベル〜、合意率〜%
卵巣癌の腫瘍マーカー測定、CT検査は必要に応じて適宜行うことを推奨する。 推奨の強さ1、エビデンスレベルC、合意率100%
39
以下のゾラデックスのエビデンスについて、放射線療法のアジュバントの試験はどれか? EORTC22863 TROG 96.01 SWOG9436 RTOG 92-02 RTOG86-10
EORTC 22863 RTOG92-02
40
卵巣癌のFIGO分類によると、ⅣA期とⅣB期の違いを教えてください。
ⅣA期は胸水中に悪性細胞を認める。 ⅣB期は実質転移ならびに腹腔外臓器に転移を認める。
41
以下のゾラデックスのエビデンスについて、放射線療法のアジュバントの試験はどれか? EORTC22863 TROG 96.01 SWOG9436 RTOG 92-02 RTOG86-10
EORTC 22863 RTOG92-02
42
study19試験の以下のことを教えてください。 ・対象のnは? 割付は何対何? ・使用薬剤とmgは? 1日何回? ・選択基準として漿液性以外の原発巣は? プラチナは何レジメン以上? 直前のケモは何サイクル? PSは? ・日本人は参加してる?
・n=265 1:1に割付 ・リムパーザカプセル400mg 1日2回 ・原発性腹膜癌、卵管癌、 プラチナケモは2レジメン以上、直前のケモは4サイクル、PSは0~2 ・日本人は参加していない。
43
卵巣癌ガイドラインではSDSについて、PSRの時もPRRの時も推奨されている。 ○か×か?
× PRRに対しては、切除可能な孤立性病変や症状緩和が期待できる場合を除き、手術療法を実施しないことを提案する。 PSRでは、完全切除が可能と判断される場合には提案されている。
44
卵巣癌の手術適応のない再発患者に対して放射線療法は奨められないが、 脳転移症例に対しては症状緩和と予後改善のために提案されている。 ○か×か?
○ 疼痛、出血などの症状を有する症例に対しても症状緩和のために提案されている。
45
study19でOSの結果を教えてください。 中央値、HR、有意差は?
中央値は29.8ヶ月vs 27.8ヶ月 HRは0.73 有意差なし
46
ホルモン剤(乳癌)耐性機序を、3パターン説明してください。
①膜型ERの作用が活発になることにより、増殖因子のシグナルを増強。結果として増殖が促進。 ②増殖因子の作用により、ERが過剰に活性化。通常では反応しない低濃度のE2に反応。 ③核内ERの性質が変化し、通常では反応しないアンドロゲン代謝物質にも2量体を形成する。
47
エストロゲンの細胞増殖促進作用を説明してください。
エストロゲンは、核内のERと結合して二量体を形成する。これがDNA上のER結合エレメント(ERE)に結合する。 これにより、DNAの転写が活性化されて、癌細胞を増殖させる。 また、ERはごくわずかに細胞膜にも存在している。この膜型ERにエストロゲンが結合することで、膜貫通型の増殖因子受容体を活性化している可能性がある。
48
SOLO2試験の日本人集団で、2例以上に発現した有害事象は何か?
悪心 貧血 好中球減少 白血球減少
49
前立腺癌診療ガイドラインによると、CQ3で根治的放射線療法後の再発様式と定義はどのように記載されているか?推奨グレードは?
根治的放射線療法後の生化学的再発の定義は、PSA最低値+2.0ng/mLである。推奨グレードA また、測定日を再発日とする。
50
GETUG-AFU16について、対象患者を教えてください。
術後PSA再発 pT2-4a,pN0/MX 0.2ng/mL≦PSA値<2ng/mL
51
卵巣癌の初回手術をして、病期・組織型は〜を除いて術後治療として薬物療法が行われる。 〜に入る言葉は?
ⅠA期,ⅠB期の低異型度を除いて、術後に薬物療法が行われる。
52
LH-RHアゴニストの問題点として、ホットフラッシュがあげられる。 ○か×か?
○
53
Australian and New Zealand Breast Cancer Trials Groupの試験によると、進行再発乳癌ではTAM→ACのように内分泌療法から開始した方が延命効果が良好であることを示した。 ○か×か?
× いずれを先行、あるいは併用しても延命効果に差は生じない。
54
PALOMA-3試験における遺伝子変異状況を見ると、試験開始時より試験終了時にESR1変異を有する割合が多かった。 ○か×か?
× 試験開始時と試験終了時はESR11変異を有していた患者の割合はそれぞれ25%と31%で有意差はなかった。
55
FLIPPERd試験の以下について教えてください。 ・試験の目的は ・対象患者のnは? ・閉経の状況は? ・術後内分泌療法の期間は? de novoは入っている? ・試験群とコントロール群は? ・主要評価項目は? ・第何相試験?
・HR陽性HER2陰性の閉経後、de novoまたは術後内分泌療法完了後1年以降の再発乳癌患者の一次治療におけるフェソロデックスとパルボシクリブ併用療法の有効性及び安全性を比較検討する。 ・nは189 ・閉経後 ・5年以上術後内分泌療法完了後1年以降の再発、de novo ・パルボシクリブとフェソロデックス、プラセボとフェソロデックス ・1年時無増悪生存率 ・第Ⅱ相試験
56
PROpel試験において、mCRPCになる前のアビラテロンを除くARATの使用は全く認められなかった。 ○か×か?
× それらARATの治療中に病勢進行がなく、無作為割付12ヶ月以上前に投与が終了している場合に限り組入可とした。
57
日本の乳癌診療ガイドラインによると、転移・再発乳癌に対する内分泌療法の閉経前では、一次治療と二次治療では何が推奨されているか。
一次治療は、LH-RH アゴニスト+TAM 二次治療は、LH-RHアゴニスト+FUL+パルボシクリブ
58
卵巣癌の初回治療で、不十分なstaging laparotomyが行われた場合または術後卵巣癌と判明した場合、初回化学療法中に腫瘍減量術(IDS)を行うことがある。 ○か×か? またこれ以外にも、計画的なIDSを行うのはどんな場合か?
○ 初回手術が試験開腹であった場合、もしくはPDSを施行するも最大残存腫瘍径が1cm以上であった場合も、計画的なIDSを行うことがある。
59
国内のリアルワールドデータでは、BRCA変異陽性のmCRPC患者のPSA-PFSは〜ヶ月、陰性は〜ヶ月と報告されている。 またOSの中央値は、BRCA変異陽性で〜ヶ月、陰性で〜ヶ月であった。 〜に入る言葉は?
国内のリアルワールドデータでは、BRCA変異陽性のmCRPC患者のPSA-PFSは3.25ヶ月、陰性は5.91ヶ月と報告されている。 またOSの中央値は、BRCA変異陽性で20.67ヶ月、陰性で27.27ヶ月であった。
60
乳癌診療ガイドライン2022年版では、ESR1変異の記載がFRQ20のステートメントに記載されている。 ○か×か?
× ステートメントに記載はなく、解説文の中に記載されている。
61
ESR1変異の機序として、LBD(リガンド結合ドメイン)に〜の変異が発現すると、ERの活性化に重要な〜が、リガンドであるエストロゲンが存在しない状況においても活性型の立体構造で安定化する。これにより、リガンドなしでERが二量体化して活性化し、主要の増殖や転移が亢進される。
ESR1変異の機序として、LBD(リガンド結合ドメイン)にY537S、D538Gの変異が発現すると、ERの活性化に重要なH12(ヘリックス12)が、リガンドであるエストロゲンが存在しない状況においても活性型の立体構造で安定化する。これにより、リガンドなしでERが二量体化して活性化し、主要の増殖や転移が亢進される。
62
進行再発乳癌におけるESR1遺伝子変異の発現状況(海外データ)は、HER2陽性乳癌が多いことが報告されている。 ○か×か?
× ESR1変異はTNBCやHER2陽性乳癌と比較して、HR陽性HER2陰性乳癌において頻度の高い遺伝子変異であることが報告された。
63
前立腺癌のリスク分類を決定する際、何が要素となるか?
臨床病期分類、Gleasoスコア、診断時PSA値