問題一覧
1
認知症の知的・認知機能評価で正しいのはどれか。2つ選べ。
MMSE(Mini-Mental State Examination), HDS-R(改訂版長谷川式知能評価スケール)
2
67歳の女性。数か月前から、「子どもが枕売に座っている」と言うようになった。最近では歩行が小刻みになってきて転びやすくなり、物忘れが目立つようになった。疾患として考えられるのはどれか。 ア. Alzheimer 型認知症 イ. Pick 病 ウ.血管性認知症 エ.Lemy(レビー)小体型認知症 オ.遅発性統合失調症
ウ、エ
3
76歳の女性。物忘れのために日常生活で失敗が目立った。最近、夫の浮気を疑うようになり、顔を合わせると興奮し物を投げるなどの行為がみられる。息子が誤りであることをいくら説明しても納得しない。 この患者の精神症状を評価する尺度として適切なのはどれか。
NPI
4
前頭側頭型認知症の初期症状はどれか。
自分本位にふるまう。
5
Lewy 小体型認知症患者に特徴的にみられるのはどれか。
小刻み歩行
6
認知症のBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)の評価尺度はどれか。
NPI
7
生理的老化について誤っているのはどれか。
低い声より高い声の方が聞き取りやすい。
8
改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)の評価に含まれるのはどれか。2つ選べ。
見当識, 記憶・記銘
9
記憶障害を認める患者への対応として正しいのはどれか。
記憶する内容は、その意味を考え、声に出し印象づけて記憶させる。
10
Alzheimer型認知症について正しいのはどれか。
人物の見当識より時間の見当識が障害されやすい。
11
他の認知症と比較して、Lewy 小体型認知症患者にみられやすいのはどれか。
静止時振戦
12
Alzheimer型認知症で正しいのはどれか。
認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する。
13
Alzheimer型認知症でみられないのはどれか。
汚言症
14
認知症で前頭側頭型に特徴的な行動はどれか。
人前で見知らぬ異性に抱きつく。
15
80代の女性。息子の家族と同居。孫の名前を忘れる、日付がわからない、居眠りする、洗濯や掃除を完了せず放置するなどのエピソードが頻繁にあり受診したところ、Alzheimer型認知症と診断され作業療法の指示が出た。 介入で適切なのはどれか。
家事を複数同時に行わないよう指導する。
16
76歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。 作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。
日によって意識レベルの低下度合いが異なる。
17
67歳の女性。作業療法中に傾眠傾向が続いた日があるかと思えば、声かけにはきはきと受け答えをする日もある。部屋の間違いや道に迷うことも多い。あるとき突然「カーテンの陰に人がいる」と話し怯えだした。 この患者の原因疾患として最も可能性が高いのはどれか。
Lewy小体型認知症
18
81歳の女性。1人暮らし。1年前からたびたび鍋をこがしたり同じ内容の電話を何回もかけたりすることがあった。娘が自宅を訪ねると、冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん詰め込まれており、室内に衣服が散乱していた。本人が生気のない表情で座り込んでいたため来院した。 最初に行うべき評価はどれか。
MMSE(Mini-Mental State Examination)
19
59歳の女性。脳梗塞発病後、小梗塞の再発を繰り返し精神症状が前景化したため、精神料病院に転院になった。記銘力障害があるが、理解力や判断力は日によって波がある。言語がやや不明瞭で、移動は小刻み歩行である。 この患者の病態で正しいのはどれか。
まだら認知症
20
68歳の男性。半年前から睡眠中に奇声をあげたり、気分が沈みがちになることがあった。次第に物忘れや立ちくらみ、手の震えが出現した。最近、「玄関に小人が立っている」と言うことが増えたため、家族に付き添われて精神科病院に入院し、作業療法が開始された。 この患者にみられる特徴はどれか。2つ選べ。
動きが緩慢になる。, 症状が変動しやすい。
21
67歳の女性。認知症。2年前ごろから身だしなみに気を遣わずに出かけるようになった。次第に同じ食事メニューを繰り返し作る、日常生活で会話の言葉をオウム返しにする、買い物をしても代金を払わず、とがめられても気にしないといったことが多くなったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。作業療法が開始された。 この患者に見られる特徴はどれか。
時刻表的生活パターンが見られる。
22
78歳の女性。Alzheimer型認知症。物忘れが激しくなるに従い、何をするにも介護者である夫に頼り、そばを離れない状態となった。そのため、主治医にデイケアを勧められ、通所を開始した。 デイケア導入時に行う知的機能検査で適切なのはどれか。
Mini mental state examination(MMSE)
23
Lewy小体型認知症患者の作業療法にみられる特徴はどれか。
活動にむらがある。
24
前頭側頭型認知症に比べAlzheimer 型認知症でみられやすい生活上の特徴はどれか。
物を盗られたと家族を疑う。
25
66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。 疾患として考えられるのはどれか。
Lewy小体型認知症
26
アルツハイマー型認知症の特徴について述べよ。
アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、肉眼的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人班と神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。 発症は老年期であるが、進行が早い若年発症もある。男女比は1:2で女性に多い。 脳の変化として、海馬、側頭葉、頭頂葉の順で萎縮が起きる。主な障害部位は側頭葉と頭頂葉である。 特徴的な症状は記憶障害、見当識障害、物盗られ妄想、失行、失認、失語などがみられる。 人格変化は晩期に崩壊し、病識はない。 経過は緩徐かつ持続的に進行する。 根治療法はまだ確立されていない。
27
レビー小体型認知症の特徴について述べよ。
レビー小体型認知症は、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現する神経変性疾患である。 発症は老年期で男性に多い。 主な障害部位は後頭葉である。 進行性で変動する認知機能障害、幻視、パーキンソニズム、REM睡眠行動障害などの症状がみられる。 人格変化は晩期に崩壊し、病識はない。 経過は緩徐かつ持続的に進行する。 対症療法が中心的だが、抗精神病薬に対する過敏性がある。
28
前頭側頭型認知症の特徴について述べよ。
前頭側頭型認知症は、発症が初老期(40~60歳代)で男女差は特にみられない。主な障害部位は前頭葉と側頭葉である。 症状としては、自発性の低下、感情鈍麻、ものを盗むなどの反社会的行動や道徳観の低下である脱抑制、常同行動などの人格変化・行動異常がみられる。 人格変化は早期に崩壊し、病識はない。 経過は緩徐かつ持続的に進行する。 根治療法がなく、対症療法やケアが中心となる。
29
血管性認知症の特徴について述べよ。
血管性認知症は、脳梗塞や脳内出血などの脳血管障害によって生じる認知症である。アルツハイマー型認知症の次に多い。脳血管障害や高血圧、糖尿病、心疾患などの基礎疾患などで好発する。男性に多くみられる。 主な障害部位は様々な部位に起こるが、前頭葉の障害が多い。 認知機能がまだらに低下するため、まだら認知症がみられる。その他に、感覚障害、運動障害、情動失禁などの症状がみられ、障害部位により局所神経症状を伴う。 人格変化は保たれており、病識もある。 経過は段階的に進行する。 治療は脳梗塞の再発防止として血圧のコントロールや生活指導、リハビリテーションを行う。