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病態生理学
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  • 問題数 60 • 7/21/2024

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    問題一覧

  • 1

    老化とは

    進行性の細胞数減少と臓器機能低下を伴い、最終的には臓器不全と死を持って終わる

  • 2

    加齢=老化ではない理由を説明せよ

    老化のスピードは遺伝的な要因により、人によって元からある程度の差はある。しかし、そこに生活習慣などの要因が関係することで、老化のスピードは遅くなったり速くなったりする。よって生活習慣病などになると老化のスピードは速まるし、逆にどこかで生活習慣病を改めれば、老化のスピードは遅くなる。

  • 3

    単細胞生物が不老不死の理由を説明せよ

    単細胞生物は1つの細胞からできており、主に分裂することで増殖する。よって、そのうちの1つの細胞が死んだとしても、同じ細胞が残されているため、生命体としては不老不死と言える。

  • 4

    受精卵における細胞の成熟と遺伝子発現の変化について説明せよ

    受精卵ではすべての遺伝子においてスイッチがオンの状態にあるため、なんの細胞にでもなれる分化全能性を持つが、特定の機能を持つような細胞に分化した後は、その細胞に関連する遺伝子以外の遺伝子はすべて発現できないようにシャットダウンされる。よって分化の過程では、その機能に必要な機能遺伝子のスイッチのみをオンにする。

  • 5

    分裂する細胞の老化について説明するとともに、正常細胞とがん細胞・多能性幹細胞との違いを説明せよ。

    分裂する細胞は、分裂する度にテロメアが徐々に短くなっていく。よって、分裂し続けてテロメアがある程度の長さ(ヘイフリック限界)まで来ると、それ以上細胞は分裂できなくなり、細胞死を迎える。 しかし、がん細胞や多能性幹細胞は高いテロメラーゼ活性があるため、細胞分裂してもテロメアが短くならない。よって、ヘイフリック限界が無いため、無限に分裂することができる。

  • 6

    中枢神経における老化について説明せよ

    老化とともに神経細胞同士間の伝達速度が遅くなるため、反応速度や作業効率が低下しやすくなり、短期記憶や新しいことを覚える能力も低下する。しかし、知的能力は維持されやすい。

  • 7

    循環器系(血管や心臓)における老化について説明せよ

    まず、血管の老化では、中膜にある平滑筋内のコラーゲンの増加、エラスチンの減少や内膜の肥厚、石灰化などにより血管の弾性が失われ、収縮期高血圧や動脈血圧の上昇が起こる。 次に心臓の老化では、心筋と心筋の間にリポフスチンやアミロイドなどの異常タンパク質が沈着し、コラーゲンが増加して繊維化が進む。また、心臓弁が硬化することで石灰化したり、刺激電動系の変性も生じることがある。

  • 8

    心臓弁膜症について説明せよ

    心臓弁は柔らかい組織であり、これが血流によって動くことにより、血流をシャットダウンしたり、通したりしている。しかし、この心臓弁が石灰化することで、心臓弁の動きが無くなり、血流が逆流してしまう。これを心臓弁膜症という。

  • 9

    心臓における刺激電動系を説明せよ

    洞房結節でつくららた電気刺激が房室結節、ヒス束、右脚、左脚、プルキン工線維へと伝わり、これによって心臓の収縮が引き起こされる。

  • 10

    加齢とともに神経細胞が減るのに、脳の機能が長期間維持されるのはなぜか。

    理由としては、脳の細胞数は、正常機能に必要な細胞数よりも圧倒的に多く存在し、まれに新しい神経細胞がつくられたり、残っている神経細胞同士により新しいネットワークが形成されるためである。

  • 11

    呼吸器系の老化について健康な肺胞と比較して説明せよ

    健康な呼吸器系では、吸引時には胸郭が膨らみ、胸腔内が陰圧になることで肺も気管支も拡張して空気が入ってくる。また、呼気時には胸郭が縮み、胸腔内の陰圧も弱まり、肺も気管支も圧縮されて空気が出ていく。 一方で老化した呼吸器系では肺胞が拡張・癒合して表面積が小さくなっている。また、気管支は線毛の働きが低下して痰が溜まり細くなっている。よって呼気時には気管支が閉鎖しやすくなり、肺胞がより拡張する。

  • 12

    泌尿器系の老化について説明せよ

    動脈硬化などによる腎血流量の低下により、細胞の脱落や間質の線維化が進み、最終的にネフロン数が減少する。また、泌尿器系の老化では、血中老廃物の増加や血圧上昇などの特徴が見られる。

  • 13

    運動系の老化について説明せよ

    筋繊維の減少と筋繊維の萎縮により筋肉量が成人期に比べて30~40%低下する。また、骨密度と骨量の減少により、骨粗鬆症を起こしやすくなることに加え、関節では関節軟骨の変性が起こる。

  • 14

    感覚器系の老化について説明せよ

    老眼によって水晶体の柔軟性の低下によって焦点を合わせにくくなることに加え、水晶体タンパク質が変性して白内障になりやすくなる。

  • 15

    遺伝子(クロトー)について述べよ

    Klotho遺伝子はFGF23の受容体をコードする遺伝子で、主に腎臓に発現する。FGF23は骨から分泌されるペプチドホルモンで、腎臓に作用し尿中のリン排泄を促進する「リン利尿ホルモン」である。 Klotho欠損マウスではリン排泄障害により、リン貯留が起こっていることが早老症の原因と考えられている。ヒトではリン貯留により慢性腎臓病になることから、慢性腎臓病と早老症との関係が分かってきた。

  • 16

    ハダカデバネズミの発ガン耐性の仕組みについて述べよ

    ハダカデバネズミの遺伝子(PIPK3やMLKL)には変異が入っているが、この変異が入っていることにより、細胞がダメージを受けてもダメージを受けた細胞(老化した細胞)へ細胞死を誘導して除去することができるため、免疫細胞の湿潤が起こらない。よって、炎症応答を起こしても、結果として発癌しない体になっている。

  • 17

    プロジェリア症候群の原因因子について答えなさい

    原因因子としてはヒト染色体の1番目にあるLMN(ラミン)Aと呼ばれる遺伝子の異常である。この遺伝子は細胞核の骨格となるタンパク質を作る働きを持つが、異常を起こすとプロジェリンという異常タンパク質が作られてしまう。このプロジェリンによって細胞核の構造の異常やクロマチン構造の変化が引き起こされ、結果的に全身の老いが早まることになる。

  • 18

    新興感染症とは何か

    これまで知られていない、新しく認知された感染症で、局地的にあるあるいは国際的に公衆衛生上の問題となる感染症のこと。

  • 19

    再興感染症とは何か

    既知の感染症で、すでに公衆衛生上の問題とならない程度までに患者が減少していた感染症のうち、近年再び流行し始め、患者数が増加したもののこと。

  • 20

    感染症発症を決める因子は何か

    侵襲性、毒力、増殖性

  • 21

    常在細菌叢とは何か

    常在細菌叢とは、ヒトの皮膚や粘膜の表面に定着している細菌の集団のことをいい、胎内にいる胎児は無菌状態であるが、産道を通過する際に細菌の寄生が始まる。

  • 22

    非特異的防御機構(自然免疫)とは

    好中球やマクロファージ、NK細胞などの2次防御ラインによる異物の排除や組織の修復が行われることによって発赤や発熱、腫脹、陣痛などの炎症が現れること。

  • 23

    特異的防御機構(獲得免疫)とは

    自然免疫では排除することができなかった病原体を排除するシステムで、進化の後期に獲得されたものである。

  • 24

    液性免疫とは

    病原体が体内に入り込むとマクロファージや樹状細胞、B細胞によってとらえられてT細胞に抗原提示されると、ヘルパーT細胞がサイトカインを放出し、B細胞の形質細胞への分化と抗体産生が促されること。

  • 25

    細胞性免疫とは

    細胞内に感染してしまったウイルスなどはヘルパーT細胞が放出するサイトカインに活性化されたT細胞によって感染細胞ごとに破壊されることを言う。

  • 26

    液性免疫と細胞性免疫の相互作用について述べよ

    マクロファージや樹状細胞が病原体を認識し、これらが抗原を提示する。そして、その情報をヘルパーT細胞やキラーT細胞が受け取ると、ヘルパーT細胞からサイトカインが放出されるため、B細胞が活性化し、形質細胞への分化が促される。そして、形質細胞が抗体を産生し、抗体が病原体を攻撃する。(液性免疫) 一方ヘルパーT細胞が放出されたサイトカインによってキラーT細胞が活性化し、直接病原体を活性化させる(細胞性免疫)

  • 27

    人体感染源とは

    病原体を有しているヒトのことであり、咳などを介して他の人に拡散させる。

  • 28

    人獣共通感染症とは

    同一の病原体により、ヒトとヒト以外の脊椎動物の双方が疾患する感染症のことであり、家畜やペットから感染するものと蚊やダニから感染するものにわけられる。

  • 29

    水平感染とは

    感染源から周囲のヒトに広がる感染のことで、接触感染や飛沫感染、空気感染、媒介感染などがそれに含まれる。

  • 30

    垂直感染とは

    妊娠中または分娩時において母体保有の病原体が胎児へ感染すること。

  • 31

    日和見感染症とは

    抵抗性の低下している人に発症する感染症のことで、易感染性(感染症に罹患しやすい状態)の宿主になると病原性の低い病原体であっても容易に感染する。

  • 32

    免疫とは何か

    病原体や異物の侵入を防いだり、侵入してきた病原体や異物を排除・死滅させて自己を守る生体防機構のこと。

  • 33

    ワクチン(インフルエンザワクチン)の原理について説明せよ

    不活性化したインフルエンザウイルスを体内に注射することで体内でマクロファージが不活性化したインフルエンザを認識して抗原を提示し、T細胞の活性化に加えてB細胞が活性化するため、形質細胞に分化して抗体が産生される。よって体内でインフルエンザ抗体ができるため、次にインフルエンザウイルスが入ってくるとインフルエンザ抗体が増え、症状を抑えることができる。

  • 34

    蚊に刺されによって起こるアレルギー反応の原理を示せ

    蚊の唾液がB細胞によるIgE抗体の産生を誘導し、そのIgE抗体が肥満細胞と結合してヒスタミンを分泌させる。放出されたヒスタミンの作用で、血管は膨張し、血漿が溢れ出すことで局所は腫れ、血管が拡張することで皮膚が赤く見える。さらに、ヒスタミンは神経を刺激するために痒みとなる。

  • 35

    移植における拒絶反応の原理をT細胞の特性から述べよ

    キラーT細胞は主要組織適合抗原上に異物が提示された時に、その細胞を攻撃する性質がある。また、自己とは異なる主要組織適合抗原を細胞上に発現している非自己の細胞に対しても攻撃する。 よって、他人から移植した細胞は非自己の主要組織適合抗原としてキラーT細胞に認識されるため、攻撃を受け、拒絶反応を示す。

  • 36

    抗体とは何か

    抗体は、抗原との結合に関与する可変領域と定常領域から成り立っている。可変領域は、さまざまな抗原に対応できるよう構造を変化させる。また、抗体は重鎖2本と軽鎖2本からできており、重鎖の定常領域の構造によってIgG、IgM、IgA、IgE、IgDの5つのタイプの抗体に分けられる。

  • 37

    I型アレルギー反応で起こることを述べよ

    まず、初めて曝露される抗原(アレルゲン)による刺激でB細胞よりIgE抗体が産生され,肥満細胞や好塩基球のIgE受容体と結合する。次に、2度目の曝露が起きると、抗原が肥満細胞表面上のIgE抗体と結合し、その刺激により、脱顆粒が起きる。そして、脱顆粒によりヒスタミンが放出されて血管拡張や血管透過性が亢進され、化学伝達物質が好酸球を動員し、末梢血中の好酸球が増加する。

  • 38

    II型アレルギーにおける作用機序について述べよ

    まず、細胞表面の自己抗原にIgGやIgMが結合すると、その細胞はNK細胞などによる抗体依存性細胞障害により破壊されたり、細胞に結合した抗体がマクロファージや好中球に貪食される。また、抗体に活性化された補体が働いて、膜侵襲複合体が形成され、これにより細胞表面に穴があけられて細胞は溶解する。

  • 39

    III型アレルギーにおける作用機序について説明せよ。

    まず、可溶性抗原と抗体が結合した抗原抗体複合物が形成される。その後、抗原抗体複合物が沈着し、補体と結合することで膜侵襲複合体を形成し、血管内皮細胞や血管壁を越えて組織を攻撃する。さらには、好中球などがタンパク分解酵素を放出することで更なる傷害を与える。

  • 40

    IV型アレルギーにおける作用機序について説明せよ

    IV型はT細胞が細胞性免疫過剰によって直接細胞に攻撃するもので、まず、生体内に初めて抗原が侵入するとヘルパーT細胞が抗原提示細胞により、抗原情報を得て活性化する。その後ヘルパーT細胞は感作T細胞となって抗原を記憶するため、体内に再びこの抗原が侵入した時、すぐに攻撃体制に入ることができる。よって、サイトカインが放出され、マクロファージやキラーT細胞が活性化して標的細胞を攻撃する。

  • 41

    V型アレルギーの作用機序について説明せよ

    何らかの原因で、自己細胞表面の受容体に対する抗受容体抗体がつくられ、受容体に結合し刺激することで細胞機能の異常亢進あるいは低下が起きるアレルギーのこと。また、V型アレルギーは自己抗体の刺激から起きるため、刺激型アレルギーと呼ばれる。II型にも似ているが、炎症などの細胞傷害は起きない。

  • 42

    先天性免疫不全にはどのようなものがあるか

    T細胞がうまく働かなくなる細胞性免疫不全症やディジョージ症候群、抗体産生がうまくいかなくなる液性免疫不全症やブルトン病、抗体産生とT細胞がうまく働かなくなる複合免疫不全症やADA欠損症があげられる。

  • 43

    後天性免疫不全にはどのようなものがあるか

    AIDSや悪性腫瘍、糖尿病などの疾患によって引き起こる免疫不全、ステロイド薬や免疫抑制剤などの医原性による免疫不全、加齢や栄養失調などによって引き起こる免疫不全があげられる。

  • 44

    乳幼児における免疫不全についてIgG抗体を含めて論述せよ。

    IgGは胎盤通過するため、生まれたばかりの新生児は母体から供給されたIgGを持って生まれてくるが、生まれたばかりの新生児は免疫機能が成熟していない。また、母親由来のIgGは生後3〜6か月後にはほぼ消失するが、新生児自身の免疫機能は生後1か月を過ぎることより発達し始める。さらに、1歳頃には成人の半分くらいまで成長し、成人並みになるのは小学生以降になる。

  • 45

    高齢者における免疫機能について説明せよ

    高齢者では免疫機能が低下しているため、獲得免疫系では細胞の機能低下が顕著である。よって、造血幹細胞からT細胞への分化や胸腺での分化成熟が低下し、新しい抗原に反応するT細胞が減少し、記憶T細胞が総体的に増加する。さらに、自然免疫系のNK細胞やマクロファージ、好中球の機能も低下する。 このことから、高齢者では細菌感染からウイルス感染まで幅広い感染源に対して抵抗力が低下する。

  • 46

    炎症とは

    炎症とは侵入してきた異物や損傷した組織を排除し、損傷した組織をもとに戻そうとする一連の生体反応の結果に起こる局所の病理組織的変化である。

  • 47

    ヒスタミンの作用における原理について説明したせよ。

    IgEが2度目に侵入してきた抗原を認識すると、肥満細胞からヒスタミンが分泌され、このヒスタミンによって血管拡張や血管透過性の亢進、痒感が引き起こる

  • 48

    炎症の過程を述べよ

    ヒスタミンなどによって血管の浸透性が増し、血管内の血しょうが血管外へ漏れ出て腫脹が引き起こされる。そして、漏れ出る血しょうと同時に白血球も遊走し、異物を排除し傷害の拡大を防ぐ。炎症が3〜4日続く場合は単球が浸潤しマクロファージーに成熟・分化して貪食により異物を排除する。また、細胞傷害の場合では組織増殖して回復・治癒する場合もあれば、肉芽が形成されて、肉芽組織になってしまう場合もある。

  • 49

    白血球の血管外への移動機構を説明せよ。

    炎症部位で産生されたサイトカインによって接着分子が発現誘導され、それを白血球が認識し、接着分子が活性化する。これによって接着した白血球はケモカインの誘導によって血管内皮細胞間隙をすり抜けて炎症部位へ遊走され、その部位で働く。

  • 50

    慢性肉芽腫炎症とは

    炎症の原因となる異物を組織内に閉じ込めようとする反応のことである。

  • 51

    慢性非特異的炎症とは

    例として肝細胞に感染した肝炎ウイルスに対する不完全な特異的免疫応答が起こった場合、ウイルス感染した一部の肝細胞が特異的防機構により破壊され、その修復過程で起こる線維芽細胞と新生血管の増殖のために繊維化が進んでいき、慢性肝炎が発症する。また、さらに繊維化が進むと肝硬変になる。 このようなことを慢性非特異的炎症という

  • 52

    がんとはなにか

    がんとは腫瘍の中でも宿主の生命を奪うまでに至る悪性のものを指す。

  • 53

    正常細胞と癌細胞の違いについて答えよ

    正常細胞は増殖刺激がなければ増殖しないため、他律増殖であるが、がん細胞は増殖刺激がなくても細胞同期に入ることができるため、自立増殖性である。また、がん細胞は遺伝子変異によって増殖に関わるシグナルが常にオンになっているため無限に分裂できる。

  • 54

    良性腫瘍と悪性腫瘍の違い

    良性腫瘍は分裂するたびに分化・成熟していくため、正常細胞との形態の差が少ない。また、良性腫瘍は遺伝子異常の数が少ないために正常細胞との違いが明瞭ではない。しかし、悪性腫瘍は遺伝子異常が積み重なり様々な違いをもったいくつかの細胞集団から構成されており、特徴として転移することで生命維持に必須の臓器の機能を障害する。

  • 55

    癌ウイルスはどのように誕生するか

    癌ウイルスは癌細胞にウイルスが感染し、ウイルスが癌細胞の異常の生じた遺伝子を取り込むことで誕生する。 また、癌ウイルスが正常細胞に感染すると癌遺伝子が正常細胞に取込まれ、癌遺伝子が働き、正常細胞が癌化する。

  • 56

    がんの転移様式

    がんの転移様式には血行性転移、リンパ行性転移、播種性転移の3つがある

  • 57

    転移様式3つのそれぞれの特徴を述べよ

    血行性転移はがんの原発巣に形成されてくる新生血管内にがん細胞が侵入し、血流に乗って他臓器に移動する。がん腫では進行するにつれて血行性転移が多くなるが、肉腫では比較的早期に血行性転移をすることが多い。 次に、リンパ行性転移は、がんの原発巣に形成されてくるリンパ管内にがん細胞が侵入し、がん組織から近いリンパ節に移動して増殖を始める。がん腫でははじめにリンパ節に転移することが多く、がん組織から近いリンパ節から同心円状に転移巣が拡大していく。 最後に、播種性転移は、例えば肺に形成された肺がんが胸膜を突き破って胸腔内にばらまかれることで、がん細胞が他部位に着床して増殖を始め、病巣も多くなり、さらに転移を増やしていくことをいう。

  • 58

    局所的影響について説明せよ

    これは、周辺臓器を圧迫し、血行障害や機能障害をもたらし、消化管では狭窄や通過障害が起き、吐き気や便秘が、胆道系のがんでは胆汁の通過障害による黄疸が認められる。また、肝転移では肝不全に、肺転移では呼吸不全に、骨転移では病的骨折になる。

  • 59

    全身的影響

    これは、がんの進行期、未期になるとがん細胞によって栄養が奪われてしまう上に、TNF-αなどの炎症因子の影響で悪質液と呼ばれる状態になる。また、全身がやつれて貧血状態になり、筋力低下が認められ、極端にやせ細っていく。

  • 60

    受精卵における細胞の成熟と遺伝子発現の変化について説明せよ

    受精卵ではすべての遺伝子においてスイッチがオンの状態にあるため、なんの細胞にでもなれる分化全能性を持つが、特定の機能を持つような細胞に分化した後は、その細胞に関連する遺伝子以外の遺伝子はすべて発現できないようにシャットダウンされる。よって分化の過程では、その機能に必要な機能遺伝子のスイッチのみをオンにする。