問題一覧
1
三寸ばかりなる人、いとうつくしうて「ゐ」たり
座っ
2
物の隠れよりしばし見「ゐ」たるに
てい
3
やうやう夜も明けゆくに、見れば「率」て来し女もなし
連れ
4
坏なども「具せ」ざりければ、手にむすびて食はす
伴っ
5
ちひさき君たちをひき「ぐし」て、三条右大臣殿にすみたまひけり
連れ
6
かの奉る不死の薬壺に文「具し」て、御使に賜はす
添え
7
日ごろ「経」て、宮に帰りたまうけり
経っ
8
黒崎の松原を「へ」て行く
通っ
9
え「さら」ぬことのみいとど重なりて
避ける
10
夕「され」ば野辺の秋風身にしみてうづら鳴くなり深草の里
なる
11
さる御文をだに「ものせ」させ給へ
書き
12
中将はいづこより「ものし」つるぞ
来
13
かく世を離るるさまに「ものしたまへ」ば
いらっしゃる
14
宮はいとどしき御心なれば、いと「ものしき」御気色にて
不快な
15
『見むとおもはば』と「ある」を (口)
言う
16
『あさましく』と「あり」
お書きになっている
17
さすが「ならは」ぬ道なれば
慣れ
18
かかる有様も「ならひ」給はず、ところせき御身にて、珍しう思されけり
馴染み
19
心地には限りなく妬く心憂く思ふを、「しのぶる」になむありける
我慢する
20
寺、社などに「しのび」てこもりたるもをかし
人目を忍ん
21
なき人を「しのぶる」宵のむら雨に濡れてや来つる山時鳥
思い出す
22
いといたう強ひられて、「わび」にて侍り
困っ
23
限りなく遠くも来にけるかな、と「わび」合へるに
嘆き
24
念じ「わび」つつ、様々の財物かたはしより捨つるが如くすれども
かね
25
いかがはせむ、「かたちをかへ」て
出家し
26
思ひのほかに、「御髪下ろし」たまうてけり
出家し
27
「世を背き」ぬべき身なめり
出家し
28
その人、ほどなく「うせ」にけりと聞きはべりし
亡くなっ
29
左の大臣の御母菅原の君「かくれ」給ひにけり
亡くなり
30
そこに「いたづらになり」にけり
亡くなっ
31
遂にいと「あさましくなら」せ給ひぬ
亡くなり
32
義仲都にて「いかにもなる」べかりつるが
死ぬ
33
また、ただひとつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くも「をかし」
素晴らしい
34
笛をいと「をかしく」吹き澄まして、過ぎぬなり
素晴らしく
35
妻、『「をかし」』と思ひて、笑ひてやみにけり
滑稽だ
36
童の「をかしげなる」、出で来てうち招く
可愛い様子の
37
『「よろしく」侍り』
悪くはない
38
「よろしき」ことだに、かかる別れの悲しからぬはなきわざなるを、ましてあはれに言ふかひなし
普通の
39
「よき」人はあやしきことを語らず
身分が高く教養がある
40
「ありがたき」もの。舅に褒めらるる婿
滅多にない
41
『さ候へばこそ、世に「有り難き」ものには侍りけれ』とていよいよ秘蔵しけり
素晴らしい
42
家居の「つきづきしく」、あらまほしきこそ仮の宿とは思へど、興あるものなれ
似つかわしく
43
あてに「なまめかしく」おはします
上品で
44
「なまめかしく」、人の親げなくおはしますを
若々しく
45
藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いと「めでたし」
素晴らしい
46
日の装束「うるはしく」したる人の、太刀帯きて笏取り
きちんと
47
あまり御心「うるはしく」すなほにて、へつらひ飾りたる小国には負はぬ御相なり
美しく
48
「やむごとなき」人のかくれ給へるもあまた聞こゆ。
高貴な
49
この大臣の御おぼえいと「やむごとなき」に、
並々でない
50
(東宮は)十一になりたまへど、ほどより大きに「大人しう」きよらにて、
大人びていて
51
上人なほゆかしがりて、「おとなしく」物知りぬべき顔したる神官を呼びて、
思慮分別があり
52
「おとなしく」、もどきぬべくもあらぬ人のいひ聞かするを、
主だっていて
53
(天香具山は)年ごろ「ゆかしう」思ひわたりし所なりければ、
見たいと
54
山路きて何やら「ゆかし」すみれ草
心惹かれる
55
(村上天皇は)「なつかしう」なまめきたる方は、延喜にはまさりもうさせたまへり。
親しみ深く
56
「はづかしき」人の、歌の本末問たるに、ふとおぼえたる、我ながらうれし。
立派な
57
うちある調度も昔覚えて安らかなるこそ、「心にくし」とみゆれ。
奥ゆかしい
58
「うつくしき」もの。瓜にかきたるちごの顔。
可愛い
59
限りなく「かなし」と思ひて、河内へも行かずなりけり。
愛しい
60
(赤ちゃんが)かい付きて寝たる、いと「らうたし」
可愛い
61
頰つきいと「らうたげ」にて、
可愛らしく
62
髪ゆるやかに、いと長く、「めやすき」人なめり。
感じが良い
63
ただ文字一つに、「あやしう」、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ。
不思議に
64
「あやし」の身には得がたき物にて、
身分が低い
65
「あやしき」舟どもに柴刈り積み、
粗末な
66
帝、「さうざうし」とや思し召しけむ、殿上に出でさせおはしまして、
物足りない
67
いと「つれなく」、なにとも思ひたらぬさまにて、たゆめ過ぐすも、またをかし。
平然として
68
昔、をとこ、「つれなかりける」女にいひやりける。
冷淡だっ
69
文ことば「なめき」ひとこそにくけれ。
無礼な
70
夜いたくふけて、門をいたう「おどろおどろしう」たたけば、
大袈裟に
71
いと「おどろおどろしく」かきたれ雨の降る夜、
気味悪く