問題一覧
1
うちある調度も昔覚えてやすらかなるこそ、(心にくし)と見ゆれ。
奥ゆかしい
2
(うつくしき)もの。瓜にかきたるちごの顔。
かわいい
3
限りなく(かなし)とおもひて、河内へも行かずなりにけり。
いとしい
4
かい付きて寝たる、いと(らうたし)
かわいらしく
5
髪ゆるるかに、いと長く、(めやすき)人なめり。
感じがよい
6
ただ文字一つに、(あやしう)、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ。
不思議に
7
(あやし)の身には得がたき物にて、
身分が低い
8
(あやしき)船どもに柴刈り積み、
粗末な
9
帝、(さうざうし)とや思し召しけむ、殿上に出させおはしまして、
物足りない
10
いと(つれなく)なにとも思ひたらぬさまにて、とゆめ過ぐすも、またをかし。
平然として
11
昔、をとこ、(つれなかり)ける女にいひやりける。
冷淡だっ
12
文ことば(なめき)人こそいとにくけれ。
無礼な
13
夜いたくふけて、門をいたう(おどろおどろしう)たたけば
大げさに
14
いと(おどろおどろしく)かきたれ雨の降る夜、
気味悪く
15
今日よりは(うき)世の中をいかでわたらむ。
つらい
16
若い女房などは、(心うし)と耳とどめけり。
いや(な感じ)だ
17
女君は、暑く(むつかし)とて、御髪すまして、
うっとうしい
18
奥の方は暗うもの(むつかし)と、女思ひたれば、
気味が悪い
19
(すさまじき)もの。昼ほゆる犬、春の網代。
興ざめな
20
冬の夜の月は、昔より(すさまじき)物の例にひかれて侍りけるに、
殺風景な(寒々とした)
21
左の大臣の、一の人といひながら、美麗ことのほかにて参れる、(びんなき)ことなり。
不都合な
22
「きのふの価返しくれたびてんや」と侘びぬ。いと(びんなけれ)ば、許しやりぬ。
気の毒な
23
翁を(いとほし)、かなしと思しつることも失せぬ。
気の毒だ
24
去り難き妻、(いとほし)子をふり捨て、
かわいい
25
(いはけなく)かいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。
子どもっぽく
26
その子いまだ(いとけなき)程に、日本に帰る。
幼い
27
(つらく)もおはしますかな。
薄情で
28
小さき屋ども作り集めて奉り給へるを、(とこせき)まで遊び広げ給へり。
窮屈な
29
かかる有様もならふ給はず、(ところせき)御身にて、珍しう思されけり。
窮屈な
30
いとはかなうものし給ふこそ、あはれに(うしろめたけれ)。
気がかりだ
31
御前にて申すは(かたはらいたき)事には候へども、
きまり悪い
32
すべていとも知らぬ道の物がたりしたる、(かたはらいたく)聞きにくし。
苦々しく(みっともなく)
33
すのこは(かたはらいたけれ)ば、南のひさしに入れ奉る。
気の毒な
34
(わりなく)ものうたがひする男にいみじうおもはれたる女。
ひどく
35
(わりなう)おぼし乱れぬべし。
どうしようもなく
36
一昨日より腹を病みて、いと(わりなけれ)ば、
苦しい
37
人の語りいでたる歌物語の、歌のわろきこそ(ほいなけれ)。
残念だ
38
このゐたる犬のふるわななきて、涙をただおとしにおとすに、いと(あさまし)。
驚くほどだ
39
かく(あさましき)そらごとにてありければ、
あきれるほどの
40
物のあはれも知らずなり行くなん(あさましき)。
なさけない
41
はじめより我はと思ひ上がり給へる御方々、(めざましき)ものにおとしめそねみ給ふ。
気にくわない
42
気高きさまして、(めざましう)もありけるかな。
すばらしい
43
世は定めなきこそ、(いみじけれ)。
すばらしい
44
あな(いみじ)。犬を蔵人二人してうち給ふ。死ぬべし。
ひどい
45
風の音も(いみじう)心ぼそし。
とても
46
(ゆゆしき)身にはべれば、
不吉な
47
(ゆゆしかり)ける者どもの心の大きさ広さかな。
すばらしかっ
48
各々拝みて、(ゆゆしく)信おこしたり。
はなはだしく
49
昨日今日御角ののたまはむことにつかむ、人聞き(やさし)。
恥ずかしい
50
いと若やかに愛敬づき、(やさしき)ところ添ひたり。
上品な
51
あな(やさし)。
殊勝だ
52
東よりの使ひ帰り来たる気色(しるけれ)ど、
はっきりと分かる
53
世とともにいひけるも(しるく)、男もせで、二十九にてなむ、うせたまひにける。
とおりに
54
梅は白き、うす紅梅、一重なるが(とく)咲きたるも、重なりたる紅梅の、匂ひめでたきも、みなをかし。
早く
55
眺めつつ来る間に、(ゆくりなく)風吹きて、
突然に