問題一覧
1
アウトソーシング活用企業の戦略目的は何か?
コア業務への集中 専門性の確保 コストの削減
2
アウトソーシングのメリット・デメリットをそれぞれ述べよ。
メリット: 外部の専門知識や自社にない固有技術が活かせる 当該業務の設備や要員を自社内に抱えないため、固定費を圧縮できる 投資余力をコア業務に集中させ、資本の流動化と資本効率を向上できる デメリット: 業務内容の機密やノウハウの漏洩の懸念がある 業務を理解できる従業員がいなくなり、業務がブラックボックス化する 導入部署での人員削減に伴いモラルやサービスが低下する
3
フランチャイズの本部と加盟者の役割について述べよ。
本部: 加盟者に特定の商標を使う権利を与える 加盟者の物品販売、サービス提供、その他事業・経営について、統一的な方法で統制、指導、援助を行う 加盟者: 本部からの資本関係がない事業者が多い 本部が提供するものの対価として、ロイヤリティを支払う
4
フランチャイズ本部のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: 他人資本の活用で急速に事業展開できる ロイヤリティの徴収で安定した経営基盤を構築できる デメリット: 一部の不適切な加盟者の存在がチェーン全体の信用を失わせる 加盟者の責任意識や自助努力が欠如する恐れがある
5
フランチャイズ加盟者のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: フランチャイズ本部による経営指導や援助を受けられる 事業経験がなくても事業を開始でき、起業する際のビジネスリスクを軽減できる デメリット: チェーンの統一性が優先され、経営に制約があるため、創意工夫の自由度が低い 加盟金やロイヤルティなどの支払いが必要になる
6
中小企業の海外展開における課題を列挙せよ。
現地マネジャー層の不足 現地労働者の賃金コストの上昇 品質管理が困難 現地市場におけるさらなる販路の拡大 現地の税制・法制度の変化
7
中小企業の海外展開による経営の変革について述べよ。
国内では関係が持てなかった新たな取引先を開拓できる 国際企業としてのブランド価値が高まる 低付加価値製品の製造は海外に移転し、国内は高付加価値製品の製造に集中できる 海外で得た収益を国内事業へ再投資できる 従業員の国際化、キャリア形成に寄与し、後継者や幹部社員育成に効果がある
8
公式組織の3要素とは何か?
共通目的: 本来個人では達成できないことを協働で達成するために組織が形成される 貢献意欲: 構成するメンバーの「活動を提供しようとする意欲」なくしては組織が成立しない コミュニケーション: 目的と貢献意欲が存在しても、両者を結びつける意思疎通がなければ集団の行為は呼び起こせない
9
機能別組織のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: 生産や購買の集約により、共通の費用を抑えられる 同じ機能のメンバーが1つの部門に集まるため、専門性を高めやすい 各機能の調整に必要な意思決定がトップまで上がるため、中央集権的な管理をしやすい トップと現場との距離が近いと、迅速な意思決定が可能になる デメリット 組織規模の拡大により現場からトップまでの距離が長くなると、迅速な意思決定が困難になる 機能部門ごとの評価基準が異なり、部門間のコンフリクトが発生しやすい トップが機能部門間で発生したコンフリクトの調整に忙殺される
10
機能別組織の運営上の留意点を述べよ。
規模の拡大につれて多重階層を形成するため、組織の情報処理能力が低下する トップマネジメントの機能低下や部門間対立が起こりやすい 分化した部門の統合には、公式の統合担当者が必要になる
11
事業部制組織のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: 事業ごとに事業部が編成されるため、利益責任が明確化する 事業ごとに事業部が編成されるため、事業間の調整が軽減される 限定された事業環境に特化しているため、当該環境に対して的確で迅速な対応ができる 事業部の業績評価に基づき、資源配分とコントロールが比較的容易になる 事業部長には大幅な権限を移譲しやすいので、経営者としての訓練・育成ができる デメリット: 本社が事業部の現状を十分に把握できず、事業部の逸脱した行動をコントロールしにくくなる 利益責任の遂行に必要な職能を事業部内に組織するため、設備や人員に無駄な重複が生じやすい 短期業績思考が強まり、長期的・戦略的な取り組みが抑制されやすい 事業部門の壁が生じ、コミュニケーション不足や事業部間の調整が困難になる 事業部門の人材や技術の交流が難しく、情報の共有が不十分になる
12
マトリクス組織のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: 顧客からの2通りの要求に応えるために必要な調整ができる 経営環境の頻繁な変化や複雑な意思決定に対応できる 規模の経済性の追求や高い業績目標を達成するために、経営資源が共有化される デメリット: 機能マネジャーと事業マネジャーの間にコンフリクトが生じやすい 頻繁な会合や葛藤処理の煩雑さに各マネジャーの時間が取られる
13
マトリクス組織の運営上の留意点を述べよ。
①トップマネジメントが最終的な判断を行う ②あらかじめ命令の優先順位を決めておく
14
組織文化の逆機能とは何か?
保守化と固定化: 過去の成功体験に依存するため、変化の必要性を認識できたとしても行動が困難になる 組織の画一化: 多くの社員が同じ考えになり、新しい発想や実践を阻害する
15
組織文化を形成する要因を5つ挙げよ。
①近接性: 成員が物理的に近接している ②同質性: 成員が相互に類似し、同質である ③相互依存性: 相互に依存し合う関係である ④コミュニケーションネットワーク: コミュニケーションの経路が形成されている ⑤帰属意識の高揚: 成員のロイヤルティを高める機会を設けている
16
組織のライフサイクルと、それぞれの段階での危機を述べよ。
企業者段階:強力なリーダーシップの必要性 共同化段階:権限委譲の必要性 公式化段階:官僚制の弊害の除去 精巧化段階:再活性化の必要性
17
組織学習サイクルについて説明せよ。
環境の変化により、個人の信念・知識が修正される ↓ 個人が学習した成果は、個人レベルの行動の変化を促す ↓ 個人の変化は組織レベルでの行動の変化をもたらし、組織は新しい行動を展開する ↓ 組織の新しい行動からの成果は環境を変化させる。
18
組織変革のプロセスについて説明せよ。
変革の必要性の認識 ↓ 革新的組織変革案の創造 ↓ 変革の実施・定着
19
組織変更における抵抗問題への対処法を述べよ。
①現行組織の問題点をメンバーへ周知徹底させる ②変革課程へメンバーを参加させる ③変革支持に対して報酬配分をする ④現状脱却のための時間と機会を提供する ⑤新組織に向けての教育や訓練をする
20
組織変更における混乱問題・対立問題への対処法を述べよ。
①望ましい新組織像を具体的に明示する ②関係者間で緊密かつ継続的な情報伝達をする ③迅速な問題解決とその支持体制を確立する ④中心的な権力集団からの協力を確保する ⑤対立がある諸集団(リーダー)に、共通の外部環境の敵を作り、行動させて、集団全体の統合を図る
21
集団参加型の組織システムにおいて、従業員満足および生産性を高めるための3つの原則は何か?
支持的関係の原則: リーダーが部下の個人的側面に関心を寄せて良好な信頼関係ができると、部下はその集団に所属することに満足感を持つ 集団的意思決定の原則: 小集団のリーダーが連結ピンの役割を円滑に果たすためには、集団内部の意思決定に部下を参加させ、集団の凝集性を高めることが必要である 高い業績目標の原則: 指示的関係の原則と集団的意思決定の原則が行われていれば、高い業績目標はメンバーの自己実現欲求を満足させる目標になる
22
組織論における連結ピンとは何か?
上位集団、同列集団、下位集団をつなぎ、コミュニケーションや意思決定をするもの。 それぞれの集団の管理者がこの機能を持つことが多い。
23
グループダイナミクスの観点から、集団凝集性と生産性の関係について述べよ。
集団の凝集性が高いほど、メンバーは集団の目標に向かって努力する。 業績関連の規範(集団目標と組織目標の一致度)が高い場合、凝集性の高い集団の生産性はより高まる。
24
集団凝集性を高めるための方法を列挙せよ。
①集団をより小規模にする ②集団目標への合意を促進する ③メンバーが共に過ごす時間を増やす ④集団のステータスを高め、その集団への参加資格を得がたいものに見せる ⑤他の集団との競争を促進する ⑥個々のメンバーではなく集団全体に報酬を与える ⑦集団を物理的に孤立させる
25
エンパワーメント(権限委譲)の成功要件は何か?
①経営理念、ビジョンの共有 ②正当な評価と報酬 ③能力の把握と資源の提供
26
ハーズバーグの2要因説における衛生要因と動機づけ要因の要素をそれぞれ列挙せよ。
衛生要因: 会社の方針と経営 監督 人間関係 作業条件 給与 動機づけ要因: 達成 承認 仕事そのもの 責任 昇進 成長
27
デシの内発的動機づけ理論において、内発的動機づけが高まる要因は何か?
自らの有能さの自覚 自己決定できるという安心
28
職務拡大、職務充実、職務再設計について説明せよ。
職務拡大: 細分化された職務を仕事の遂行過程に沿って統合する 職務充実: 職務に必要な判断の幅(計画、組織化、実行、調整、統制など)を広げ、メンバーの能力や人間的成長の機会を与える 職務再設計: 小集団活動などを通じて、目標による管理で個人レベルの充実を図る
29
コモディティ化の説明、およびコモディティ化に向かう3要素を説明せよ。
参入企業が増加し、商品の差別化が困難になり、価格競争の結果、企業が利益をあげられないほどに価格が低下すること。 ①モジュール化(部品標準化) ②中間財の市場化 ③顧客価値の頭打ち
30
新製品開発の標準的なプロセスを述べよ。
①アイデアの創造 ②アイデアのスクリーニング ③事業性の分析 ④新製品(試作品)の開発 ⑤テスト・マーケティング ⑥市場導入
31
先発企業の優位性は何か?
経験曲線効果を得られる 希少資源を利用できる 模倣に対する障壁を築くことができる
32
先発企業の不確実性として何が挙げられるか?
先発企業が特許取得によって得られる利益機会 特許取得により独占した技術の顧客ニーズへの合致
33
同族企業のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: 株主が少数のため、意思疎通が図られやすく、意思決定が速い カリスマ性が発揮されやすく、組織文化が醸成されやすい 経営者が最後まで経営責任を取る デメリット: 恣意的な評価が行われやすく、人事や考課が不透明になりがち 同族以外が役員になりにくく、従業員のモチベーションが上がりにくい 能力のある人材を登用する道が狭くなりやすい
34
社員持株会のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: ①財産形成等の援助となり福利厚生対策となる ②資金調達の一手法となる ③非公開会社が株式を公開する場合、安定株主として期待できる ④株主構成の改善や株式事務の合理化に有効である ⑤従業員のモチベーションを高められる ⑥オーナーの事業承継に役立ち、相続税対策にも効果的である デメリット: ①株主関係が悪化すると会社運営が混乱する ②株式市場がないため換金性に乏しい ③社員持株会からオーナー一族が買い戻す場合、原則的な評価方法で買い戻さなければ贈与税の問題が生じる恐れがある
35
M&Aにおいて、買収側の企業のメリットを述べよ。
①優秀な人材を確保できる ②ノウハウを習得できる ③雇用と機会の維持が図れ、地域社会に貢献できる ④短期間で企業規模を大きくできる ⑤規模の経済性を追求できる ⑥販売や生産などのシナジーが期待できる
36
M&Aにおいて、被買収側の企業のメリットを述べよ。
①経営者が新たな後継者を得て引退できる ②被買収企業の従業員にとって雇用機会が確保され、動機づけの一因となる ③規模の大きな企業で働けることから、士気向上が期待できる ④買収企業の優れたノウハウを吸収できる
37
M&Aにおいて、買収側の企業のデメリットを述べよ。
①M&A実行時点で得られる情報が少なく、締結後に新たな問題が生じる可能性がある ②両者の組織文化や管理手法の違いによる対立(コンフリクト)が発生する ③人事や給与体系、管理方法、拠点や設備などの統合が進まなければ、非効率となる
38
M&Aにおいて、被買収側の企業のデメリットを述べよ。
①両者の組織文化や管理手法の違いによる対立(コンフリクト)が発生する ②企業文化、経営理念などの違いから、従業員がそれまでと同様の環境で働けない
39
集団間コンフリクトの発生要因を3つ挙げよ。
①不完全なコミュニケーションネットワーク ②利害関係の対立や競合 ③未熟な組織内関係
40
コンフリクトの協調的解消法を3つ挙げよ。
①コミュニケーションの機会を増大させる ②仲介者を設ける ③人事交流を深める
41
成果主義制度のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: ①仕事に対する意欲が高まる ②人事評価の重要性や納得性が高まる ③中途採用された社員など勤続年数の短い人も公平に扱われる デメリット: ①制度設計、運用が難しい ②個人の短期的な成果を追求するため、従業員間の和が乱れる ③成果は市場動向や市場成熟度といった外部環境に影響されやすいので、評価が難しい
42
下請製造業の生き残り戦略を3つ挙げよ。
①提案型企業となる。親会社が実施する製品開発や改善活動に対し、メンバーとして参加や技術提案を積極的に行う ②取引を分散する。技術力や機動力を高めて、自立した企業としての基盤を築き、親会社の数を増やす ③下請取引から自立する。独自技術や独自製品の開発を行い、独立性の高い企業になる
43
非正規社員活用のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: ①人件費を変動費化できる ②多様な就業ニーズに対応する形で、労働力不足を解消できる デメリット: ①製造業では熟練工が育ちにくく、サービス業ではベテランが育ちにくい ②正規社員と比べ、会社に対する忠誠度、責任感が低い
44
中途採用のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: ①即戦力として期待できる ②教育コストが抑えられる ③柔軟な発想や新しい考え方を取り入れられる デメリット: ①企業文化になじみにくい ②前職のやり方に固執してしまう可能性がある ③入社時の待遇の決定が難しい
45
新卒採用のメリット・デメリットを述べよ。
メリット: ①社内の適正な年齢構成を維持できる ②自社独自の社風や職務遂行方法になじませることが容易である ③採用後の一定期間、低賃金で雇用できる デメリット: ①自社で社会人教育を行う必要がある ②即戦力としては期待できない ③正しく人材を選別することが比較的難しい ④採用にあたって、準備期間を含め周到な準備期間が必要となる
46
人事システムの基本構成要素を述べよ。
採用 配置 評価 報酬 能力開発
47
ジョブローテーションにより期待される効果は何か?
①幅広い業務経験を積むことにより業務への対応能力が向上する ②業務内容の相互理解により部門間コミュニケーションが円滑化する ③社員の業務体験拡大により潜在的な適性、能力が発見、活用される
48
社内公募する際の留意点を述べよ。
①自由に応募できる ②制度に対し管理職の理解が得られる ③人選にもれた従業員をフォローできる
49
分化した部門を統合する際に考慮すべき事項を挙げよ。
①公式の統合担当者の設置 ②公式組織の調整能力の向上(自己完結組織単位の形成) ③スラック資源の活用(部門間在庫など)
50
キャリア・アンカーの3つの要素および8つのカテゴリーは何か?
要素: ①コンピタンス ②動機 ③価値観 カテゴリー: ①専門、職能別 ②全般管理 ③自立、独立 ④保障、安定 ⑤独創性 ⑥奉仕、社会貢献 ⑦純粋な挑戦 ⑧ライフスタイル
51
経営計画の役割を5つ述べよ。
①経営の羅針盤になる ②合理的に経営活動を進められる ③経営意識を醸成する ④経営活動推進の意思決定情報となる ⑤経営管理の中核になる
52
技能継承を目的とした高年齢者再雇用の留意点を述べよ。
①継承すべき重要技能を明確にする ②定年前から他者に教える手法について教育研修を実施する
53
組織変革への障害を5つ述べよ。
①埋没コストにより現在の戦略・構造に執着する傾向がある ②既得権益の喪失に対する利害関係者の圧力がある ③一定以上の業績を上げていると、あえて不連続な変革をもたらす探索をしない ④不満がない状態における改革実行への不十分な動機づけ ⑤希求水準そのものを若干低くすることによって適応しようとする
54
人事評価にあたっての留意点を4つ述べよ。
①評価手続・評価基準を明確化および公開する ②被評価者の納得性を高めるための工夫をする ③評価者訓練を実施する ④評価者の心理的傾向への配慮をする(ハロー効果、寛大化傾向、中心化傾向、論理誤差、対比誤差)
55
OJT実施時の留意点を述べよ。
①指導者に対する指導・育成を十分に行う ②体系的な実施計画およびマニュアルを作成する ③OJTの成果を定期的にチェックする
56
Off-JT、自己啓発の効果およびそのための支援策を述べよ。
効果: ①相互啓発が可能となり、視野の拡大や自分の欠点の確認などに効果的である ②全体的にレベルアップできる ③必要な知識などを早く周知できる 支援策: ①通信教育講座の援助や斡旋をする ②公的資格取得の援助をする ③能力開発休暇制度を導入する
57
組織活性化のための2つの軸について説明せよ。
①一体化: メンバーが組織と目的・価値を共有していること ②無関心圏: 命令・指示の内容を意識的に反問することなく受け入れること
58
水平的コンフリクトと垂直的コンフリクトについて説明せよ。
水平的コンフリクト: ①組織同士が相互依存的であるほど発生しやすい ②組織が置かれた環境があいまいで、各部門の目標が互にまとまりを欠いたり、そのために限られた資源を取り合う場合に大きくなる 垂直的コンフリクト: ①組織のヒエラルキーが有効に機能せず、権威が正当性を失い、権限の配分にゆがみが生じる場合に発生しやすい
59
関連型多角化のメリットと留意点を述べよ。
メリット: 既存事業と新規事業間のシナジー効果により高い収益性をもたらす 留意点: 主力事業に関連する事業分野を中心に多角化すると、主力事業の市場で他事業との競合が起こり、収益性が低下する恐れがある。
60
組織の5原則とは何か?
専門化の原則 権限責任一致の原則 統制範囲の原則 指揮命令統制の原則 例外の原則