問題一覧
1
孔子将問礼於老子。
孔子将に礼を老子に問はんとす。, 孔子が礼について今まさに老子に尋ねようとした。
2
大丈夫当如此也。
大丈夫当に此くのごとくなるべきなり。, 立派な男子は当然このようであるべきだ。
3
病口従入、禍口従出。
病口より入り、禍口より出づ。, 病気は口からおき、災難は失言からおきる。
4
己所不欲、勿施於人。
己の欲せざる所、人に施すこと勿れ。, 自分のしてほしくないことは、他人にしてはいけない。
5
故弟子不必不如師。
故に弟子は必ずしも師に如かずんばあらず。, だから、弟子が必ずしも師に及ばないとは限らない。
6
人不能不楽。
人は楽しまざる能はず。, 人は楽しまないではいられない。
7
子無敢食我也。
子敢へて我を食らふこと無かれ。, あなたは決して私を食べてはいけない。
8
伯楽不常有。
伯楽は常には有らず。, 伯楽はいつもいるとは限らない。
9
秦敢不動乎。
秦敢へて動かざらんや。, 秦はどうして動かないことがあろうか、いやきっと動く。
10
問君、何能爾。
君に問ふ、何ぞ能く爾ると。, 君に尋ねよう、どうしてそのように生活ができるのかと。
11
可与不。
与ふべきや不や。, 与えるべきか、どうか。
12
弟子、孰為好学。
弟子、孰か学を好むと為す。, 弟子の中で、だれが学問を好んでいますか。
13
対此如何不涙垂。
此に対して如何ぞ涙垂れざらん。, これに向かい合ってどうして涙を流さずにいられようか、いや流さずにはいられない。
14
何為其莫知子也。
何為れぞ其れ子を知る莫からんや。, どうして先生が世に知られていないでしょうか、いや知られていないことはない。
15
卮酒安足辞。
卮酒安くんぞ辞するに足らん。, 大杯の酒をどうして辞退しましょうか、辞退などいたしません。
16
賢哉、回也。
賢なるかな、回や。, 賢いなあ、回は。
17
王庶幾改之。
王庶幾はくは之を改めよ。, 王様、どうかこれを改めてください。
18
信而見疑、忠而被謗。
信なれども疑はれ、忠なれども謗らる。, 偽りがないのに疑われ、忠実なのにそしられる。
19
嘗遊楚、為楚相所辱。
嘗て楚に遊び、楚の相の辱むる所と為る。, 以前楚の国に遊説して、楚の宰相に恥をかかされた。
20
天帝使我長百獣。
天帝我をして百獣に長たらしむ。, 天帝は私を多くの獣のかしらにさせた。
21
民無信不立。
民信無くんば立たず。, 民に信頼がなければ、成り立たない。
22
今子食我、是逆天帝命也。
今子我を食らはば、是れ天帝の命に逆らふなり。, 今もしあなたが私を食べるならば、天帝の命令にそむくことになります。
23
苟有過人必知之。
苟くも過ち有らば人必ず之を知らん。, もし過ちがあれば、人が必ずこれに気づくだろう。
24
故郷何独在長安。
故郷は何ぞ独り長安に在るのみならんや。, 故郷はどうしてただ長安にあるだけだろうか、長安だけではない。
25
非徒無益、而又害之。
徒だに益無きのみに非ず、而も又之を害す。, ただ益がないばかりでなく、さらにまた害を与えている。
26
人所急、無如其身。
人の急にする所、其の身に如くは無し。, 人が大切に思うものは、その身体に及ぶものはない。
27
霜葉紅於二月花。
霜葉は二月の花よりも紅なり。, 霜にあたって紅葉した葉は、二月に咲く花よりも赤い。
28
求仁莫近焉。
仁を求ること焉より近きは莫し。, 人を求めるのには、これより近い方法はない。
29
天地尚不能久。而況於人乎。
天地すら尚ほ久しきこと能はず。而るを況んや人に於いてをや。, 天地でさえも永遠であることはできない。まして人間はなおさら永遠ではありえない。
30
有言者自為名。
言有る者は自ら名を為す。, 自分の志を言う者には、自然に名声が立つ。
31
牡丹之愛、宜乎衆矣。
牡丹を之れ愛するは、宜なるかな衆きこと。, 牡丹の花を愛する人が多いのは、もっともであるなあ。
32
寧為鶏口、無為牛後。
寧ろ鶏口と為るとも、牛後と為ること無かれ。, いっそ鶏の口となっても、牛の尻にはなるな。
33
時皆不得将家之官。
時に皆家を将ゐて官に之くことを得ず。, 当時、皆、家族を引き連れて任地に赴くことはできなかった。
34
楚人為小門于大門之側。
楚人小門を大門の側らに為る。, 楚の人は、小さい門を大きい門のそばに作った。
35
趙且為秦所滅。
趙且に秦の滅ぼす所と為らんとす。, 趙の国が、今にも秦の国に滅ぼされようとしている。
36
縦欲成災。
欲を縦にすれば災を成す。, 欲望を心の向くままにすればわざわいが生まれる。
37
趙王遂行。
趙王遂に行く。, 趙王はこうして出かけた。
38
故遣将守関。
故らに将を遣はして関を守らしむ。, わざわざ将を差し向けて、函谷関を守らせる。
39
武王卒師中。
武王師中に卒す。, 武王は陣中で死んだ。
40
秦王下吏治、具得情実
秦王吏に下して治めしめ、具さに情実を得たり。, 秦王は役人に命じて調べさせ、詳しく実情を知った。
41
朝辞白帝彩雲間。
朝に辞す白帝彩雲の間。, 朝、白帝城にかかる朝焼け雲のあたりに別れを告げる。
42
孔子称其仁焉。
孔子其の仁なるを称ふ。, 孔子はそれが仁であることをほめた。
43
先君未嘗適楚。
先君未だ嘗て楚に適かず。, 先君はこれまでに楚国におもむいたことがない。
44
雖有賢聖、適不遇世、孰知之。
賢聖有りと雖も、適世に遇はずんば、孰か之を知らん。, たとえすぐれた人物がいたとしても、偶然よい時勢に出合わなければ、だれがこれを知ろうか、いや知らない。
45
君子固窮。
君子固より窮す。, 君子ももちろん困窮する。
46
張儀天下賢士。吾殆弗如也。
張儀は天下の賢士なり。吾殆ど如かざるなり。, 張儀は天下の賢人である。私はほとんど及ばないのだ。
47
太宗曰、「卿所対甚善。」
太宗曰はく、「卿の対ふる所甚だ善し。」と。, 太宗が言うには、「卿の答えたことは非常に良い。」と。
48
没身不殆。
身を没するまで殆からず。, 身が滅びるまで危険がない。
49
唯我与爾有是夫。
唯だ我と爾と是れ有るかな。, ただ私とおまえにだけこれができるのだなあ。
50
夫楽者楽也。
夫れ楽なる者は楽なり。, そもそも音楽とは楽しむものである。
51
李径独来数。
李径独り来たること数。, すももの花が咲く小道に一人でやって来ることはしばしばであった。
52
以為畏孤也。
以為へらく孤を畏るるなりと。, 孤を恐れたのだと思った。
53
已矣哉。国無人。
已んぬるかな。国に人無し。, もうこれまでだなあ。国を憂える人がいない。
54
道聞漢家天子使。
聞道く漢家天子の使ひなりと。, 聞いたところによると、漢の皇帝の使者とのことだ。
55
是以見放。
是を以て放たる。, こういうわけで追放された。
56
不者、若属皆且為所虜。
不者んば、若が属皆且に虜とする所と為らんとす。, そうでなければ、おまえの一族は皆今にも捕虜とされる。
57
算之所亡若何。
算の亡き所若何せん。, 人知の及ばないことは、どうしたらよいか。
58
我独何為就舎。
我独り何為れぞ舎に就かん。, 私一人がどうして宿舎に帰れようか、いや帰れない。