脂肪酸のβ酸化では、アセチルCoAが2炭素単位ずつ連続的に酸化分解される。

不飽和脂肪酸は、同じ炭素数の飽和脂肪酸と比べてβ酸化によるATP生成量が少ない。

飢餓状態が続くと、脂肪酸のβ酸化が亢進し、生じたアセチルCoAから糖新生が行われる。

ケトン体のうち、エネルギー源として利用されるのはアセト酢酸とアセトンである。

ケトン体は、脳と骨格筋のミトコンドリアで生成される。

ケトン体生成に関与するHMG-CoAシンターゼは、コレステロール合成に関与する酵素と同一である。

ケトン体のうち3-ヒドロキシ酪酸は、アセト酢酸から非酵素的に生成され、そのほとんどが呼気及び尿中に排泄される。

血中ケトン体濃度は、心筋梗塞や肝炎などで増加する。

ケトン体は、飢餓状態などにおけるグルコースの代替エネルギーとして、脳などの肝外組織で利用される。

エイコサノイドとは、炭素数20個からなる不飽和脂肪酸から生合成される生理活性物質の総称である。

アラキドン酸は、ω-3(n-3)系列の不飽和脂肪酸である。

アラキドン酸は、細胞膜を構成するリン脂質からホスホリパーゼCによって遊離する。

アラキドン酸は、プロスタグランジンやロイコトリエン生合成の前駆体となる。

プロスタグランジン類などのオータコイドは、局所性に作用し、強い生理作用を発揮する。

COXにはCOX-1とCOX-2の２つのアイソザイムがあり、COX-1が恒常発現型酵素であるの対してCOX-2は発現誘導型酵素である。

アスピリンは、COXの活性部位とは異なる部位をアセチル化することで酵素活性を阻害する。

リン脂質の一部は、解糖系の中間体であるジヒドロキシアセトンリン酸から生合成される。

種々のグリセロリン脂質の生合成には、ウリジンジリン酸(UDP)が利用される。

ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸からホスホリパーゼCにより生成されたイノシトール-1,4,5-三リン酸とジアシルグリセロールは、 いずれもプロテインキナーゼCの活性化に関与する。

コレステロールの生合成は、リボソームとゴルジ体で行われる。

コレステロール生合成は、肝臓のミトコンドリアにおける3分子のアセチルCoAが縮合する3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)の合成から始まる。

コレステロールは、HMG-CoA還元酵素の遺伝子発現を促進する。

コレステロールやその生合成中間体であるメバロン酸は、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素の活性を抑制する。

細胞内のコレステロール量が減少すると、HMG-CoA還元酵素の転写因子が活性化される。

細胞内のコレステロール量が減少すると、コレステロールの細胞内取り込みに関わる低密度リポタンパク質(LDL)受容体のmRNA量が増加する。

プラバスタチンなどのスタチン系薬剤の血清コレステロール低下作用は、小腸におけるコレステロールの吸収阻害に基づく。

副腎皮質では、コレステロールからグルココルチコイドなどが生合成される。

テストステロンなどのアンドロゲンは、精巣でコレステロールより合成され、女性では作られない。