問題一覧
1
セリエ(Selye, H)がストレス学説で発表した汎適応症候群によれば、生体はストレッサーに遭遇した後、警告反応期、疲憊期、抵抗期という階段を経るとされる。
誤り
2
闘争逃走反応とは、脅威から身を守るために、状況に応じて逃げ出したり戦ったりするための合法的な準備態勢である。
正しい
3
ホームズとレイヒの定義したライフイベントのストレス値によれば、最もストレスフルなのは配偶者の死である。ストレス値は、一般に好ましくない出来事に生じると考えられている。
誤り
4
ストレスのトランスアクショナル・モデルによれば、ストレッサーの心身に及ぼす影響は、個人がストレッサーをいかに認知し、それに対してどのような対処をしたかといった個人の対応いかんで異なってくる、と考えられている。
正しい
5
コーピングは、ストレッサーそのものを変えようとする問題焦点型の方略と、ストレッサーにより喚起された不快な情動を軽減させようとする情動焦点型の方略に大別される。
正しい
6
R. S. Lazarus と S. Folkman によるトランスアクショナルモデル〈transactional model〉の説明として適切なものを1つ選べ。(第5回公認心理師試験・午前・問題10より引用)
ストレス反応は、ストレッサーに対する認知的評価とコーピングによって決定される。
7
心身症とは、身体疾患の中で、その発作や経過に心理社会的因子が密接に関与し、気質的ないしは機能的障害が認められる病態である。これには、一部の精神疾患に伴う身体症状が分類的に重複している。
誤り
8
代表的な心身症には、慢性疼痛、緊張型頭痛、片頭痛、接触障害、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などがある。
正しい
9
キャプラン(Caplan)は、予防を一次予防、二次予防、三次予防の3段階に分けている。一次予防とは疾病の発生を未然に防ごうとするもの、二次予防とはスクリーニングなどを用いて疾患を早期に発見し対処すること、三次予防とは罹患した病気に集中的な治療を施して早期の回復を目指すこと、である。
誤り
10
2015年12月よりはじまったストレスチェック制度は、職場のメンタルヘルス対策の中でも一時予防に重点を置き、メンタルヘルス不調者の未然防止という目標を達成するための有力な制度として期待されている。
正しい
11
職場におけるメンタルヘルス対策として、G.Caplan の予防モデルに基づく二次予防に該当するものを1つ選べ。(第5回公認心理師試験・午前・問題20より引用)
高ストレス者への医師による面接指導
12
心身症に含まれないものを1つ選べ。(第4回公認心理師試験・午後・問題115より引用)
心気障害(病気不安症)
13
精神科を受診するのは、精神症状による能力障害や社会機能の低下が生じ、患者さんやご家族が苦痛を感じるなど受診の動機が高まったときである。
正しい
14
患者さんやご家族が精神科医療や精神障害に偏見を持っていることもあり、誤った認識や知らないがゆえの抵抗感を解消(ノーマライゼーション)することには心理職に期待される活動の一つである。
正しい
15
公認心理師は、医師が検査を依頼した意図、患者さんの状態、心理検査の適用範囲をよく検討し、医師に検査の実施を十分に確認した上で心理検査を実施する。
誤り
16
心身症は、身体的障害で発症や経過に心理・社会的因子の関与が認められる病態と定義される。この定義にある心理社会的因子とは、患者さんの性格、認知、感情、行動などの個人的・心理的要因である。
誤り
17
患者の訴え、診察所見、診断や見立て、問題解決のための治療計画の4つはそれぞれの英語の頭文字をとってSOAP形式と呼ばれる、カルテの記載方法である。この記載方法をとることにより、患者の問題点や治療者の所見、治療方針やプロセスが整理され、他の医療関係者が見ても分かりやすくなるなど治療に必要な情報を正確に共有できる。
正しい
18
精神科領域における公認心理師の活動について、適切なものを1つ選べ。(第3回公認心理師・午後・問題79より引用)
境界性パーソナリティ障害の治療では、患者への支援だけではなく、必要に応じてスタッフへの支援も行う。
19
小児科における心理臨床の役割としては心理アセスメント、心理療法等を含めたこころのケア、地域や家族との連携、医療スタッフとの連携があり、それぞれが独立しつつ重なり合いながら行われている。また、疾患を抱える子どもの家族や兄弟姉妹もストレスを感じており、心理的な影響を受けていると考えられるため、本人以外のこころのケアも重要である
正しい
20
心理検査にもさまざまな種類があり、子どもの心理や発達の状態を把握するために必要な検査を実施する。長時間にわたると子どもに負荷がかかるため、必要な情報を過不足なく得られるよう1つの検査に絞る必要がある。、
誤り
21
子どもの心理状態を見立てて援助方針を決定するために必要な情報を、実際に子供や親と面接することで確認を行う。受診に至った経緯、生育歴、家族歴、本人の性格等を保護者に話してもらうだけでなく、子ども本人からどうして来院したのか、何に困っているのか語ってもらうことも必要である。
正しい
22
アセスメント時の行動観察として、子どもの表情、声の大きさ、話し方、癖などだけでなく、子ども自身の行動や親子のやり取り等、さまざまな観点からのアセスメントを行う。
正しい
23
子どもや家族への直的な介入が重要であり、子どもや家族とかかわる医療スタッフに対して心理学的なアセスメントの結果を伝えた後は、相手を信頼して関わらないことが大事である。
誤り
24
産後の一時的な支援の多くは助産師や保健師が実施しており、心理職には精神的な不安定さが強い母親や、育児上の困難さが今後心配される場合につながることが多い。
正しい
25
小児科における公認心理師の活動の留意点に含まれないものを1つ選べ。(第5回公認心理師試験・午前・問題34より引用)
虐待に関わる証拠の発見収集はもっぱら医師に任せる。
26
小児科外来で、医師が2日前に階段から転落した乳幼児の診察中に、虐待が疑われる外傷を認めた。医師が更に診察を行う間、乳幼児を連れてきた親の面接を依頼された公認心理師の対応として、最も適切なものを1つ選べ。(第5回公認心理師試験・午後・問題78より引用)
親の悩みや感情を聞く。
27
脳神経内科・リハビリテーション領域で働く公認心理士には、認知機能を含めたアセスメント、精神的な問題に対するカウンセリング、認知機能にアプローチする認知リハビリテーションが期待されている。
誤り
28
神経心理学的アセスメントは、認知機能を評価するために対象者のパフォーマンスを測定する技法である。神経心理学的アセスメントの中核となるのが神経心理学的検査であり、注意や記憶、遂行機能、処理速度、言語・視空間認知機能といった認知機能について、定量的・客観的に評価する。
正しい
29
認知症や脳損傷、脳疾患などでは、認知機能の低下だけでなく精神症状や行動障害が出現することも多い。そのため、鬱や不安などの気分障害、パーソナリティーの変化、日常生活機能への影響など、包括的及び総合的に評価していく必要がある。
正しい
30
脳卒中は、脳の血管が急に破れたり、詰まることによって脳の血液循環に障害をきたし、様々な症状を引き起こす脳血管疾患である。血管が破れる脳出血と血管が詰まる脳梗塞とに対別される。後遺症として高次脳機能障害が見られる事は少なく、高次脳機能障害が見られた場合は他の病変を疑う。
誤り
31
てんかんは、乳児から高齢者まですべての年齢で見られる慢性の脳疾患である。大脳神経細胞の過剰な放電から来る繰り返す発作(てんかん発作)を主な兆候とする。てんかんの治療は、発作のコントロールに主眼が置かれ、一般的には亢てんかん薬による薬物治療が行われる。
正しい
32
パーキンソン病は、典型的には中年期以降に発症し、高齢になるほど発症率が高い神経変性疾患である。振戦、筋固縮、動作緩慢、姿勢反射障害などの運動症状を特徴とする。また、認知機能障害、うつ、睡眠障害、自律神経障害などの症状も示すことがある。
正しい
33
脳損傷者に対する神経心理学的アセスメントで使用される検査の説明として、最も適切なものを1つ選べ。(第4回公認心理師試験・午前・問題16より引用)
WEIS-IVの数唱の成績は、注意障害の程度を知る助けになる。
34
高次脳機能障害診断基準(平成16年、厚生労働省及び国立障害者リハビリテーションセンター)に基づく高次脳機能障害の原因として、適切なものを1つ選べ。
脳血管障害
35
アセスメントでは、患者が抱える辛さや苦悩を理解する際、その訴えの会計にある様々な要素を整理しながら確認していくことが重要である。
正しい
36
身体疾患患者の場合、身体状態が心理状態に直接的な影響を及ぼしていたり、心理状態が身体的苦痛を悪化させたりすることを考慮するが、治療への動機付けは変わらないことがほとんどである。
誤り
37
病気に伴う気分・感情の問題は、患者の生活に二次的な問題を表示させることが多く、その二次的な問題がさらに深刻なメンタルヘルスの問題や社会的養生の問題をまねくと言う悪循環を形成することがある。
正しい
38
患者に最良の医療を提供していくためには、患者と医療者が相互に良好なコミュニケーションを行い、患者が自分の病状や今後の治療方針を十分に理解した上で、意思決定を行える関係性を築くことが重要である。
正しい
39
総合病院でのメンタルケアは、身体疾患の治療と並行して行われるので、「個室での心理面接」のような形式を取ることで身体疾患の治療とは構造を分けて行うことが基本になる。
誤り
40
現代の医療では、患者に対して現在の病状や選択しうる治療方法等について十分な説明が行われ、患者自身がそれらを十分に理解した上で、患者の意思に基づいて治療選択が行われる「インフォームド・コンセント」の考え方が重んじられている。
正しい
41
45歳の男性A、会社員。総合病院の内科外来で2年前から2型糖尿病の薬物療法を受けている。不眠が近頃ひどくなり、内科の主治医に相談した。Aは、1年前から仕事が忙しくなり、深夜に暴飲暴食をすることが増えた。Aの体重が増加していることや、血糖値のコントロールが悪化していることをAの妻は心配しており、口げんかになることも多い。1ヵ月前から未明に目が覚め、その後眠れないようになった。日中は疲労感が続き、仕事を休みがちである。趣味にも関心がなくなった。心理的支援が必要と考えた。主治医から院内の公認心理師Bへの依頼があった。現時点におけるBのAへの対応として最も優先すべきものを1つ選べ。
抑うつ状態の評価
42
認知症の主なものには、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症がある。
正しい
43
せん妄は軽度の意識障害であり、意識が混濁し、幻覚や妄想、反復行為を伴うことがあり、精神活動も興奮している状態である。
正しい
44
せん妄は、認知症と違って、原因を多くの場合に特定でき、高齢者では、身体的な異常によるもの、心理的なことによるもの、が要因として挙げられる。
誤り
45
認知症の症状は、中核症状とBPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia, 認知症の行動・心理症状)に区別される。中核症状とは、幻覚、妄想、抑うつ、不眠、不安、攻撃、徘徊、不穏、誤認、焦燥、不適切な行動や脱抑制、暴言、意欲低下など、精神症状や行動症状のことである。BPSDとは、複雑性注意、遂行機能、学習及び記憶、言語、知覚-運動、社会的認知などの領域で機能が低下した状態のことである。
誤り
46
責任能力に関する刑法の規定として、「心身耗弱」とは精神の障害のために自分の行為の善悪について適切に判断する能力と、その判断に従って、自分の行動をコントロールする能力が失われている状態をさす。また、「心身喪失」とは、前述の能力が著しく限定的な場合である。
誤り
47
医療観察制度は、精神障害のために通常の刑罰を貸すことができない状態で重大な他害行為を行った者に対して、国の責任において手厚い専門的な医療を行い、適切で、継続的な利用を確保するための仕組みを設けた制度である。その目的は対象の「病状の改善」により、「同様の行為の再発の防止」を図ることにより、「社会復帰を促進する」ことにある。
正しい
48
70歳の女性A。長男、長男の妻及び孫と暮らしている。Aは、1年ほど前に軽度のAlzheimer型認知症と診断された。Aは、診断後も自宅近所のスポーツジムに一人で出かけていた。1ヶ月ほど前、自宅をリフォームし、収納場所が新たに変わった。それを機に、探し物が増え、スポーツジムで使うものが見つけられなくなったため、出かけるのをやめるようになった。Aは、物の置き場所をどう工夫したら良いか分からず、困っているという。Aに対して行うべき非薬物的介入として、最も適切なものを1つ選べ。(第4回公認心理師試験・午前・問題65より引用)
日常生活を補う方法の確立に焦点を当てた介入
49
地域保健活動は、障害を持つ・持たないにかかわらず、すべての住民が住み慣れた地域でともに生活していけるように総合的に支援する機能を担う活動である。その機能を担う現場としては精神保健福祉センターが位置付けられている。
誤り
50
精神保健福祉センターの業務は、地域住民の精神的健康の保持増進、精神障害の予防、社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加支援と広範囲にわたる。
正しい
51
地域保健活動が担う対象者は、その地域に暮らす老若男女の全てであり、事業は予防から治療そしてリハビリテーションにわたり、治療も支援も相談もあるいは教育や啓発活動も担っているのが現状である。、
正しい
52
精神保健福祉センターの独自の事業として、精神医療審査業務、精神障害者保健福祉手帳の等級判定業務、調査研究事業があげられる。
正しい
53
精神保健福祉法の目的として、精神障害者の医療および保護、社会復帰の促進および自立と社会経済活動への参加・促進のための援助、精神障害の発生の予防、国民の精神的健康の保持および増進、そしてこれらを通した精神障害者の福祉の増進および国民の精神保健の向上を図ることが規定されている
正しい
54
発達障害及びその支援について、正しいものを1つ選べ。(第1回公認心理師試験・午前・問題45より引用)
発達障害者支援センターの役割に診断は含まれない。
55
喫煙による健康被害として、がん、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病、妊婦の早産・死産・流産の危険性の増加、子どもの成長、アレルギー、湿疹、アトピー、花粉症の発症など多種にわたることは、疑問視されている。
誤り
56
自殺対策基本法では、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現をめざしている。自殺を「個人の問題」ではなく「社会の問題」として位置づけ、自殺対策を総合的に推進することで自殺の防止と遺族等への支援を図り、最終的には国民が健康で生きがいをもって暮らすことのできる社会の実現に寄与することが目的である。
正しい
57
自殺対策の一つである、いのちの電話は、ボランティア相談員が助け、慰め、励ましを求めて電話をかけてくる人と対話するもので、自殺防止にとどまらずあらゆる問題のカウンセリングを目指している。
正しい
58
自殺対策における「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話をきいて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることのできる人のことで、「命の門番」とも位置付けられる。
正しい
59
ストレスチェック制度について、最も適切なものを1つ選べ。 (第 4 回公認心理師試験・午後・問題 101 より引用)
派遣労働者のストレスチェックの実施義務は、派遣元事業者にある。
60
時間の経過とともに災害直後のショック状態から脱し自然回復していく人が増える一方で、被災者の10~20%は中長期的な精神医学的問題を経験する。
正しい
61
特に代表的な被災者にみられるメンタルヘルスの問題のとして、うつ病、アルコール・薬物使用障害、持続性複雑死別障害があげられる。
誤り
62
災害直後の精神的反応(不安や恐怖、不眠など)は持続しやすい慢性的なものであるが、中には解離症状、侵入症状、陰性症状、回避症状、覚醒症状等を呈する場合がある。
誤り
63
悲嘆反応自体は自然な反応であり、精神疾患ではないが、一部の被災者は悲嘆反応が長期に持続することがあり、そのような病態は持続性複雑死別障害とよばれる。
正しい
64
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)は、災害の直後に、被災した子どもから大人まで多数の人々に対して行うことのできる心理社会的支援のための介入法である。
正しい