問題一覧
1
官能評価の種類を主に2つ(可能であれば3つ)答えよ
①嗜好型官能評価 主観的に評価(好き、嫌いなど) ②分析型官能評価 客観的に評価(差がある、香りが強い弱いなど) そのうち、③評価型官能評価(高度に訓練された専門家が良、不良を判断する)がある。
2
官能評価の評価者について述べよ。
個人をパネリスト、その集団をパネルという。官能評価の実験では通常10 人超のパネルで行うことが望ましく、通常 10~ 30 人程度で行われる場合が多い。 嗜好型評価は嗜好型パネル、分析型評価は分析型パネル、評価型は専門家パネルという。
3
官能評価で用いられる尺度について4種類答えよ。
(1)名義尺度: 男·女など性別や食経験の有無などの分類 (2) 順序尺度:(例)好みなどの順位つけ (3)間隔尺度:(例)7点「非常にかたい」~1点「非常にやわらかい」(7段階尺度) (4) 比率尺度:(例)基準液の甘味の強さを100とした時の検液の甘味の強さの割合
4
感覚が生じるかどうかの境目を何というか。また、その定義を答えよ。
●刺激閾(絶対閾) 刺激の物理量の変化と反応はS字型の曲線を揃いているとみなせる(累積正規分布曲線、縦軸が反応確率、横軸が刺激強度)感覚が生じる確率(反応確率)が50%となる物理強度を感覚が 生じる境目つまり刺激閾と定義する。
5
同種の感覚が保たれる最大の物理強度のことを何というか
刺激項
6
同種の刺激の違いを感知できるかの境目を何というか
弁別閾
7
弁別できる最小強度を何というか
丁度可知差異(弁別閾値)
8
弁別閾や刺激閾などを測定する古典的測定手法を主に3つ述べよ。
①調整法 主に主観的等価点を測定するのに用いられる。 パネル自身が標準刺激に対して、同等になるよう比較刺激を調整するといった具合。 ②極限法 測定者が一定の間隔、方向で刺激を変化させて、パネルに判断を求める手法。 ③恒常法 一定の間隔で変化する刺激をパネルにランダムに提示して判断を求める手法。パネルの疲労は大きいものの、正確なデータが得やすい。
9
プルキンエ現象を説明せよ
明所と暗所で色の見え方が異なり、暗所では青や紫が明るく、明所では相対的に赤や橙が明るく見える
10
照度と輝度の違いを述べよ
単位面積あたりにある面に入射している光束を照度(ルクス)、観察者の目に届く光の量を考慮した光度を単位面積あたりで除したものが輝度(cd/cm2)。
11
物体からの光を通して、ヒトの眼で像ができるメカニズムを簡単に述べよ。
光が眼の角膜と水晶体で屈折して、網膜に焦点が結ばれて像ができる。
12
網膜の一番外側に存在する視細胞について、2種類述べよ。
①桿体 光感度が高く、暗所で機能 網膜の周辺部に分布 1種類のみ ②錐体 光感度が低く、明所で機能 網膜の中心部に多く分布 S.M.Lの3種類あり、それぞれ異なる分光感度をもつ
13
視力とは
中心視で離れていることを判別できる最小視角を測定したもの
14
明るさの違いから目が慣れてくることを状況別に2種答えよ
①明順応 暗いところから明るいところに慣れること ②暗順応 明るいところから暗いところに慣れること 光に対する感度ととして重要な桿細胞内の蛋白質のロドプシン量が大きく寄与。暗所では合成、明所では分解。ただし、合成速度が分解速度よりも小さいため、順応差が生じる。明順応は長くて1分程度、暗順応は30分以上。
15
奥行き知覚の手がかりについて述べよ(4種)
①生理的手がかり 両目に鮮明な像を映すために、外眼筋(眼球調整)、毛様体筋(水晶体の厚み調整)を動かしている。 ②視覚性手がかり ②-1両眼性手がかり(両眼視差) ②-2単眼性手がかり ②-2-1絵画的手がかり ②-2-2運動視差
16
音について、①dB SPLと②dB SLの違いは?
①音圧レベル 純音の閾値20μPaを基準とした音圧の単位 ②感覚レベル 被験者ごとに閾値を求めて、それを基準とした音圧の単位
17
音の主観的な大きさとその単位は?
ラウドネス ※単位はフォン(1000Hzの純音を基準) 40dB1000Hzのラウドネスは40フォンである。 周波数低いと音圧は同等でも小さく聞こえる。
18
外耳の構成(2つ)について述べよ
耳介と外耳道からなる。耳介は周囲の音を集め、音源定位を補助。
19
内耳について説明せよ。
蝸牛、三半規管、前庭からなる。 蝸牛の内部はリンパ液で満たされており、基底膜という薄い膜が張っている。この基底膜に音のセンサーであるコルチ器(外有毛細胞①、内有毛細胞②)がある。 ①振動感度を高める ②伝わった振動を神経インパルスに変換して神経信号を送信
20
中耳の構成(3つ)を述べよ。
①鼓膜 外からの振動が伝わる ②鼓室 耳管と繋がっており、空気圧を調整 ③耳小骨 振動拡大
21
難聴の種類を2種答えよ
①伝音性難聴 中耳障害 ②感音性難聴 内耳より後の聴覚神経の障害 老人性難聴はこちらに該当
22
匂いを知覚するメカニズムを述べよ
画像の通り 嗅粘液(匂いが溶け込む) 嗅繊毛 嗅細胞(7回膜貫通型蛋白) で匂いを感知 神経インパルスを誘発し、軸索より神経信号を送信
23
味覚の機能を四つ述べよ
①おいしさの判断 ②ホメオスタシス イオンや糖類など ③味覚学習 ④生体反応の誘発
24
①うまみ、②甘味、③苦味、④酸味、⑤塩味の感知過程を述べよ。
①、②、③ Gタンパク共役型7回膜貫通型受容体より検知。 ④、⑤ イオンチャンネル(④はH+、⑤はNa+)
25
皮膚の機械受容器4つ述べよ。
①メルケル細胞 圧覚を検知 ②マイスナー小体 低周波振動を検出 ※有毛部には無く、似た毛包受容器が存在 ③パチニ小体 高周波振動を検出 ④ルフィニ終末 横ずれを検出
26
冷覚、温覚、痛覚を検出する神経名称は?
自由神経終末
27
温度による痛みを感じるメカニズムを述べよ
冷覚は5-40度、温覚は30-45度に応答し、その範囲外は侵害受容器を刺激して痛みを生じる
28
皮膚振動における①空間加重効果、②時間加重効果をのべよ
①皮膚と振動物体の接触面積が増えると感度増加。 ②振動する時間が長いと感度増加。
29
触二点弁別閾について述べよ
空間分解能を示す、刺激二点が二点に感じられる限界値。
30
材質の基本的要素5つのべよ
①マクロ粗さ感 指で押し付けるだけで知覚できる凸凹 ②ミクロ粗さ感 目で見えない凸凹。指でなぞることで知覚可能。なぞり動作が必要。 ③摩擦感 なぞった際のすべり(スティックスリップ) ④硬軟感 物体表面に力をかけて生じる垂直方向の力の知覚。 ⑤温冷感
31
匂い分子の鼻腔に達するまでの経路を2つのべよ
①オルソネーザル経路 吸気に伴う鼻孔からの経路 ②レトロネーザル経路 呼気に伴った口からの経路 味覚増強効果はこちらが重要
32
果汁の甘さと色調の関係は?
赤いものが甘く、緑色が甘くないと評価されやすい
33
鼻ではなく口腔内で香り感じている(風味を感じている)ように誤認する現象は?
オーラルリファラル
34
視聴覚相互作用の①マガーク効果、②交差-反発錯覚につい述べよ
① gaと発していても、異なる発話の映像を組み合わせると聞こえ方が異なる現象 ② 物体の映像と組み合わせる効果音の違いによって、映像の印象が異なる現象
35
視覚と聴覚の相互作用について①大きさ・重さ錯覚、②ラバーハンド錯覚を述べよ。
① 直線を触っていても、曲線が見えていると曲線を触っているように感じる。また、同じ重さでも体積が大きい方が軽く感じる。 ② 手の模型をなぞられると、あたかも自分の手がなぞられたように感じること。
36
感覚情報の精度に応じて重みづけをするモデルを何というか
最尤推定モデル(さいゆうすいてい)
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パーチメントスキン効果とは
目が見えない状態で、両手をかさねあわせて乾いた音を聞くと手のひらが乾いたように感じる現象
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バイアスの種類5つのべよ
①教示効果 事前説明により何かしらの先入観が生じて、知覚に影響を及ぼす。 ②ブランド効果 提示された企業名などのブランドが知覚に影響 ③ステレオタイプ ④チョイスブラインドネス 意図と選択結果の差異に気づかないこと 後ですり替えた結果をもとに理由を聞いても気づかれない ⑤ポスト・ディクション 提示した刺激が後の刺激知覚に影響すること
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乳頭(舌)の主な種類と分布場所3つ述べよ
①有郭乳頭 舌根部の逆V字 ②葉状乳頭 舌縁後部 ③茸状乳頭 舌前方部
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マグニチュード推定法とは
標準刺激に一定の数値をあたえ(モデュラス)、比較刺激の主観的な強度を答えさせ、その比率から強度を数値化