担保には債務者の任意弁済を促す心理的強制という意味合いも期待される。

抵当権は法律上当然に成立する。

物的担保は債権者平等の原則の影響から切り離されている。

人的担保は債権者平等の原則とは無関係である。

保証契約は債務者と保証人の間で締結される。

保証契約と主たる債務は別個独立である。

連帯保証契約には補充性に基づく抗弁として検索の抗弁が認められる。

連帯債務では全債務を履行したなら弁済額の全額について求償することができる。

日本は物的担保が人的担保より優位にある。

物的担保は物権法定主義が適用されるため民法に書いてあるもの以外認められない。

法律上特別な地位にある人のための担保も存在する。

法定担保物権は法が特別に債権者に認めた優先権である。

法定担保物権といえども債権者平等の原則に服することになる。

留置権とは他人の所有物を占有し、何らかの債権がこの物に発生した場合に発生する。

留置権は一般人が予想できない極めて技巧的な法制度である。

留置権はローマ法上引渡拒絶権として構成されていた。

フランス民法典では留置権は物権である。

ドイツ民法典では留置権は一般的留置権と呼ばれ、債権として構成されている

フランスでは留置権は債権なので第三者に対しては何ら主張することはできない。

留置権と同時履行の抗弁権は多くの場合に競合する

同時履行の抗弁権の方が広く適用することができる

原則として留置目的物と無関係な債権は被担保債権となりえない。

債権と物の引渡請求権が同一の生活関係から生じた場合に留置権が認められる

留置権の効力は不動産の二重譲渡の場合に第一の占有者が登記を備えた第二の買受人に対して主張することができるとするのが判例である

留置権は認められた場合に所有者が一方的に敗訴することになる。

留置権には優先弁済効が一切認められない。

留置権は目的物占有者の破産によって消滅する。

先取特権は法が特別に特定の債権者に与えた保護である。

先取特権は非常に強力な担保物権なので公示制度が整っている。

先取特権には追及効が認められていない

先取特権には物上代位が認められている。

雇用関係に関する先取特権は近時保護が手厚くなった。

雇用関係に関する先取特権は法律の文言が改正され雇人の給与と改められた。

一般先取特権が競合した場合の順位はまず日常生活が大事なので日用品の供給から優先される。

一般先取特権の特別先取特権が競合する場合は特別先取特権が優先する。

宿泊費用の先取特権は一般先取特権に分類される。

動産保存の先取特権は目的物の価値を増進させたため認められる。

不動産先取特権は登記が必要である。

先取特権には追及効が認められる

先取特権者は他の債権者が開始した競売において優先弁済を受ける。

質権は引き渡しによって効力を生ずる。

抵当権設定について民法上明文規定は存在しない。

抵当権は債務者本人のみが自らの所有物に対してのみ設定することができる。

抵当権の設定にあたっては目的物を債権者に移転する必要はない

抵当権は特別法があれば動産にも設定することができる。

一つの不動産には基本的に一つの抵当権しか成立しない

抵当権は被担保債権と成立の面で付従生が認められる。

抵当権者は自ら競売を申し立てた場合にのみ優先弁済力が認められる。

抵当権の競売手続きに瑕疵があった場合、売却決定後には争うことができない。

目的物の所有権が抵当権設定者以外に帰属し、真の権利者がそれを知らない場合、競売によって真の権利者は権利を失うことになる。

抵当権は被担保債権が消滅すれば共に消滅するこれを付従性と呼ぶ。

抵当権は被担保債権の一部を弁済すればその効力は半減する性質を有する。

抵当権は被担保債権とは別に20年の財産権の消滅時効にかかる。

抵当権は担保目的物の所有者が変わればその効力が失われる

抵当権に関する利害関係人は抵当権者との関わりで出現する。

抵当権が設定された目的物が売却された時、基本は抵当権設定者が自ら抵当権を消滅させる。

抵当権設定者が自ら抵当権を抹消させない場合、第三取得者が第三者弁済を申し出ることで抵当権を抹消できる。

抵当目的物の売却代金と被担保債権額を比較して前者が多い場合に代価弁済を求めることになる。

代価弁済は抵当権設定者の求めに応じて行われる。

代価弁済は一種の和解のような意味合いを持つ

抵当権消滅請求は代価弁済で決着がつかないときに利用される。

代価弁済で決着がつかないのは第三取得者が支払う金額が代金に固定されているためである。

抵当権消滅請求では不動産の評価額の支払いがなされるが、多くの場合代価弁済より金額が高くなる傾向がある。

抵当権消滅請求は以前滌除と呼ばれており、抵当権者にとって有利な制度だった。

滌除における増価競売は高い代金が設定されており、抵当権者にとって利益のある制度である。

主たる債務者も滌除権者になることができる。

滌除をする前に抵当権者は抵当権実行前に第三取得者に通知する義務があった。これは第三取得者にとって不慮の抵当権実行を防止できるので有利な制度である。

滌除を回避するためには増加競売の申し立てをするしかなく抵当権者にとって不利益が多い

第三取得者が滌除を嫌がらせの代わりに使うようになった。

抵当権消滅請求に改正されたことで抵当権実行通知は不要となった。

抵当権者は原則として抵当権に基づいて妨害排除請求できる。

当初判例は抵当権者は抵当権実行時に不法占拠者を排除すればよいという立場であった。

判例は抵当権実行時に配当額に影響が出る限りにおいて抵当権者も妨害排除請求できるとした。

抵当権者といえども、侵害是正請求権を有している

抵当権に基づく妨害排除請求について学説は一致して賛成している。

抵当権者は抵当目的物の不法占拠者に対して原則として損害賠償請求できる。

抵当権に基づいて損害賠償請求するときは物上代位をすることが原則である。

物上代位とは目的物の代償物に抵当権の効力を認めることである。

物上代位をする場合には他の債権者に先んじて差し押さえをしなければならない。

賃料債権も物上代位できる。

一つの債権の担保物権は一つに限る。

同時競売＝同時配当は担保目的物の価額に応じて優先弁済額を按分する

第一順位抵当権者の優先弁済権は後順位抵当権者に対して完全に優先する

抵当権に抵当権を設定することができる。

土地にのみ抵当権が付された場合、土地上に存在する建物には競売の効力が及ばない。

抵当権設定時に建物が存在したにもかかわらず土地にのみ抵当権が付された場合、法定地上権が成立する。

抵当権設定後に建物が建てられた場合、土地にのみ抵当権が付されているならば、法定地上権が成立する。

法定地上権の存続期間は当事者の合意によって決定する

土地にのみ抵当権を設定したが、その時建物がすでに建設中ならば、建物の存在を前提とできるので法定地上権が成立する。

法定地上権が成立しない場合、抵当権者は一括競売によって建物と土地を一括で競売でき、かつ両方の競落代金に対して優先弁済力を主張できる。

通常の抵当権は債務を弁済しても消滅しない

継続的契約から生ずる債務を担保するためには抵当権の付従性を緩和する必要がある。

根抵当権は設定手続きが通常の抵当権と異なる。

根抵当権は継続的債権債務関係であればどのようなものも担保できる。

根抵当権は効力が強くなりすぎる危険性がある。

根抵当権の被担保債権は取引上の債権という基準によって限定される。

根抵当権は元本を確定しないと実行できない。

根抵当権付きの債権も優良債権として譲渡される。

典型担保は機能が優れているので全ての当事者の利害を反映させることができ、債権者も利用しやすいと感じていることが多い。