製品のライフサイクルとは、ものづくりの生産プロセスにおいて、ものの誕生から処分されるまでをいう。

ビジネスの世界におけるものづくりは経済行為であり、お金なしには成立しない。

建築積算はお金がどのようにしたら効果的に使われるのかを見極めて限られた手法で管理する。

建築生産活動は、設計、設備、建築積算のトライアングルで成り立っている。

建築生産活動は大きなお金を必要とする経済行為であるが、ビジネスの世界で果たす建築積算の役割は設計と施工に比べてあまり重要ではない。

建築積算とは、建築工事の数量を計測することだけをいう。

内訳書の作成において、細目別に計測された項目については、内訳書に細目名と数量を記載する。

これからの建築生産は、設計と施工が中心であり、建築積算は、裏で支えることが求められている。

狭義の積算とは、設計図書を基に工事に必要な資材、労務、経費などを算定し、内訳書を作成することであり、ＰＣＭとは直接関係しない知識や技術である。

建築積算とは、ＰＣＭ（プロジェクト・コスト・マネジメント）のことである。

建築は、屋外現地での一品生産である。

建物を建設する事業には、需要・資金・土地が３要素である。

企画のプロセスの業務は、事業主がおこなう業務が中心となる。

設計のプロセスに、インテリアデザイン（室内の装飾や照明を設計）を含めてはいけない。

施工現場の原価管理は、本支店の管理部門と連携して工事利益の確保・向上を図る。

維持保全プロセスの建築積算は、建築物の増築工事が主な対象となる。

施工のプロセスは、前段階の工事計画に基づいて準備工事から始まる。

建築プロジェクトのマネジメントは、各生産プロセスごとにおこなわれるので全プロセスを意識する必要はない。

企画プロセスでは事業の推進方策を検討するが、最近は事業のリスクを回避するために、施工者にすべてを任せることが多くなっている。

施工プロセスの建築積算では、実行予算書が編成されるが、この実行予算書の編成作業を担当する人は、建築積算をよく理解していることが必要である。

入札（にゅうさつ）は、施工者を選定するときだけにおこなわれている。

一般競争入札とは、入札告示に示された参加資格を満たすものはだれでも参加できる。

コンペには、指名コンペと公募コンペがある。

工事の発注方式には、設計施工分離方式と設計施工一括発注方式がある。

建築工事の契約方式には、総価請負契約、実費精算契約、単価請負契約の３種類がある。

入札（にゅうさつ）によって設計者や施工者が決定されることを落札といい、決定された企業は、落札者と呼ばれる。

特命随意契約とは、特定された1社に対して見積書の提示をもとめ、予定価格より安ければ、内容は検討しなくともよい。

実費精算契約は、受注者にとっては最後まで工事の金額が定まらないため、工事費に関するリスクは、総価請負契約よりも高い。

数量公開は、公共工事の分野では、ほとんどおこなわれていない。

指名競争入札は、談合などによる不正が発生しやすいため、公共工事の場合は、談合がしにくい一般競争入札が多くなっている。

内訳書は、建築数量を算出する前にあらかじめ作成しておくことが多い。

施工者の発注者への提出価格は、当初の工事価格が戦略的または営業的な配慮によって変化する。

積算者は、設計者に対しての質問回答は、電子メールなどによる方法が認められている。

建築積算は、ひとりの担当者がすべてをおこなうことが一般的である。

積算者は設計図書を受け取ると、その場でまず図面の種類や仕様書の有無をチェックする。

積算者が内訳書の単価などを記入するときに、参考として専門工事の業者から見積を徴収すること を下見積の徴収という。

積算者が設計図書を受領する時に、見積要項書が添付されていることが多い。

積算者は、図面の誤りや不明なか所がある場合は、経験から独自に判断し、設計者へ質問すること はない。

単価は、建築数量積算基準において標準的な金額を定めている。

工事価格は、直接工事費をベースにするが、現場管理費や一般管理費などの経費は計上しない。

建築積算をおこなうときは平面図が重要であり、基本となる。

受注者が事前に建築物を建てる施工現場の現地で説明する事を現説という。

建築積算の場合、標準仕様書（または共通仕様書）は優先順位がもっとも低いが、広範囲に基本的 な事項が整理されており、大変重要な役割を果たす。

架構詳細図は、柱と梁の形状、仕口、配筋などの詳細が描かれている。

設備図には、空調・換気設備図、給排水衛生設備図、電気設備図、昇降機設備図などがある。

仕様書には、設計図が記載されている。

構造図の基礎伏図では、基礎梁には記号（ＦＧ）と番号で基礎梁名が付けられている。

設計図は、大別して、意匠図、構造図、設備図の３種類があり、それぞれ専門の技術者が責任を持 って作成するので図面間の整合性を図る必要はない。

一般に配置図は、意匠図には含まれていない。

一般に建具は、建具の種類を記号で表し、この記号に通し番号をつけて特定することが多い。

純工事費とは、直接工事費に共通仮設費を加えたものである。

現場事務所や仮囲いは、共通仮設費として処理される。

工事費の基本的な構成は、一般に各社独自の考え方で策定されており、建築業界として決められた ものはない。

現場管理費には、本社で必要となる経費も含まれている。

一般に、直接工事費を１００％とすると、積み重ねによって工事費は１３７.２％程度になる。

工事費に利益を含めてはならない。

工事費の計算やまとめ方が会社や担当者ごとに違っていると、工事費に対する判断や評価がむずか しくなる。

直接工事費の設備工事費は、電気工事、衛生工事、空調工事、昇降機工事など、建築工事と同様に 内訳書を作成して計算される。

直接工事費は、建築工事、設備工事、屋外施設等などに分けて計算される。

仮設工事費は、共通仮設費としてすべて処理される。

建築工事の場合、値入とは数量に単価をかけあわせることをいう。

工事機械などを専門業者からリースやレンタルで借りる場合は、賃料という。

建築工事における単価の種類は、1種類である。

複合単価は、部分別コストを求めるときに使われることが多い。

計画数量は、仮設工事や土工事などで発生し、施工計画に基づいて計測される。

所要数量は、一般的に建築物が完成したときの正味の数量よりも多くなる。

建築数量基準における数量には、設計数量、施工数量、所要数量の3種類がある。

建築積算では、ｍ、㎡、㎥、ｔ以外の単位を使うことはない。

所要数量の代表的なものとしては、鉄筋、鉄骨、木材などの材料数量がある。

材工共とは、材料と労務が一緒になっていることをいう。

「建築工事内訳書標準書式」に工種別、部分別及び改修の3つの標準書式が定められている。

建築工事の工種別内訳書は、民間工事には使われない書式である。

建築工事の工種別内訳書は、発注者や設計者にも使われている。

施工者にとっては部分別内訳書が便利であり、工種別内訳書はあまり利用が進んでいない。

内訳書の書式は、発注者から指示があればそれに従わなければならない。

内訳書は、対象となる設計図書に対する工事原価の算出資料となる。

内訳書に計上する細目数量は、すべて整数とする。

鉄骨鋼材の材料数量は、設計数量とする。

仕上の内訳書は、外部と内部に分けて作成する必要はない。

直接仮設で仮設計画図に基づいて数量を算出し計上する場合は、「計画数量」となる。

建築数量積算基準では、内訳書の細目数量が100以上の場合、小数点以下を四捨五入して整数とする。

建築数量積算基準の建築数量は、原則として「所要数量」である。

建築数量積算基準は、すべての建物に適用されている。

建築産業は、建築数量の計測方法や内訳書に記載する内容について基準や標準が定められている。

建築積算をおこなう人は、共有・共用している建築数量積算基準を身につけることが必要である。

建築数量積算基準には、見積要項書の書式も定められている。

現在の建築数量積算基準は、木造の建築物も対象となっている。

建築数量積算基準がない時代は、同じ建物、同じ設計図であっても積算担当者によって建築数量が 違っていた。

建築数量積算基準による⾧さ、面積、体積および質量の単位は、原則としてそれぞれ、ｍ、㎡、㎥ およびkgとする。

工事費は、一般的に数量とその単価との積の和として求められる。

現在、公共発注者は各々異なった建築数量積算基準を定めている。

建築数量積算基準は、建築積算に携わる人にとっては、第一に学ばなければならない大切な知識で ある。

建築数量積算基準は、工事費を求める数量について計測・計算ルールを定めたものである。

建築数量積算基準は、数量の計測・計算の方法を定めたもので、計測・計算の略算法はおこなわな いこととしている。

建築積算は、自由に内訳書に計上すべきである。

建築数量積算基準では、物差しによって読み取った寸法は設計寸法として認められていない。

建築数量積算基準では、数量の端数処理を原則として四捨五入としている。

建築数量積算基準による計測寸法の単位は、ｍとし、252ｍｍは、0.25ｍとする。

建築数量積算基準では、設計図には必要な寸法がすべて記載されていなければ、計測・計算ができ ない。

建築積算をおこなう人は、まず、建築数量の計測方法や内訳書に記載するお金の内容などの基準や 標準を理解し活用する能力を身につけることが必要である。