不動産の鑑定評価においては、不動産の地域性並びに有形的利用及び権利関係の態様に応じた分析を行う必要があり、その地域の特性等に基づく不動産の種類ごとに検討することが重要である。

不動産の種別及び類型の二面から成る複合的な不動産の概念を示すもの。

不動産の種別及び類型が不動産の経済価値を本質的に決定づけるものであるから、この両面の分析をまって初めて精度の高い不動産の鑑定評価が可能となるものである。

不動産の用途に関して区分される不動産の分類

不動産の有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類

地域の種別、土地の種別

宅地地域、林地地域、農地地域

居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域

住宅地域、商業地域、工業地域

優良住宅地域、準優良住宅地域、普通住宅地域、農家集落住宅地域

農地地域から宅地地域へ転換しつつある地域のうちにある土地。

高度商業地域、準高度商業地域、普通商業地域、近隣商業地域、郊外路線商業地域

一般高度商業地域、業務高度商業地域、複合高度商業地域

農業生産活動のうち耕作の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域

林業生産活動のうち木竹又は特用林産物の生育の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域。

宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域。

宅地地域、農地地域等のうちにあって、細分されたある種別の地域から、その地域の他の細分された地域へと移行しつつある地域。

宅地、農地、林地、見込地、移行地

宅地地域のうちにある土地

住宅地、商業地、工業地。住宅地とは住宅地域のうちにある土地をいい、商業地とは商業地域のうちにある土地をいい、工業地とは工業地域のうちにある土地をい う。

農地地域のうちにある土地

林地地域のうちにある土地（立木竹を除く。）

宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地。

宅地地域、農地地域等のうちにあって、細分されたある種別の地域から他の種別の地域へと移行しつつある地域のうちにある土地

宅地の類型、建物およびその敷地の類型

更地、建付地、借地権、底地、区分地上権

建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地

建物等の用に供されている敷地で建物等及びその敷地が同一の所有者に属している宅地

更地は買い手による最有効使用が期待できるため最有効使用を前提とした価格を求める。一方、建付地は使用方法が現況建物によって制約されているため、現況の建物等の使用を前提とした価格を求める。

建付地の価格を求める際に、現況の建物利用が当該宅地の最有効使用に合致しない場合に発生する減価。

借地借家法（廃止前の借地法を含む。）に基づく借地権（建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権）。

１契約期間や更新期間の最低存続期間を定める ２更新可能性を保護 ３売却可能性の保護

宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権。

工作物を所有するため、地下又は空間に上下の範囲を定めて設定された地上権。

自用の建物及びその敷地、貸家及びその敷地、借地権付き建物、区分所有建物及びその敷地

建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であり、その所有者による使用収益を制約する権利の付着していない場合における当該建物及びその敷地

建物所有者とその敷地の所有者とが同一人であるが、建物が賃貸借に供されている場合における当該建物及びその敷地

継続使用を前提とする需要者、更地化を前提とする需要者

投資家（賃料を生み出す収益物件として）

借地権を権原とする建物が存する場合における当該建物及び借地権

自用の場合、貸家の場合

建物の区分所有等に関する法律第２条第３項に規定する専有部分並びに当該専有部分に係る同条第４項に規定する共用部分の共有持分及び同条第６項に規定する敷地利用権

構造上区分され、独立の用途に供することのできる部分

玄関、廊下等区分所有者全員が使用可能な部分

建物を所有するのに必要な所有権、借地権等

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