投資者及び企業双方にとって意義を有する価値は正味の債権又は債務の時価に求められると考えられるためである。

デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務の時価の変動は、企業にとっての財務活動の成果であると考えられるためである。

デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務については、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は、原則として、当期の損益として処理する。

ヘッジ会計を適用することで、ヘッジ対象及びヘッジ手段に係る損益を期間的に合理的に対応させ、ヘッジ対象の相場変動等による損失の可能性がヘッジ手段によってカバーされているという経済的実態を財務諸表に反映させるためである。

繰延ヘッジとは、時価評価されているヘッジ手段に係る損益又は評価差額を、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰り延べる方法である。

外貨建売買目的有価証券に関する換算は、その円貨額による時価評価額を求める過程で行われるため、外国通貨による時価を決算時の為替相場により円換算した額を付す。

外貨建金銭債権債務は、外貨額では時価の変動リスクを負わないため、時価評価の対象とはならないが、円貨額では為替相場の変動リスクを負っていることから、決算時の為替相場により換算する。

減価償却方法の変更は、計画的・規則的な償却方法の中での変更であることから、その変更は会計方針の変更ではあるものの、その変更の場面においては固定資産に関する経済的便益の消費パターンに関する見積りの変更を伴うものと考えられるためである。

●当期純利益🟰株主資本 ●包括利益　🟰純資産

包括利益の表示の導入は、包括利益を企業活動に関する最も重要な指標として位置付けることを意味するものではなく、当期純利益に関する情報と併せて利用することにより、企業活動の成果についての情報の全体的な有用性を高めることを目的とするものである。

将来の期間に影響する特定の費用は、適正な期間損益計算の見地から、効果の発現及び収益との対応関係を重視して繰延経理される。

引当金は、未費消・未支出の費用を当期に見越計上したものであるのに対して、繰延資産は、既費消・既支出の費用を次期以降に繰延経理したものであるという点で相違する。

企業会計上継続性が保持されることは、経営者の利益操作を排除し、財務諸表の比較可能性を確保することに繋がり、真実性の原則が求めている真実な報告、すなわち、相対的真実性が確保されることとなるためである。

プロスペクティブ方式

修繕引当金は、財貨または用役の価値費消原因事実の発生に基づいて計上される項目であるのに対して、減価償却累計額は、財貨または用役の価値費消事実の発生に基づいて計上される項目である。

会計方針の変更を行なった場合に過去の財務諸表に対して新しい会計方針を遡及適用することによって、財務諸表全般について比較可能性が高まるものと考えられ、また、情報の有用性が高まることと期待されるためである。

会計上の見積の変更は、新しい情報によってもたらされるものとの認識から過去に遡って処理せず、その影響は将来に向けて認識するという考え方がとられているためである。

貸倒引当金は将来の収入減少額を基礎に測定されるのに対し、減価償却累計額は、過去の支出額を基礎に測定される。

資産除去債務は、有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものであり、当該有形固定資産の除去サービスに係る支払いが不可避的に生じ、実質的に支払い義務を負うことになることから、負債性が認められる。

引当金処理の場合には、有形固定資産の除去に必要な金額が、貸借対照表に計上されないことから、資産除去債務の負債計上が不十分となる。

資産負債の両建処理は、資産除去債務の全額を負債として計上するとともに、これに対応する除去費用を有形固定資産の取得原価に含めることで、当該除去費用が当該有形固定資産の使用に応じて各期間に費用配分されるため、資産負債の両建処理は、引当金処理を包摂するものといえる。

①企業価値　②投資家　③将来キャッシュフロー　④企業成果　⑤意思決定有用性　⑥不確実な成果　⑦内的整合性　⑧比較可能性

①時系列　②企業間　③特定期間の末日　④リスクから解放

①計上　②貨幣額　③一方の履行　④価値の変動

事業投資は売却することに事業遂行上の制約があり、企業が事業の遂行を通じて成果を得ることを目的とした投資である。

金融投資は、売却することに事業遂行上の制約がなく、公正価値の変動によって利益を獲得することを目的とした投資である。

事業のリスクに拘束されない独立の資産を獲得したとみなすことのできる事実をもってリスクからの解放されたものとする。

事業の目的に拘束されず、保有資産の値上りを期待した金融投資に生じる価値の変動事実をもってリスクから解放されたものとする。

事業投資は、キャッシュフローの獲得に基づいて損益認識を行うため、取得原価により評価される。

金融投資は、時価の変動に基づいて損益認識を行うため、時価によって評価される。

資産を経済的資源、負債を経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務又はその同等物と見る資産・負債概念に立てば、当該資産・負債から生じるであろうキャッシュフローを現在価値に割引いた額をもって評価することで、資産・負債の本質と評価が会計理論的に一貫したものとなると考えられるためである。

割引現価主義は主として客観性と実行可能性の観点から次のような問題点がある。 ①将来キャッシュフローの予測に著しい不確実性がある。 ②割引率の適切な選択は不可能に近い。

①財貨・役務の引渡し・提供 ②対価としての貨幣性資産の受領

工事進行基準を採用した場合には、企業努力に対する成果が工事の完成・引渡し前の会計期間においても計上されるため、費用と収益の適正な期間的対応が図られ、業績評価の面で優れているためである。

修繕は、実際に修繕を行わなければ支払義務がなくなり、経営者の判断で回避することが可能であるためである。

従業員等に付与されたストック・オプションを対価として、これと引き換えに企業に追加的サービスが提供され、企業に帰属することとなったサービスを消費したと考えられるため、費用認識を行うべきである。

①ストック・オプションの付与によっても、新旧株主間で富の移転が生じるに過ぎないため、現行の会計処理の枠組みの中では得に会計処理を行うべきでない。, ②ストック・オプションを付与しても、企業には現金その他の会社財産の流出が生じないため、費用認識を行うべきでない。

企業に帰属したサービスを貸借対照表に計上しないのは、単にサービスの性質上、貯蔵性がなく取得と同時に消費されてしまうからである。

ストック・オプションが行使されないまま失効すれば、結果として会社は株式を時価未満で引き渡す義務を免れることになり、無償で提供されたサービスを消費したと考えることができるためである。

新株予約権は、将来、権利行使され払込資本になる可能性がある一方で失効して払込資本とはならない可能性もある。このように発行者側の新株予約権は、権利行使の有無が確定するまでの間、その性格が確定しないため。

真実性の原則における真実とは、絶対的真実性ではなく相対的真実性である。 なぜなら今日の財務諸表は、記録された事実、会計上の慣習、個人的判断の総合的表現であるため。

継続性の原則は、一つの会計事実について、二つ以上の会計処理の原則又は手続きの選択適用が認められている場合に適用される。

継続性の原則は、経営者の利益操作を排除し、財務諸表の期間比較性を確保するために必要。

費用配分の原則は、費用の測定原則であるとともに資産の評価原則でもある。

企業会計上継続性が保持されることは、経営者の利益操作を排除し、財務諸表の期間比較性を確保することに繋がり真実性の原則が求めている真実な報告、すなわち、相対的真実性が確保されることとなるためである。

減価償却方法の変更は、計画的・規則的な償却方法の中での変更であるから、その変更は会計方針の変更ではあるもののその変更の場面においては固定資産に関する経済的便益の消費パターンに関する見積りの変更を伴うものと考えられるためである。

金融資産の特性とは、一般的に市場が存在すること等により客観的な価額として時価を算定できるとともに、当該価額により決済・換金等を行うことが可能であるという点にある。

時価評価の必要性とは、時価による自由な換金・決算等が可能な金融資産については、投資情報としても、企業の財務認識としても、さらに、国際的調和化の観点からもこれを時価評価し、適切に財務諸表に反映させることが必要であると考えられる。

保有目的等を全く考慮せずに時価評価を行うことは、必ずしも、企業の財政状態及び経営成績を適切に財務諸表に反映させることにはならないためである。

「基準」では、現存の存在が相当程度確実な場合に限って減損損失を認識及び測定することとしているため、減損損失の戻入れは行われない。

帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とする。 　回収可能価額とは、売却における回収額である正味売却価格と使用による回収額である使用価値のいずれか高い金額をいう。

兆候, 割引前

減損損失の測定は、将来キャッシュフローの見積もりに大きく依存する。 将来キャッシュフローが約定されている場合の金融資産とは異なり、成果の不確実な事業用資産の減損は、測定が主観的にならざるを得ないためである。

減損処理は、金融商品に適用されている時価評価とは異なり、資産価値の変動によって利益を測定することや、決算日における資産価値を貸借対照表に表示することを目的とするのではなく、取得原価基準の下で行われる帳簿価額の臨時的な減額である。

財務構成要素アプローチは、金融資産を構成する財務的要素（財務構成要素）に対する支配が他に移転した場合に、当該移転した財務構成要素の消滅を認識し、留保される財務構成要素の存続を認識する方法である。

①権利を行使②権利を喪失③権利に対する支配が他に移転④義務を履行⑤義務が消滅⑥第一次債務者の地位から免責

金融資産又は金融負債自体を対象とする取引については、当該取引の契約時から当該金融資産又は金融負債の時価の変動リスクや契約の相手方の財政状態等に基づく信用リスクが契約当事者に生じるため、契約締結時においてその発生を認識するのである。

収益認識基準の基本となる原則は、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するように収益を認識すること。

拠出資本

維持拘束性及び処分可能性の観点

期首自己資本

関連会社株式については、他企業への影響力の行使を目的として保有する株式であることから、子会社株式の場合と同じく事実上の事業投資と同様の会計処理を行うことが適当であるため、取得原価を持って貸借対照表価額とする。

払出数量を把握でき、ひいては売上原価を正確に算定できる, 実地棚卸を併用することによって、棚卸減耗を把握することができる, 記録・計算等の事務に手数がかかる, 実地棚卸を行わないと実際の期末数量が把握できない

物的流れに即応した払出額計算ができる, 在庫の金額に直近の市場価格が反映される, 損益計算上古い原価が新しい収益に対応されるため、費用収益の同一価格水準的対応が図られず、価格変動時には保有損益が計上されることになる

実現可能概念

金銭債務は、一般的には市場がないか社債のように市場があっても自己の発行した社債を時価により自由に清算するには事業遂行上等の制約があると考えられるので、時価評価を行わないこととした。

記録・計算等の事務に手数がかからない, 実際の期末数量を把握することができる, 棚卸減耗が払出数量に混入するため、売上原価を正確に算定できない, 棚卸減耗を把握することができない

減価償却の償却基準とは、期間（耐用年数）と生産高（利用高）の2つがある。

①棚卸資産 棚卸資産は販売又は費消による価値の減少を財貨を媒介とした数量の減少により把握することができることから、物量的な費用化となる。, ②有形固定資産 有形固定資産は利用又は時の経過による価値の減少を、財貨を媒介とした数量の減少により把握することができないことから、価値的な費用化となる。

①固定資産の流動化 固定資産取得のために投下され固定化されていた資金が、減価償却の手続きにより再び貨幣性資産として回収され流動化されたことを意味する。 ②自己金融（資金留保効果） 減価償却費は支出を伴わない費用であるので、資金的には当該金額だけ企業内に留保され、取替資金の蓄積が行われることを意味する。

減価償却の最も重要な目的は、適正な費用配分を行うことによって、毎期の損益計算を正確ならしめることである。

①均等額, ②期首未償却残高, ③一定率

生産又は用役の提供の度合, 収益と費用の対応が合理的

定額法は計算が簡便であり、毎期同額の減価償却費を計上することになるので、安定した取得原価の期間配分を行うことができる

使用経過につれて維持修繕費が逓増する場合には、耐用年数の後半になって費用負担が増大する

定率法は耐用年数の初期に多額の減価償却費を計上することになるので、投下資本を早期に回収でき、また、維持修繕費が逓増する耐用期間の後半には減価償却費が減少し、毎期の費用負担を平準化することができる。

償却費が急激に減少するため、取得原価の期間配分という点では必ずしも合理的とはいえない。

減耗償却は減耗性資産の物量的な減少に着目して行われるものであるのに対して、減価償却は有形固定資産の価値的な減少に着目して行われるものである。

取替法は取替に要した支出額をその期の費用とする方法であるのに対して、減価償却は過去に支出した取得原価を、各会計期間に費用として配分する方法である。

製品マスターは、それ自体が販売の対象ではない。, 製品マスターは、機械装置等と同様にこれを利用（複写）して製品を作成する。, 製品マスターは、法的権利（著作権）を、有している。, 製品マスターは、適正な原価計算により取得原価を明確化できる。

最初に製品化した製品マスターが完成したとき

ソフトウェア制作費は、その制作目的により、将来の収益との対応関係が異なること等から、取得形態別ではなく、制作目的別に会計処理をするのである。

ファイナンス・リース取引は、リース取引の借手によるリース物件の割賦購入又は借入資金によるリース物件の購入取引と見ることができ、その経済的実態が売買取引と考えられるため、売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。

引当金を計上するのは、収益と費用を対応させ、期間損益計算の適正化を図るためであり、発生主義の原則をその計上根拠とする

①株主交付費は株主との資本取引に伴って発生するものであるが、その対価は株主に支払われるものではないこと, ②株主交付費は社債発行費と同様、資金調達を行うために要する支出額であり、財務費用としての性格が強いと考えられること, ③資金調達に要する費用を会社の業績に反映させることが投資者に有用な情報を提供することになると考えられること

①会社法においては、新株の発行と自己株式の処分の募集手続は募集株式の発行等として同一の手続によることとされていること, ②株式の交付を伴う資金調達などの財務活動に要する費用としての性格は同じであること

棚卸資産の評価損は、期末の在庫商品について発生する。したがって、当該費用が当期の売上高と具体的な財とを媒介として対応する、すなわち個別的に対応することはあり得ないことから、費用収益の個別的対応が破壊された事を意味する。

棚卸資産の評価損は、一定の在庫を抱えて営業活動を行う企業にとって、不可避的に発生するものと考えられる。このため当該評価損が当期の売上獲得に無関係であるとはいえず、売上原価の算入根拠となる。このように考えれば、棚卸資産の評価損と売上高は、期間的対応関係にあるといえる。